鶴湯
2014.7廃業(2013秋より休業)

南区西九条藤ノ木町19  営業時間:16:00〜24:00 定休日:金曜日+第3土
近鉄「京都」下車 徒歩10分 または 市バス「八条大宮」下車 徒歩3分

 

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入湯日:2003/04/07 22:30

 八条大宮の一本東を南に行ったところにある鶴湯です。夜行くと鶴湯と書かれたネオン管があり遠くからでも分かります。
 入口の引き戸を開けると、靴を脱ぐ前に番台がある古い造りです。番台の上には大きな神棚がありますが、珍しく入口側を向いていました。また神棚の向かいには、大入りの額が男女一枚ずつ掛かっていました。男女仕切の上には丸顔の黒い招き猫も手招きしながら愛嬌を振りまいています。この脱衣場、天井は格天井なのですが、ベージュっぽい色をしています。よく見たら壁に吹き付けるようなざらざらとした処理がされています。防水を兼ねてのものでしょうかね。他のアイテムとしては、男女仕切に沿って、富士の冷蔵庫、ベンチ、使われてない机代わりのテーブルゲーム、イシダの貫匁表示の体重計と並んでいます。隠れてあまり見えませんが、鏡の下の壁は手鞠のようなデザインのタイル張りになっていました。
 あと特筆すべきは、浴室入口の上部がモザイクタイル絵になっています。松並木と川の絵柄ですが、後でご主人に聞いたところ、常滑のタイル師さんが、嵐山をイメージして焼かれた物だそうです。女湯側に木の橋が描かれているのですが、それが渡月橋のようです。男湯側には筏流しも描かれていました。何でも昭和35年に取り付けた物だそうで、今年で43歳のタイル絵です。
 浴室はほとんど白タイルの懐かしい感じの浴室です。男女壁に「いい湯だなここは鶴湯ミネラル温泉」という看板が掛かっていてインパクトがあります。その横には、ラドン、イオン、トロンと書かれたあぶくもあり、ミネラル温泉をアピールしています。奥にある4人ほど入れる演歌の掛かるサウナのドアにも「ミネラルサウナ」と書かれていました。
 浴槽は男女壁から奥に掛けてほぼL字型に深風呂、ジェット2カ所と泡風呂、三色ネオン付の浅風呂、水風呂があり、脱衣場側に電気風呂という構成です。深風呂と浅風呂の間には、腰掛けた女性の膝の上のお皿からお湯が溢れる湯口が付いていました。これはありそうで初めて見る湯口でした。また浅風呂の底には泡であんまり見えませんが、鯉が三匹泳いでいます。あと入口を入ったところには掛かり湯用のお湯溜めも設置されています。このお湯溜めの淵にタイルで「男」と書かれているのがちょっと和ませてくれます。ここまで来て「男」っていわれても今更って感じですけどね。
 この鶴湯さんは、DX東寺(ストリップ劇場)と100mほどしか離れていないんで、鏡広告にたまに見るDX東寺のものがあるかと思ったんですが、ここにはありませんでした。まあ広告しなくてもすぐそこってことですかね。代わりといっては何ですが、質屋の広告で「123456質」というのがありました(笑)。
 あまり嵐山に見えない嵐山のタイル絵と、インパクトのある「いい湯だな」の看板。なかなか奥の深い鶴湯でした。

 周辺案内でDX東寺を書くのも何ですんで、興味のある方は
DX東寺のホームページをご覧下さい。ちなみに18禁サイトですので、18歳未満は見ちゃダメですよ(笑)。
 鶴湯から北に行くとすぐ新幹線の高架がある八条通ですが、八条通りの油小路西側あたりは、以前「丸和百貨」という小売市場があった場所だと思います。思いますと書いたのは、この市場があったのが、昭和30年代のことで私が実際に知らないのと、私が知るきっかけとなった新聞連載にも詳しく書かれていなかったからです。その新聞は、京都出身の弁護士中坊公平氏に対するインタビューを元に書かれた物で、2000年7月から一年半、朝日新聞の月曜朝刊に「金ではなく鉄として」のタイトルで連載されていました。中坊公平氏はご存じの通り勧善懲悪を絵に書いたような方で、森永ヒ素ミルク事件、豊田商事事件、豊島の産廃問題などで被害者や住民の強い味方として活躍されましたが、ここ八条通りでも新幹線建設に於ける不動産の強制収用にからんだ国鉄と家主の不正癒着問題における住民側弁護人として活躍されています。詳しい内容については触れませんが、下手な小説やドラマを見るよりスリリングで、また胸のスカッとするような話です。この連載は、同名タイトルで岩波書店から出版されていますので興味のある方は読んでみて下さい。私は油小路八条の交差点を通ると、この本のことを思い出すんです。
「金ではなく鉄として」中坊公平著 聞き手・構成武居克明 岩波書店 2002年2月25日第1刷 ¥1400-

 

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日の出湯

南区西九条唐橋町26の6  営業時間:16:00〜23:00 定休日:木曜日
近鉄「東寺」下車 徒歩5分 または 市バス「東寺東門前」下車 徒歩3分

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入湯日:2003/03/12 21:30
    2003/07/11

東寺東門から東へしばらく行き、「電気温泉」「スチーム温泉」という看板のある路地を南に入って行くと、木造の大きなお風呂屋さんが見えてきます。二階には手すりが設えられていて、その下には瓦の庇、マニア心をくすぐるお風呂屋さんです。
 暖簾の先の引き戸を開けると、土間に番台があるタイプですが、元の番台は取り払われ大型のクーラーがあり、その前に置かれた冷蔵庫が番台代わりになっています。この脱衣場、外観に負けず劣らず立派です。まず、その広さです。入り口付近に籠が積まれていますが、それ以外はだだっ広いのも手伝って、籐筵の敷かれた大きな空間に感動します。また天井が立派な格天井です。ロッカーはダイヤガラスの小窓付きの木製のもので、これまた味わい深い一品です。脱衣場に合わせこのロッカーも、五段×十列で五十個という大型です。脱衣場と浴室の間のタイルスペースは、洗面台が中央にある独立したタイプで、こういう造りは初めて見ました。その隣には、照明が無くよく見えませんでしたが、灯籠と池のある小さな庭もあります。止まっていましたが、脱衣場奥にかけられた古い振り子時計や、浴室入口に掛けられた「湯男」「湯女」と金文字で大きく書かれた看板、寺岡の貫匁表示の体重計、壁に掛かる山水画、少しくすんでしまった白い招き猫、男女仕切の上にある「あすもあります」という木の枠で作られたランプ(実はランプではなかった)、庭の横にある安食堂のようなテーブルとイスなどなど、ひとつひとつに時間が刻まれているような空間です。
 浴室の方は奥にスチームサウナ、男女壁側に深風呂、ジェットが二カ所付いた浅風呂、電気風呂が並んでおり、脱衣場側にライオンの水吐きが付いた水風呂、故障中でしたがシャワーコーナーという構成です。スチームサウナは向かい合わせに六人ぐらい入れる大きさですが、最初入ったとき職人風の兄ちゃんが、イスの上に体育座りをしていました。何でかなと思いましたがすぐに私も分かりました。イスの下からのスチームが熱くて、普通に座れないんです。程なく私も兄ちゃんと同じく体育座りです(笑)。
 この浴室の特徴的なのは、湯気抜きを支えるのに男女壁から柱が二本建っています。屋根を支えるのに中央に柱を建てているわけですが、これは非常に珍しいと思います。そのせいか天井も湯気抜きに向かって緩やかにお椀型になったような感じです。何回もペンキが塗り重ねられ、分かりにくくなっていますが天井と壁の境の所には、円を連ねたような意匠もありました。壁のタイルはほとんど白タイルですが、男女壁はたまに見かける垂れ下がる藤をデザインしたタイルでした。
 こういうお風呂屋さんには、風呂上がりのコーヒー牛乳が似合います。迷わずコーヒー牛乳を買い、ぐっと飲む幸せ。頑張って欲しい一軒です。


(左上:「あすもあります」の表示板。90度回すと「あす休み」になります。上中:止まっている柱時計と招き猫。上右:ダイヤガラスのはまるロッカー。下左:男女それぞれに掛かる金文字の看板。下中:男湯中庭。下右:男湯水風呂)
 日の出湯さんにも再訪し写真を撮らせて頂きました。さらに営業中にも関わらず裏からご主人にも出てきて頂きいろいろとお話も伺えました。
 何を置いても圧倒される建物ですが、昭和3年頃の建物だそうです。ご主人は昭和26年に大阪の堺から移って来られたそうです。当時から脱衣場の様子は照明以外変わっていないそうで、ロッカーも金文字の看板も戦前の物のようです。天井の大きさにも驚かされるのですが、実は吊り天井になっていて、中央の少したかいむくり状態になっています。よく見れば所々に吊っている金具が付いていますので注目してみて下さい。現在は物置になっている2階は襖をはずせば大きな広間になるそうです。
 脱衣場に掛かる杉板に書かれた中国らしき景色を描いた山水画はお客さんからの寄贈品だそうで、特にプロが描かれたものではないようですが、あまり色褪せることもなくきれいに残っています。
 また興味深い話として以前は前庭があったそうです。前庭を壊される際、一部の岩は現在の中庭に移されたそうで、中庭には灯籠や巨岩が所狭しと置かれています。庭の池に上から水が滴っていたので雨かなと思いきや、実はご主人自作の演出で、パイプを引きわざと涼しげにしてあったのです!
 お話を伺ったご主人は昭和3年生まれ。くしくも建物と同い年(建物の年が正確ならば)ではありませんか!お風呂屋さんのことを「公衆浴場」とおっしゃっていたのが印象的でした。(2003.9.6追記&写真6枚アップ)

2006年11月に
日の出湯のホームページを開設されました。


 日の出湯のあたりは、毎月21日の弘法市になると大変な賑わいになります。境内はもちろんですが、日の出湯の辺りも商店が前にものを並べたりして結構賑やかです。そんなところですが、東寺道を東寺の東門の方に行くと「東寺やいと院」などという最近では聞かないような言葉の看板が挙がっているエリアでもあります。
 日の出湯から東へ、近鉄電車の高架沿いにしばらく北に行くと右手にお堂が見えてきます。京都市の看板が立っていますが、この場所は「綜芸種智院」という弘法大師さんが828年に創設した私立学校の跡です。当時大学へは厳格な身分制限の下、一般民衆は入学できなかったのですが、弘法大師さんは民衆のために学校を作ったのです。綜芸種智院では、内典(仏書)、外典(儒教)の講義を行っていたそうです。種智院と聞いてピン!ときた方もおられるかも知れませんが、空海の死後途絶えた同学院ですが、その趣旨を継ぎ種智院大学が設立されました。平成11年まで東寺の北側にキャンパスがありましたが、現在は伏見区向島に移転しています。(綜芸種智院跡↑)
 食べもんの話もしときましょうか(笑)。東寺道の近鉄高架を少し南に行ったところに、「はやし」という焼き肉屋があります。換気扇からもうもうと煙が出て、匂いが辺りに漂っているんですが、この店気になってるんですよね。一乗寺にある暖簾分けした店には行ったことがあるんですが、ここはまだ未踏です。一乗寺の方は、甘辛いタレにつけ込んだ肉で、ビールやご飯の進む味でした。また値段も手頃で嬉しい限りでした。匂いがついてもいい服装で出掛けましょう!

 

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八条湯
2012年より休業

南区八条通坊城東入八条町436  営業時間:14:00〜24:00 定休日:月曜日
市バス「六孫王神社前」下車 徒歩1分

 

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入湯日:2003/04/22 23:00

 八条大宮から西へ、六孫王神社の手前にあるお風呂屋さんです。八条通に面したマンションの奥の方に入口がありますが、八条通にも「サウナ八条湯」という看板が出ているのですぐ分かります。駐車場も6台分ぐらい確保しておられ便利です。
 入口はガラス張りの玄関に自動ドアで、銭湯のイメージとはちょっとかけ離れたような感じです。下駄箱の先にフロントがあり、その奥にはあまり広くありませんが新旧マッサージ器やテレビ、ベンチが置かれたロビーになっています。フロント上には、所狭しと招き猫やダルマ、ふくろうの置物などが置かれていました。
 脱衣場はコンパクトなビル型銭湯の脱衣場といった感じですが、入口近くに番台のような造りがありカーテンで女湯と男湯が仕切られていました。以前は番台形式でやっておられたのかその辺りは分かりませんが、ちょっと不思議な造りです。
 浴室の方もコンパクトに出来ています。浴室の広さとしては、かなり小さい部類に入ります。それでも奥に4,5人サイズのサウナ、青い顔のライオンの水吐きが付いた水風呂、電気風呂があり、男女壁側にジェット2カ所付浅風呂、深風呂、バスフレンドの入浴剤入り泡風呂と一通りの浴槽が揃っています。カランの配置が苦肉の策というか左の壁に沿って7カ所あるほか、中央に薄い島カランを2つ作り、裏表2カ所ずつ計8カ所確保してあります。その代わりと言っては何ですが、島カランのカランにも全部ハンドシャワーが付いており、その辺りは工夫されています。
 浴室自体は新しい造りで、非常にきれいです。床や浴槽の淵は、茶色と白のタイルで市松模様になっているのが特徴です。後で気づきましたが、この模様は外の玄関先にも使われていました。
 ところで、この浴室に入るまでは完全なビル型銭湯だと思っていたのですが、この浴室には湯気抜きがちゃんと付いているんです。天井はそんなに高くありませんが、三角屋根になっていて中央に見慣れた湯気抜きがあるんです。帰りしなに外にまわって見たら、脱衣場までがマンションの一部で、浴室はマンションに隣接する形で造られていました。大徳寺周辺で紹介した若葉湯といい、この八条湯といいまんまと騙されてしまいました。
 私が入っているときにちょうどジョンレノンをちょっと若くしたような外国人の方も入っておられました。外国人の方とはたまに一緒になりますが、共通するのが浴槽の淵にもたれてぼーっとされたり、浴室の中で休憩をされる姿をよく見ます。このジョンレノン似の方も浴槽の縁に座り、しばらく休憩されていました。みんなホットバスにやられちゃうんでしょうかね。
 帰りに脱衣場で服を着ていたら、女湯の方からも英語の会話が聞こえてきました。脱衣場に浴場組合の数カ国語で書かれた入浴マナーのポスターもありましたし、なかなかインターナショナルな八条湯でした。

 八条湯の南側になりますが、東寺の敷地内に洛南中学と洛南高校があります。八条湯の駐車場からも校舎がすぐ見えます。この高校駅伝でもお馴染みの洛南高校は、現在のところ京都で一番賢い高校です。賢いという基準にも色々ありますが、この場合平たく言えば京都大学に一番多く入ってる高校です。それも毎年100人以上が進学し全国で一番です。
 京都には「洛」の字の付く高校が、洛星、洛北、洛東、洛西、洛水、洛陽工業とたくさんあります。その中で洛南と洛星だけが私立高校で、どちらも進学校です。また進学校としては、京都で1位、2位の地位にあります。よく対比されるこの2校ですが、洛南は真言宗の仏教系、洛星はキリスト教系と学風の違いもコントラストがはっきりしていて面白いところです。(←東寺北総門と奥に洛南高校)
 最近読んだ本の中に、国際日本文化センター顧問の哲学者梅原猛氏が書かれた「梅原猛の授業 仏教」という本があります。この本は梅原氏が洛南中学で、12回に渡り行われた仏教の授業をまとめた物です。宗教の必要性に始まり、文明の中における宗教、仏教の道徳、歴史と続き、現代の仏教までやさしく説かれ、ある時は東寺の講堂で授業をされるなどなかなか興味深い一冊でした。空海が考えた曼陀羅の世界についても分かりやすく解説されていますので、東寺を訪れる際のガイドブックとしても十分読みごたえがあります。全12回の最後の授業が行われたのが、奇しくも9・11のテロがあった1週間後で、その話題にも触れておられるのですが、その中で「ブッシュ大統領は自己の文明を唯一の文明と考え、その文明に敵対するのは野蛮であると考えています。これはやはり新しい一神教であると思います」と言う下りがありました。イラク戦争の最中に読んだことも重なり、梅原氏の説かれる世界観に考えさせられました。
 尚この本には、翌年分の授業をまとめた「梅原猛の授業 道徳」という続編もありますので、興味のある方は合わせてどうぞ。
梅原猛著「梅原猛の授業 仏教」朝日新聞社発行 2002年2月5日第一刷 ¥1300-
梅原猛著「梅原猛の授業 道徳」朝日新聞社発行 2003年1月30日第一刷 ¥1300-

 

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寿湯

南区西九条比永城町17  営業時間:16:00〜23:00 定休日:月曜日
市バス「九条大宮」下車 徒歩2分

 

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入湯日:2003/08/13 22:00

 九条大宮から大宮通りを南へ一筋、東に入ったところにあるお風呂屋さんです。トタンで覆われていますが建物には立派な瓦が乗った唐破風が付いています。暖簾は珍しく大阪型(房が3つで丈が長い)もので、どちらが男湯の入口か判断に困ります。入ってから分かることですが、このお風呂屋さんは玄関スペースの中央に作りつけの傘立てがあり、入る側を間違えると逆サイドに行くには、一旦靴を脱ぐか、もう一度入口を入り直すかのどちらかです。男女の側は覚えておきましょう!私は引き戸が開いていた左側から入ったらちょうど男湯側でラッキーでした。他のこの玄関スペースの特徴としては、中央に煙草の自販機が置かれています。
 脱衣場ですが、格天井でなかなか雰囲気があります。使われていませんでしたが、三枚羽の吊り下げ型扇風機もあります。そして男女仕切の一番奥には止まっていますが船岡温泉や下鴨の栄盛湯にあるものと同じ形のアンソニア製の古時計が掛かっています。道路側には坪庭もあるのですが、木がちょっと植わっているだけでやや寂しい感じの庭でした。でもこれで池でもあればかなりの高得点をたたき出しそうな雰囲気です。
 他にもこの脱衣場には、男湯のロッカー側に、五条楽園の弁天湯さんから贈られたひょうたん付の大入り額も掛かっていますし、体重計はかなりの古さを漂わせる鋼鉄製のもので、乗る台の所には「京都石田衡器製作所」の文字が入っていました。また冷蔵庫は無地のものでしたが、ラムネや冷やしあめ、サイダーにローヤルサニーなどお風呂ドリンクの品揃えはなかなかです。
 浴室の方も中央に浅風呂と深風呂を備えた主浴槽があるクラシックな造りです。脱衣場側に6人サイズのサウナがあり、サウナを出たところにまだら顔のライオンの水吐きが付いた水風呂、浴室奥にジェットと信号三色点滅式のネオンがある浅風呂、電気風呂という構成です。主浴槽の中心にはきれいな弧を描くリンゴ型(いのきんさん命名)の噴水が付いており、浅風呂の底にはタイルの鯉が3匹泳いでいます。
 カランは両側の壁にある造りなんですが、私は左側のほぼまん中辺りに座りました。そしてシャワーを使おうと思ったらあらっ!出ない。隣も少しひねってみたのですが出ない。で逆サイドを見るとシャワーを使っている人がいる。・・・こっちは故障かなと思いきや、このシャワー遊びがめちゃくちゃ大きいんです。レバーの角度で言うと180度以上遊びです(笑)。レバーを思い切り回すと勢いよくお湯が出てきました。みなさんも諦めず深く回してみましょう!
 お風呂上がりはコーヒー牛乳です。こういうクラシックな所ではなぜかコーヒー牛乳に手が伸びます。庭側の壁に付けられた強力な扇風機の風に吹かれながらほっこりしてきました。新聞や雑誌類も結構揃っていますので、風呂上がりものんびり出来ますよ。
 さて復習です。男湯はどちら側ですか?・・・・・はい。左側が正解です。お忘れなく。


 寿湯さんは大宮九条からすぐですが、夜ライトアップされている東寺の五重塔はなかなかステキです。暗くなってから行かれる場合は是非東寺の五重塔も見ていきましょう。
 さて周辺案内ですが、ここでは九条大宮と近鉄東寺駅のちょうど中間ぐらいにある「みなみ会館」の紹介です。ラスベガスというパチンコ屋さんの二階にある小さな映画館なのですが、ここの上映作品はなかなか渋いものが揃っています。RCSという会社が運営しており、この会社はここの他に京大近くのイタリア会館や大津の滋賀会館でも上映を手掛けています。上映作品が渋いと言いながら、興行的な問題からでしょうがたまにアンパンマンなんかをやってしまう辺りはご愛敬です。大きなロードショー館では掛からないような作品や、名画座のように古いリバイバルが掛かったりします。
 私は一ヶ月ほど前、ここで韓国映画の「おばあちゃんの家」という作品を見ました。岩波ホールの創立35周年記念作品で東京からは二ヶ月ほど遅れての上映だったのですが、都会育ちの少年が心を開いていくとってもいいお話でした。
 上映作品のサイクルが早く、また時間も不規則なのでなかなか合わせて見に行くのに苦労するんですが、
RCSのホームページに上映予定がありますので良ければ参考にして下さい。車の方は九条通の北側に8台分無料の駐車場もありますので便利です。

 

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柳井湯

南区西九条開ヶ町18  営業時間:15:30〜23:00 定休日:水曜日
近鉄電車「東寺」下車 徒歩5分

 

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入湯日:2003/08/09 21:30
    2003/08/15 22:30

 札の辻通りの近鉄高架下から一筋西を北に入ったところにあるお風呂屋さんです。前の道路から入口までは4〜5mほどスペースがあり自転車が停められるようになっているのですが、看板には「柳井湯 乳母車・自転車駐輪場」とあります。
 入口の引き戸を開けると下駄箱があるのですが、このお風呂屋さんはこのスペースが非常に特徴的です。古めかしい傘入れと並んだ下駄箱が男女を仕切るように置かれ、その前は板張りの床になっています。そして屋根のあるのはこの下駄箱の上だけで、男湯の場合、右手は錦鯉が泳ぐ池のある坪庭になっています。木の床といい、坪庭といい私がbest of Sento in Kyotoと思っている西陣の長者湯に通じるものを感じます。
 そして脱衣場ですが、天井はニス色の格天井に吊り下げ型の扇風機が回っていて、浴室入口には男湯から女湯に掛けて横に長〜いタイル絵があるというこれまた風情たっぷりの雰囲気です。タイル絵ですが男湯側は、富士山に手前が帆船の浮かぶ湖、女湯側は筏流しが描かれています。そして隅には「勝美画」とサインが入っていました。タイル絵について女将さんに「昭和40年ぐらいのものですか」聞いたところ、はっきりは分からないがもっと前のものだということでした。またおばあちゃんに聞いときますとのこと。おばあちゃんのみが真実を知っておられる様です。
 それからこの脱衣場から庭側を見るのもなかなかです。行ったときは冷房中でガラス戸が閉まっていましたが、開け放してもなかなか気持ちよさそうです。閉まっているガラス戸も、サッシではなく、木の桟のガラス戸で鍵はねじ込み式のなかなか味のあるガラス戸です。
 他この脱衣場の面白い所はテレビが2台並んでいます。男女仕切側にサウナがせり出す形であるのですが、男女仕切の線上に一台、そして男湯側のサウナ上にもう一台あり、どちらも同じチャンネルを映してあります。う〜ん、難解。脱衣場の大きさに比してロッカーの数が9個と少ないのも特徴といえば特徴です。飲み物はコカコーラの自販機のみですが、雑誌類は豊富に揃っていて風呂上がりにゆっくり出来ます。
 浴室の方は、至ってシンプルな感じで男女壁側に奥から電気風呂、2連ジェット2カ所付きの浅風呂、深風呂、泡風呂付きの薬湯(酵素風呂のような黄緑色)が並び、脱衣場側に5人サイズのスチームサウナ、反対側に水風呂という構成です。右側にカランが2列並んでいます。天井は蒲鉾天井で、普通に湯気抜きがあるのですが、男湯側には壁に大きな窓もありました。
 壁は男女壁以外ほとんど白タイルで昔ながらの浴室と行った風情です。男女壁も白地にストライプの入ったシンプルなものです。また、この浴室は各所に手摺りが取り付けられているのですが、これは以前福祉入浴をされていたためだそうです。
 風呂上がりに女将さんと話していて気が付いたのですが、女湯側の番台横に衝立があり、それには磨りガラスのガラス絵がはまっていました。これも最近では見ないものです。脱衣場のタイル絵や格天井、坪庭となかなか私好みの柳井湯さん。今度は明るい内に行こうかと思います。

 柳井湯さんは後日もう一度訪れ、閉店後に写真を撮らせて頂きました。また普段はもう番台に出ておられない昭和一桁生まれのおばあちゃんともお話させて頂きました。タイル絵は「もう40年以上になるかなあ」という話でしたので、昭和30年代後半といったところでしょうか。以前は脱衣場の男女仕切に近江八景の欄間や、模様の入ったガラスがはまっていた時代もあるそうです。また、写真を撮らしてもらったのはたまたま8月15日だったんですが、戦中戦後の燃料不足の時には、毎日風呂を沸かせなかった話や、桂の方までリヤカーで廃材をもらいに行った話、農家を手伝いに行った話なども聞かせて頂くことが出来ました。この場を借りてお礼申し上げます。

↑左:女湯側は筏流し、右:男湯側は富士山と湖。両方とも端に「勝美画」のサインがある。
また二つの絵の間は土手の道によって繋がっている。

 柳井湯さん辺りで最近変わった景色といえば近鉄が九条通り以南も高架になったことです。側道もきれいに整備されました。
 といっても周辺案内するようなところはないなあと思っていたら、すぐ近くの札の辻通りの近鉄高架から少し西に入ったところにあるものを発見しました。何かと言いますと「ヘルストロン」という幟を立てたハクジュプラザという健康器具の販売所です。これって良く温泉場とかに試供品が置いてあって、指導員みたいな人が熱心に説明してるヤツちゃうんと思い帰ってネットで調べたところヒットしました。正式名を
白寿生科学研究所といいホームページを見るとめちゃくちゃ良くできたサイトで、一部上場企業にも負けていません。でも写真の通り、何かの店の後を改装したような所に、マッサージイスのようなものを並べ、近所のおじいちゃんおばあちゃん相手に指導員の人が何か説明されています。このギャップはなんだ!でもですよ、ホームページをよく見ると海外にも事業所があるし、資本金は2億円以上、創業者や社長さんは勲章までもらっておられます。恐るべし!ヘルストロン。効き目の方は良く分かりませんが、イス型のものだと一番安いので40万円ぐらいします。表には不眠症、慢性便秘に効くと書かれていましたが、私は柳井湯に浸かって快眠快食。今のところ不要ということで、周辺案内終わります。

 

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東寺湯
2011.11.30廃業

南区八条内田町66 営業時間:15:30〜23:00 定休日:金曜日
市バス「御土居」下車 徒歩1分

 

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入湯日:2003/04/19 21:30

 東寺の西門からしばらく西へ行き、御土居のバス停近くを南に入ったところにあるお風呂屋さんです。このお風呂屋さんも看板にはサウナとしか書かれておらず、東寺湯の文字は見あたりません。組合の名簿から判断して東寺湯です。
 外観は古い木造のお風呂屋さんで、前の玄関スペースは後から増築されたようです。男湯、女湯2枚の暖簾の間には、和風のショーウィンドといった様な空間があり、金の招き猫がお出迎えしてくれます。
 玄関スペースは横に長〜い空間で、一応下駄箱で男女が仕切られています。そこから引き戸を開けると低い番台があり、結構広めの脱衣場が広がっています。天井はあまり高くありませんが、白い格天井で歴史を感じます。冷蔵庫は小さな四面体の物があるのですが、中に入っているのはラガーとドライのビール2品とオロナミンCというパワーアイテムのみ。他の飲み物は自販機で売られていました。
 浴室はほとんどが昔ながらの白タイルで懐かしい感じの空間です。でも白タイルが異様に白いんですよね。よく見ると補修の際に、白いペンキを上から塗られたようです。それから奥に興味深い窓があります。横2m、縦1m程の一枚ガラスなのですが、奥行きが20センチほどの空間で、元々は水槽だったようです。現在は水槽としては使われておらず、中に電飾にブドウの蔦を絡めたようなパネルが入っていました。しかし、この電飾も現在は使われていません。予想するに、水槽が壊れた→寂しいので電飾を作った→それも壊れたという流れのようです。
 浴槽は、中央に深風呂と浅風呂の主浴槽。奥に泡風呂と、バスフレンドの入浴剤入りの足裏ふくらはぎ刺激付き腰掛けジェットが2カ所ある薬湯、電気風呂、横手に水風呂という構成です。カランが両サイドに並んでいます。サウナは脱衣場側に7人ほど入れるサイズの物があります。サウナには脱衣場側に窓が付いており、端に座れば脱衣場のテレビが見られるようになっていました。BGMもテレビの音声です。奥の泡風呂と薬湯は最近改装されたみたいでタイル使いも異なるのですが、この浴槽のまわりだけ15センチ程一段高くなっています。床のタイルから元々あった浴槽のサイズ分だけ高くなっているようでした。
 湯温ですがこのお風呂屋さんは結構高めです。主浴槽はガンガンうめてあったにも関わらずかなりの熱さでした。こういうお風呂屋さんでは、水風呂と交互に入ると効果的です。水風呂と電気風呂には、ライオンの水吐きが付いていましたので、それでも見ながら水風呂にゆっくり入り、熱いお湯に浸かると体感温度が下がります。
 奥にあった窓の仕掛けが気になる東寺湯さんでしたが、お客さんの年齢層もなかなかバラエティーに富んだ地元密着銭湯でした。

(追記)
2011年11月末に廃業される直前の28日に入りに行きましたが、浴室奥の窓はコンパネで打ち付けられていました。

 豊臣秀吉が築かせた御土居ですが、この東寺湯辺りも御土居があった場所です。現在史蹟として、北区、上京区、中京区に計9カ所残っている御土居の遺構が史蹟指定されていますが、特に史蹟指定されていないこの南区にもバス停の名前で「御土居」が残っているのは、なかなか興味深いところです。
 私がこの東寺湯に行ったのは4月の19日。東寺湯のまわりのかなりのお宅に「稲荷大社四ノ大神御神酒」の紙が貼られていました。稲荷大社といえばもちろん伏見稲荷のことですが、毎年4月から5月に掛けて行われる稲荷祭では、東寺・八条地区の「四ノ大神」の御神輿も含め五基の御神輿が2週間油小路東寺道にある御旅所にやって来ます。今年(2003)の場合、4月27日には氏子祭として、四ノ大神の御神輿が東寺湯の前も通ることになっていました。伏見稲荷の御御輿は、北は松原通りから南は十条通りまでと結構広い守備範囲です。
 この辺りは伏見稲荷が氏神様なのかと思いましたが、御土居のバス停がある東寺西門道りをもう少し西に行った辺りには、5月11日に行われる松尾大社の還幸祭のポスターが貼られ、九条七本松辺りを中心に御神輿が出る案内がありましたので、ちょうど氏神様の境目のようです。
 何にしても4月から5月に掛けて、この辺りはなかなか賑やなお祭りムードに包まれる地区です。事前に御神輿の予定とかが分かれば、こういった地元のお祭りを見物するのも一興ですね。

 おまけですが、東寺湯からもう少し西に行った東寺西門道りの新千本の角に、町家風で一階には格子戸がはまるどう見ても銭湯だったという建物があります。気になってご近所の方に聞いたところ、やはり銭湯だった建物でもう十年以上前に廃業されたということでした。お二人の方に、「屋号を覚えてられますか?」と聞くと、一言目には「とよしま。とよしまさんとこや」という同じ答えが返ってきました。その後「宝湯いうてな」と屋号が出てきます。ご近所では、「とよしまさんとこのお風呂」と言った方が通りがいいようです。こういう建物を見ると、あと十年早く回りはじめていたらなあと思いますが、言ってみた所で仕方ありません。ここに宝湯というお風呂屋さんがあったということを付け足しておきます。

 

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旭湯

南区唐橋羅城門町21 営業時間:14:00〜24:30(日8:00〜24:00) 定休日:月曜日
市バス「九条七本松」下車 徒歩2分

 

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入湯日:2003/05/27 22:30
    2006/05/05 22:30
    2006/05/13 24:00

 九条通にある牛の絵が描かれた森永乳業を南に行ったところにあるお風呂屋さんです。お風呂屋さんと呼ぶには、気が引けるような立派な外観です。看板に「ビリヤード旭」とありましたので、階上はビリヤード屋になっているようです。
 入口を入ると、かなりの数の下駄箱があり、続いてゆったり十人以上座れるソファーとテレビの置かれたロビーが広がっています。奥にはゲームコーナーもありましたが、電源はほとんど入っていませんでした。普通ならこのロビーにフロントがあるところですが、このお風呂屋さんは、ここから男女別れた引き戸を入ると、フロントがあります。フロントといっても、男女扉が違うので、番台の様に男性は右側、女性は左側を通る形で、脱衣場にはさらにもう一枚扉を開けて入る様になっています。
 脱衣場も広々スペースです。中央に一畳分のベンチがあり、旭馬印の徳用マッチが置かれていました。旭湯に旭馬印、意識してのアイテムってのは考えすぎですかね。ここはいわば大型銭湯で、スーパー銭湯にも見劣りしないような感じですが、籠は籐籠、床は籐筵って言うのはやはり京都のお風呂屋さんです。片側に貸しロッカーがずらーっと48個ありましたが、全部名前が入っていました。人気の程が窺えます。
 さて、浴室ですが、これまた充実しています。入った右手に温水のシャワービックスがあり、左手は露天風呂に続く通路になっています。浴室内の方は、左右対称に櫛の歯状にカランコーナーがあり、中央が通路になっていて、正面奥にある円形の浴槽が目に飛び込んできます。左右にカランのある通路部分ですが、ローマの神殿のような高さ2mぐらいのステンレス製円柱が並んでおり、上に電気が付いています。この通路の奥に縁を赤御影石で作った円形浴槽ですので、視覚的にかなり手が込んでいます。円形の浅い浴槽は、正面の湯口から勢いよくお湯が出ているのと、四方から中央に向かって強力なジェットが出ていて、さながらスパリゾートのジャグジーのようです。
 円形の浴槽の左右には、これまた対称形に冷水管枕と泡風呂を備えた寝風呂のある薬湯と電気風呂を備えた深風呂が向かい合っています。
 ここまででも結構充実ですが、さらに円形の浴槽の奥にガラスの仕切を隔てて水風呂とサウナのコーナーがあります。サウナは15人ぐらいは入れそうなテレビ付き遠赤サウナで、水風呂は2m×4mぐらいありそうな、プールみたいな広さです。水風呂には強力な打たせ水も付いています。またこの水風呂の前のスペースには、人工大理石風の素材で作られたベンチもあり、休憩できるようになっています。ここのサウナと水風呂のスペースだけでも小規模な銭湯の浴室ぐらいありそうです。
 まだ露天風呂もありますよ〜!こちらも1.6m×4mぐらいの多きな浴槽です。建物の造りとしては、ちょうど大きな蒲鉾の背の高い部分をくり抜き、中庭にしてあるような感じです。
 これだけ書いても多分伝え切れていないと思うのですが、設備といい、視覚的効果を狙ったと思われるレイアウトや円柱といい、なかなか個性溢れるお風呂屋さんでした。当分の間は、火曜〜土曜まで終了時間を30分延長し、24:30まで営業されるそうです。


 掲示板にピンザブローさんから旭湯が改装との情報を頂き、早速行ってきました。
 外観はほとんどそのままですが、2階のビリヤードが中華料理屋「羅生門」になっていました。5月2日に改装オープンだったのですが、私が行った5日もなかなかの盛況ぶり。
 ロービーは明るいフロントに、ソファー席が10席ほどと足マッサージの機械が置かれたコーナーがあり、以前ゲームコーナーだったところはカウンターの軽食コーナーになっていました(私が行ったときは営業していませんでしたが、脱衣場にバイト募集の貼り紙がありました)。ちょっと珍しいのは、貸しロッカーがロビーに並んでいます。ちゃんと契約期間もシールで貼られていて一目瞭然。数にして100ぐらいはあったと思います。
 浴室は日替わりで男女入れ替わるのですが、この日は左側。以前は女湯だった方です。脱衣場は、ぴかぴかになりつつも、籐筵と籐籠、一畳分の床几は改装前のものを使用されており、風呂屋情緒も残しています。ロッカーはスー銭にあるような、バネ状のリストバンド付きの鍵。しかしこれは規格品なのでしょう、籐籠は入りません。脱衣場の片隅に、自販機2台、ビールやチューハイの販売もあります。按摩機はふくらはぎや腕ももんでくれる最新式のものでしたが、10分100円でした。
 浴室ですが、以前の浴室を思い出せないぐらいの全面改装です。そして、おーーーーーーっ! 壁面に新たにモザイクタイル絵が取り付けられているではないですか! しかも東寺の五重塔と京都タワーが並んでいる構図。タイルのサイズから推定するに縦1m、横3.6mぐらいのサイズです。マニアとしては非常に嬉しい改装ですね。
 レイアウトとしては、両側の壁面にカランを並べ、中央に浴槽を固めた四方風呂が基本です。手前から、ミルキー風呂、気泡風呂の薬湯が独立してあり、奥に浅風呂、深風呂、電気風呂、腰掛けジェット、エステバス(トルネードのような強力なヤツ)の複合浴槽があります。さらにうたせ水付きの広い水風呂スペースは健在で、テレビ付きの広いドライサウナと、ミストサウナもあります。
 そして、そして露天風呂も全面改装。以前女湯だった側は、東屋付きの岩風呂になっており、雪見灯籠と植え込みも和の情緒。浴槽も広々です。帰りにフロントで聞くと、以前男湯だった側は、檜風呂とのこと。もう一度行かねばなりません。
 久しぶりに改装オープンのお風呂屋さんに浸かりましたが、やっぱり楽しいですねえ。露天にのんびり浸かりながら、昭和40年代頃までは、毎月の様に改装があっただろうし、それはそれは楽しかっただろうななどと妄想していたのでありました。
 帰り、駐車場にとめた車から文字の流れる電光掲示板を見ていると、「京都ではじめて温泉システムを導入」という文字が!それに続いて「美人の湯 長寿の湯」という文字も。温泉システムってなんだ? 教えてください。(2006.5.6追記)
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 デイシフトする浴室の反対側も見るべく、再度行ってきました。
 ふむふむ。脱衣場はほとんど同じ造りですが、向かって右側の脱衣場のロッカーの方が塗られている色が薄いですねって、こんなことは一般人にはなんの興味のないことですね。はい。町のお風呂屋さんで初めて見たものとしては、ベビーベッドの代わりに、壁に折り畳めるおむつ交換台があります。デパートのトイレとかにあるようなやつです。普通ベビーベッドは女湯側にしかありませんが、デイシフトするので両方に設置されています。
 浴室ですが、レイアウトが逆側の浴室と全く違います。こちらは、浴槽が左側の壁にくっついた形で、手前から薬湯、ミルキー風呂、複合浴槽と配置されています。設備は同じですが、レイアウトが変わると雰囲気も変わりますね。奥の水風呂、ドライサウナ、ミストサウナは、反対側と同じ造りです。
 露天風呂ですが、こちらは檜風呂。が・・・浴槽の縁が檜になっている以外は、浴槽の底の石などは反対側の岩風呂と同じ。檜風呂〜♪と期待していくと、ちょっと期待はずれかもしれません。露天風呂としては浴槽も広く、レベル高いです。
 そして、そして、期待のタイル絵ですが、こちらは意外や、意外! マンガチックな入浴風景で、大きな浴槽に家族で浸かっている人達と、3人で背中を流しあっている様子を描いたもの。こういうのも面白いですね。
 終い風呂に行ったので、飲食コーナーには寄れませんでしたが、飲食コーナーもオープンしていて、ソフトクリームなどを売ってました。(2006.5.14追記)


 最初にも書きましたが、旭湯さんに行くには、森永乳業を目印にしていくと分かりやすいと思います。東側の道を南に行くと、旭湯です。(写真の森永の建物は2005年(だったと思う)に取り壊しになりました)
 この辺りには、平安京の遺構が結構点在しています。洛陽湯のところで書いた西寺もそうですが、九条通を森永乳業から200mほど東に行ったところには、矢取地蔵尊と羅生門跡の石碑があります。矢取地蔵は、平安時代に東寺の空海と、西寺の守敏が雨乞い合戦をした際、空海に負けた守敏が空海をねたみ、矢を放ったところお地蔵さんがその矢を受け、空海が難を逃れたという逸話に登場するお地蔵さんで、背中に傷が残っているそうです。しかし残念ながら背中側は、見えないようになっています。
 この矢取地蔵の脇を少しはいると、児童公園に羅生門遺跡の石碑が建っています。芥川龍之介は、小説「羅生門」でおどろおどろしい羅生門を書きましたが、現在では児童公園内にひっそりと石碑があるのみです。

 ひととおり見所を回った後は、ビールでも飲みに行きましょうか(笑)。少し戻る形になりますが、九条新千本交差点を北に100mほど行くと、黄色いテントが目印の「ミスター・ギョウザ」というお店があります。このお店以前から餃子はうまいという話を聞いていたので、行ってきました。確かにしっかり焼き目を付けた餃子で、なかなかいけました。白髪のおっちゃんが、餃子を焼いていましたが、この人がミスターギョウザでしょうかね?持ち帰りも出来、結構主婦のおばちゃんが、買っておられましたし、餃子は間違いないと思います。餃子は6個で220円です。営業時間は12:00〜21:00 木曜休です。

 

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寿湯(唐橋)
2010.7.31廃業

南区唐橋南琵琶町30 営業時間:16:00〜22:00 定休日:日曜日
市バス「千本十条」下車 徒歩4分 または 市バス「落合町」下車 徒歩2分

 

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入湯日:2003/08/28 21:30

 九条新千本から南に行き、ローソンの角を西に行ったところにあるお風呂屋さんです。このお風呂屋さんは見つけるのに苦労しました。ここの住所は「南琵琶町」なのですが、組合のHPでは「琵琶町」になっているんです。一度諦めて余所に行ったことがあります。その後芭雨さんのHPを見ると「南琵琶町」となっていたので、再度訪問。無事入湯となりました。
 暖簾をくぐって玄関スペースに入ると正面に古めかしい札が掛かっており「○屋共栄浴場有限会社寿湯営業所」(○の字は不明)と書かれていました。寿湯営業所ということは、他にも浴場を経営されているんでしょうかね。ほ〜っとその札を眺め脱衣場へ。しかし・・・番台に誰もいません。番台には先客の方が置かれたのか百円玉が4枚置かれています。「すいませ〜ん」と女湯の方に声を掛けても反応なし。このシチュエーションは東京でたまに行っていた銭湯以来です。ということで、お金は後で払うことにして先に入らせて頂きました。
 脱衣場でまず目が止まったのは冷蔵庫です。今は無き井上牛乳(廃業された地場メーカー)のマークが入っています。当然ながら井上ブランドはもう無いんですが、他のメーカーの乳製品もなく、コカ社の製品が中心でした。
 装飾品の類としては、男女仕切の上に金の招き猫、黒い親子3匹の招き猫、福助人形が等間隔に置かれています。それから男女仕切に横山たかしさんのサインが掛かっていました。「すまんの〜」のあの方です。色紙にも「すまんのお!!」と書かれていました(笑)。日付は平成10年5月25日。比較的最近ですね。ちゃんと「寿湯さんへ」の文字も入っています。テレビはなく脱衣場には、壁に取り付けられた扇風機が発する「ぶ〜ん」という音が響いています。
 ロッカーの横手には貸しロッカー1ヶ月300円のポスターも貼ってあり、30個近く貸しロッカーもあるんですが、何故か横には常連さん用の洗面器置き場が・・・。貸しロッカーはほとんど使われていない様でした。
 浴室の方は基本的に奥の壁側に浴槽が並ぶ造りで、手前側にライオンの水吐き付水風呂とちょっと脱衣場側にせり出す感じで塩風呂があります。塩風呂はぬるめのお湯で、泡風呂付き。ゆったりと入れます。塩風呂と聞けば舐めてみたくなるのが人情です。舐めてみました(笑)。う〜ん、海水ほどはしょっぱくありませんが、はっきり分かるぐらいの塩辛さです。脱衣場に貼られた効能書きには、にがりの効用で余分な脂肪が取れるとありました。今反応した方!行くしかないでしょう!。
 奥の浴槽は浅風呂、深風呂、3連ジェットが2カ所付いた浅風呂に分割されていて、浅風呂と深風呂の間には、リンゴ型の噴水が付いています。そして問題は奥の壁にある4つの窓です。ほぼ正方形の窓が4つあり、端から端までは約3mほどあります。初めは奥が庭かなあと思って覗いたんですが、真っ黒で何も見えません。これは奥から何かの理由でシールでも貼ってあるのかなあと思っていたら、何か白いものがちらっと見えました。よく見ると体長50Bぐらいの魚の鱗です。実はこれ水槽の窓だったんです。でも内側に藻がびっしり付いていて真っ黒に見えているんです。魚がかろうじて見えるのは、4つある窓の内一枚だけ。心眼で見なくてはいけません。何人の方が水槽って気づくんでしょうか。
 見つけるのに苦労しましたが、塩風呂といい、奥の水槽といいなかなか面白いお風呂屋さんでした。表の看板にある金曜定休というのも実はフェイントで、現在は日曜定休ですのでご注意を。


 最初に九条新千本を南へと書きましたが、寿湯さんは十条通の方が距離的には近いところにあります。この辺りの十条通は工場が建ち並んでいて、あまり見るべき物はないんですが、新千本十条を西に50mぐらい西に行った北側に石碑が2本建っています。タクシー会社の寮の前の一角を囲ってあり、隣の建物の陰に隠れて普通に歩いていても見落とすようなロケーションです。
 石碑には「菅亟相硯之水」(おそらく)と刻まれています。ここでピン!と来た方はこのサイトを隅から隅まで見ている方です(笑)。吉祥院周辺の船戸湯さんで吉祥院天満宮を紹介しましたが、その写真に吉祥院天満宮の境内にある「硯之水」を載せていました。もともとこの場所にあったものを、境内に新しく整備されたみたいですね。ということで、船戸湯の周辺案内と合わせてご覧下さい。
 少し余談になりますが、お風呂屋さん巡りをして、周りの街も楽しんでいる内にひとつの相関関係が浮かんできます。お風呂屋さんの全盛時代は昭和40年代前半ぐらいですが、現在も同じ場所にお風呂屋さんがある場合、当時からその周辺、少なくとも徒歩圏内にある程度の街が形成されていたということです。自然と昔ながらの商店や住宅がお風呂屋さんとセットで残っているのが普通なんですが、この寿湯さんのまわりはあんまりそういう匂いが残っていません。近くに市営住宅があったのは確かなんですが、こと十条通は工場街ですし、周りの住宅も比較的新しい物が多いのです。ということは、おそらくここ30年でこの辺りは大きく変わったということの証明なんでしょうが、ちょっと寂しいような気もします。
 このお風呂屋さんと、昔の街の相関関係。私自身は結構想像するのが楽しいんですが、いかがなもんでしょう。

 

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洛陽湯

南区唐橋平垣町68の6 営業時間:14:00〜24:00(日8:00〜) 定休日:木曜日
JR「西大路」下車 徒歩5分 または 市バス「洛陽工業高校前」下車 徒歩5分

 

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入湯日:2003/05/18 17:00

 九条御前を北に行った所にある洛陽工業高校の北側にあるお風呂屋さんです。3階建のビルに入っているお風呂屋さんですが、御前通りから西に行くと、まず一階にあるお好み焼き屋さんが目に入ってきます。このお好み焼き屋さんが、オープンな店の造りで道路側、駐車場側の2面の扉が開け放たれ、いい匂いが辺りに漂っています。匂いで「帰りに寄っていってや〜」と誘われてるみたいです(笑)。
 お風呂屋さんの方は、お好み焼き屋の隣に暖簾が掛かっています。玄関スペースから引き戸を入るとフロントがあり、フロントの前にはお風呂屋さんドリンクの入った富士商事の冷蔵庫とアイスの冷凍庫が並んでいます。このフロントは、番台の位置をそのままフロントにしたような感じで、入口に背を向けているような造りです。言うなれば、番台の前に壁を一枚設けフロント風にしたような感じです。
 脱衣場はかなりの広さです。中央にも低いロッカーがありますし、隅の方にはベット型のマッサージ器「オートヘルサー」もありました。脱衣場の窓から浴室内が見える窓があるのですが、プールの様な水風呂が見え期待が高まります。
 浴室内は、様々にレイアウトされた浴槽が並び、どれから入るか悩みます。私はいつも通りにサウナからということで、突き当たりに10人ぐらいは余裕で入れるテレビ付きラドンサウナへ。サウナ内の機械は普通の遠赤サウナに見えますが、ラドンサウナなんだそうです。水風呂は、さっきも書いたように横2m、縦6mぐらいあるまさにプールの様な造りですし、他にもジェットが2カ所付いた浅風呂、電気風呂、深風呂、薬湯、シャワービックスが浴室内に点在しています。あと特筆すべきは、ガラス張りの温室の様な部屋に宝寿湯の薬湯がもう一つありますし、屋外には、直径2mぐらいの円形露天風呂と打たせ水のコーナーもあります。
 この露天風呂はなかなか開放的で、広い屋外スペースの一部に屋根が付けられ、その下に浴槽があります。浴槽といってもパッと見は、リゾートプールのジャグジーのようです。まわりにデッキチェアが置かれていて、常連さんが足だけ浸けて話に興じたり、ゆっくり煙草を吸ったりと、露天風呂というよりは休憩所の感じが強いスペースでした。この開放的な露天風呂は、残念ながら女湯側にはないそうです。女性の方残念でした。
 浴室の感じが、カランまわりや浴槽の縁が全部白いところとか、まるでクアハウスのような所とか、蒲鉾天井は昔風のままとかいったところが、嵐電沿線で紹介しているやしろ湯さんにちょっと似ている気がしました。
 私の行った時間が悪かったのか、結構子供が多く水風呂がまさにプールと化していたのと、脱衣場に休憩できるイスが少なかったのが残念だった洛陽湯さんですが、レベルの高いお風呂屋さんであることには間違いありません。

 洛陽湯さんに行くには、九条の御前から入っていくのが一番分かりやすいと思いますが、この九条御前は、タレントの島田紳助さんが生まれ育った所です。私が小学生だった頃漫才ブームがやってきたのですが、紳竜は私の大好きなコンビでした。私が中学生の頃KBS京都で、「ハイヤングKYOTO」なる深夜番組を紳助さんが担当されていて、よく聞いていました。この「ハイヤングKYOTO」なる番組ですが、今考えると桂文珍さんとか、おすぎとピーコさんとか結構ビッグネームが担当されていました。だいぶ後には、徳永英明さんもDJをされていたことがあります。
 洛陽湯の周辺案内ですが、その島田紳助さんも子供の頃よく遊んだという西寺公園が、少し東に行った所にあります。現在は大きな公園の中央に盛り土があり、石碑と礎石が残っているのみです。写真の中で少年が腰掛けているのが、西寺の礎石なんですが・・・少年達は大人になってから、千年以上も前の礎石に座っていたことに気付くんでしょうかね。

 もうひとつ。私が高校生の時、洛陽工業高校に部活で一度だけ来たことがあります。その時の様子は全く覚えていないんですが、帰りに寄った洛陽工業の南側にある「相生餅」というお店だけは、強力に記憶に残っていました。今回、洛陽湯さんに行くと、何も変わらずにあるではありませんか!何故記憶に残っているかというと、ここで飲んだ冷やしあめが強烈なインパクトだったのです。ちょっと小ぶりなビールジョッキに並々と冷やしあめを注いでくれるんです。「冷やしあめ」の看板を見つけ、迷わず注文です。最初に醤油差しに入った生姜汁を注ぐところや、氷入りのサーバーからヒシャクですくってジョッキに注ぐ辺り、何も変わっていません。当時の値段までは覚えていませんが、今でもこれで100円です。おじさん曰く「そうや、何も変わってへんにゃ」という話でしたが、味もお風呂屋さんの瓶入りのひやしあめほど甘くなく、15年ぶりに飲んでもおいしい一品でした。夏場に洛陽湯に行かれたなら、帰りに立ち寄ってみて下さい。

 

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春日湯

南区吉祥院西ノ庄東屋敷町35 営業時間:15:00〜24:00 定休日:日曜日
JR「西大路」下車 徒歩6分 または 市バス「西大路八条」下車 徒歩4分

 

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入湯日:2003/06/22 23:00

 佐井(春日)通りの八条を少し下がったところにあるお風呂屋さんです。建物はビル型ではありませんが、玄関スペースの上はご自宅のベランダになっているようで、全体的にがっちりとしたビル型銭湯の雰囲気が漂っています。
 暖簾をくぐるとまず正面に「来福門笑」という額が掛かっています。その下には駐車場の案内の張り紙もあるのですが、場所がちょっと離れたところです。よく地図を見てから行きましょう。
 脱衣場は、結構ゆったりとスペースを取っておられ、中央に一畳分の床几があり手前に籐籠が積まれています。飲み物はボスの自販機が一台置かれ、ビールなども売られていました。
 男女仕切の上には、大小2匹の招き猫が置かれています。浴室側に置かれている方が金色の大きな物で、こちらは左手で手招きしています。その前にいるのは白のやや小ぶりなもので、こちらは右手で手招きをしています。一説に右手は金運、左手は商売繁盛(客を招く)と言われていますが、両方を招いてしまおうという作戦ですね、これは。
 私の行った時間は、閉店間際でそう混んではいませんでしたが、貸しロッカーも設置しておられ、なかなか人気のようでした。貸しロッカーの場所が、端の方とまた別に、普通のロッカーの隙間に縦一列挟み込まれるようにあるのがちょっと珍しい造りでした。
 浴室の方も、ゆったり設計されています。奥に6人ほど入れるテレビ付きサウナと泡風呂になった水風呂、電気風呂があり、サウナの手前に泡風呂付きの薬湯(この日はラベンダー&カモミール)があります。水風呂には黄土色と深緑のまだら顔のライオンが付いています。浴室中央にあるリンゴ型噴水の付いた深風呂と浅風呂は、シンプルですが広々としていてお風呂屋さんの醍醐味を楽しめます。設備的には、あと脱衣場側にボディーシャワーのコーナーがあるという構成です。
 浴室の造りは単純で、設備に派手さはあまりありませんが、浴槽の配置がゆったりしていて、ひとつ一つの浴槽が大きいところはなかなかいいと思いました。
 お風呂から上がると、既に表に書かれている閉店時間を回っていましたが、番台のお兄さんに聞くと、11時半までに入り、12時前までに上がればいいということでした。
 これっちゅうものはない春日湯さんですが、基本に忠実というか、なかなか堅実といった感じのお風呂屋さんでした。


 春日湯さんの前に立ち南の方向を見ると、JRのガードの向こう側に白亜のビルが見えています。平成11(1999)年に建てられたワコールの本社ビルです。ワコールは言わずと知れた婦人下着メーカーで残念ながら(?)私とは縁遠い会社なのですが、このワコールという社名、元の社名であった和江商事に由来しています。安直と言えば安直。深いと言えば深い由来です。
 ここで思い出すのが、オムロン(元は立石電機)の由来です。オムロンも京都を代表する会社のひとつですが、創業の地が右京区御室であったことから、オムロンの名が付いています。京都ってこんなんばっかりかと思いますが、安直と言えば安直。深いと言えば深い(笑)。
 話はワコールに戻りますが、みなさん下着メーカーと聞けばどこを挙げられるでしょう。ワコールも早い内に挙げられると思いますが、グンゼの名も当然出てくるでしょう。このグンゼも京都府の綾部市が創業の地です。いわば京都府は下着の二大メーカーの故郷とも言えます。
 まじめに答えれば、繊維産業が国の基幹産業であった時代に関西がその中心地であったといえばそれまでなんですが、現在も続く大手下着メーカー2社が京都で創業したという事実はなんとも面白い事実であると思います。まあ外からは見えない部分ですが、京都の隠された事実として京都案内に加えておきます。

 

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別府湯
2006.5末廃業

南区吉祥院車道町3 営業時間:13:00頃〜22:00 定休日:金曜日
市バス「吉祥院車道道」下車 徒歩2分 

 

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入湯日:2003/09/22 21:00

 南区の最後は吉祥院商店街の中にある別府湯です。このお風呂屋さんは2度目のチャレンジです。組合のHPで11時までとあったので、前回10時頃に来たらちょうど暖簾を下ろしておられました。で、今回はちょっと早めに9時にやってきました。
 外観は所々改修されていますが、町家風の古い造りで特に看板は挙がっていません。でも風呂場の洗面器に「別府湯」と書いてありましたので、間違いなく別府湯です(笑)。入口の上にある裸電球がいい味を出しています。
 入口は三和土(たたき)に番台のある古い造りで、右手にこれまた古い下駄箱があります。この下駄箱の鍵は鋼鉄製で、持つとずっしりと重みを感じるものでした。
 脱衣場は白地に緑色の格子の格天井、そのまん中には回っていませんでしたが、格子と同色の三枚羽の扇風機が付いています。男女仕切には鳳凰と桐が彫られた欄間がはまっていてこの辺りの造りは、戦前のままのような気がします。男女仕切の一番奥の所には、伏見稲荷大社の大きなお札が飾られていました。
 番台の上にも懐かしい物がありました。テレビなんですが家具調の香りを残す型で、チャンネルは12個のボタンを押すタイプのものです。色もあまりよく出ていません。昭和50年代前半ぐらいのものでしょうかね。
 休憩スペースとしては、木製のイスが数脚と男女仕切の前に旧型按摩機が三台並んでいます。
 飲み物は4面体の冷蔵庫にびっしりと入っていましたが、牛乳系やお風呂屋さんドリンク系はありませんでした。ビールは何種類か置いておられます。
 浴室の方は、シンプルを極めたような感じです、中央に浅風呂と深風呂を兼ねた主浴槽があるだけです。さらにこの浴槽には泡風呂もジェットもなにも付いていません。このシンプルさは、三十三間堂周辺に掲載した新有馬湯と双璧です。カランも奥の壁と男女壁に沿って9カ所のみです。でもこのカランは全てシャワー付。この辺りはソツのないところです。
 浴槽の縁は、深緑色の細かいタイルを使った懐かしい感じなんですが、何回かに渡って補修されたのでしょう。所々に違うタイルが使われています。カランの壁面も同じような症状になっていますので、補修回数を想像できます(笑)。
 風呂上がりはポカリスエットで一息。そうこうしていると男湯側にある二階に続く急な階段をご主人がワンちゃんを抱いて降りて来られました。コリーかな?茶色の毛並みのいいワンちゃんでした。う〜ん、これから夜のお散歩も気持ちのいい季節です。閉店間際に行くとワンちゃんにも会えるかも知れませんよ。
注:開店時間を尋ねたところ「一時ぐらいからやってます」との答えでした。あくまで一時ぐらいですので、ご注意下さい。

 別府湯の前の道は吉祥院商店会という商店街で、結構商店が並んでいます。そんな中に古い虫籠窓があるような旧家も混じっています。というのもこの道は、京都と西宮を結んだ西国街道の街道筋。別府湯の辺りは江戸時代の吉祥院村です。
 起点は九条の羅城門跡辺りで、御前九条から南西に延びる細い道が旧西国街道です。西大路通を横切る所に歩道橋がありますが、そこにはちゃんと「西大路通西国街道」の表示があります。
 この街道を西に向かうと、葛野大路を越え、吉祥院公園の脇を抜けて久世橋に至りますが、その途中には、日向地蔵というなんとも街道に似合う小さな祠も建っています。(左写真)
 現在京都と西宮を結ぶのは国道171号線で、車だと表通りをビュンと通り過ぎてしまいますが、ほぼ平行して残っている旧西国街道。時間があるならゆっくりと辿って見ましょう!

 

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船戸湯

南区吉祥院里ノ内町76 営業時間:14:00〜23:30 定休日:無休
JR「西大路」下車 徒歩12分 または 市バス「船戸町」下車 徒歩4分

 

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入湯日:2003/07/10 22:30

 西大路九条からイナイチ(国道171号線)を大阪方面へ、一つ目の信号を南にず〜っと行ったところにあるお風呂屋さんです。ここは、ホームページもお持ちですので、参照してください。
 このお風呂屋さんには、大きな特徴が2つあります。ひとつは、ガス発電機を使って廃熱で給湯するという全国初の全自動浴場システムを使っておられる点です。環境にも非常にやさしいシステムだそうです。そうしてもう一つの特徴は、知的障害者の方に働く場を提供しておられる点です。主に清掃がその仕事内容のようですが、京都新聞の記事に依りますと、障害者の雇用促進のために設立された「夢工房」という会社が、この船戸湯さんを皮切りに、現在では「洛陽湯」「梅の宮湯」「泉湯」で運営や清掃の仕事を請け負っておられるそうです。なかなか浴場のシステムとして、先進的なお風呂屋さんです。
 外観は、ほぼビル型銭湯ですが、入口にある山型の屋根が印象的です。入口を入るとロビーに入浴券の券売機があり、正面がフロントです。玄関には、嵐の中にいる帆船の絵が掛けられているほか、券売機の上には招き猫が置かれていました。
 ロビーの休憩スペースは、左右に分かれるように造られていて、女湯側にはテレビの置かれた小さなカウンターがあり、生ビールやカクテル、かき氷なんかが楽しめるようになっています。男湯側にも自販機とイスがあり、パチスロの機械が置かれています。このパチスロ機、結構新しい機械で、現役でパチンコ屋にあるような機種です。百円玉を入れて遊ぶのですが、大当たりすると浴場内で使える500円の金券と交換してもらえると書いてありました。
 脱衣場は、ビル型銭湯の明るい感じの空間で、BGMにイージーリスニングが掛かっています。珍しく両サイドにロッカーがある配置で、片側は全て縦長のハンガーが吊れるタイプのロッカーでした。また中央には、貸しロッカーがテーブル代わりのようにドンとあります。半年で3000円、一年で5500円という設定でした。懐かし系のアイテムとしては、唯一石田の空色にペイントされた体重計があります。
 浴室の方も、新しく明るい感じです。まず脱衣場側に4畳分ぐらいの露天風呂があります。開口部が結構上の方にあるのと、2面がガラス張りで、景色が脱衣場という環境ですので露天風呂情緒という点ではちょっと欠けますが、大理石風の石版が貼られ、ぬるめの泡風呂で、さらに週替わりの薬湯(この日はワイン)になっています。
 その他のお風呂は、浴室奥に10人以上入れるテレビ付き遠赤サウナと水風呂、男女壁に沿って電気風呂、高温風呂、スーパーエステジェットという名の強力ジェットが2カ所、ふくらはぎ足裏刺激付の腰掛けジェットが2カ所あり、少しカランを挟んで水シャワーのコーナーという構成です。サウナは森林浴サウナという表示があり、室内は木の香りが漂っていました。このサウナは、イスの木材を止めてあるネジの部分が過熱しやすいので、カバーが付けてあるところなど、なかなか細かい心配りです。
 浴室の天井は山型で普通のお風呂屋さんと変わらないのですが、ビル型銭湯のように湯気抜きはなく、換気扇が回っていました。なかなか先進的な船戸湯さん。駐車場も軽自動車用を含め15台ほど停められます。


 船戸湯のあたりは、ほとんど住宅地と言った風情ですが、船戸湯から100mほど南に行き、児童公園の手前を左(東)に行くと吉祥院天満宮という古い神社があります。祭神は菅原道真で、京都市の案内板に書かれていることには、道真の祖父清公が邸内にお堂を建て、吉祥院と名付け菅原家の氏寺としたのが起こりだそうです。その後、承平四(934)年、朱雀天皇が自ら道真の像を刻み、この地に社殿を築き道真の霊を祀ったことから、吉祥院天満宮と呼ばれるようになったそうです。これを読む限り、吉祥院の地名の由来はこの神社にあるようです。
 現在の吉祥院天満宮の姿は、本殿もきれいに新築され、境内には保育園があるなどのんびりした風景が広がっていますが、菅原道真のヘソの緒を納めお祀りした胞衣塚や、道真が参朝の際に顔を映したとされる鑑の井など、道真にまつわる遺跡が残っています。また、毎年4月25日の春祭りと、8月25日の夏祭りには、国の重要無形文化財に指定されている吉祥院六斎念仏踊が奉納されるそうです。船戸湯から近いですので、ぶらっと散歩コースにどうぞ。(←境内にあるへその緒を納めた胞衣塚と硯之水)

 

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