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2001年宇宙の旅 2001: A Space Odyssey

2001
1968年 米
監督:スタンリー・キューブリック
出演:ケア・デュリア ゲイリー・ロックウッド
アカ デミー特撮効果賞

 モノリスの謎をめぐる神秘的なテーマのSF。原作と全く異なる内容となった。このラストは「謎」と多くの暗示を残し、傑作である。た不安と恐怖でラストを閉じた他の作品と比べ、希望と力を感じさせという意味では、矛盾した言い方ではあるが、キューブリックらしくはないが、私は最もキューブリックの本質を示したラストシーンと思っている。

台詞も少なく、説明もなく、イメージだけで伝えようとした作品はこれだけだった。シーンごとのつながりの意味がわかるまで確かに退屈であった。この映画は最もキューブリックらしくない映画です。

「木星と無限の彼方」を見ながら、30年前のCG技術のすばらしさに圧倒される。言葉で感想を書くことはできない。最後に言いしれぬ感動がわき上がる。

ヨハン・シュトラウス「美しく青きドナウ」がもっとも似合う映画です。美しいだけでなく、力強く深淵な曲だと実感します。

始めて見た時は理解できなかったが、すごく感動した。クラシック音楽も見事にマッチしている。

「2001年宇宙の旅」

『2001』があなたの感情を刺激し、潜在意識に訴えかけ、
神話的なものへの興味をかき立てたなら、映画は成功したと言える。

スタンリー・キューブリック(1968)

『2001』は厚かましいくらい曖昧な映画だった。同じフィルムのおしまいに、絶望と救済が同居してるみたいだった。耐え難いほど退屈な一方で、総毛立つようなスリルがあった。
性的な匂いもなく、無感動で、冷たい。そうかと思うと、おびただしい色彩に埋ずもれ、めくるめく映像と機械的なエロティシズムを放ち、妙に感覚に訴える。これといった動きはないのに、すさまじい出来事に満たされてもいた。
(しかしどういう出来事が起こっているのか、誰も正確に説明することはできない。)

(未来映画術から引用)

秘められた謎こそがこの映画の魅力である。

 私はこんな風に感じています。それは数千万うちのひとつの見方にすぎないけど。
「2001年宇宙の旅」はわかりにくいというメールを頂くことが多いです。私も「2001年宇宙の旅」は理解できないことが沢山あります。

 私は初めて見たとき全然理解できなかったのですが、でもすごく感動したんです。その感動の意味もつかめなかったし、今もはっきりわからない面があるのですが、最初の宇宙シーン、映像にぐっと魂をつかまれました。猿の登場する場面、ここは少々退屈でした。このシーンは、人間の起源と宇宙の意志を示した大事な場面だと思います。

 モノリスという石碑は400万年前から月に埋められていて、木星に電波を放出し続け、その磁力は減ることがないのですよね。それは自然現象で埋められたものではなく、人為的に埋められたものである。一体誰が埋めたのか? これが最大の謎。地球外生命体? いったいどんな?

 人間や宇宙が単なる自然現象から発生したという考え方には、私には納得し難い点があります。私はこの映画から、人間にも宇宙にもちゃんと意志があり、偶然の産物ではない。人間は大いなる意志に守られている。決して人間は孤独ではないんだよと言っているように受け取りました。この見方は大変変わった感じ方かもしれません。その大いなる意志を「神」と見るか、地球外生命体と見るかは見る人によるんでしょう。

 最後の胎児は、永遠の生命を暗示していると思います。小説を読めば、これが何を意味するかはわかりますが、キューブリック監督はそのように描いたとは思いません。原作と映画は全く別物と考えた方がいいでしょう。この場面では、私はすごくうれしかったんですが、こわいと思ったという方もいました。見方を変えるとこわくも思えるでしょう。ただそういう見方をすると、感動がないのです。

好きな場面や気になることを書きだしてみました。

1.「人類の夜明け」この章が意味するもの。
猿は動物と共に草を食べていたのが、群を形成し、家族を作り、群と群が戦い、肉食している。突然現れる石碑、大騒ぎする猿。石碑からインスピレーションを受けて、猿は絶滅しない道具を発見する。それは動物の骨だ。動物を殺し肉を食べ飢えを癒やす。他の動物は滅びる。骨は猿が生き残るための重要な道具でした。猿が動物の骨をうちくだいて、放り上げた骨が宇宙船の形になって未来に切り替わるのは印象的です。
骨の形をした宇宙船は、地球崩壊後も人間を救う道具となり得るんでしょうか。地球が崩壊するということは映画にも小説にも全く描かれていませんが、私はそんな背景を感じました。
 キューブリック監督は、地球の未来に対し悲観的です。しかし、「博士の異常な愛情」などの他の作品と違うのは、最後にスターチャイルド(小説ではこう呼ばれています)を浮かび上がらせ、力強い救済の予感、人間肯定のメッセージを残しました。

2.木星と無限の彼方にあるもの。
すばらしい映像と抽象的な映像、無限の果ての世界でモノリスの石碑に見える生命体の映像、何を感じますか?私は生命を生み出したもの、生命の根源、と思いましたが。
3.意志を持つコンピュータ「ハル」によって何を言おうとしているのか。

人間の瞳と同じ目を持つハルとは何なのか。
ハルによって象徴されるもの。ハルと人間のかかわり方。

4.SFXのすばらしさ。
未熟ながらCGを始めてこういう映像に深く感動します。

5.衣裳
ほとんど装飾のない機能的な形、白などの基本色、だから昔の映画と感じないのですね。

6.宇宙船の構造。
コンピュータ研究者からも「興味深い。」というメールを頂きました。なお、アーサー・クラーク氏の小説は、多くの技術者が愛読し、参考にしていたそうです。

7.最後の部屋は一体どこなのか。
宇宙的生命体の住まいでしょう。小説で少し理解できるはずです。

8.キューブリックの神に対する認識ですが、当然、信仰は持たないと思う。
しかし、信仰を持たない人も、信仰を持たず興味もないという人、信仰は持たないが、「神」の存在を模索、または無意識に思考してしまう人に分かれると思う。私も信仰を持たない。でも、人類の起源、本質に思いを馳せる時、「神」の存在、信仰を無視することはできない。人間の持つ本性から、特に「悪意」をあぶり出すキューブリック映画は、ぞっとするとともに、共感せざるを得ないのです。

 大半の作品では限りない絶望と恐怖のうちにラストシーンを終える。全く救いも希望もない。それは人類の宿命なのか。監督の悲観主義を感じるが、そのクールな視点から精神的ダメージは受けない。それは冷徹な手法に強い愛が隠されているせいだろう。彼は限りなく、現代の科学志向に疑問を抱き、暗い未来を思い描いている。でも、誰しも希望を抱きたいと同じく、彼も別な意味で「希望」を求めている。

他にも謎はたくさんあります。
感想を書きにくいというのは、わからないからだけでなく、自分のすべてを書くことになるからです。幼児期に感じていた宇宙というもの、神とは何か、人間の根源は何か。そして宇宙の先にあるものは何か、を語らなければならないからです。だから、すべてをウェブで書くことは不可能です。私にとって、この映画は、頭の中で漠然としていた宇宙というものを明確に映像にしてくれた唯一の映画なのです。映像に敏感な若い世代の方が感動できるでしょう。

「ビデオで見た人は感想を語るな。」という監督の意向に反してしまいました。しかし、語らずにはいられない。新作映画、完全版として再登場してほしいです。
キューブリック監督作品はトム・クルーズ主演映画 Eyes Wide Shut (1997)封切り予定のようです。3年もかかっているようです。

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