AMRAAMアムラームと読む。Advanced Medium Range Air to Air Missile の頭文字を取った略語。日本語に訳せば先進 中距離 空対空ミサイル。


解説                                      総合索引

 米空軍・海軍により共同開発された、次世代 中距離 空対空アクティブ・レーダー・ホーミング・ミサイル。制式名称AIM−120 Advanced Medium Range Air to Air Missile(AMRAAM)。スパローの射程と全天候性、サイドワインダーの撃ちっ放し・格闘戦能力を併せ持つ信頼性の高いミサイル。現在、視界外 空対空戦闘に最も多く使用される。Copyright (c)2002-08 Weapons School All rights reserved.
 AMRAAMはスパローに替わる、中距離 空対空ミサイルとして1975年に開発が開始された。要求された技術レベルの高さから、開発期間は長引き、実戦部隊への引渡しが開始されたのは、湾岸戦争終了間際の1991年であった。

  構造は、4つの部分から構成されている。先端はセラミック製のレドームと、アクティブ・レーダー・シーカー、IRU(慣性基準装置)などの誘導部分、その後方には近接信管付、指向性爆風・破片炸薬を内蔵する弾頭部分。この後方に、無煙化された固体推進薬、高インパルス・ロケットモータ−がある。最後部に飛行制御部分とノズルがあり、外側には三角形の操舵翼が取り付けられる。
 
航法、オートパイロット、レーダー、信管や自己診断装置まで全てマイクロプロセッサ−により制御される。A型ではメモリー交換により、改良していたが、B型以降、プログラムの書替えのみで、改良を行なえる様になった。Copyright (c)2002-08 Weapons School All rights reserved.

 AMRAAMには、近接戦闘、視界外戦闘、電波妨害に対応する戦闘モードが設定されている。
 
近接戦闘ではAMRAAM自身のレーダーで目標を補足する。視界外戦闘の場合は、母機のレーダーから目標情報を受け取り、目標の未来位置に向けて発射され、IRUにより誘導される。途中、母機のレーダーから最新の目標情報を受け取り、必要があれば飛行経路を変更する。目標に接近すると、自身のレーダーを作動させて目標を追尾、破壊する。目標が電波妨害をおこなっている場合には、電波源にホーミングすることも可能。また、アクティブ・レーダー誘導方式であるため、発射後、母機はレーダー照射をおこなう必要はなく、敵ミサイルを避けるため回避行動や、別の目標を攻撃することも可能で、戦術上の柔軟性を高めている。
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外観はスパローに似ている。しかし、重量がスパローの3分の2以下になったことで、スパロー用のランチャーはもちろん、サイドワインダー用のランチャーにも装着可能となった。F−16Cではスパロー4発に対して、AMRAAM6発が搭載可能に、F/A−18Cではスパロー4発に対してAMRAAM10発、F/A−18Eでは12発と搭載可能な中距離 空対空ミサイルが増え、視界外戦闘能力も格段に向上した。

AMRAAMの代表的なタイプには以下の通り。

タイプ AIM−120A AIM−120B AIM−120C AIM−120D
シーカー アクティブ・モノパルス 新型シーカー
弾頭 指向性爆風・破片炸薬 新型弾頭
備考 プログラム改良にはハードウエア変更が必要

生産終了

ソフトウエアの変更でプログラム改良可能に

誘導装置改善

生産終了

F−22の胴体内弾倉に搭載するため、翼幅を減少

ロケット・モーター延長

生産中

GPS追加

双方向データ・リンク

ソフトウエア改善により運動エネルギー向上

開発中

 AMRAAMは、米国のほかイギリス・カナダなど33ヶ国以上で採用され、生産数は1万6千発を超える。F−15・F−16・F/A−18・F−22・シーハリアー・トーネイド・ユーロファイターやJA−39グリペン等にも搭載可能だ。日本では実戦配備はされていないが、飛行教導隊に評価用として少数を購入している。Copyright (c)2002-08 Weapons School All rights reserved.

 様々な派生型も開発中で、AMRAAMをベースとして、2段式にした弾道ミサイル迎撃用NCADEミサイルのほか、ラムジェットを使用したJDRADM(Joint Dual-Role Air Dominance Missile:統合両用航空支配ミサイル)も計画されている。
 
またHMMWV(高機動多目的装輪車)にAMRAAMランチャーを搭載したSL-AMRAAM(Surface-Launch AMRAAM:地上発射型AMRAAM)なども開発されており、空対空だけでなく、地対空ミサイルとしても活躍の場を広げつつある。

                                         2008年8月11日改訂


性能・諸元 AIM-120C-7

全長:3.65m
翼幅:0.45m
弾体直径:0.18m
射程:50km以上(推定値)
重量:161.5kg
弾頭重量:20.5kg指向性爆風・破片炸薬
誘導方式:アクティブ・レーダー・ホーミング(終末)+慣性・指令誘導(中間)
速度:マッハ4以上(推定値)
価格:約4600万円。
メーカー:レイセオン社他


参考文献

図解エアパワー最前線上・下 原書房 著者:アンソニー・ソーンボロ 監訳者:松崎豊一
トム・クランシーの戦闘航空団解剖 トムクランシー 平賀秀明訳 新潮社
Jane's Air-Lunched Weapons Issue Forty-nine Jane's Information Groups
Raytheon社ホームページ
Raytheon $412 Million AMRAAM Contract Enables Warfighters to Maintain Air S
uperiority  Raytheon News release Aug.4.2008
U.S. Air Force Fact Sheet

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