平方根2を求める数列                  戻る

 学生時代、数値解析の講義で、 を求める数列を学んだ。反復法により、コンピュー
タを利用して、 の近似値を求めた。それは、次のような漸化式で定まるものである。

             

この漸化式は、次のような ニュートン・ラフソン法 により、簡単に求められる。

ニュートン・ラフソン法   関数F(X) に対して、  (F’はFの微分)
 上のF(X)で、 F(X)=X2−2  とおけば、容易に漸化式が得られる。

最近、 を求める方法として、連立型の漸化式を活用する方法があることを知った。

 次の漸化式
           X+1=X+2Y ,Y+1=X+Y 
を考える。

 この漸化式を満たす点列(X,Y)のうち(X,Y)は、ペル方程式 2−2Y2=1
の解となり得る。

 実際に、
   X2(n+1)2−2Y2(n+1)2=(X2n+1+2Y2n+12−2(X2n+1+Y2n+12
                =(X2n+2Y2n+2(X2n+Y2n))2−2(X2n+2Y2n+X2n+Y2n2
                =(3X2n+4Y2n2−2(2X2n+3Y2n2
                =X2n2−2Y2n2=1

 ペル方程式において、X と Y が限りなく大きくなるとき、比 X/Y の値は、限りなく
近づく。

17 99 577
12 70 408
X/Y   1.5 1.416 1.414285 1.4142156

 最初にあげた漸化式では、その都度逆数計算が入るが、連立型の場合は、次の項を計
算するとき、単純な和の計算だけで済むところが優れている。

(参考文献:志賀浩二 著 おお、ピタゴラス(教育出版高校通信))


(追記) 東北大学名誉教授の土倉 保 先生が、数学セミナー(’03年6月号)で同様な
    話題(自然数の開平とペル方程式(京都大学数理解析研究所講究録))に触れら
    れているので紹介したい。

  このような問題は、江戸時代の和算家の興味を引いたらしい。

自然数 N の平方根を求める方法  (ただし、N は平方数ではないものとする。)

 ペル方程式 X2−N・Y2=1 の解のうち、一つの解を、X=a 、Y=b (a≧b≧1)とする。
(ペル方程式は必ず自明でない自然数解を持ち、しかも解は無限個存在することが知られ
ている。)
 いま、数列{a}、{b}を、

    a1=a 、 b1=b 、 an+1=2a2−1 、 bn+1=2a

で定める。
(このような漸化式は、既に和算家の手により見出されていたという。)

このとき、n を限りなく大きくすると、a/b は限りなく、平方根 N に近づく。

 ここで、例えば、N=2 とすれば、a=3、b=2 である。実際に計算してみよう。

・・・
17 577 665857 ・・・
12 408 470832 ・・・
/b 1.5 1.4166 1.4142 1.4142 ・・・

 上記の表では、n=4 の場合について、小数第4位までしか書かれていないが、実際は、

     1.4142 1356 237・・・・

と、ほぼ小数第11位までが正しく求められる。その収束の速さに驚かされる。