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 当HPの掲示板「出会いの泉」に、当HP読者のHN「V」さんより書き込みがあった。
                                      (平成25年3月23日付け)

 Webサイト「考える葦」で見つけた数列の問題です。完全には解決せずに議論が終わって
ます。

 1=1 、an+1=an/n+n/an (n≧1) で定まる数列{an}について、4以上の任意

の自然数nに対して、[an2]=n であることを示せ。(ここで、[ ]はガウス記号)


 n+1/2≦an2≦n+1/2+5/(4n)+3/(8n2)+1/(16n3) を帰納法で示せば出来そう
な感じですが、途中、(nの6次式)/(nの9次式)が出てくるなど、結構面倒な計算になりま
す。出典やスマートな解法をご存知なら教えて下さい。


 当HPがいつもお世話になっているHN「空舟」さんが考察されました。
                                      (平成25年3月23日付け)

 a1=1、a2=1+1=2、a3=a2/2+2/a2=1+1=2、

 a4=a3/3+3/a3=2/3+3/2=13/6、・・・・・

 そこで、 an2−n=b とおく方針を考えました。anは正なので、an=√(n+b)

 bn+1=an+12−(n+1)=(an/n+n/an2−(n+1)

    =(√(n+b)/n+n/√(n+b))2−(n+1)

    =(n+b)/n2+n2/(n+b)−n+1

 そこで、F(x)=(n+x)/n2+n2/(n+x)−n+1 とおくと、 bn+1=F(b

 F’(x)=1/n2−n2/(n+x)2 は、x>−nで単調に増加し、n≧4のとき、

  F’(0)=1/n2−1>−1 、 F’(1)=1/n2−n2/(n+1)2<0

 よって、 0≦x≦1のとき、 −1<F’(x)<0 が成り立つ。

 F(1)=(n+1)/n2+n2/(n+1)−n+1=1/n+1/n2+1/(n+1)=δ とおき、

G(x)=1−x+δ とおくと、 G(1)=δ=F(1)で、G’(x)=−1

よって、 0<x<1のとき、 F(x)<G(x) が成り立つ。

 G(δ)=1 なので、このとき、 δ<x<1 ならば、F(1)<F(x)<F(δ) で、

F(1)=δ、F(δ)<G(δ)=1 より、 δ<F(x)<1 が成り立つ。

 以上から、 δ<b<1 ならば、δ<bn+1<1 が成り立つ。


 GAI さんからのコメントです。(平成25年3月23日付け)

 n=1、2、・・・、30について、bの数値計算をしてみました。

{0, 2, 1, 0.694444, 0.701687, 0.612735, 0.627728, 0.579599, 0.593612, 0.561558, 0.573916,
0.550195, 0.561079, 0.542378, 0.552047, 0.536669, 0.545344, 0.532317, 0.540171, 0.528889,
0.536059, 0.526119, 0.532711, 0.523833, 0.529932, 0.521916, 0.527588, 0.520284, 0.525585,
0.518879}


 Vさんからのコメントです。(平成25年3月24日付け)

 「きれいな証明」だと思います。ありがとうございます。GAIさんも調べられたように、an2は、
n+1/2に上から収束する様子なので、n+1/2≦an2≦n+1/2+F(n)のように、より精
密な評価ができそうですね。なお、ある方は「軌道の安定性計算」と関係あるようなことを言
れていました。出典は不明ですが、大学入試にしては難しすぎる(時間内に誘導やヒントな
しで解くのは無理?)ので、「エレガントな解答をもとむ」とか「学力コンテスト」みたいなのか
も知れませんね。


 空舟さんからのコメントです。(平成25年3月24日付け)

 GAIさんの数値を見ると1つとばしに分析する方針が浮かびました。コンピュータで調べると

  √n <an <√(n+1) ならば、 √(n+2) <an+2 <√(n+3)

が成り立つようです。

 F(x)=x/n+n/x 、G(x)=x/(n+1)+(n+1)/x 、P(x)=G(F(x)) とおく。

 考察区間周辺では、F’、G’は負、P’は正であるので、

   P(√n) > √(n+2)  と P(√(n+1)) < √(n+3)

を直接示せました。2番目はちょっと煩雑になってしまいました。

 1番目は、F(√n)=1/√n+√n=(n+1)/√n なので、

   P(√n)=1/√n+√n=(n+1)/√n=√(n+2+1/n) > √(n+2)

 2番目は、

 F(√(n+1))=n/√(n+1)+√(n+1)/n=(n2+n+1)/{n√(n+1)} なので、

P(√(n+1))={(n2+n+1)/(n2+n)}/√(n+1)+{(n2+n)/(n2+n+1)}√(n+1)

       =1/√(n+1)+{1/(n2+n)}/√(n+1)+√(n+1)−{1/(n2+n+1)}√(n+1)

       <√(n+1)+1/√(n+1)+{1/(n2+n)}/√(n+1)−{1/(n2+2n+1)}√(n+1)

       =√(n+1)+1/√(n+1)+{1/(n2+n)−1/(n+1)}/√(n+1)

       =√(n+1)+1/√(n+1)−(1−1/n)/(n+1)/√(n+1)

 これが、「< √(n+3)」であることを確かめる。

 √(n+3)−P(√(n+1))

=√(n+3)−√(n+1)−1/√(n+1)+(1−1/n)/(n+1)/√(n+1)

>1/√(n+2)−1/√(n+1)+(1−1/n)/(n+1)/√(n+1)  (← [*]を使った)

=(1−1/n)/(n+1)/√(n+1)−{1/√(n+1)−1/√(n+2)}

>(1−1/n)/(n+1)/√(n+1)−1/{(n+1)(n+2)}/2/√(n+1)}  (← [**]を使った)

={1−1/n−1/(n+2)/2 }/(n+1)/√(n+1)>0

  ここで、

   [*]  a>b のとき (a+b)/2 = c とおくと、以下が成り立つ。

       √a−√b > (a−b)/2 /√c

     逆数をとると、 √a+√b < 2√c

     移項して、 √a−√c < √c−√b

     逆数をとって、√a+√c > √c+√b

      以上を下から上にたどれば証明される。

   [**] 逆向きの評価では以下が成り立つ。

        √a−√b <(a−b)/2 /√a


 確認してないですが、P(√(n+1.5))> √(n+2.5) は示せるかもしれません。でも、できれば
さらに 1/2 に収束することまで示せたら嬉しい...。単にこのような問題を「軌道の安定性計算」
と呼ぶ感じのようです。やっぱり何か背景にあるわけではなかったかもしれません。
(・・・もうちょっと考えてみたいです。)


 Vさんからのコメントです。(平成25年3月24日付け)

 別証明とは早いですね。「考える葦」でやままやさんがいっておられた方式はこれですね!

 やままやさんの投稿より
-------------------------ひんとだよ------------------------------------
  f(n,x)=n/x+x/nとおくと、√(n+2)<f(n+1,f(n,√n))<f(n+1,f(n,√(n+1)))<√(n+3)
  したがって、√n≦a_n<√(n+1) ならば √(n+2)≦a_{n+2}<√(n+3).

 名前:元スレ主の代わり 日付:2013/3/20(水) 17:42
 f(n+1,f(n,√(n+1)))<√(n+3) を示すのが、結構めんどくさい式になりそうです。やままやさん
 の手順を教えて下さい。

 Re: 無許可再うp)数列とガウス記号 名前:やままや 日付:2013/3/20(水) 21:0
 力学系の問題(軌道の安定性問題)は多少計算が面倒でも力技で進めるのが王道です.
 どのオーダーが支配的か一見ではわからんからね



 空舟さんからのコメントです。(平成25年3月24日付け)

 an が √(n+1/2) に収束しそうと分かったからには、これを示すために、an2−n−1/2=bn
とおく考察を試みました。

   b1=-1/2、b2=3/2、b3=1/2、b4=7/36、・・・

 bn+1=F(bn) すなわち、F(x)=(x+n+1/2)/n2+n2/(x+n+1/2)+1/2−n とおく。

 F(x)=x の交点の片方を計算させたもの:(n2√(4n2-3)-2n3+2n+1)/(2n2-2)=pn とおく。

 また、0≦x≦1 では 0>F’(x)≧F’(0) が成り立つ。

 F’(0)= -(4n4-4n2-4n-1)/(4n4+4n3+n2) である。
(近似的には、pn≒(5n+4)/(8n2-8) 、F’(0)≒-1+1/n)

 0≦x≦2pn のとき、平均値の定理などを考えることにより、

   (1−|F’(0) |)pn≦F(x)≦ (1+|F’(0) |)pn

もし、右辺≦2pn+1 が示せれば、 0≦F(x)≦2pn+1 が従う。

 p4=0.198... より、 0≦b4≦2p4 なので、上記が言えれば数学的帰納法により、

0≦bn≦2pn と言えて、pn → 0 なので、bn → 0 が従うことになる。

 そこで、問題の (1+|F’(0) |)pn≦2pn+1  を示したい。[多少計算が面倒でも力技で進め
るのが王道]に従って、(右辺)-(左辺)をコンピュータで計算させると、

 {24n^7+74n^6+40n^5-36n^4-49n^3-28n^2-11n-2
   -(8n^7+24n^6+18n^5-12n^4-24n^3-12n^2-2n)√(4n^2+8n+1)
     +(8n^7+20n^6+5n^5-10n^4-9n^3-2n^2)√(4n^2-3)}
 /(8n^7+24n^6+10n^5-20n^4-18n^3-4n^2)

 数値計算的には、これは正になるのは正しそうです。0に収束するらしくかなりぎりぎりです。

 分子をとりだすと、

 24n^7+74n^6+40n^5-36n^4-49n^3-28n^2-11n-2
-(8n^7+22n^6+(23/2)n^5-11n^4-(33/2)n^3-7n^2-n){√(4n^2+8n+1)-√(4n^2-3)}
-(2n^6+(13/2)n^5-n^4-(15/2)n^3-5n^2-n){√(4n^2+8n+1)+√(4n^2-3)}

>24n^7+74n^6+40n^5-36n^4-49n^3-28n^2-11n-2
 -(8n^7+22n^6+(23/2)n^5-11n^4-(33/2)n^3-7n^2-n)*(4n+2)/√(4n^2+8n+1)
 -(2n^6+(13/2)n^5-n^4-(15/2)n^3-5n^2-n)*2*√(4n^2+4n+2)・・・([*]を使った)

>24n^7+74n^6+40n^5-36n^4-49n^3-28n^2-11n-2
 -(8n^7+22n^6+(23/2)n^5-11n^4-(33/2)n^3-7n^2-n)*(4n+2)/(2n+1)
 -(2n^6+(13/2)n^5-n^4-(15/2)n^3-5n^2-n)*2*(4n^2+4n+2)/(2n+1)

 コンピュータにこれを展開させると、(12n^6+31n^5+58n^4+34n^3-4n^2-9n-2)/(2n+1)

正であることが分かった。

 ここで、[*]  a>b 、c=(a+b)/2 とすると、

        √a - √b <(a-b)/2/√a 、√a + √b < 2√c


 Vさんからのコメントです。(平成25年3月24日付け)

 ありがとうございます。それにしても、空舟さんの最初の 0≦an2−n=bn<1の証明の
簡潔さとの違いはなぜなんでしょう?


 空舟さんからのコメントです。(平成25年3月24日付け)

 最初の時は、bn がある区間に含まれることを示すのが目的だったので、Fを作用させた
時のxの区間からF(x)の区間への変化が、(δ,1) --> (δ,1) と収まることを示せば良かっ
たのですが、これでは収束することは示せなかったです。
(正確にはδはnの関数で、0に近づく関数だったので区間は広くなっていく)

 今回は収束することを示すのが目的で、区間の幅がだんだんせまくなって収束する必要
があり、いろいろ試したところ、[0,2pn] --> [0,2pn+1] という評価をすることにしました。

 前の記事に書かれた

  n+(1/2)≦an2≦n+(1/2)+F(n) のように、より精密な評価ができそうですね。

ということを行ったことになります。このF(n)が最新の投稿でのbnに相当します


 Vさんからのコメントです。(平成25年3月24日付け)

 なるほど、良く分かりました。ありがとうございました。


 空舟さんからのコメントです。(平成25年3月26日付け)

 anとbnの極限が一致する時、適当な関数F(x)に対して、(F(an)-F(bn)) / (an-bn) = F’(cn)
となるようなcn (平均値の定理)をとると、 lim (cn-an)/(bn-an) = 1/2 が成り立つようなこと
を聞いたことがあります。
[ イメージ的には、cn 〜 (an+bn)/2 ]・・・証明 or 詳しい適用条件はちょっと分からないです。

 例えば、F(x)=1/x とすると、 cn=√(an*bn)

 このようなcの取り方を、c = G(a,b) とおいてみます。関数F(x)を決めるとGが決まる仕組

みです。

 ak、bkは、k→∞で0に収束する前提とする。c0を初期値とする。a1=c0+ak、b1=-c0+bk

定める。以下帰納的に、ck=G(ak,bk) 、ak+1=ck+ak+1 、bk+1=ck+bk+1 と定める。ckは、次

の漸化式を満たす: ck+1=G(ck+ak,-ck+bk)

 最初に書いたことと私の考察が正しいとすれば、ck ≒ (ak+bk)/2 となると思います。

 ak=0、 bk=1/k、 F(x)=1/x で適用したところ、ck+1 = √(ck(-ck+1/k)

 これを利用すると、Ak=k・ck によって以下の結果を得ました:

 An+1=(1+1/n)√{An(n-A[n])} という漸化式による数列について、0<A1<1 のとき、n→∞
のとき An≒n/2 となります。
(前の問題の経験では、この証明はちょっと手間がかかると思います。)

 この方針で、a、b、Fをうまく設定したら、冒頭の an+1=an/n+n/an も得られるかもしれ
ないと思ったのですが、できるかどうかは分かりません・・・。
(→ どうもこれではうまくできないですね。)



   以下、工事中!