正7角形のある性質 
学校教育や大学入試で正7角形が扱われることは、ほとんどないが、その図形の中に
秘められた性質にはとても美しいものがあることを最近知った。
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左図は半径 103 の円に内接する正7角形である。 |
この予想は正しく、次のように証明される。ただし、円 O の半径を 1 とする。
∠BAC=θ(=π/7)とおくと、∠AOB=2θ、∠AOC=4θ、∠AOD=6θ である。
このとき、a=2sinθ、b=2sin2θ、c=2sin3θ である。
よって、
ab−bc+ca=4sin2θsinθ−4sin3θsin2θ+4sin3θsinθ
=−2(cos3θ−cosθ)+2(cos5θ−cosθ)−2(cos4θ−cos2θ)
=−2(cos4θ+cos3θ)+2(cos5θ+cos2θ)
=−4cos(7/2)θcos(1/2)θ+4cos(7/2)θcos(3/2)θ
=4cos(7/2)θ(cos(3/2)θ−cos(1/2)θ)
ここで、14θ=360°より、(7/2)θ=90°なので、cos(7/2)θ=0
したがって、
ab−bc+ca=0 すなわち 1/a=1/b+1/c が成り立つ。
(コメント) 上記のように証明はできたのだが、解析的な手法を用いているので、証明自
体にあまり美しさが感じられない。この等式は、初等幾何を用いて証明できな
いのだろうか?それは、読者のための練習問題に残しておこう。
初等幾何的証明ができた方は、是非こちらにメールで解答をお寄せください。
(追記) 上記の初等幾何的証明として、プトレマイオスの定理を用いると鮮やかに示され
る。いやむしろ、あまりに鮮やかすぎて、感動を味わう余裕がないかもしれない。

左図において、四角形 ACDE は、円に内接する
四角形なので、プトレマイオスの定理より、
AD・CE=CD・AE+AC・DE
よって、 bc = ac + ab が成り立つから
1/a=1/b+1/c
である。(証明終)
(コメント) この初等幾何的証明をみると、解析的証明が虚しく思えてくる。まさに、快刀
乱麻の切れ味に、加法定理もたじたじである。もっとも、加法定理も、プトレマ
イオスの定理から導かれることを考えると、これも当然の帰結であろうか!
(追記) 平成17年5月6日付け
T.I.さんという方から別証明を頂戴した。その趣旨を生かしながら多少補足・修正を行っ
たものが下記の証明である。
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左図において、 点B、点Dよりそれぞれ線分AC、 線分AEへ垂線を下ろし、その垂線の足をL、Mと する。 このとき、 ∠BAL=∠DAM、∠BLA=∠DMA=90° なので、 △ABL ∽ △ADM である。 いま、∠BAC=θ とおく。 |
△ABC において、余弦定理より、 a2=a2+b2−2abcosθ なので、 b=2acosθ
よって、 a=b/(2cosθ) が成り立つ。
(この式は、余弦定理を用いなくても求めることができる。線分BLの長さに注目すれば、
asinθ=(1/2)btanθ=(1/2)bsinθ/cosθ より、a=b/(2cosθ) が成り立つ。)
同様に、△ACD において、余弦定理より、 a2=b2+c2−2bccosθ
△ADE において、余弦定理より、 a2=c2+c2−2c2cosθ なので、
a2=2c2(1−cosθ)
この式を、 a2=b2+c2−2bccosθ に代入して、
2c2(1−cosθ)=b2+c2−2bccosθ より、
2c(b−c)cosθ=b2−c2
よって、 b≠c なので、 c=(b+c)/(2cosθ) が成り立つ。
ここで、 △ABL ∽ △ADM なので、 AB : AD = BL : DM
したがって、 a : c = a・sinθ : c・sinθ において、
b/(2cosθ) : (b+c)/(2cosθ) = a・sinθ
: c・sinθ
よって、 bc・tanθ/2 = a(b+c)・tanθ/2 より、 bc = a(b+c) が成り立つ。
これより、 1/a=1/b+1/c であることが言える。
(コメント) 冒頭の証明では、三角関数の和積の公式、積和の公式を活用しているので、
数学Uのレベルの証明と言える。これに対して、頂戴した証明は、余弦定理を
活用しているので、数学Tのレベルの証明と言える。別証明をいただいたT.I.
さんに感謝いたします。
(追記) 上記で、「T.I.さんの趣旨を生かしながら」行った証明のつもりであったが、T.I.
さんと何度かメールをやりとりして、全く「T.I.さんの趣旨」を生かしていないことに
気づかされた。
上記の証明では余弦定理を用いているが、簡単な三角比の計算で証明されるようである。
ここでは、「T.I.さんの趣旨」を注意深く厳守し、再度証明を記述しようと思う。上記の証
明を見て、もしかしたら、T.I.さんは不快に思われたかもしれない。お詫び申し上げます。
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左図において、 点B、点Dよりそれぞれ線分AC、 線分AEへ垂線を下ろし、その垂線の足をL、Mと する。 このとき、 ∠BAL=∠DAM、∠BLA=∠DMA=90° なので、 △ABL ∽ △ADM である。 いま、∠BAC=θ とおく。 |
直角三角形ABL において、 cosθ=(1/2)b/a より、 a=b/(2cosθ) が成り立つ。
また、四角形ABDE は、等脚台形なので、 AM=b+(c−b)/2=(b+c)/2
よって、 直角三角形ADM において、 cosθ=((b+c)/2)/c より、
c=(b+c)/(2cosθ)
が成り立つ。
ここで、 △ABL ∽ △ADM なので、 AB : AD = BL : DM
したがって、 a : c = a・sinθ : c・sinθ において、
b/(2cosθ) : (b+c)/(2cosθ) = a・sinθ
: c・sinθ
よって、 bc・tanθ/2 = a(b+c)・tanθ/2 より、 bc
= a(b+c) が成り立つ。
これより、 1/a=1/b+1/c であることが言える。
(コメント) 比較的初等的で、スッキリした証明ですね!
さらに、T.I さんから三角比を用いないで三平方の定理で十分とのご教示をいただいた。
直角三角形ABL において、三平方の定理より、
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また、四角形ABDE は、等脚台形なので、 AM=b+(c−b)/2=(b+c)/2
このとき、直角三角形ADM において、三平方の定理より、
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ここで、 △ABL ∽ △ADM なので、 AB : AD = BL : DM
よって、
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これより、
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が成り立つ。
したがって、 bc = a(b+c) なので、 1/a=1/b+1/c であることが言える。
(追記) 平成17年11月13日付け
T.S.さんから「三角関数を使わないさらに初等的な証明を思いついた」旨のメールを頂
いた。
初等幾何の性質のみを用いる証明であり、多少文言等を修正し紹介したいと思う。
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(証) 左図において、 線分BEと線分ACの交点を F とおく。 このとき、線分EFは、∠AECの2等分線なので、 CF : FA = b : c よって、 CF=b×(b/(b+c))=b2/(b+c) また、△ADE ∽ △ECF なので、 AD : DE = EC : CF より、 c : a = b : b2/(b+c) = (b+c) : b よって、 bc = a(b+c) より、1/a=1/b+1/c (証終) |
(コメント) とても簡明な証明で感動しました。角の2等分の性質が巧妙に使われていて面
白いですね!T.S さんに感謝いたします。
(追記) 平成19年6月3日付け
埼玉県在住の大学生 H.S.さんから「初等的な証明を思いついた」旨のメールを頂いた。
一部文言等を修正し紹介したいと思う。H.S.さんに感謝します。
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(証) 左図において、 線分CGと線分ADの交点を H とし、AC//GD//HI となる点 I をとる。 このとき、△CDH、△HCI は2等辺三角形なの で、HI=HC=CD=a が成り立つ。 また、△HAC ∽ △HDG より CH : HG = b : c よって、△CHI ∽ △CGD なので、 CH : CG = HI : GD すなわち、 b : b+c = a : c よって、 bc = a(b+c) より、1/a=1/b+1/c (証終) |
(コメント) 平行線の錯角や同位角、2等辺三角形の性質、相似三角形の性質と、十分初
等的な証明ですね!これらの簡明な証明と冒頭の証明を並べると、ちょっと赤面
してしまいますね!
(追記) 平成22年7月14日付け
広島工業大学 大川研究室より、上記の何れの証明とも異なる別証があることをメール
でご教示いただいた。
Art of Problem Solving
このHPでは、HN「timon92」さんによる次のような証明(H22.7.14)が紹介されている。
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(証) 左図のように、辺ABとCDの延長上の交点 をEと置くと、∠AEC=∠ACE=3π/7 で、 △AECは、AE=ACの2等辺三角形である。 よって、 a/c=AB/AD=BC/AD また、BCとADは平行なので、 BC/AD=BE/AE=(b−a)/b したがって、a/c=(b−a)/b=1−a/b より、 1/a=1/b+1/c (証終) |
(コメント) 意外なところに2等辺三角形でしたね!美しい証明です。
(追記) 平成22年9月16日付け
当HPがいつもお世話になっているHN「FN」さんより、この話題に関連する新しい問題を
頂いた。
正7角形は互いに相似だから、a、b、c の比は決まる。そのためには、
1/a=1/b+1/c
という式1つでは足らない。もうひとつの式はいろいろあるだろうが、一番普通なのは、
a+c=b2/a (ただし、b<c )
だろう。これも、トレミーの定理から容易に証明できる。
実際に、四角形 ABCD は、円に内接する四角形なので、
AC・BD=AB・CD+BC・AD すなわち、 b2=a2+ac
したがって、 a+c=b2/a が成り立つ。(終)
正7角形の辺と対角線の長さ a、b、c (a<b<c) はこの2つの式で特徴づけられる。
a、b、c の間にはいろいろな関係があるだろうが、全てこの2式から導かれるはずである。
そこで、練習問題である。
正7角形の辺の長さを a 、対角線の長さを b、c (a<b<c) とするとき、
b2/a2+c2/b2+a2/c2
の値を求めよ。
2式から代数の問題として解いてもいいし、正7角形の辺と対角線であることから三角関
数とかを使ってもかまいません。
FNさんの問題を見て、何やら面倒そうと思ったので、数値計算で答えを試算してみた。
(試算) 冒頭の作図から得られた数値 a=90 、b=162 、c=203 を代入すると、
b2/a2+c2/b2+a2/c2=5.0067844・・・
なので、求める値は、「5」かな?(これって、邪道ですよね...。)
FNさんから「正解!」と言われて、上記のアバウトな計算の気恥ずかしさから、もっと真面
目に計算しようと思い立った。(平成22年9月18日付け)
(解) 正7角形の辺の長さを a 、対角線の長さを b、c (a<b<c)
とするとき、
上記より、 1/a=1/b+1/c すなわち、 bc=ab+ac
a+c=b2/a すなわち、 b2=a2+ac
が成り立つ。
同様にして、四角形 ABDE は、円に内接する四角形
なので、 AD・BE=AB・DE+BD・AE
すなわち、 c2=a2+bc が成り立つ。
これらの3式を用いて、
b2/a2+c2/b2+a2/c2=5
が成り立つことを示す。
まず、 b2=a2+ac より、 b2/a2=1+c/a
さらに、 1/a=1/b+1/c より、 c/a=c/b+1 なので、
b2/a2=2+c/b
c2=a2+bc より、 c2/b2=a2/b2+c/b
c2=a2+bc より、 a2=c2−bc なので、 a2/c2=1−b/c
よって、
b2/a2+c2/b2+a2/c2
=2+c/b+a2/b2+c/b+1−b/c
=3+2c/b+a2/b2−b/c
ここで、 1/a=1/b+1/c より、 a/b=1−a/c なので、
b2/a2+c2/b2+a2/c2
=3+2c/b+1−2a/c+a2/c2−b/c
=4+2c/b−2a/c+a2/c2−b/c
=4+2c/b−2a/c+1−b/c−b/c
=5+2(c/b−a/c−b/c)
ここで、 c2=a2+bc 、b2=a2+ac より、 c2−b2=bc−ac なので、
c/b−a/c−b/c=(c2−ab−b2)/bc=(bc−ab−ac)/bc=0
したがって、 b2/a2+c2/b2+a2/c2=5 が成り立つ。 (終)
この問題に、当HPがいつもお世話になっているHN「らすかる」さんも挑戦された。
(平成22年9月18日付け)
(解) 1/a=1/b+1/c ・・・ (1) 、 a+c=b2/a ・・・ (2)
(1)から、 c=ab/(b−a) これを、(2)に代入して、 a+ab/(b−a)=b2/a
すなわち、 a(b−a)+ab=b2(b−a)/a より、 2ab−a2=b3/a−b2
両辺を、ab で割って、 2−a/b=b2/a2−b/a
よって、 b2/a2=b/a−a/b+2 ・・・ (3)
両辺に a/b を掛けて整理すると、 a2/b2=2a/b−b/a+1 ・・・ (4)
(1)から、 1=a/b+a/c なので、
a2/c2=(1−a/b)2=1−2a/b+a2/b2=1−2a/b+2a/b−b/a+1=2−b/a
(2)から、 a/b+c/b=b/a なので、
c2/b2=(b/a−a/b)2=b2/a2+a2/b2−2
=(b/a−a/b+2)+(2a/b−b/a+1)−2=1+a/b
したがって、以上から、
b2/a2+c2/b2+a2/c2=(b/a−a/b+2)+(1+a/b)+(2−b/a)=5
となる。 (終)
(コメント) 計算の本質的なアイデアで、私とらすかるさんの解答では共通する部分があり
ますね!らすかるさんに感謝します。
FNさんの問題に関連して、攻略法さんが関連問題を提起された。
(平成22年9月18日付け)
関連問題 次の問いに答えよ。
(1) 半径が1の円に内接する正7角形の辺の長さを a 、対角線の長さを b、c
(a<b<c)
とするとき、 a2+b2+c2=7 が成り立つことを示せ。
(2) 単位円に内接する正n角形において、1つの頂点から他の頂点を結ぶ
n−1 本の線
分(辺または対角線)の長さの積を求めよ。
(答え: n (注 : 半径Rの円に内接する場合は、 n・Rn-1))
(3) 単位円に内接する正n角形において、辺は n 本、対角線は、nC2−n=n(n−3)/2
本である。このとき、次の問いに答えよ。
(イ) 辺または対角線のすべての長さの平方和を求めよ。
(答え: n2 (注 : 半径Rの円に内接する場合は、 n2・R2 ))
(ロ) 辺または対角線のすべての相異なる長さの平方和を求めよ。
(答え: 奇数は n、偶数は n+2)
(注 : 半径Rの円に内接する場合、奇数は nR2、偶数は (n+2)R2 )
(ハ) 辺または対角線のすべての長さの和を求めよ。
(答え: 1辺の長さをα、最短の対角線の長さをβとすると、α2・n/(2α−β)
FNさんから(2)の解答を頂きました。(平成22年9月18日付け)
問題が5個もありますね。(2)はできたと思います。
(解) 複素平面で考えて、xn=1 の解を、A(1)、A(2)、・・・、A(n−1)、A(n)=1 とする。
xn−1=(x−A(1))(x−A(2))・・・(x−A(n−1))(x−1) より、
(xn−1)/(x−1)=(x−A(1))(x−A(2))・・・(x−A(n−1)) なので、
xn-1+・・・+x+1=(x−A(1))(x−A(2))・・・(x−A(n−1))
ここで、 x=1 を代入して絶対値を取れば、
|1−A(1)||1−A(2)|・・・|1−A(n−1)|=n (終)
(→ 参考:「円周の等分点の性質」)
FNさんからのコメントです。(平成22年9月19日付け)
らすかるさんの解答で、
b2/a2=b/a−a/b+2 、a2/c2=2−b/a 、c2/b2=1+a/b
と、3つの平方が、b/aとa/bの1次式で書けてきれいに消えるとは...。
FNさんは、「 b/a、−c/b、a/c が同じ3次方程式を満たす」ことから示されたそうである。
解法の指針を示された、FNさんの解答にも興味があるので、類推して考えてみた。
(解) 1/a=1/b+1/c ・・・ (1) 、 a+c=b2/a ・・・ (2)
(1)から、 c=ab/(b−a) これを、(2)に代入して、 a+ab/(b−a)=b2/a
すなわち、 a(b−a)+ab=b2(b−a)/a より、 2ab−a2=b3/a−b2
両辺を、ab で割って、 2−a/b=b2/a2−b/a
よって、 b2/a2=b/a−a/b+2 ・・・ (3)
ここで、 b/a=α とおくと、 α2=α−1/α+2 より、 α3−α2−2α+1=0
よって、 b/a=α は、3次方程式 x3−x2−2x+1=0 の解である。
x≠0 なので、両辺を x3 で割って、 (1/x)3−2(1/x)2−(1/x)+1=0
また、 (1)より、 a/b=1−a/c なので、 a/c=β とおくと、 1/α=1−β
これを代入して、 (1−β)3−2(1−β)2−(1−β)+1=0 より、
β3−β2−2β+1=0
が成り立つ。
このことから、a/c=β は、3次方程式 x3−x2−2x+1=0 の解である。
3次方程式の解と係数の関係から、残りの解を γ とすると、
b/a+a/c+γ=1 より、 γ=−b/a−a/c+1
ところで、 1−a/c=a/b 、a/b=b/a−c/b なので、
γ=−b/a+a/b=−b/a+b/a−c/b=−c/b
以上から、α=b/a 、β=a/c 、γ=−c/b は、3次方程式 x3−x2−2x+1=0
の解なので、解と係数の関係から、
α+β+γ=1 、 αβ+βγ+γα=−2 、αβγ=−1
よって、このとき、
b2/a2+c2/b2+a2/c2=α2+β2+γ2
=(α+β+γ)2−2(αβ+βγ+γα)=5 (終)
(コメント) 洗練された、エレガントな解答ですね!感動しました。FNさんに感謝します。
大学入試問題にも使えそうなレベルですね。
ここで、当HPの「解の巡回」で得られた結果を用いると、
3次方程式 x3−x2−2x+1=0 に対する巡回関数 G(x)は、G(x)=2−x2 で与えら
れる。
したがって、 G(α)=2−α2=2−(α−1/α+2)=1/α−α=γ より、
G(γ)=β 、 G(β)=α
が成り立つ。
G(β)=α より、 2−β2=α すなわち、 a2/c2=2−b/a
で、らすかるさんの第2の式が得られる。
また、G(γ)=β より、2−γ2=β すなわち、c2/b2=2−a/c=1+1−a/c=1+b/a
で、らすかるさんの第3の式が得られる。
(コメント) こんなところで「解の巡回」の理論が活躍するとは驚きです!
FNさんが攻略法さんの提起された問題について考察された。(平成22年9月19日付け)
(3) 単位円に内接する正n角形において、次の問いに答えよ。
(イ) 辺または対角線のすべての長さの平方和を求めよ。(答え: n2 )
(ロ) 辺または対角線のすべての相異なる長さの平方和を求めよ。
(答え: 奇数はn、偶数は n+2)
(ハ) 辺または対角線のすべての長さの和を求めよ。
(答え: 1辺の長さをα、最短の対角線の長さをβとすると、α2・n/(2α−β)
方法としては、とりあえず、3通りぐらい考えられる。
(a) 複素平面で考える (b) 三角関数で考える (c) トレミーの定理で考える
普通は、(a)だと思いますが、(b)でもできそうな気がします。(c)は無理でしょうが、これでで
きれば面白いです。イメージは、(イ)は、(a)、(ロ)は、(b)の感じです。
(イ)と(ロ)の関係を見ておきます。(イ)の解をS、(ロ)の解をTとする。表現を簡単にするた
め、辺も対角線のひとつとみなします。
1つの頂点から引いた対角線の平方の和は、
n が奇数のときは、同じ長さのが2本ずつあるから、2T
n が偶数のときは、直径(長さ2)以外は2本ずつあるから、2(T−4)+4=2T−4
各点から引いた対角線の平方の和はこれらを n 倍したものだが、1本の対角線について、
2回ずつ数えているから、2で割ればいい。
従って、
n が奇数のとき、S=n・2T/2=nT
n が偶数のとき、S=n・(2T−4)/2=n(T−2)
即ち、
n が奇数のとき、T=S/n
n が偶数のとき、T=S/n+2
だから、(イ)が言えれば、(ロ)が言えるし逆も同じ。
上記のFNさんの解法の指針を受けて、(3)の(イ)を示すことにする。この話題は、もとも
とは、「円周の等分点の性質」に掲載しようと思っていたものである。
(解) FNさんが用いられた記法を用いて、
複素平面で考えて、xn=1 の解を、A(1)、A(2)、・・・、A(n−1)、A(n)=1 とする。
すなわち、 A(k)=e2πki/n (k=1、2、・・・、n)
単位円周上の任意の点P(z) ( |z|=1 )に対して、
PA(1)2+PA(2)2+・・・+PA(n)2
=|z−A(1)|2+|z−A(2)|2+・・・+|z−A(n)|2
=n|z|2−(A(1)+A(2)+・・・+A(n))z’−(A(1)’+A(2)’+・・・+A(n)’)z
+(|A(1)|2+|A(2)|2+・・・+|A(n)|2)
(ここで、z および A(k) 共役複素数をそれぞれ z’ 、A(k)’ で表すものとする。)
ここで、A(1)、A(2)、・・・、A(n−1)、A(n) は、xn=1 の解なので、
A(1)+A(2)+・・・+A(n)=0
また、 |A(1)|2=|A(2)|2=・・・=|A(n)|2=1 なので、
PA(1)2+PA(2)2+・・・+PA(n)2=2n となる。
特に、P=A(k) (k=1、2、・・・、n)と考え、対角線は2回重複して数えられるので、
求める辺または対角線のすべての長さの平方和は、 2n×n÷2=n2 である。 (終)
この問題(イ)について、FNさんより解答を頂きました。(平成22年9月19日付け)
(解) 複素平面で考える。1の n 乗根を、
a 、a2 、a3 、 ・・・ 、an-1 、an=1 とする。
このとき、 ak の共役複素数は、 an-k であり、
|ap−aq|2=(ap−aq)(an-p−an-q)
=1−ap-q−aq-p+1=2−(ap-q+aq-p)
求める和は、これを、1≦p<q≦n を満たすすべての p、q について足せばよい。
これを満たす p、q の個数は、n(n-1)/2 である。
p を固定して、q を 1 から n まで、ただし、p を除いて動かすと、ap-q は、a0=1以外
の a 、a2 、a3 、 ・・・ 、an-1 を動く。
従って、その和は、1+a+a2+a3+ ・・・ +an-1=0 より、
a+a2+a3+ ・・・ +an-1=−1 である。 aq-p についても同様である。
以上より、求める和は、2×n(n-1)/2−(−1−1)×n/2=n2−n+n=n2 (終)
このことから、FNさんの結果を用いて、(3)の(ロ)も次のように求められる。
(解) 辺または対角線のすべての相異なる長さの平方和は、
n が奇数のとき、 n2/n=n
n が偶数のとき、 n2/n+2=n+2 (終)
ここで、(1)は、(ロ)において、n=7の場合である。すなわち、
半径が1の円に内接する正7角形の辺の長さを a 、対角線の長さを b、c
(a<b<c)
とするとき、 a2+b2+c2=7 が成り立つ。
残りの(ハ)については、FNさんが三角関数を用いて解決された。
(平成22年9月19日付け)
(解) θ=π/nとすると、辺または対角線のすべての長さの和は、
n{sinθ+sin2θ+sin3θ+・・・+sin(n−1)θ}
で与えられる。
ここで、sinθ+sin2θ+sin3θ+・・・+sin(n−1)θの値を求める。
z=cosθ+i・sinθ とおく。このとき、
1+z+z2+・・・+zn-1=(1−zn)/(1−z)
において、 zn=cos(nθ)+i・sin(nθ)=cosπ+i・sinπ=−1 より、
右辺=2/(1−cosθ−i・sinθ)=1+i・sinθ/(1−cosθ)
したがって、両辺の虚部を比較して、
sinθ+sin2θ+sin3θ+・・・+sin(n−1)θ=sinθ/(1−cosθ)
なので、求める和は、 n・sinθ/(1−cosθ) となる。
ここで、 α=2sinθ 、β=2sin2θ=2α・cosθ なので、
n・sinθ/(1−cosθ)=n・(α/2)/(1−β/(2α))=α2・n/(2α−β) (終)
(コメント) 問題がすべて解決して、スッキリしました!FNさんに感謝します。
攻略法さんからのコメントです。(平成22年9月20日付け)
正7角形が半径Rの円に内接する場合において、3(ハ)の一般化を考える。
θ=π/n とすれば、1つの頂点から他の頂点を結ぶ(n−1)本の線分(辺または対角線)
の長さの和は、 2R(sinθ+sin2θ+sin3θ+・・・+sin(n−1)θ) であるから、辺ま
たは対角線の総和 Ln は、 Ln= nR(sinθ+sin2θ+sin3θ+・・・+sin(n−1)θ)
で与えられる。各項に 2sin(θ/2) を掛けて積和公式、cos(-θ)=cosθを適用すると、
2Ln・sin(θ/2) =nR(cos(θ/2) − cos((n−1/2)θ)
ここで、θ=π/n より、 (n−1/2)θ=π−θ/2 なので、
2Ln・sin(θ/2) =2nR・cos(θ/2)
したがって、 Ln = nR / tan(θ/2) = nR / tan(π/(2n))
FNさんからのコメントです。(平成22年9月20日付け)
sinθ+sin2θ+sin3θ+・・・+sin(n−1)θ の計算は簡単にできるのですね。
θがπ/nでない一般のときも、同様にして計算できました。上式は、第 n−1 項までの和で
すが、θ=π/n のときは、第n項が、sin(nθ)=sinπ=0 となるからで、一般の場合は当
然、第 n 項までの和で書くほうがいいでしょう。
sinθ+sin2θ+・・・+sin(nθ)=sin((n+1)θ/2)・sin(nθ/2)/sin(θ/2)
証明は、sin(θ/2)をかけて、積和の公式を使って全く同様にできます。
cos についても同様の式が作られます。
cosθ+cos2θ+・・・+cos(nθ)=cos((n+1)θ/2)・sin(nθ/2)/sin(θ/2)
証明も同様です。これを使えば、攻略法さんの(ロ)の三角関数による証明ができます。
n=2m+1 のとき、求める和 S は、
S=Σ(2sin(kθ))2 (ただし、Σは、k=1からmまでの和をとる。(以下のΣも同じ))
ここで、 4(sin(kθ))2=2(1−cos(2kθ)) だから、
S=2Σ(1−cos(2kθ))=2m−2cos((m+1)/2・2θ)・sin(m/2・2θ)/sinθ
=2m−(sin(2m+1)θ−sinθ)/sinθ=2m+1=n
n=2m のときも同様にしてできる。
実際に、S=2Σ(1−cos(2kθ))
=2m−2cos((m+1)/2・2θ)・sin(m/2・2θ)/sinθ
=2m−(sin(2m+1)θ−sinθ)/sinθ
=2m−(sin(π+θ)−sinθ)/sinθ
=n+2
(コメント) なるほど!攻略法さん、FNさんに感謝します。
以下、工事中