数学検定に挑戦!                         戻る

 「数学検定」は毎年30万人ほどの方が受験される検定試験で、公益財団法人 日本数学
検定協会が運営している。問題レベルは、大体

 1級・・・大学程度 、準1級・・・高3程度 、2級・・・高2程度 、準2級・・・高1程度
 3級・・・中3程度 、4級 、・・・・・・

とされ、5級以上には、1次(計算技能)と2次(数理技能)が課され、両方合格しないと、数学
検定○級合格とはならない。

 最近、当HPの読者のMさんから、数学検定に関係するページがあればいいな〜というリク
エストがメールで寄せられた。受験料が高額なので、数学検定を受験しようとは全く思わない
が、どんな問題が出題されているか常々興味・関心があったので、ちょっと数学検定の問題
に挑戦し、その記録をまとめていきたいと思う。


問題1 次の計算をせよ。(1級1次レベル)

       Σp=1〜nΣq=1〜n (p+q) (ただし、p>q)

(解) 求める和は、

 Σq=1〜n-1Σp=2〜q+1 (p+q)=(3/2)Σq=1〜n-1q(q+1)=(n−1)n(n+1)/2  (終)

(コメント) 高校2年生程度の問題でした。


問題2 4次方程式 x4−4x−1=0 について、次の問いに答えよ。(1級1次レベル)

  (1) 上の方程式の実数解を求めよ。
  (2) 上の方程式の虚数解を求めよ。

(解)(1) x4=4x+1 の両辺に、2x2+1 を加えて、 x4+2x2+1=2x2+4x+2

     すなわち、 (x2+1)2=2(x+1)2 となり、次のように因数分解される。

      (x2+1+(x+1))(x2+1−(x+1))=0

     実数解は、2次方程式 x2+1−(x+1)=0 の解。

     よって、解の公式により、 x=(±√(4−2))/2

  (2) 虚数解は、2次方程式 x2+1+(x+1)=0 の解。

     よって、解の公式により、 x=(−±i・√(4+2))/2  (終)

(コメント) 高校2年生程度の問題でした。

 類題 次の方程式 x4−4x3+x2−3=0 を解きなさい。(1級1次レベル)

 因数分解出来なそうな雰囲気だが、次のような変形はすぐ思いつくだろう。

(解) 与式より、 x4+x2+1=4x3+4=4(x3+1)=4(x+1)(x2−x+1)

   ここで、 x4+x2+1=(x2+1)2−x2=(x2−x+1)(x2+x+1) なので、

    (x2−x+1)(x2+x+1)=4(x+1)(x2−x+1)

   すなわち、 (x2−x+1)(x2−3x−3)=0 を解いて、

    x=(1±i)/2 、(3±√21)/2  (終)

(コメント) 高校2年生程度の問題でした。


 よおすけさんから、準1級1次レベルの問題を頂きました。(平成27年2月7日付け)

 類題 整式 x8+x4+1 を整式 x2+x+1 で割ったときの商を求めなさい。

(解) x8+x4+1=x8+2x4+1−x4

           =(x4+1)2−x4

           =(x4+x2+1)(x4−x2+1)

           =(x2−x+1)(x2+x+1)(x4−x2+1)

  よって、求める商は、 (x2−x+1)(x4−x2+1)=x6−x5+x3−x+1  (終)

(よおすけさんからのコメント) 僕が解いたときは、直接筆算でやりましたが、私の備忘録
                  「ωの真実」に載っているやり方もありかな・・・って。

 実際に、ωを用いて解いてみました。

   F(x)=x8+x4+1 とおくと、 F(ω)=ω8+ω4+1=ω2+ω+1=0

  同様に、F(ω2)=ω16+ω8+1=ω2+ω+1=0

  よって、 F(x)は、 (x−ω)(x−ω2)=x2+x+1 で割り切れる。

  このとき、 x8+x4+1=(x2+x+1)(x6+ax5+bx4+cx3+dx2+ex+1) とおくと、

   右辺=x8+ax7+bx6+cx5+dx4+ex3+x2
         +x7+ax6+bx5+cx4+dx3+ex2+x
            +x6+ax5+bx4+cx3+dx2+ex+1

     =x8+(a+1)x7+(a+b+1)x6+(a+b+c)x5+(b+c+d)x4
                         +(c+d+e)x3+(d+e+1)x2+(e+1)x+1
  係数比較して、
            a=−1、b=0、c=1、d=0、e=−1

  よって、求める商は、 x6−x5+x3−x+1


 S(H)さんからのコメントです。(平成27年2月7日付け)

   (x2−x+1)(x2+x+1)(x4−x2+1) とQ上可約なので、明らか。

  x8+x4+1=(x6+ax5+bx4+cx3+dx2+ex+f)(x2+x+1)+px+q  が恒等式

 なので、a=-1、b=0、c=1、d=0、e=-1、f=1、p=0、q=0 を得る。


問題3 心臓形 x=2cosθ−cos2θ、y=2sinθ−sin2θ (0≦θ≦π) とx軸で囲ま
    れた図形の面積を求めよ。(1級1次レベル)

(解) dx/dθ=−2sinθ+2sin2θ、dy/dθ=2cosθ−2cos2θ

   dx/dθ=0 から、 θ=π/3 で、このとき、 x=3/2

   求める面積をSとおくと、

   S=∫-33/2 ydx−∫13/2 ydx

    =∫ππ/3 (2sinθ−sin2θ)(−2sinθ+2sin2θ)dθ
        −∫0π/3 (2sinθ−sin2θ)(−2sinθ+2sin2θ)dθ

    =2∫π/3π (2sin2θ+3sinθsin2θ+sin22θ)dθ
        +2∫0π/3 (2sin2θ+3sinθsin2θ+sin22θ)dθ

    =2∫0π (2sin2θ+3sinθsin2θ+sin22θ)dθ

    =2∫0π (1−cos2θ−(3/2)(cos3θ−cosθ)+(1−cos4θ)/2)dθ

    =2[θ−sin2θ/2−(3/2)(sin3θ/3−sinθ)+(θ−sin4θ/4)/2]0π

    =2(π+π/2)

    =3π  (終)

(コメント) 高校3年生程度の問題でした。

 ここで、 x=2cosθ−2cos2θ+1=2(1−cosθ)cosθ+1

      y=2sinθ−2sinθcosθ=2(1−cosθ)sinθ なので、

  r2=(x−1)2+y2=4(1−cosθ)2 より、極方程式は、 r=2(1−cosθ)

 このとき、求める面積は、

 S=(1/2)∫0π2dθ=2∫0π(1−2cosθ+cos2θ)dθ

  =2∫0π(1−2cosθ+(1+cos2θ)/2)dθ=3π と求められる。

(コメント) 極方程式を用いた方が簡単かも...。


問題4 心臓形 x=2cosθ−cos2θ、y=2sinθ−sin2θ (0≦θ≦π) をx軸のま
    わりに1回転してできる曲面の表面積を求めよ。(1級1次レベル)

(解) 求める面積をSとおくと、

 (dx/dθ)2+(dy/dθ)2=(−2sinθ+2sin2θ)2+(2cosθ−2cos2θ)2

                =8(1−cosθ)=16sin2(θ/2) なので、

 S=−2π∫-33/2 y√(1+y’2)dx+2π∫13/2 y√(1+y’2)dx

  =−2π∫ππ/3 (2sinθ−sin2θ)・4sin(θ/2))dθ
        +2π∫0π/3 (2sinθ−sin2θ)・4sin(θ/2)dθ

  =−8π∫ππ/3 (2sinθsin(θ/2)−sin2θsin(θ/2))dθ
      +8π∫0π/3 (2sinθsin(θ/2)−sin2θsin(θ/2))dθ

  =−8π∫ππ/3 (cos(θ/2)−cos(3θ/2)+(1/2)(cos(5θ/2)−cos(3θ/2)))dθ
      +8π∫0π/3 (cos(θ/2)−(cos(3θ/2)+(1/2)(cos(5θ/2)−cos(3θ/2)))dθ

  =−8π∫ππ/3 (cos(θ/2)+(1/2)(cos(5θ/2)−3cos(3θ/2)))dθ
      +8π∫0π/3 (cos(θ/2)+(1/2)(cos(5θ/2)−3cos(3θ/2)))dθ

  =−8π[2sin(θ/2)+(1/5)sin(5θ/2)−sin(3θ/2)]ππ/3
      +8π[2sin(θ/2)+(1/5)sin(5θ/2)−sin(3θ/2)]0π/3

  =−8π(1+1/10−1−2−1/5−1)+8π(1+1/10−1)

  =−8π・(−31/10)+8π・(1/10)

  =128π/5  (終)

(コメント) 大学1年生程度の問題でした。ただ、計算が大変でしたね!


 よおすけさんが以前準1級を受験し合格されたとのことです。(平成26年12月28日付け)
ということは、問題を作問して投稿し採用されれば、作問料がいただけるということですね!

問題5 次の問いに答えよ。ただし、eは自然対数の底とする。(準1級1次レベル)

(1) 次の不定積分を求めよ。

  ∫1/(x2e1/x)dx

(2) 次の定積分を求めよ。

  ∫1/21 1//(x2e1/x)dx

(解)(1) 1/x=t とおくと、 dt/dx=−1/x2 なので、 (1/x2)dx=−dt

     よって、 与式=∫e-t(−dt)=e-t+C=e-1/x+C ただし、Cは積分定数

(2) (1)より、 与式=[e-1/x]1/21=e-1−e-2=(e−1)/e2  (終)

(コメント) 高校3年生程度の問題でした。


問題6 nを2以上の整数とするとき、分数 (15n+2)/(14n+3)が可約分数(分母、分子
    が約分できる分数)となるようなnの一般形を求めよ。また、そのときこの分数を約分
    して既約分数とした分数を求めよ。(1級2次レベル)

(解) 15n+2と14n+3の最大公約数をdとおくと、題意より、d>1 としてよい。

    15n+2=pd 、14n+3=qd  (p、qは互いに素な自然数)

  と書ける。このとき、 (−14p+15q)d=17 となり、17は素数なので、d=17

   15n+2=17p において、 15・1+2=17 なので、辺々引いて、

   15(n−1)=17(p−1)

   15と17は互いに素なので、 n−1=17k (kは自然数) とおける。

   すなわち、 n=17k+1 (kは自然数)

  このとき、 (15n+2)/(14n+3)=(15k+1)/(14k+1)  (終)

(コメント) 高校1年生程度の問題でした。


問題7 正の整数 a、b、c があり、a2、b2、c2 がこの順に公差d (d>0)の等差数列をな
    す。このとき、次の問いに答えよ。(1級2次レベル)

(1) 公差dは、24の倍数になることを証明せよ。

(2) 公差が最小値の24のときの a、b、c の値を求めよ。

(解) 題意より、b2−a2=c2−b2=d で、a2+c2=2b2 が成り立つ。

  平方数は3で割ると余りが 0または1なので、a2+c2=2b2 が成り立つことから、

 a2、b2、c2 は、すべて3の倍数か、または、3で割った余りが1の自然数である。

 何れにしても、d=b2−a2=c2−b2 は、3の倍数となる。

 同様にして、平方数は8で割ると余りが 0または1または4なので、a2+c2=2b2 が成

り立つことから、a2、b2、c2 はすべて、8の倍数か、または、8で割った余りが1か、または、

8で割った余りが4の自然数である。

 何れにしても、d=b2−a2=c2−b2 は、8の倍数となる。

 以上から、3と8は互いに素なので、dは、3×8=24の倍数になる。

(2) b2−a2=c2−b2=24 より、

   (b+a)(b−a)=(c+b)(c−b)=24×1=12×2=8×3=6×4

 このとき、起こりうる可能性は、

 (イ) b+a=24、b−a=1

   これを満たす自然数解は存在しない。

 (ロ) b+a=12、b−a=2

   これを解いて、 b=7、a=5 このとき、c2=73 これを満たす自然数解は存在しない。

 (ハ) b+a=8、b−a=3

   これを満たす自然数解は存在しない。

 (ニ) b+a=6、b−a=4

   これを解いて、 b=5、a=1 このとき、c2=49 で、c=7

 以上から、求める値は、 a=1、b=5、c=7  (終)

(コメント) 高校2年生程度の問題でした。当初「24」をどこから捻出しようかと迷いましたが
      24=3×8 に気がつけば一気に解決することが出来ました。(2)はおまけの問題
      ですね!


問題8 数列{ an } (n=1、2、3、…)が、1,2,4,5,7,8,10,11,13,14,… で与え
    られている。このとき、次の問いに答えよ。(1級2次レベル)

(1) 第n項 an をnの式で表せ。
(2) 級数 S=Σk=1〜n2=1651 となるnの値を求めよ。

(解)(1) 階差数列は、 1,2,1,2,・・・ なので、その第n項は、 {3+(−1)}/2

     よって、n≧2のとき、 an=1+Σk=1〜n-1 {3+(−1)k}/2

                    =1+(3/2)(n−1)+{(−1)n-1−1}/4

                    =(6n−3+(−1)n-1)/4

      この式は、n=1のときも成立する。

     したがって、すべてのnに対して、 an=(6n−3+(−1)n-1)/4

(2) 数列{ an2}:12,22,42,52,72,82,102,112,132,142,162,172,192,・・・

  において、

 1+4+16+25+49+64+100+121+169+196+256+289+361=1651

 よって、 n=13 である。

(コメント) 高校2年生程度の問題でした。


問題9 a≧0、b≧0、c≧0 のとき、不等式 (a3+b3+c3)4≧(a4+b4+c4)3 が成り
    立つことを示せ。また、等号が成り立つ条件を求めよ。(1級2次レベル)

(解) a、b、c がすべて0のとき、不等式は明らかに成り立つ。

 そこで、a、b、c のうち少なくとも一つは0でない場合を考える。不等式の対称性から一般

性を失うことなく、 a≠0 で、 a≧b≧c としてよい。

 x=b/a、y=c/a とおくと、 0≦x≦1 、 0≦y≦1

 このとき、示すべき不等式は、 (1+x3+y3)4≧(1+x4+y4)3 と書ける。

 0≦x≦1 、 0≦y≦1 より、 x3≧x4 、 y3≧y4

 よって、 1+x3+y3≧1+x4+y4 より、 (1+x3+y3)3≧(1+x4+y4)3

  1+x3+y3≧1なので、 (1+x3+y3)4≧(1+x3+y3)3

 以上から、 (1+x3+y3)4≧(1+x4+y4)3 が成り立つ。

 等号が成り立つのは、 x3=x4 、 y3=y4 、 (1+x3+y3)4=(1+x3+y3)3

 すなわち、 x3=x4 、 y3=y4 、 x3+y3=0 から、 x=y=0 のときに限る。

 したがって、a≧0、b≧0、c≧0 のとき、不等式 (a3+b3+c3)4≧(a4+b4+c4)3 が

成り立ち、等号が成り立つのは、a、b、c のうち少なくとも2つは0のときに限る。  (終)

(コメント) 高校2年生程度の問題でした。最初、両辺を展開して、左辺−右辺の計算から
      何とかしようとしましたが徒労に終わりました。


問題10 座標平面上の2点A(a,0)、B(0,b) (a>0、b>0)と原点Oを頂点とする直角三
     角形のつくる領域をD とする。D上で一様分布する2次元の確率変数(X,Y )の相関
     係ρ(X,Y)を求めたい。これを、次の(1)〜(3)の手続きにしたがって計算せよ。
                                            (1級2次レベル)
(1) この確率変数の密度関数f (x,y)を求めよ。

(2) 平均E(X)、E(Y)と分散σ2、σ2を求めよ。

(3) 上記の値を使って、相関係数ρ(X,Y)を求めよ。

(解)(1) △ABOの面積は、ab/2 なので、(x,y)∈Dにおいて、f (x,y)=k とおくと、

    abk/2=1 より、k=2/(ab) となり、

   (x,y)∈Dにおいて、f (x,y)=2/(ab)、Dに属さない点(x,y)において、f (x,y)=0

(2) E(X)=∫∫D xf (x,y)dxdy

      =2/(ab)∫0 x(∫0b-bx/ady)dx

      =2/(ab)∫0 (bx−bx2/a)dx

      =2/(ab)[bx2/2−bx3/(3a)]0=2/(ab)・ba2/6=a/3

 E(Y)=∫∫D yf (x,y)dxdy

      =2/(ab)∫0 (∫0b-bx/aydy)dx

      =2/(ab)∫0 (b−bx/a)2/2dx

      =1/(ab)[(−a/b)(b−bx/a)3/3]0=1/(ab)・(a/b)b3/3=b/3

 E(X2)=∫∫D2f (x,y)dxdy

    =2/(ab)∫02(∫0b-bx/ady)dx

    =2/(ab)∫0 (bx2−bx3/a)dx

      =2/(ab)[bx3/3−bx4/(4a)]0=2/(ab)・ba3/12=a2/6

 同様にして、 E(Y2)=b2/6

 このとき、 σ2=E(X2)−E(X)2=a2/6−a2/9=a2/18、σ2=b2/18

(3) 定義より、 ρ(X,Y)=Cov(X,Y)/(σσ) である。(Cov(X,Y):共分散)

そこで、E(XY)=∫∫D xyf (x,y)dxdy

    =2/(ab)∫0 x(∫0b-bx/aydy)dx

    =2/(ab)∫0 x(b−bx/a)2/2dx

    =1/(ab)∫0 (b2x−2b22/a+b23/a2)dx

    =b/a[x2/2−2x3/(3a)+x4/(4a2)]0=ab/12

  ここで、 Cov(X,Y)=E((X−E(X)(Y−E(Y))=E(XY)−E(X)E(Y)

なので、 Cov(X,Y)=ab/12−ab/9=−ab/36

 以上から、相関係数は、 ρ(X,Y)=(−ab/36)/(ab/18)=−1/2  (終)

(コメント) 大学1年生程度の問題でした。計算がちょっと大変でしたね。


 よおすけさんから問題を頂きました。(平成26年12月30日付け)

 今回は、2級2次レベルの問題で、多項式の積分です。同様の問題がよく出されています。
教科書の例題にもありますので、慣れている方なら問題ないでしょう。
(出典:第121回 2級2次 問題7)

問題11 座標平面上に、y=2x2−x+1 で表される放物線gと、y=x+5 で表される直
     線 l がある。このとき、次の問いに答えよ。(2級2次レベル)

(1) 放物線gと直線 l との交点の座標を求めよ。

(2) 放物線gと直線 l とで囲まれる部分の面積を求めなさい。

(解)(1) 2x2−x+1=x+5 より、 :2x2−2x−4=0 即ち、x2−x−2=0

      (x−2)(x+1)=0 より、 x=2、−1

     よって、交点の座標は、 (2,7)、(−1,4)

(2) 求める面積は、 2(2−(−1))3/6=9  (終)

(コメント) 高校2年生程度の問題でした。


問題12 2つの正方行列

     、 

 が与えられている。このとき、零行列でない3行2列の行列Xで、AX−XB=O (零行列) を
 満たすものの一例を求めよ。(1級2次レベル)

(解) det(A−λE)=λ3−5λ2−λ+5=(λ+1)(λ−1)(λ−5)=0 より、

     Aの固有値は、1、−1、5

  det(B−λE)=λ2−7λ+10=(λ−2)(λ−5) より、Bの固有値は、2、5

  Aの固有値5に属する固有ベクトルは、(A+E)(A−E)の列ベクトルから求められ、

  (0,1,1)である。(→ 参考:「固有ベクトルを求める」)

  また、Bの固有値5に属する固有ベクトルは、B−2Eの行ベクトルから求められ、

  (1,1)である。

 以上から、求める行列の一例として、X=(0,1,1)(1,1) をとればよい。すなわち、

       (終)

(コメント) 大学1年生程度の問題でした。6元1次連立方程式を解いてもよかったのですが、
      固有値と固有ベクトルを用いる誘惑に負けました!共通の固有値5に着目し、
      X=(0,1,1)(1,1) とすれば、AX=5(0,1,1)(1,1)で、また、
      XB=5(0,1,1)(1,1) から、 AX−XB=O (零行列)


問題13 底面が半径rの円で、高さがhである直円柱Rがある。この立体の密度が上面か
     らの距離に比例しているとき、この円柱の重心の位置を求めよ。(1級2次レベル)

(解) 題意より、求める重心の位置は、密度が端からの距離に比例する長さhの線分の重

  心の位置に等しい。比例定数をkとして、密度は、kxで与えられる。

  このとき、 ∫0h kxdx=kh2/2 、∫0h kx・xdx=kh3/3 より、重心の位置は、

  端より、 (kh3/3)/(kh2/2)=2h/3 の長さの地点にある。  (終)

(コメント) 大学1年生程度の問題でした。重心の計算は各質点のモーメントの合計が釣り
      合う点の計算になりますね!


問題14 0<x<1における微分方程式 u”(x)=−π2sin(πx) を満たし、2点境界条
     件 u(0)=0、u’(1)=0 を満たす解 u(x) を求めよ。(1級1次レベル)

(解) u’(x)=πcos(πx)+C (Cは任意定数)

  u’(1)=0 より、−π+C=0 なので、C=π  よって、 u’(x)=πcos(πx)+π

  さらに、u(x)=sin(πx)+πx+D (Dは任意定数)において、u(0)=0 より、D=0

  よって、 u(x)=sin(πx)+πx  (終)

(コメント) 大学1年生程度の問題でした。微分方程式という言葉は知らなくても不定積分
      の計算で、高校3年生程度かも...。


問題15 次の行列Aの階数を調べよ。ただし、xyz≠0 とする。(1級1次レベル)

    

(解) z=0 のとき、行列Aは基本変形により、

    

となり、y≠0 のときは、階数4、y=0 のときは、階数2となる。以下、z≠0 とする。

 行列Aは基本変形により、

    

となり、xz+y≠0 のとき、階数4、xz+y=0 のときは、階数2となる。

 以上をまとめると、xz+y≠0 のとき、階数4、xz+y=0 のときは、階数2となる。 (終)

(コメント) 大学1年生程度の問題でした。私の数学の論文に階数を用いたものがあるので、
      懐かしい計算でした!


問題16 ωをx3=1 の虚数解の1つとするとき、次の行列式Dの2乗の値を求めよ。
                                             (1級1次レベル)
    

(解) 行列式の計算公式により(→ 参考:「行列の必須技法」)

  D={(ω2+1)2−(ω+1)2}{−(ω2−1)2−(ω−1)2

   =(ω2+ω+2)(ω2−ω)(−ω4+ω2+2ω−2)

 ω3=1、ω2+ω+1=0 であるので、D=1・(ω2−ω)(−3)=−3(ω2−ω)

 よって、 D2=9(ω2−ω)2=9(ω4−2ω3+ω2)=9・(−3)=−27  (終)

(コメント) 大学1年生程度の問題でした。


問題17 次の連立方程式の実数解の組を求めよ。(1級1次レベル)

  (3−6y/(x+y))2+(3+6y/(x−y))2=82 、xy=2

(解) 第一式を変形して、 9(x−y)2/(x+y)2+9(x+y)2/(x−y)2=82

  そこで、 (x−y)2/(x+y)2=X とおくと、 9X+9/X=82 より、

   9X2−82X+9=0 で、(9X−1)(X−9)=0 より、 X=1/9、9

  X=1/9 のとき、 (x−y)/(x+y)=1/3、−1/3

   (x−y)/(x+y)=1/3 のとき、 x−2y=0 より、 x=2y

  xy=2 に代入して、2y2=2 より、 y=1、−1

   よって、(x,y)=(2,1)、(−2,−1)

   (x−y)/(x+y)=−1/3 のとき、 2x−y=0 より、 y=2x

  xy=2 に代入して、2x2=2 より、 x=1、−1

   よって、(x,y)=(1,2)、(−1,−2)

  X=9 のとき、 (x−y)/(x+y)=3、−3

   (x−y)/(x+y)=3 のとき、 x+2y=0 より、 x=−2y

  xy=2 に代入して、2y2=−2 より、 実数解はない。

   (x−y)/(x+y)=−3 のとき、 2x+y=0 より、 y=−2x

  xy=2 に代入して、2x2=−2 より、 実数解はない。

 以上から、 (x,y)=±(1,2)、±(2,1)  (終)

(コメント) 高校1年生程度の問題でした。


問題18 いくつかの続いた正の整数の和が1000であるとき、この続いた整数の組を求
     めよ。(準1級2次レベル)

(解) 初項をa、項数n とすると、末項は、a+n−1なので、そのn項の和は、

   n(2a+n−1)/2=1000 すなわち、 n(n+2a−1)=2000=24・53

   ここで、 n+2a−1>n で、n+2a−1とnは偶奇が反対の正の整数である。

   よって、起こりえる可能性は、

   (n,n+2a−1)=(5,400)、(25,80)、(16,125)

   (n,n+2a−1)=(5,400) のとき、 n=5、a=198

   (n,n+2a−1)=(25,80) のとき、 n=25、a=28

   (n,n+2a−1)=(16,125) のとき、 n=16、a=55

 以上から、求める数列は、

  198、199、200、201、202

  28、29、30、・・・、52

  55、56、57、・・・、70  (終)

(コメント) 高校2年生程度の問題でした。


問題19 3−y3=331 を満たす正の整数 x 、y を求めよ。(1級1次レベル)

(解) (x−y)(x2+xy+y2)=331 において、x−y<x2+xy+y2 で、331は素数なので、

   x−y=1 、x2+xy+y2=331

  x=y+1を第2式に代入して整理すると、y2+y−110=0

   (y+11)(y−10)=0 より、 y=10 で、x=11  (終)

(コメント) 高校1年生程度の問題でした。ただし、公式 x3−y3=(x−y)(x2+xy+y2
      は、現在の学習指導要領では、高校2年で学習することになっている。


問題20 複素数平面上の点zに対して、z,2z,z2 が表す点をそれぞれA、B、Cとすると
     き、次の問いに答えよ。(1級1次レベル)

(1) △ABCが∠C=90°の直角二等辺三角形であるとき、△ABCの面積を求めよ。
(2) z≠0 のとき、AC=2BC を満たす点Aの軌跡は円を表す。この円の半径を求めよ。

(解)(1) 題意より、 2z−z2=±i・(z−z2) z≠0 としてよいので、

       2−z=±i・(1−z) より、 (1±i)z=2±i すなわち、 z=(3±i)/2

     このとき、 z・=5/2 なので、△ABCの面積をSとおくと、

     S=(1/2)(z−z2)(2

      =(1/2)(5/2−(5/2)(z+)+(5/2)2

      =(1/2)(5/2−(5/2)・3+(5/2)2

      =5/8

(2) 題意より、 |z2−z|=2|z2−2z|で、z≠0 より、 |z−1|=2|z−2|

  このとき、点Aは、点(5/3)と点(3)を結ぶ線分を直径とする円周上にあり、求める半径

  は、 (1/2)(3−(5/3))=2/3 となる。  (終)

(コメント) 高校2年生程度の問題でした。


問題21 a を定数とする。このとき、実数全体を定義域とする確率密度関数

  f(x) = a(x−x3) (0≦x≦1 のとき) 、 f(x) = 0 (x<0,x>1 のとき)

について、次の問いに答えよ。(1級1次レベル)

(1) a の値を求めよ。

(2) f(x) が定める確率分布の分散を求めよ。(1級1次レベル)

(解) (1) ∫01a(x−x3)dx=a(1/2−1/4)=(1/4)a=1 より、 a = 4

(2) ∫01x・a(x−x3)dx=∫01a(x2−x4)dx=(2/15)a=8/15

   ∫012・a(x−x3)dx=∫01a(x3−x5)dx=(2/15)a=1/3

  よって、求める分散は、 1/3−(8/15)2=11/225

(コメント) 言葉の定義が把握されていれば容易ですね。


問題22 (問題文一部改題)

 A、B、Cは、相異なる1〜9のうちの数字で、3桁の数ABCを平方してある整数を掛けたら
6桁の数ABCABCになる。このようなABCで考えられるものをすべてあげよ。(2級2次)

(コメント) 1432×7=143143 になるので、解の一つは「143」であるが、解がこれだ
      けという自信が持てない...。


 公益財団法人日本数学検定協会の発表する模範解答に期待していたら、単に「143」と
書いてあるだけで素っ気ない。(平成28年6月30日付け)

 そこで、解が「143」となる道筋を整理したいと思う。

 mod3で、3桁の数ABCは、A+B+C 、6桁の数ABCABCは、2(A+B+C)

 かけ算するある整数をNとおくと、題意より、 N(A+B+C)2≡2(A+B+C) (mod3)

 すなわち、 (A+B+C)(N(A+B+C)−2)≡0 (mod3)

 これより、 A+B+C≡0 (mod3) ならば、 Nは任意

A+B+C≡1 (mod3) ならば、 N≡2 (mod3)

A+B+C≡2 (mod3) ならば、2N−2≡0 (mod3) すなわち、N≡1 (mod3)

 解の「143」、N=7は、この場合である。


 DD++さんからのコメントです。(平成28年6月30日付け)

 x=ABC、N=「ある整数」とすると、Nx2=1001x つまり、Nx=1001

1001=7×11×13 の約数のうち3桁の数は、11×13=143 のみ。


(コメント) なるほど!自然な解法ですね。「合同式」という策に溺れてしまいました。
      DD++さんに感謝します。



  以下、工事中!