自然対数の底 e が無理数であること        戻る

 自然対数の底 e(Napier の数)は、  により定義される。
高校では、  で定義されることが多いが、前者の級数は非常に速く収束

するので、e の値を計算するのに便利である。2項定理を用いて、容易に

                
であることが示される。

   が収束する速さは、次のような不等式を用いて評価される。
    とおくとき、

    

        

 よって、     ・・・・・ (*)  が成り立つ。

 e =2.7182818284590452353・・・・・ に対して、

    s10=2.718281・・・・・

    

であることを考えれば、収束の速さは明らかである。

 s の収束が非常に速いので、電卓を用いて計算してみようという気になる方もおられよう。

たとえば、s10 の計算は、広島工業大学の大川研究室によれば、

  [・・・{{(1/10+1)/9+1}/8+1}・・・]/1+1

と考え、前から順番にキーを叩けば、紙にメモすることなく計算できるとのことだ。
                                 (→参考:「面白い電卓の使い方」)

 また、評価式 (*) を用いると、e が無理数であることが容易に示される。

 今、e が有理数と仮定すると、
                     

と書ける。ただし、p 、 q は、互いに素な正の整数である。

 このとき、 (*) より、
              

なので、
        

 ここで、 q!e および q!s はともに整数なので、 q≧1 より、0 と 1 の間に整数

が存在することになり、これは矛盾である。よって、 e は無理数である。


(参考文献 : Walter Rudin 著 Principles of Mathematical Analysis (McGRAWHILL))