『近畿大学医学部小論文解答例集』
解答レシピ見本


 とりあえず【解答レシピ】を読み、【解答例】を書き写すぐらいの感覚で練習していけば、こつがつかめると思います。それから自作に入れば、書けます。これを完全マスターすれば近畿大学の小論文は征服できます。
1992近大「安楽死」400字、40分。

【解答レシピ=書き方】の初回基本解説
A《設問要求への照応》
(a)設問語句の引用
 まず設問語句を何らかの形で引用する。
 テーマが「安楽死」だから、まず「安楽死」という語句を何らかの形で引用する。特に少しテーマをずらす場合は最初にテーマが少しずれることを釈明しておく。設問文の語句を引用するのは、設問要求を確認し、設問に答えるぞという姿勢をはっきり示すためである。途中も繰り返し設問文の語句から逸れていないかに気を配り、設問文の語句に戻るように注意しよう。自分の頭の中に設問と少しでも関わることがあると、大部分は設問からずれているのに、思わずそれを書きまくってしまうことはしばしばある。設問文の語句はよくよく確かめるべきである。ラーメン作れと言われているのに、スパゲッティ作っちゃいけないよね(笑)。
(b)素材の導入
 次に設問テーマについて書くための素材を特定する。
@語句のイメージ化
テーマの対象の「安楽死」をたとえば「安楽死が合法化されている唯一の国オランダでは…」というように語句をイメージ化して描写するか、
A語句の定義(基本的な説明)の導入
 「安楽死」とは「次の5つの条件を満たすものを言う。すなわち、…」というように語句を定義し、説明するか、
B語句に関わる具体例の導入
「安楽死と言えば、東海大学病院安楽死事件を思い出す。」とかいうように全くの具体例を示す方法もある。ただしあまりにも具体的な例を導入すると、その詳細を知らないと間違いやあいまいな所が増えるので、人生観的なテーマについて、自分の体験を述べるような場合でない時は避けるほうがいいかもしれない。
 その後、「これはそうあるべきなのか」とか「これは何なのか」とか問題提起する方法もある。
B《設問課題への状況認識》
 そこで、特定したイメージの描写や語句の定義(基本的な説明)を更に展開していく。これが本論の始まりである。描写や定義が詳述できれば、それもいいが、そうできなくても、そのイメージの描写、あるいは語句の定義を、『二つに分けて、それぞれ描写、説明して、矛盾かペアで対比、関係付けする』手法で展開していけばよい。まず設問課題と関わる、自分で特定したイメージや語句について、矛盾しているかペアになるかはともかく、とりあえず二つ(稀には二つ以上)に分けられないか考えよう。「消極的安楽死と積極的安楽死」とか、「生命の尊厳と末期不治の激甚な苦痛だけの生」とかを対比してみるのである。たとえば本人の苦痛を家族や医者が見かねて、本人の同意なしに安楽死の処置をすればいわゆる慈悲殺になって殺人になってしまうが、そういう安楽死の条件の部分を対比すれば展開していけるのである。

C《自説の明確性》
 途中あるいは最期に、実践的な主張としては「こうすべきだ」という解決法や対策、あるいは理論的な主張としては「こうである」という正確な分析や真実の把握を一度は明確にしなければならない。設問自体が解決法や対策を要求していれば実践的(価値判断、よしあし)な主張を強調し、正確な分析や真実の把握を要求していれば理論的(事実判断、あるなし)な主張を強調する。語句だけが提示された設問ならば、自分の展開に応じて、実践的か理論的かどちらかを強調すればよい。実践的であれ、理論的であれ、「その通り、賛成」とか「間違っている、反対」とか、「条件付きで賛成、あるいは反対」とか自分の立場を表明すれば、主張になる。末期不治で激甚な苦痛だけの生で、しかも本人が死を望めば「安楽死」もやむを得ないとか、いやそれでも生命は神聖で人為的に命を絶つようなことはいっさいすべきでないとか、自分の「こうすべきだ」とか「こうである」という主張を明示するのである。
D《論文の基本的構成》
 Aの部分が序論で、Bの部分が本論になり、最後に主張を簡潔に書けば結論になり、論文の構成ができあがる。すでに主張をしている場合はより簡潔に、できれば比喩などを使ってもう一度主張を繰り返せば、できあがりである。最初と最後で違うことを言わないように。そういう矛盾した小論文はしばしば見かけるから、矛盾しないだけでも他の人の論文に一つ勝つことになる。

【解答例@】省略
【解答例A】省略


フェニックス出版のホームページへ
小論文徹底解析のIndexへ