数26                                    戻る

 当HPの掲示板「出会いの泉」に、平成22年12月10日付けで、HN「無学文盲」さんから
次のような書き込みがあった。

 通りすがりに失礼ながら、質問がございます。

  25、26、27のように平方数と立方数にはさまれた唯一の数は26である

ということを風の便りでうかがいました。この証明をご存知の方はいらっしゃいますか。どな
たか、お時間がありましたらご教授願います。


 掲示板の方では、私自身

 3=x2+2 の整数解が、 x=±5 、y=3 のみだからですかね!
高木貞治著「初等整数論講義」第2版 の305ページ[問題1]に解答が書いてあります。


と、素っ気ない書き込みをしてしまったが、当HPがいつもお世話になっているHN「FN」さん
が丁寧に質問に答えられた。(平成22年12月12日付け)

 立方数、□、平方数の並びも認めるなら、 (−1)3 、0 、12 もありますね!

 ネット上では、次のサイト: http://planetmath.org/encyclopedia/Y2X32.html に解答が
あります。多分「初等整数論講義」の証明と同じものだろうと思います。

 2次体の整数論を使った証明です。大体の流れを書きます。

 −2の平方根を ω として、S=Z(ω)={ a+bω|a、b は整数 }を考える。

次の3つのことを使います。

 (1) Sの元 α=a+bω に対して、N(α)=a2+2b2 とすると、N(αβ)=N(α)N(β)

 (2) Sの元 α について、αは単元(Sの中に逆元をもつ) ⇔ N(α)=1 ⇔ α=±1

 (3) α、β、γ をSの元とする。αβ=γ3 で、α、βが単元でない公約数を持たない
   とき、α=δ3 となるSの元δがある。

(1)(2)は容易に証明できます。(3)は、S=Z(ω) が素元分解環であることを使えば出ま
す。それを使わないでも出るかどうかはわかりません。

 x2+2=y3 より、x、y の偶奇は一致する。

 x、y がともに偶数とすると、x2、y3 ともに4の倍数なので、2=y3−x2 も4の倍数となり矛

盾。従って、x、y がともに奇数である。S=Z(ω)={ a+bω|a、b は整数 }で考える。

 (x+ω)(x−ω)=y3 において、x+ω、x−ω が単元でない公約数 d を持つとする。

 x+ω=dA 、x−ω=dB となるので、2ω=d(A−B) より、 N(2ω)=8 で、これが、

N(d)N(A−B)に等しい。dは単元ではないから、N(d)は 1 ではない。

従って、N(d) は偶数で、N(x+ω)=N(d)N(A) も偶数になるが、N(d)=x2+2=y3 は奇数で

あるから矛盾。従ってx+ω、x−ωは単元でない公約数を持たない。

 (x+ω)(x−ω)=y3 であるから、(3)より、x+ω=δ3 となる。

δ=a+bω とおく。あとは簡単な計算です。

(コメント) FNさん、ありがとうございます。

 高木貞治著「初等整数論講義」第2版 の305ページ[問題1]では次のように解かれてい
ます。

 2次体 K[]={ x+y |x、y は有理数 }におけるイデアルの類の数が1であ
ることを用いる。

 (x+)(x−)=y3 において、 x+ 、x− は互いに素である。

実際に、公約数があるとすると、が公約数であり、各因数はの1乗でしか割り

切れない積は立方になりえない。これは矛盾である。

 したがって、単数±1が立方であることに注意して、x+=(a+b3 と書ける。

これより、 3a2b−2b3=1 となり、 b=±1 、3a2−2b2=±1 すなわち、

   b=1 、 a=±1

となる。このとき、 (±1+3=−5+ 、5+ より、x=±5 、y=3

である。


FNさんからのコメントです。(平成22年12月13日付け)

 初等整数論講義による証明では、イデアルの類の数が1であることを用いる証明というこ
とで、それは単項イデアル整域であることを示し、従って、素元分解環であることだから、本
質的には私のものと同じ証明でしょうが少し違うようです。

 英文の証明を見て前の解答を書いたので、「unit」の訳語として、「単元」を使いましたが、
初等整数論講義等の数論関係の本では「単数」を使うことが多いようなので、単数を使うこ
とにします。代数関係の本では単元や正則元、可逆元を使うようです。

 x+ω、x−ω が単数でない公約数を持たないこと、即ち、互いに素であることを次のよう
に示しています。

 (1) 単数でない公約数を持つなら、それは ω である。

 (2) ω が公約数であるとき、x+ω、x−ω ともに ω の1乗でしか割り切れない。

(1)は、x+ω、x−ω の公約数は、x+ω−(x−ω)=2ω=−ω3 の約数でもあり、ω は
Sで素数だから、公約数は、ωであるとしてよいようです。

(2)は、ω2=−2 で割り切れるとすると、(x+ω)(x−ω)=y3 が2で割り切れることにな
って不都合とするのかなと思うのですが、そのためには、y が奇数であることを示しておくこ
とになりそうですが、もっと簡単に言えますか。

 x2−2=y3 の整数解が、x=1、y=−1 のみであるかどうかを考えてみました。

2の平方根を ω として、同じようにすると、x+ω、x−ω が互いに素であることは、同様に
できるようです。ただ、ω= のときの単数が±1だけだったのに対して、ω=
ときの単数が無限にあるので同様にはいきません。x+ωが立方数とはならず、立方数×
単数となるのでちょっと面倒かなと思います。

 x2±n=y3 (1≦n≦10程度)の整数解を、Excel で調べてみましたが、x や yが小さい
所にせいぜい2個の解があるだけのようでした。


らすかるさんからのコメントです。(平成22年12月14日付け)

 x2±n=y3 の整数解の個数について調べたところ、やはりありました。

   x2+n=y3 の整数解の個数は、  http://oeis.org/A081120

   x2−n=y3 の整数解の個数は、  http://oeis.org/A081119

です。これによると、n≦10000の範囲で解の個数が最大となるのは、

 +n の方は x2+3807=y3 と x2+3896=y3 の22個

 −n の方は x2−1025=y3 の32個のようですね。


FNさんからの返信です。(平成22年12月14日付け)

 x2±n=y3 (1≦n≦10程度)の整数解の個数がせいぜい2個と書きましたが、x、yが自
然数だけを調べていました。それでも、n=8、9 では、3個ありますね。ちゃんと3個出てる
のに2個と数えていました。

 整数列大事典は何でも載ってるものですね。楕円曲線の書き方に従って、 y2=x3±n

と書きます。整数列大事典も、もちろん、この形です。

 楕円曲線の一般論によれば、y2=x3±n (nは自然数)の整数解の個数は有限個だそう
です。(ジーゲルの定理より)

 「特別講義」−「2次体の整数論」−「2次体の整数」で、y2=x3+1 について調べられて
います。数論的に完全に解ける所まではいってないようです。
                             (...スミマセン、ほったらかしでした...f(^_^;)

 x、y の偶奇は異なります。x が偶数で、y が奇数の場合は、x=2X、y=2Y+1 と置くと
X3=Y(Y+1)/2 となります。即ち、立方数でかつ三角数である数は何かという問題になり
ます。

 答えは、1だけのはずですが、これは、y2=x3+1 の整数解を求めよという問題の半分
ほどの問題ということになります。難しい方の半分か易しい方の半分かはわかりませんが。