ESSM Evolved Sea Sparrow Missileの頭文字を取った造語
 日本語に訳せば発展型シー・スパロー・ミサイル


解説                             総合索引

 シー・スパロー・ミサイルの後継として開発された、中距離セミ・アクティブ・レーダー誘導の艦対空ミサイル。制式名称はRIM-162 ESSM(Evolved Sea Sparrow Missile)

 
イージス艦によるエリア・ディフェンス(艦隊防空)を突破して、飛来する航空機、対艦ミサイルなどを迎撃する。
Copyright
(c)2002 Weapons School  All rights reserved.
 ESSMは、西側海軍で使用されるシー・スパロー・ミサイルでは対応が困難な、海面スレスレを飛来する、超音速対艦ミサイル等を迎撃するため米国、オランダ、ドイツ、スペインなどのNATO(北大西洋条約機構)諸国が共同で、1992年に開発を始め、2004年から全規模量産を開始した。日本でも「たかなみ」「ひゅうが」型などの新型護衛艦に採用されている。

 ESSMはミサイル前部は、シー・スパローを改良して使用しているが、機動性改善のため、シー・スパローでは弾体中央部に装着されていた操舵翼を尾部に移動させた。また、ロケット・モーターの大型化により、最大速度はマッハ3以上、最大50Gの旋回も可能な高い運動性能を有する。最大射程は公表されていないが、20km以上と推測する。
Copyright (c)2002 Weapons School  All rights reserved.
 誘導の最終段階は、艦艇からのレーダー波照射によるセミ・アクティブ・レーダー誘導だが、中間段階では、データ・リンクによる自律飛行も可能で、複数の目標に同時対処可能となった。また、シー・スパローでは30秒の発射準備時間を必要としたが、ESSMでは即時発射可能となり、即応性が大幅に改善された。
Copyright (c)2002 Weapons School  All rights reserved.
 構造は大きく4つに区分される。先端はレーダー波シーカーなどを内蔵する誘導部分となっており、直径は20.3cmである。後方の弾頭部分はシー・スパローRIM-7Pの弾頭を改良している。

 後部のロケット・モーターの直径は25.4cmと大型化しており、レーザー点火装置を採用したMk134固体推進剤ロケット・モーターを内蔵している。推進剤は2層になっており、発射機から打ち出す際には低排煙推進剤により、艦載光学センサー類に悪影響を与えないように配慮されている。加速用には、アルミニウムを添加した推進剤により推力を増加させている。外部には機軸に沿って細長い安定翼が取り付けられている。

 ロケット・モーター後方は飛行制御部分となっており、外部に操舵翼を装着する。
 VLS(垂直発射装置)用は、最後部に推力偏向ノズルを装着、発射後ミサイルを目標方向に向けると投棄される。

 ESSMはシー・スパロー・ミサイル用の旋回式Mk29発射装置、Mk48VLS(垂直発射装置)の他、イージス艦に搭載されるMk41VLSにも1セル当たり4発収納可能だ。

 ESSMには火器管制装置、発射装置により4つのタイプがある。

名 称 RIM-162A RIM-162B RIM-162C RIM-162D
特 徴 イージス艦(Baseline6以降)のMk41VLS用
双方向データ・リンク機能を持つ
RIM-162Aをベースとしてアップ・リンクのみ RIM-162Bをベースとした、Mk48VLS用 RIM-162Bをベースとした、Mk29発射機用

 この他、誘導部分などの直径を、ロケット・モーター部分と同一とし、アクティブ・レーダー・シーカを追加した、Block 2も開発中で2020年に初期運用能力獲得を予定している。

                                                                     2016年11月13日改訂


性能・諸元

全長:3.64m
弾体直径:0.25m
射程:20km以上(推定)
重量:282kg
誘導方式:中間誘導:慣性誘導+データ・リンク
       終末誘導:セミ・アクティブ・レーダー・ホーミング
速度:マッハ3以上
メーカー:レイセオン社他


参考文献

2015 Armament Systems Forum State of Surface Ship Weapons CAPT Mike Ladner USN PEO IWS 3.0 21 Apr 2015
ATK Tactical systems社ホームページ
ESSM enters full-rate production as industry considers future growth JANE'S INTERNATIONAL DEFENCE REVIEW  June 2004
Jane's Naval Weapon Systems  Jane's Information Group
Navies face choice questions for defence of surface combatants  Joris Janssen Lok and Richard Scott  JANE'S INTERNATIONAL DEFENCE REVIEW  February 2005
Raytheon社ホームページ
THE NAVAL INSTITUTE GUIDE TO WORLD NAVAL WEAPON SYSTEMS FIFTH EDITION NORMAN FRIEDMAN
U.S Navy Fact File

Sea トップページへ

Top     Aerospace  Land      Others

 Copyright (c)2002-2010  Weapons School  All rights reserved.