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 平成17年6月30日 けい さんという中学生の方から当HPの掲示板「出会いの泉」に
数学の質問の書き込みをいただいた。

問題  正三角形ABCがあり、ACに関して線対称に正三角形ACDを作る。このとき、
    四角形ABCDはひし形となる。そのひし形の外部に、BC=BFとなるような平行
    四辺形BEFCを作る。ただし、∠BED=30°とする。
     このとき、ひし形ABCDと平行四辺形BEFCの面積比を求めよ。


 けい さんによれば、「中学生用の問題ですが,小学生でも解ける!」とのことである。

 問題となる図形を描画すると下記のようになる。

     

 ∠BED=30°から、線分BDと線分BEは平行ではない。よって、3点B、D、E を通る円
がただ一つ存在する。その円の中心Oは、線分BD、BEの垂直2等分線の交点として得ら
れる。

 上で述べたことは、点Eが作図できたときに持つ性質であるが、ひし形ABCDから次のよ
うにして点F、ひいては点Eを作図することが出来る。

 BDを一辺とする正三角形DBOを点Aの反対側に作る。線分CBのB方向の延長上に、
BC=BGとなる点Gをとり、GとOを結ぶ。この線分GOと、点Bを中心とし半径BCの円弧
との交点をFとする。このとき、四角形FBGEがひし形になるように点Eを定めることができ
る。このとき、点Eは、円Oの周上にあり、明らかに点E、Fは、問題の条件を満たす。

 この問題に対して、当HPがいつもお世話になっているHN「らすかる」さんが、座標幾何
を用いた解法を示してくれた。(平成17年7月2日付け)

 AB=2 とし、Bを原点とする xy座標平面を考えると、

   円 B の方程式は、x2+y2=4

   円 O の方程式は、(x−3)2+(y+)2=12

 よって、EF=2 なので、

   の両辺を平方して整理すると、

     

 これを、さらに平方して解を求めると、

      

 ここで、前者は、B、C の y 座標、後者は、E、F の y 座標なので、ひし形と平行四辺形

の高さの比は、  : (5/7) = 7 : 5 となる。

ここで、ひし形と平行四辺形は辺BCを共有しているので、面積比は高さの比に等しい。

 よって、ひし形と平行四辺形の面積比は、 7 : 5 となる。

(コメント) 当初私も座標幾何を用いて、強引に計算した。因みに私の用いた方程式は、
      円Oの方程式を、 x2+y2=12
      円Bの方程式を、 (x+3)2+(y−)2=4
     とした。これにより、らすかるさんと同様の結果(y=、(2/7))を得ることが
     出来る。
      この解法は、無理方程式や円の方程式を用いているので、高校3年生レベル
     の解答といえる。

 らすかるさんは、さらに、座標幾何を用いない解法(一部修正)も示してくれた。

   正三角形BODを作ると、Eは円
  O の周上にある。また、△FBEは
  二等辺三角形なので、直線OFは
  BEの中点Hを通る垂線である。

   半径ABの円Bにおいて、
  ∠CFH=90°なので、直線OHと
  直線CBの交点をGとすると、
  BC=BG である。

   また、直線GCと直線ODの交点 I
  は線分ODの中点で、GI ⊥ OD 。

   中点連結の定理から、CO=AC
  なので、△OCG=△AGC となる。
   
 また、 △OIC=(1/2)△ABC=(1/4)△AGC なので、
 △OIG=△OIC+△OCG=(5/4)△AGC となる。
ここで、AB=2 とすると、GI=5、OI= なので、三平方の定理により、 OG=
 このとき、 △CFG∽△OIG より、 CG : OG=4 :
面積比は相似比の2乗に等しいので、 △CFG=(4/7)△OIG
 上記より、△OIG=(5/4)△AGC なので、
   △CFG=(4/7)(5/4)△AGC=(5/7)△AGC となる。
ここで、 △HEF≡△HBG より、
      △CFG=(平行四辺形BEFCの面積)
 また、  △AGC=2△ABC=(ひし形ABCDの面積) 
であることから、
    (平行四辺形BEFCの面積)=(5/7)(ひし形ABCDの面積) であるといえる。
 よって、
      (ひし形ABCDの面積) : (平行四辺形BEFCの面積) = 7 : 5

 らすかるさんは、「 あとは√が出てこないようにすれば小学生レベルに近づきますが、
円周角の定理は小学生レベルではないような・・・」という感想を述べられています。

(コメント) 「面積比は相似比の2乗に等しい」という事実や円周角の定理を用いているこ
      とから、上記の解法は、高校1年生レベルの解答といえる。

 らすかるさんは、面積を実際に求めて、その比を計算しているが、3類生さんのアイデア
(もちろん、らすかるさんの座標幾何における計算でも用いられたが)「底辺が共通の時は
面積比は高さの比に等しい」を用いると、もう少し解答が整理できそうである。

(解) AB=2 とすると、 BG=2、GI=5、OI= である。よって、OG=

   △BGH∽△OGI なので、 BG : BH = OG : OI

   よって、 2 : BH =  より、 BH=2/

   同様にして、 BG : GH = OG : GI より、 2 : GH = : 5

   よって、 GH=10/ となる。 このとき、 FG=2GH=20/

   また、 △BGH∽△FGJ なので、 BG : FG = BH : FJ

   よって、 2 : 20/ = 2/ : FJ より、 FJ=5/7

   ID= なので、 ID : FJ = : 5/7 = 7 : 5

   したがって、

     (ひし形ABCDの面積) : (平行四辺形BEFCの面積) = ID : FJ = 7 : 5 (終)

(コメント) この解法は、三平方の定理と図形の相似を用いているので、中学3年生レベル
      の解答といえる。

 果たして、この問題に対して小学生レベルの解法は存在するのだろうか?これについて
は今後の研究としよう。もし、そのような解法を発見された方、こちらまでメールにてお教え
下さい。