数列の和                   戻る

 1 から n までの自然数の和 : 1+2+3+・・・+n =
 1 から n までの自然数の平方の和 : 12+22+32+・・・+n2
 1 から n までの自然数の立方の和 : 13+23+33+・・・+n3

 上記の和の公式は、高校で学ぶ、よく知られた公式である。しかし、その証明は、恒等式
を使うなど、余りに代数的で味気ない。このページでは、もっと直感的に分かりやすい、味
のある証明についてまとめたいと思う。まずは、教科書の記述を復習してみよう。

1 から n までの自然数の和

  教科書では、恒等式  (k+1)2−k2 =2k+1 を利用して、k に1,2,3,・・・,n を
代入して求めるのが普通である。

  n 個の式を辺々加えて、(n+1)2−1 =2( 1+2+3+・・・+n )+n

 よって、2( 1+2+3+・・・+n )=(n+1)2−(n+1)=n(n+1)

  この式より、上記の公式を得る。

1 から n までの自然数の平方の和

  教科書では、恒等式  (k+1)3−k3 =3k2+3k+1 を利用して、
 k に1,2,3,・・・,n を代入して求めるのが普通である。

  n 個の式を辺々加えて、

      (n+1)3−1 =3(12+22+32+・・・+n2)+3( 1+2+3+・・・+n )+n

 よって、 3(12+22+32+・・・+n2)=(n+1)3−3× −(n+1)
                       =(n+1)×

 この式より、上記の公式を得る。

1 から n までの自然数の立方の和

  教科書では、恒等式  (k+1)4−k4 =4k3+6k2+4k+1 を利用して、
 k に1,2,3,・・・,n を代入して求めるのが普通である。
  その計算やまとめ方のコツは、平方数の場合と全く同じなので、ここでは、その記述を
 省略することにする。

  この1 から n までの自然数の立法の和が、1 から n までの自然数の和 N を用いて、

        3+23+33+・・・+n3 =N2

 と書けるということは、私自身高校時代に不思議に思った事実である。

  このことについて、当HPがいつもお世話になっているS(H)さんからの情報(平成21年
6月29日付け)によると、

 Ulm 生まれの Johann Faulhaber (1580〜1635)が、その著

      Academia Algebra (1631)

において、
        5+25+35+・・・+n5 =(4N3−N2)/3

等の公式(117+217+317+・・・+n17 までの奇数冪について)を述べているという。

 一般の場合については、1834年に、Jacobi が証明したらしい。

 15+25+35+・・・+n5 を求めてみよう。

 まず、恒等式  (k+1)5−k5 =5k4+10k3+10k2+5k+1 を利用して、

     (n+1)5−15 =5Σk4+10Σk3+10Σk2+5Σk+Σ1

 これより、 Σk4=n(n+1)(2n+1)(3n2+3n−1)/30

 また、恒等式  (k+1)6−k6 =6k5+15k4+20k3+15k2+6k+1 を利用して、

    (n+1)6−16 =6Σk5+15Σk4+20Σk3+15Σk2+6Σk+Σ1

 これより、 Σk5=n2(n+1)2(2n2+2n−1)/12

  よって、 n(n+1)=2N を代入すれば、

     15+25+35+・・・+n5=4N2(4N−1)/12=(4N3−N2)/3

であることが示された。


例 15+25+35+・・・+105 を計算せよ。

(解) N=55 なので、

   (4N3−N2)/3=N2(4N−1)/3=3025・219/3=3025・73=220825

  より、 15+25+35+・・・+105=220825 である。 (終)

(コメント) 比較的簡単に求められますね!


 このような数列の和の公式に対する別解として世間一般では、2S法とか3S法、4S法
などの方法が紹介されている。(この方法にも限界があることが自ずから分かるであろう。)

2S法・・・1 から n までの自然数の和

2S法

    左図より明らかに、2S=(n+1)がn個=n(n+1) が成り
   立ち、直ちに、公式を得ることができる。

    このような計算方法は、ガウスによってなされたと言われて
   いる。







3S法・・・1 から n までの自然数の平方の和

3S法

 上記の計算において、各三角形の上からk段目、左からm列目の数を求めてみると、そ
れぞれ、 k 、 n−k+m 、 n−m+1 なので、その和は、2n+1 となる。

 したがって、上図より明らかに、3S=(2n+1が1+2+・・・+n個) が成り立ち、直ち
に、公式を得ることができる。

 自然数の平方の和の公式は、すでに、アルキメデス(紀元前287?〜212)が知ってい
たと言われている。

4S法・・・1 から n までの自然数の立方の和

 4S法は、2S法、3S法と同様な発想であるが、上記の方法と比べて煩雑な計算が避け
られず、エレガントさに欠けるので、紹介は、あらすじだけにとどめたい。

 基本的には、S’=1+2(1+2)+3(1+2+3)+・・・+n(1+2+・・・+n) を計算
するわけであるが、次のような立体を4個用いる。用い方は、3S法と同様である。

 一つの点に注目すると、和はすべて 3n+1 であることに注意する。

                4S法

1 から n までの自然数の立方の和

 立方の和の計算について、実は美しい解法が知られている。私が知っている和の計算の
中でも、その美しさは群を抜いている。それは、群数列による解法である。

群数列  左図のように、自然数列 1、2、・・・、n を、2倍、3倍、・・・
 したものを、下の行に書き足していき、青線で区切り、群数列
 を作る。左図にあらわれる自然数の総和は、明らかに、    

    (1+2+3+・・・+n)2

  そこで、第k群に入っている自然数の和を求めると、
  (1+2+・・・+k)k+(1+2+・・・+k)k−k2=k3 である。


                 従って、第1群から第n群までの和を求めることにより、公式は
                示される。

(別解)  1 から n までの自然数の立方の和について、次のような群数列を用いる解法も
      知られている。
      (参考文献:金子昌信 著 べき乗和からベルヌーイ数,ゼータ函数へ
                         (数学セミナー ’03年10月号) (日本評論社))

   1 から始まる奇数列の初項から第 n 項
  までの和は、n2 で与えられる。

   第 k 段には、k 個の奇数が含まれるの
  で、第1段から第 n 段までに含まれる奇
  数の総数は、

                              1+2+3+・・・+n =
 したがって、第1段から第 n 段までに含まれる奇数の総和は、

 ところで、第 k 段は、初項が k2−k+1、末項が k2+k−1、項数が k の等差数列であ
るから、その和は、簡単な計算から、k3 となる。
 したがって、

       13+23+33+・・・+n3


1 から n までの自然数の平方の和(ライプニッツの方法)

 平方の和の計算について、階差数列を利用する方法が知られている。この方法は、ライ
プニッツが発見したと言われている。

0 1 2 3 ・・・
  1 2 3 ・・・
    2 3 ・・・
      3 ・・・
        ・・・
   左図において、

     b=a−an-1、c=b−bn-1、・・・

   である。

  

このとき、たとえば、

  a3=a2+b3

    =(a1+b2)+(b2+c3

    =a1+2b2+c3 ・・・・・(*)

    =(a0+b1)+2(b1+c2)+(c2+d3

    =a0+3b1+3c2+d3 ・・・・・(**)

 このことから、a3 の値は、対角線の成分から求められることが分かる。さらに、その各項
の係数は、その項から、a3 へ行く最短経路の数に等しい。

 たとえば、b1 から a3 へ行くには、横に2マス、縦に1マス進めばよいから、その方法の
数は、順列・組合せの理論により、31 =3(通り)である。

 上の計算で、(*)(**)のところを是非確かめて欲しいと思う。

定理(ライプニッツ)
     n00n11n22n33+・・・

 実際に、自然数の平方の和の計算に応用してみよう。

14 30 55 ・・・
  16 25 ・・・
    ・・・
      ・・・
        ・・・
  左図において、第1行は、

     a=12+22+32+・・・+n2

 で与えられる数列であり、第2行以下は、その階差数列で

 ある。ただし、a0=0 とする。

  このとき、第5行以下は、全て0であることに注目する。 定理により、

     an0×0+n1×1+n2×3+n3×2

 となり、これを計算することにより、公式を得ることができる。

(参考文献:遠山 啓 著 数学入門(岩波新書)
       久保季夫 著 数列と級数(科学新興社))

 ( → 数列の和の求め方で重心の概念を利用した方法については、「ギブスの三角形」を参照

(追記)1 から n までの自然数の4乗の和

 4乗の和の計算について、立方の和と同様に、群数列を用いる方法がある。

4乗数の和  左図のように、数列 1、4、9、・・・、n2 を、2倍、3倍、・・・
  したものを、下の行に書き足していき、青線で区切り、群数列
 を作る。
  左図にあらわれる数列の総和は、明らかに、
  
  (1+2+3+・・・+n)(12+22+32+・・・+n2) 

 =

  そこで、第k群に入っている自然数の和を求めると、

  (1+2+・・・+k)k2+(12+22+・・・+k2)k−k3

 したがって、第1群から第n群までの和を求めることにより、求める和を S とすると、

        
よって、
        

(参考文献:中村義作・阿邊恵一 著 代数を図形で解く(講談社ブルーバックス))


(追々記) 上記では、 S(n)=1+2+3+・・・+n の和の公式のいろいろな求め
      方をみてきた。

  S1(n)=1+2+3+・・・+n=n(n+1)/2=(1/2)n2+(1/2)n

  S2(n)=12+22+32+・・・+n2=n(n+1)(2n+1)/6=(1/3)n3+(1/2)n2+(1/6)n

  S3(n)=13+23+33+・・・+n3=n2(n+1)2/4=(1/4)n4+(1/2)n3+(1/4)n2

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  このような式をぼんやりと眺めていると、

      S3’(n)=n3+(3/2)n2+(1/2)n=3・S2(n)  (形式的に、n で微分!)

 という関係式が成り立つことに気づく。

  このような関係は、

     半径 r の円の面積 S=πr2 を、r で微分すると、
    S’=2πr は、半径 r の円周の長さを表す

     半径 r の球の体積 V=(4/3)πr3 を、r で微分すると、
    V’=4πr2 は、半径 r の球の表面積を表す

 に似ている。(これらの関係を高校時代に気づいたときには、とても感動した!)

 実は、このような関係は、一般的に成立するらしい。浅井哲也さんが、2004年9月号の
数学セミナー(日本評論社)の中の、「エレガントな解答をもとむ」に出題されている。
                                      (解答は、12月号を参照)

    奇数 k に対して、 k’(n)=k・Sk-1(n)  (形式的に、n で微分!)

「k は奇数」という限定条件が入るが、とても美しい関係である!

   (補足) 平成19年8月13日付け

       上記の公式を証明させる問題が、平成18年度東京大学 後期試験 数学
      に出題された。(一部表現等修正)

        p、n を自然数とする。次の問いに答えよ。

      (1) p+1 次多項式 S(x)があって、

               

        と表されることを示せ。

      (2) q を自然数とする。(1)の多項式 S1(x)、S3(x)、・・・、S2q-1(x)に対して、

               

        が恒等式となるような定数 a1、・・・、a を q を用いて表せ。

      (3) q を2以上の自然数とする。(1)の多項式 S2(x)、S4(x)、・・・、S2q-2(x)

         に対して、

               

        が恒等式となるような定数 c と b1、・・・、bq-1 を q を用いて表せ。

      (4) p を3以上の奇数とする。このとき、

               

        を示せ。


         (略解) (1)は、数学的帰納法を用いる。教科書でも示されている手法

           (k+1)p+1−kp+1 の展開式を k=1、2、・・・、n について和をとる

           ことにより、容易に示される。

           (2)も、 F(x)=xq(x+1)q に対して、F(k)−F(k−1) の展開式を

           k=1、2、・・・、n について和をとることにより示される。

               (q+1)/2≦j≦q のとき、 a=2q2q-2j+1

                上記以外のとき、 a=0

           (3)が少し大変だが、用いる手法は(1)(2)と同じである。

           S2j(n)−S2j(n−1)=n2j に注意して計算することにより、 c=2q 

           であることが分かる。このとき、 G(x)=xq-1(x+1)q-1(2qx+q) に

           対して、G(k)−G(k−1) の展開式を k=1、2、・・・、n について和

           をとることにより示される。

               (q−1)/2≦j≦q−1 のとき、 b=2(2j+1)q2q-2j-1

                上記以外のとき、 b=0

           (4)は、数学的帰納法を用いる。

             前述で示したように S3’(n)=3・S2(n) が成り立つので、

            p=3 のとき、与えられた命題は成り立つ。

            2q−1 未満の奇数 p について、

               

            が成り立つものとする。

            p=2q−1 のとき、 p≧3 なので、 q≧2

             (2)で求められた恒等式

               a11(x)+a23(x)+・・・+aq2q-1(x)=xq(x+1)q

            において、 q≧2 なので、 a1=0 である。

               a23(x)+・・・+aq2q-1(x)=xq(x+1)q

            の両辺を微分して、

              a2・3S2(x)+・・・+aq-1・(2q−3)S2q-4(x)+aq2q-1’(x)

              =qxq-1(x+1)q-1(2x+1)

             (2)(3)の a 、 b の関係から、

              b12(x)+・・・+bq-22q-4(x)+aq2q-1’(x)

              =xq-1(x+1)q-1(2qx+q)

            が成り立つ。

             (3)の恒等式と比較して、 aq2q-1’(x)=bq-12q-2(x)

            ここで、 a=2q1=2q 、 bq-1=2(2q−1)q1=2q(2q−1)

            なので、 S2q-1’(x)=(2q−1)S2q-2(x) が成り立つ。

             よって、p=2q−1 のときも命題は成り立つ。

             したがって、3以上の奇数 p に対して、

                 

            が成り立つ。(終)

       (コメント) 平成16年9月に出版されて、平成18年度入試に出題ということを
             考えると、多分出題者は数学セミナーの問題を意識していたのかな?
             それとも独立に考えられた問題なのかな?

              何れにしても、この問題を時間内に解くことはほぼ困難だということ
             は言える。3題150分の試験だが、受験生には辛い出題だ!


(追々々記) 平成17年7月25日付けで、神奈川県の S さんという方から、

     kが奇数の時、 Sk’(n)=k・Sk-1(n) が成り立つが、これを一般化して、
   S(n) から Sk+1(n) を求める方法を考えました


 というメールを頂戴した。S さんが、この話題について、ある研究会誌に掲載された原稿
のPDFファイルも参考にさせていただいた。S さんに大変感謝いたします。

 S さんが考えられた方法は次のようなものである。

(1) Sk−1(n) に対して、両辺を k 倍する。(最高次の係数が1になるようにする)

(2) (1)で得られたものを、 n に関して形式的に積分する。積分定数は、0 とする。

(3) 各項の係数の和が 1 になるように、適宜 1 次の項を付け加える。


 この操作により、S(n) が得られる。

例  S1(n) = (1/2)n2+(1/2)n 、S2(n) = (1/3)n3+(1/2)n2+(1/6)n であるが、

  S2(n) は、S1(n) から次のようにして得られる。

  まず、(1) から、 2・S1(n) = n2+n で、 (2)から、(1/3)n3+(1/2)n2

  1−{(1/3)+(1/2)}=1/6 なので、 (3)から、(1/6)n を付け加えて、

      S2(n) = (1/3)n3+(1/2)n2+(1/6)n  ( ← ぴったしカンカン!!)

例  S2(n) = (1/3)n3+(1/2)n2+(1/6)n  、S3(n) = (1/4)n4+(1/2)n3+(1/4)n2

  であるが、 S3(n) は、S2(n) から次のようにして得られる。

  まず、(1) から、 3・S2(n) = n3+(3/2)n2+(1/2)n で、

  (2)から、(1/4)n4+(1/2)n3+(1/4)n2

  1−{(1/4)+(1/2)+(1/4)}=0 なので、 (3)で、付け加える項はない。

   よって、  S3(n) = (1/4)n4+(1/2)n3+(1/4)n2  ( ← ぴったしカンカン!!)

(コメント) k が奇数の時、Sk’(n)=k・Sk-1(n) が成り立つので、たとえば、k=3 のとき、

    S3’(n)=3・S2(n) が成り立つ。 S2(n) = (1/3)n3+(1/2)n2+(1/6)n なので、

    S3’(n) = n3+(3/2)n2+(1/2)n となるが、両辺を積分して、

    S3(n) = (1/4)n3+(1/2)n3+(1/4)n2+C (C は積分定数)

    ここで、S3(1) = 1 なので、 C=0 でなければならない。

    よって、 S3(n) = (1/4)n3+(1/2)n3+(1/4)n2

 このように、k が奇数の時は、不定積分と初期条件(?) S(1) = 1 という事実から、

(n) を決定することができるが、k が偶数の時は、上記のような漸化式が存在しないの

で、積分で S(n) を決定することは無理だろうと諦めていた。今回、S さんの鮮やかな方

法(特に、(3)!)に大きな感動を覚えました。


 ここで、S さんの方法を若干検証しておこうと思う。

 S(n)=1+2+3+ ・・・ +n において、 

   (n)−S(n−1) = n 、 S(1) = 1

という関係式が本質的である。

  上式は、 n の恒等式なので、上式により、 n の多項式 S(n) は一意的に決定される。

 ところで、n の多項式 S(n) は特徴ある性質を持っている。

上式において、 n=1 とおいてみると、 S(1)−S(0) = 1 で、S(1)=1 から、

(0)=0 が成り立つとするのが自然だろう。

 これは、(n) が定数項を持たないことを意味する。

 すなわち、S(n) は、n で割り切れる。

さらに、n=0 とおいてみると、 S(0)−S(−1) = 0 で、S(0)=0 から、

(−1)=0 が成り立つとするのが自然だろう。

 これは、S(n) が、n+1 で割り切れることを意味する。

したがって、任意の k に対して、S(n) は、n(n+1) で必ず割り切れる。


 ところで、上記の関係式を形式的に n で微分すると、

   S’(n)−S’(n−1) = k・nk−1  より、

   S’(n)/k−S’(n−1)/k = nk−1

 このとき、 S’(n)/k が、Sk−1(n) と何らかの関係があることは上述のことから予想
される。

 ここで、n=1 のとき、S’(1)/k =1 が成り立つとは一般に言えないので、適当な定
数 a を定めることにより、

       S’(1)/k + a = 1

となるようにできる。 n=1 のとき、上式が成り立つということは、n=0 のとき、0にな
らなければいけないので、定数 a は、S’(n)/k の定数項を打ち消すようにおけばよい。

 このとき、 Sk−1(n) =S’(n)/k + a である。

これより、 k・Sk−1(n) =S’(n) + ak ・・・ (1)の手順

      k・∫Sk−1(n)dn=S(n) + akn ・・・ (2)の手順

 よって、 S(n)=k・∫Sk−1(n)dn + akn において、

      S(1)=1 となるように、 a の値を定める。 ・・・ (3)の手順

以上の手順から、確かに、S(n) が求められるわけである。

例 S4(n) = (1/5)n5+(1/2)n4+(1/3)n3−(1/30)n から、S5(n) を求めてみるのも
 楽しい!

   5S4(n)=n5+(5/2)n4+(5/3)n3−(1/6)n を積分して、

         (1/6)n6+(1/2)n5+(5/12)n4−(1/12)n2

   1−((1/6)+(1/2)+(5/12)−(1/12))=0 より、

    S5(n)=(1/6)n6+(1/2)n5+(5/12)n4−(1/12)n2


(コメント) S さんからいただいた資料を参考に話を展開したが、上記のような理解でいい
      のかどうか少し不安である。是非 S さんの検証をお願いしたいと思う。

     このように、単に、1+2+3+・・・+n=n(n+1)/2 という認識しかないと、つま
    らない公式も、1+2+3+・・・+n=(1/2)n2+(1/2)n という見方もあることに気
    がつくと、俄然公式が光り輝いて見える。因数分解されたものは美しいが、ただそれ
    だけである。

    (追記) 平成19年11月22日付け

      上記の計算をさらに実行して、

        S6(n)=(1/7)n7+(1/2)n6+(1/2)n5−(1/6)n3+(1/42)n

        S7(n)=(1/8)n8+(1/2)n7+(7/12)n6−(7/24)n4+(1/12)n2

           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

       このとき、

             S5(n)+S7(n)=2{S1(n)}4

      という美しい関係式が成り立つ。(ひたすら計算すると確かめられる!)

       この関係式は、ヤコビ(1804〜1851)により発見されたものだという。

      (追記) 平成21年6月4日付け

          上記の関係式について、HN「ポルテ」さんより、階差を利用した証明法を
         ご教示いただいた。ポルテさんに感謝します。

           (k+1)4−(k−1)4=8k3+8k であることを利用して、

           k4・{(k+1)4−(k−1)4}=k4・(8k3+8k)=8(k5+k7

          すなわち、

               {k(k+1)}4−{k(k−1)}4=8(k5+k7

          が成り立つ。

           そこで、 a={n(n+1)}4 とおくと、上式より、

                 k5+k7=(a−ak-1)/8

          よって、 S5(n)+S7(n)=(a−a0)/8={n(n+1)}4/8=2{S1(n)}4

        (コメント) ひたすら計算すると思っていたら、上記のような簡明な解法がある
              のですね。感動しました。ポルテさんによれば、階差を利用してΣ計
              算が綺麗に解ける問題はとても爽快だとのこと。私も同感です!


       ポルテさんの手法を用いると、1 から n までの自然数の立方の和の公式

           13+23+33+・・・+n3

      の証明が簡単にできることを、HN「FN」さんよりご教示いただいた。
      (平成22年4月15日付け...泊まり込みの出張で直ぐレス出来ませんでしたf(^^;)

       FNさんによれば、この公式の証明の中で、最も簡単な証明の一つだという。そ
      の簡明さに私も感動しました。FNさんに感謝します。

      (証明) (k+1)2−(k−1)2=4k であることを利用して、

           k2・{(k+1)2−(k−1)2}=4k3

          すなわち、

               {k(k+1)}2−{k(k−1)}2=4k3

          が成り立つ。 k に1,2,3,・・・,n を代入し、 n 個の式を辺々加えて、

           13+23+33+・・・+n3

          が示される。(証終)


         さらに、当HPがいつもお世話になっているS(H)さんから類題を提起いた
        だいた。S(H)さんに感謝します。

              5(n)+10S7(n)+5S9(n)=16{S1(n)}5

        これも、ポルテさんよりご教示いただいた階差の手法を用いれば容易だろう。

         (k+1)5−(k−1)5=2(1+10k2+5k4) であることを利用して、

         k5・{(k+1)5−(k−1)5}=2k5・(1+10k2+5k4

                         =2(k5+10k7+5k9
         すなわち、

             {k(k+1)}5−{k(k−1)}5=2(k5+10k7+5k9

        が成り立つ。

         そこで、 a={n(n+1)}5 とおくと、上式より、

               k5+10k7+5k9=(a−ak-1)/2
        よって、

        S5(n)+10S7(n)+5S9(n)=(a−a0)/2={n(n+1)}5/2=16{S1(n)}5

       が成り立つ。

        上記の2例から察するに、左辺が与えられて、それを計算した結果右辺とな
       るのではなく、逆に、右辺から左辺が自然に導かれるようだ。


(追々々々記) 階差数列の一般項の計算で、次の数列の和の公式

          12+22+32+・・・+n2

よりも、むしろ、次の和の公式

          12+22+32+・・・+(n−1)2

の方が多用される。このとき、

      n(n+1)(2n+1)−n(n−1)(2n−1)=6n2

という等式の存在に気づかされる。

 このことから、次の積分の等式

         

の成り立つことが分かる。(両辺を、k に関して微分してみるとよい。)

 したがって、「1 から n までの自然数の立方の和」について、積分を用いた新しい証
明法を得ることができる。

 すなわち、 
        

において、
        

より、
        

したがって、

       13+23+33+・・・+n3

が成り立つ。

  (追記) 平成21年6月2日付け

    「自然数の和」や「平方数の和」を求める場合に定積分を用いる手法は新鮮である。

    たとえば、「自然数の和」を求める場合は、 F1(x)=x+1/2 について、

         

    となることから、

       

    である。

     ところで、F1(x)=x+1/2 は次のようにして求められる。

    1次式 F1(x)=ax+b について、

         

    が成り立つものとして、両辺を k で微分すると、 ak+b−{a(k−1)+b}=1

    これより、 a=1 である。このとき、定積分の計算から、

       k−1/2+b=k より、 b=1/2

     よって、条件式を満たす1次式 F1(x) は、 F1(x)=x+1/2 と確定する。

    同様にして、2次式 F2(x)=ax2+bx+c について、

         

    が成り立つものとして、両辺を k で微分すると、

        ak2+bk+c−{ a(k−1)2+b(k−1)+c}=2k

    よって、  2ak−a+b=2k より、 a=b=1

    このとき、定積分の計算から、 k2+c−1/6=k2 より、 c=1/6

    よって、条件式を満たす2次式 F2(x) は、 F2(x)=x2+x+1/6 と確定する。

     この F2(x)=x2+x+1/6 を用いて、

    

    と、平方の和が求められる。


(追々々々々記) 平成19年3月7日付け

 上記で、  n(n+1)(2n+1)−n(n−1)(2n−1)=6n2  という等式の存在が
脚光を浴びたが、この等式を背景とする問題が平成19年度筑波大学前期入試で出題さ
れた。筑波大学は毎年質の高い入試問題を出題するという点でいつも注目している!

 (1) 一般項 an が、 an3+bn2+cn で表される数列 { an }において、

          n2=an+1−an  (n=1、2、3、・・・)

    が成り立つように、定数 a 、 b 、 c を定めよ。

 (2) (1)の結果を用いて、

         

    となることを示せ。 ((3)は略)


 上記の等式によれば、(1)は、 a=1/3 、 b=−1/2 、 c=1/6 と即答だろう!

(ただし、入試問題の答案としては、恒等式の性質を用いてきっちり論述しないと点数には
ならないかもしれない。)

 (2)も、問題の背景に、 n≧1 に対して

         

ということが分かっていれば、

    (a2−a1)+(a3−a2)+・・・(an+1−an)=an+1−a1=an+1

から、明らかに等式が成り立つ訳だが、やはり、ここもグッと堪えて、細々とした計算を答
案に示してあげないと合格点はつかないだろう。


(追記) 平成22年3月14日付け

 当HPがいつもお世話になっているHN「GAI」さんが、「ただひたすらの方法」と題して
1 から 10 までの自然数の10乗の和」について、ひたすら紙と鉛筆だけを使用し、
手間暇かけて求めていく方法について、平成22年3月10日付けで当HPの掲示板「出
会いの泉」に書き込まれたものを紹介したいと思う。

計算手法のコツ

 次の2つの公式もどきを覚えておく。

<公式1> 1k+2k+3k+・・・+nk={(n+1+B)k+1−Bk+1}/(k+1)

<公式2> B は (B+1)k=Bk の展開式 (k>1)から漸次決定していく。

 実際の計算は次のように行う。

(1) まず、公式2 において、k=2 とし、(B+1)2=B2 を展開して、B1=−1/2

  同様に、 (B+1)3=B3 を展開して、B2=1/6

        (B+1)4=B4 を展開して、B3=0

        (B+1)5=B5 を展開して、B4=−1/30

          ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 これを地道に続けていくと、ベルヌーイ数が出現する。

5=0 、B6=1/42 、B7=0 、B8=−1/30 、B9=0 、B10=5/66 、・・・

 そこで、試しに、公式1を用いて、自然数の平方の和を求めてみよう。

 12+22+32+・・・+n2={(n+1+B)3−B3}/3

                ={(n+1)3+3(n+1)2B+3(n+1)B2}/3

                =(n+1){2(n+1)2−3(n+1)+1}/6

                =n(n+1)(2n+1)/6

 同様の計算を、

  110+210+310+・・・+1010={(11+B)11−B11}/11

について行えばよい。

 {(11+B)11−B11}/11

=1110+1110B+5・1192+15・1183+30・1174+42・1165
             +42・1156+30・1147+15・1138+5・1129+11B10

=1110−1110/2+5・119/6−117+115−113/2+5/6

=1110/2+5・119/6−117+115−113/2+5/6

 ここで、 1110=25937424601

       119=2357947691

       117=19487171

       115=161051

       113=1331

なので、代入して計算すると、 14,914,341,925 となる。

(コメント) 上記の計算の検証に、Excel さんのお世話になりました...f(^^;)

 また、上記の計算に次のホームページを参考にさせていただきました。

    数学的思考と科学的思考 (1998年2学期 木曜1限)
                         
    ベルヌーイ数のはなし −整数のべき乗の和と交代順列−
      (兵庫教育大学の大学院生向けの講義録)

                           兵庫教育大学自然系数学 松山 廣 教授


 また、GAI さんの解法とは違って、Sさんの手法を活用して、順次

   S1(n) = (1/2)n2+(1/2)n

   S2(n) = (1/3)n3+(1/2)n2+(1/6)n

   S3(n) = (1/4)n4+(1/2)n3+(1/4)n2

   S4(n) = (1/5)n5+(1/2)n4+(1/3)n3−(1/30)n

   S5(n)=(1/6)n6+(1/2)n5+(5/12)n4−(1/12)n2

   S6(n)=(1/7)n7+(1/2)n6+(1/2)n5−(1/6)n3+(1/42)n

   S7(n)=(1/8)n8+(1/2)n7+(7/12)n6−(7/24)n4+(1/12)n2

   S8(n)=(1/9)n9+(1/2)n8+(2/3)n7−(7/15)n5+(2/9)n3−(1/30)n

   S9(n)=(1/10)n10+(1/2)n9+(3/4)n8−(7/10)n6+(1/2)n4−(3/20)n2

   S10(n)=(1/11)n11+(1/2)n10+(5/6)n9−n7+n5−(1/2)n3+(5/66)n

とほぼ機械的に求められるので、こちらを利用してもいいだろう。

 このとき、 S10(10)=14,914,341,925 であることが分かる。


 自然数のべき乗和の式について、GAI さんから問題提起です。(平成24年1月29日付け)

 S(k)=1k+2k+3k+・・・+nk を表す式は、それぞれ公式として記述されているが、これ
らには、次の性質が成り立つことを知りました。

 k:奇数の場合 → S(k)は、S(1)の多項式で表される。

 k:偶数の場合 → S(k)は、S(2)で割れ、その商は、また、S(1)の多項式で表される。

 これを、具体的に式にしてみました。ただし、表記が便利なように、A=S(1)、B=S(2)で表
します。

 S(3)=A2
 S(4)=(6A−1)B/5
 S(5)=(4A−1)A2/3
 S(6)=(12A2−6A+1)B/7
 S(7)=(6A2−4A+1)A2/3
 S(8)=(40A3−40A2+18A−3)B/15
 S(9)=(2A−1)(8A2−6A+3)A2/5
S(10)=(2A−1)(24A3−28A2+20A−5)B/11
  ・・・・・・・・・・・・・・・

 これらを一般的に表せる式として作れないものでしょうか?ご存知の方はお知らせ下さい。


 よおすけさんからのコメントです。(平成24年1月29日付け)

 上記に、ある程度のことは書かれていると思います。または、「お気に入り集」から、らす
かるさんのサイトに行くか…。


 空舟さんからのコメントです。(平成24年1月30日付け)

 k:奇数の場合 → S(k)は、S(1)の多項式で表される。
 k:偶数の場合 → S(k)は、S(2)で割れ、その商は、また、S(1)の多項式で表される。


という性質は、S(j)=f(n) が、 f(n+1)−f(n)=(n+1) 、f(0)=0 を満たすこと等を考え
ると証明できました。それほど難しくないと思いますのでぜひ考察を...。

 これらを一般的に表せる式というのは難しそうですが、検索してみると、ベルヌーイ数とい
う数を使って、一般的に、(nの多項式としてですが)表す方法があるそうです。


 S(H)さんからのコメントです。(平成24年1月30日付け)

 あの「Donald E. Knuth」先生が、関連して;

 「Johann Faulhaber and Sums of Powers」、「Johann Faulhaber」、「数列の和

(追伸) Σ計算をぐっと睨んで、個別に、例えば、169+269+・・・+n69 からS(70)

    また、S(15) 、S(17) 、・・・、S(169) をぐっと睨んで。


 当HPの読者のK.S.さんより、平成24年7月28日付けで累乗和の公式について、メー
ルを頂いた。

(1) ベルヌーイの公式を利用

  1+2+3+・・・+(n−1)

={(nk+1k+111+・・・+k+1n}/(k+1)

={(n+B)k+1−Bk+1}/(k+1) (← 形式的表記)

 ただし、 B0=1 、Σk=0〜n n+1=0 (n=1、2、3、・・・)

 上記で計算したように、順次 (B+1)=B を展開することにより、ベルヌーイ数が得
られる。

0=1 、B1=−1/2 、B2=1/6 、B3=0 、B4=−1/30 、B5=0 、B6=1/42

7=0 、B8=−1/30 、B9=0 、B10=5/66 、・・・

 ベルヌーイ数を用いて、

  xe/(e−1)=Σn=0〜∞/n!

  Σm=0〜n=Σm=0〜k ・(n+1)k+1-m/(k+1−m)

例 k=3 のとき、

   Σm=0〜n3

 =Σm=0〜3 3・(n+1)4-m/(4−m)

 =B0・(n+1)4/4+311・(n+1)3/3+322・(n+1)2/2+333・(n+1)

 =(n+1)4/4−(n+1)3/2+(n+1)2/4


(2) 微分の利用

  Sk’(n)=k・Sk-1(n)+Sk’(0)  ただし、 Sk’(0)=B

 下位の次数から積分し、積分定数を Sk(1)=1 により確定する。また、ベルヌーイ数

=0 (kは3以上の奇数) を利用する。

(コメント) 類似の計算が上記にあるので参考にしてください。 


(3) 階乗関数

 係数が、第一スターリング数から、第二スターリング数にかわる昇階乗のときは、符号が
交互になる。

   


(4) 連立方程式の利用(展開式)

  Σm=1〜n=a・nk+1+b・n+・・・+c とおいて、n=1、2、・・・、k+1を代入し、a、

b、・・・、cの連立方程式を解く。


(5) 教科書にある方法

  (n+1)−n=k・nk-1+・・・+1

  n−(n−1)=k・(n−1)k-1+・・・+1

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  2−1=k・1+・・・+1

 辺々加えて、 (n+1)−1=kΣm=1〜nk-1+・・・+n

 後は、k−1乗以下の和の公式を利用する。


(6) ファウルハーバーの定理

  χ=n(n+1)/2 とおくと、

   Σr≧12r+1=(aχr+1+・・・+bχ2の形)

   Σr≧12r=(2n+1)(aχ+・・・+bχの形)


(7) 高階差分法を利用(組合せの数で表現する)

  Σk=1〜n31+7・2+12・3+6・4

  ただし、係数は、

   n-1r-1+r・n-1 、0=1 、=n! 、=0 (n<r)


(8) 組合せの数(C)で対称的に表現する。

  オイラーの係数で与えられる。

   n21+2・2n+122 より、 Σk=1〜n2n+23n+13

   n31+6・2+6・33+4・n+13+6・n+23 より、

    Σk=1〜n3n+14+4・n+24n+34

 ここで、 =(m+1−r)m-1r-1+r・m-1 、1=1 (オイラーの数)

 このとき、 Σm=1〜n1n+1k+12n+2k+1+・・・+n+kk+1


(9) 一番目と二番目次数はすぐにわかるので、他の係数は以下の比較で求めることがで
   きる

例 Σk=1〜n4=n5/5+n4/2+an3+bn2+cn

          =(n+1)5/5−(n+1)4/2+a(n+1)3+b(n+1)2+c(n+1)

  を解いて、a=1/3 、b=0 、c=−1/30


 以上から、

   Σk=1〜n3=(n+1)4/4−(n+1)3/2+(n+1)2/4   (ベルヌーイ

   
                                        (スターリング

   Σk=1〜n31+7・2+12・3+6・4   (スターリング

   Σk=1〜n3n+14+4・n+24n+34   (オイラーの対称性

   Σk=1〜n3=n4/4+n3/2+n2/4   (未定係数

   Σk=1〜n3=χ2   (ファウルハーバー


(コメント) K.S.さん、いつも投稿ありがとうございます。「ファウルハーバー」という名前は
      初見でした!


 上記では、差分の形で数列の和を求めることを種々行った。このことを一般化して、次の
ようなマニュアルがあることを最近知ることができた。

 連続するN個の整数の積を、G(k)=k(k+1)(k+2)・・・(k+N−1)で表すとする。

 このとき、 G1(k)=k、G2(k)=k(k+1)、・・・ である。

 「整数値多項式」で示した等式 : F+1(X+1)−F+1(X)=(n+1)F(X+1) から

   N+1(k)−GN+1(k−1)=(N+1)G(k)

が成り立つ。

例 N=1 のとき、 k(k+1)−(k−1)k=2k

  N=2 のとき、 k(k+1)(k+2)−(k−1)k(k+1)=3k(k+1)

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 この例からも分かるように、Σk、Σk2、・・・ の公式が順次得られる。

 また、N+1(k)−GN+1(k−1)=(N+1)G(k) において、

 k=1、2、・・・、n を順次代入し、辺々加えることにより、

    GN+1(n)−GN+1(0)=(N+1)(G(1)+G(2)+・・・+G(n))

 もちろん、GN+1(0)=0 なので、

     Σk=1〜n(k)=GN+1(n)/(N+1)

が成り立つ。(何となく、不定積分の公式に似ていますね!

 この公式を用いると、

 Σk=1〜n k=Σk=1〜n1(k)=G2(n)/2=n(n+1)/2

 Σk=1〜n k(k+1)=Σk=1〜n2(k)=G3(n)/3=n(n+1)(n+2)/3

  よって、 Σk=1〜n2=Σk=1〜n k(k+1)−Σk=1〜n

                =n(n+1)(n+2)/3−n(n+1)/2

                =n(n+1)(2n+4−3)/6

                =n(n+1)(2n+1)/6


(追記) 平成25年4月9日付け

 S(n)=1k+2k+3k+・・・+nk について、名古屋大学で次のような問題が出題された。

名古屋大学 理系(2013)

 k、m、nは整数とし、n≧1とする。を二項係数として、S(n)、T(n)を以下のように
定める。

   S(n)=1k+2k+3k+・・・+nk 、S(1)=1 (k≧0)

   T(n)=11(n)+22(n)+33(n)+・・・+m-1m-1(n)

       =Σk=1〜m-1 (n) (m≧2)

(1) T(1)とT(2)を求めよ。

(2) 一般のnに対して、T(n)を求めよ。

(3) pが3以上の素数のとき、S(p−1) (k=1、2、3、・・・、p−2) は、pの倍数である
  ことを示せ。


(答え) 和の公式を導くときに出てくる式に関する問題で一見難しそうだが、頑張ってみる
    価値はありそう...ということで、詳解に挑戦してみた。

(1) T(1)=11(1)+22(1)+33(1)+・・・+m-1m-1(1)

        =123+・・・+m-1

        =0123+・・・+m-1−(0

        =2−(1+1)

        =2−2

   T(2)=11(2)+22(2)+33(2)+・・・+m-1m-1(2)

    ここで、 S(2)=1k+2k=1+2k なので、

   T(2)=(123+・・・+m-1
                   +1・2+2・223・23+・・・+m-1・2m-1

       =(2−2)+1・2+2・223・23+・・・+m-1・2m-1

     X=1・2+2・223・23+・・・+m-1・2m-1 とおくと、

     X=(1+2)0・2=3−1−2

     よって、 T(2)=(2−2)+3−1−2=3−3

(2) (1)より、T(n)=(n+1)−(n+1) と類推される。この類推が正しいことを数学

  的帰納法により示す。

  n=1 のとき、(1)より明らかに成り立つ。

  n=k(k≧1)のとき成り立つと仮定する。すなわち、

     T(k)=(k+1)−(k+1)

   このとき、

  T(k+1)=Σ k=1〜m-1 m(k+1)

        =Σ k=1〜m-1 m{S(k)+(k+1)

        =T(k)+Σ k=1〜m-1 m(k+1)

        =T(k)+{1+(k+1)}−1−(k+1)

        =(k+1)−(k+1)+(k+2)−1−(k+1)

        =(k+2)−(k+2)

   よって、n=k+1のときも成り立つ。

  以上から、すべての自然数nについて、 T(n)=(n+1)−(n+1) が成り立つ。

(3) S(p−1) (k=1、2、3、・・・、p−2) は、pの倍数であるであることを、kについ

  ての数学的帰納法で示す。

  k=1 のとき、 S1(p−1)=1+2+・・・+(p−1)=p(p−1)/2

   ここで、pは3以上の素数すなわち奇数であるので、(p−1)/2は整数。

  よって、S1(p−1)はpの倍数である。

  k=1、2、3、・・・、q (q≦p−3)のとき、S(p−1)はpの倍数であると仮定する。

   T(n)=11(n)+22(n)+33(n)+・・・+m-1m-1(n)

       =Σ k=1〜m-1 m(n) (m≧2)

  において、m=q+2、n=p−1 とおくと、

   Tq+2(p−1)=q+211(p−1)+q+222(p−1)+・・・+q+2q+1q+1(p−1)

   ここで、(2)より、Tq+2(p−1)=pq+2−p なので、

   q+2q+1q+1(p−1)=pq+2−p−(q+211(p−1)+・・・+q+2(p−1))

   帰納法の仮定により、右辺は、pの倍数。

   すなわち、(q+2)Sq+1(p−1)は、pの倍数。

   ここで、q+2≦p−1 で、p は素数なので、q+2 は、p で割り切れない。

    よって、Sq+1(p−1)は、pの倍数でなければならない。

   これは、k=q+1のときも命題が成り立つことを示す。

  以上から、pが3以上の素数のとき、

    S(p−1) (k=1、2、3、・・・、p−2) は、pの倍数である

 ことが示された。



  以下、工事中