船岡温泉

北区紫野南船岡町82 営業時間:15:00〜25:00(日8:00〜) 定休日:無 休
市バス「千本鞍馬口」下車 徒歩5分 または 市バス「大徳寺前」下車 徒歩5分

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入湯日:2002/09/05

 町のお風呂屋さんが「ケ」なら船岡温泉は「ハレ」のお風呂屋さんと言ってもいいでしょう。その外観からがすでに一見の価値有りです。大きな岩を組んだ石垣の奥に暖簾が掛かっており、自動ドアのボタンを押してはいるとまず目に付くのが鮮やかなマジョルカタイルです。花模様などをあしらったそのタイルは鮮やかのひとこと。中は改装されてきれいになっていますし、番台もフロント形式になっていますが、脱衣場の周りに廻らされた欄間や天井の天狗の彫り物、タイルに描かれた富士山の絵、浴場に続く通路のマジョリカタイルタイルは健在です。浴槽はというと改装されてきれいな上に打たせ湯、薬風呂(泡)、高温深風呂、泡風呂、エスティジェット風呂(エスティという表記。ご愛敬)、電気風呂、浅風呂、水風呂、露天風呂とクアハウス顔負けです。もちろんサウナもあります。特にお気に入りは露天風呂。露天風呂といっても屋根付きなのですが、大きい檜のお風呂です。ちょっとどこかの温泉宿にでも来たような雰囲気です。ちょうど脱衣場から浴室への渡り廊下を見るような形で露天風呂があるのですが、正面に見える渡り廊下は、なんと中庭の池の上に架かる橋になっているのです。浴室側の入り口には「菊水橋」の石柱まであり石の欄干が続いています。なんともお風呂屋さんの概念を変えてくれるこの銭湯。おすすめです。尚、露天風呂は岩風呂と2種類あり日替わりで男女入れ替わるそうです。駐車場は向かいに9台分有り。

 もう一つの方の浴室も行きましたので付け加えておきます。基本的にお風呂の種類は同じです。違いは檜風呂が浴室内にあること、露天風呂がこちらは岩風呂で、露天風呂の隣に同じく岩風呂の水風呂がある点です。洗い場が大きく分けて、2カ所に別れているのですが、片方は檜風呂の隣で壁まで檜になっているスペース、もう一つは天井がガラス張りになっていてサンルームのようになっているスペースでどちらもいい感じです。屋外の水風呂には、大きな龍の口から水が落ちていますし、岩の間から水の流れる滝の様な設えもされています。個人的には、こちらの奥(東側)にある浴室の方が、いろいろ楽しめていいような気がしました。また改めて船岡温泉を訪れて、調度品を見るとやはり味があります。例えば格天井ですが、格子の角はきれいに面取りされ、そこだけ赤く塗られており格子の黒に映えていますし、脱衣場に掛けられた古時計はANSONIAというUSAのメーカーのもので、静かに時を刻んでいますし、マジョリカタイルはよく見ると、花柄に合わせ凹凸がついていたりして、行くたびに新しい発見だらけです。船岡温泉はやはりすごいと思わしてくれます。(2002/12/29追記)



 この船岡温泉のある鞍馬口通りをあと5分ほど東に歩くと「藤森湯」というお風呂屋さんが平成11年までありました。船岡温泉より規模は小さいですが、浴室内は鮮やかなマジョリカタイルで飾られていました。現在は建物の外観はそのままに、浴室の作りを残して改装され飲食店や洋服屋が入る複合ショップ「離楽庵WOOD-INN」になっています。浴室内のマジョリカタイルはそのままに残されており、当時の面影を偲ぶことが出来ます。  (元藤森湯外観→)
 その飲食店の方が「さらさ西陣」というお店ですが、写真を撮らせて頂きました。男女壁もほとんどそのままに残され、明るい内に行くと湯気抜きが天窓代わりになってこれまたいい雰囲気です。変な案内ですが、このお店に行ったらトイレに入っておきましょう。浴室を出たところにあった洗面台がそのまま残され、手を洗う洗面台に転用されています。普段お風呂屋さんで洗面台を見慣れている方には、面白い空間です。
 営業時間が変更になったようで、平日はランチの営業がなくなりました。営業時間は平日15:00〜24:00、土日祝11:00〜24:00 火曜日定休です。(2004.4.9写真追加&加筆)

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明治湯

北区紫野西藤ノ森西南町1 営業時間:15:00〜24:00 定休日:日曜日
市バス「天神公園前」下車 徒歩6分 

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入湯日:2003/04/18 22:30

 このお風呂屋さんも場所を説明するのが難しいのですが、船岡温泉と元藤森湯の間の道を南に入っていったところにあります。隣は散髪屋、2軒隣は鶏肉屋と京都らしい立地です。外観はクラシックな町家銭湯で、木製の手すりの下にある明治湯と右から文字が入る枠が特徴的です。
 玄関スペースは、女湯は左側から、男湯は右側から入るようになっていますが、下駄箱は共用で道路側に設置されています。そこから引き戸を開ければ番台です。番台の正面には、番台と向き合うように冷蔵庫が置かれています。冷蔵庫に「アイスあります」と書いてあったので、女湯側にはアイスの冷凍庫があるのかも知れません。
 脱衣場は小ぶりな感じで道路側にベンチとマッサージ機が新旧二台、今は使われていないぶら下がり健康器などが置かれています。番台上には神棚があるのですが、戎さんの写真が飾られているのがちょっと変わっていました。神棚に向かい合う位置には黒い招き猫もします。また、浴室側には書の額も掛かっているのですが、これが「禄を以て・・・」またもや読めません!すいません。
 この脱衣場で特記すべきことが2点あります。一つは籠が丸籠です。緑色のプラスチック製のもので初めて見ました。一般的に東京は丸籠と言われていますが、東京でも見たことがありませんでした。でもこの丸籠、ロッカーに入りません。しかも壁には番台で貴重品を預からないと書いてあります。初めてのお風呂屋さんでやっかいなことは起こしたくないので、残念ながら丸籠は使わず、ロッカーに直接服を入れました。京都で衣類を直接ロッカーに入れる習慣はありませんが、私の行っていた東京の銭湯ではこれが普通でしたし、まあ良しとしますか。
 もう一つの特記事項はBGMです。脱衣場にテレビがなく有線が掛かっているのですがこれが童謡です。行ったときは「♪1年生になったら友達百人出来るかな♪」が掛かっていましたし、上がってきたときは、「鯉のぼり」が掛かっていました。お風呂屋さんで童謡、ありそうで結構新鮮です。
 浴室の方は、ほとんど昔ながらの白タイルですが、カランまわりや、サウナなど何度か手を入れられていてあまり古い感じはしません。男女壁が1.5mぐらいしかなく、その上に40センチほど青いパネルを足してあるのが、色彩的に結構目立ちます。浴槽は奥に3,4人サイズのサウナと、サウナを出たところにライオンの水吐き付きの横に長〜い水風呂があり、男女壁側に深風呂、電気風呂、泡風呂と一部が深くなってトルネードが付いている浅風呂といった構成です。風呂イスはなく、みなさん地べたに座って体を洗っていました。
 お客さんの年齢層は結構高めで、若者は若干といった感じでした。この明治湯さんから船岡温泉までは直線で200mほどしかありません。強力なライバルを近くに持ちながらも、地元密着固定客をがっちりと言った感じの明治湯さんでした。

 明治湯の斜め前の路地を東に行くと、櫟谷七野神社という神社の裏手に出ます。樹齢何百年も経っているような大きな木が祠を被い、ちょっとした鎮守の杜といった風情です。
 無人の小さな神社ですが、なんでもこのあたりは平安時代から鎌倉時代に掛けて加茂社に奉仕する斎内親王が身を清めて住まわれた御所(斎院)のあった場所だそうで、境内に顕彰碑が建っています。大宮通りと廬山寺通を東南の角として、約150m四方の斎院だったそうなのでかなりの規模です。斎王は嵯峨天皇皇女有智子(うちこ)内親王を初代とし、累代未婚の皇女が占いによって決められ、約400年後の鳥羽天皇皇女礼子(いやこ)内親王まで続いたということです。
 旧暦の四月中の酉の日に催されていた加茂の祭り(葵祭り)には、斎王は斎院を出御し、勅使の行列と一条大宮で合流し、一条大路を東行して、両加茂社(下鴨、上賀茂)に参拝されたそうです。また、斎王のみは上賀茂の神館に一泊し、翌日また行列をなして斎院に遷御されたそうですが、この行列も「祭りの帰えさ」と呼ばれ、見物の対象になっていたそうです。
 西陣の路地裏で、意外にも葵祭りのルーツに出会える櫟谷七野神社。明治湯と合わせてどうぞ。

 

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大宮温泉

上京区大宮通寺之内上ル4丁目南筋違橋町538 営業時間:16:00〜23:30 定休日:木曜日
市バス「天神公園前」下車 徒歩4分 

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入湯日:2003/05/06 22:30

 大宮鞍馬口から商店街をしばらく南に行ったところにあるお風呂屋さんです。外観は、洋風というか近代的に改築されているのですが、脇に積まれた廃材は昔ながらの風情です。
 このお風呂屋さん、近未来的なデザインが各所にあります。まず、玄関スペース正面には、円の中に青と赤で男湯、女湯を示すデザインがあります。そして脱衣場に入ると、男女仕切の奥の方に太いタイル張りの円柱のような設えがあり、洗面台はその円柱沿いに扇形に造られていたりします。でも、ここは商店街の中のお風呂屋さん。男女仕切の上には造花が飾られていたり、福笹があったりとこの辺りはどこにでもあるお風呂屋さん風景です。また、脱衣場のロッカーの横に、隠れるように置かれた体重計は、石田の貫匁表示の古めかしいものでした。この貫匁表示の体重計ですが、多くの古い体重計が28貫=105Lなので一周105Lの文字盤が多いのですが、ここのは一周100Lの文字盤でした。必然的に貫表示だと半端になるので、貫の目盛りは25貫までで終わっています。
 さて浴室の方ですが、浴室の方も近未来的といいますか独特の造りです。レイアウトは普通なんですが、壁が全てシルバーのパネルで被われています。そこに洗い場の円い鏡が並んでいるので、まるで潜水艦か宇宙船に乗っているような感じです。残念ながら所々錆が浮いてきているのですが、改装直後のぴかぴかの状態を想像すると、そこは異次元空間です。しかし、考えようによっては、この雰囲気に錆が浮いたり、古びていくのを楽しむのも一興かもしれません。
 浴槽は男女壁側に、奥からバスクリンの泡風呂、電気風呂、深風呂、ジェット付浅風呂、水風呂が一列に並んでいます。水風呂に付いているライオンは、これも浴室の雰囲気に合わせるためか白いものでした。また深風呂と浅風呂の間には、5センチほど浴槽の淵から飛び出した湯口があるのですが、以前はこれになにか仕掛けが付いていたのかも知れません。気になるところです。
 脱衣場から見た円柱の奥は、J-POPのBGMが流れる、5人ほど入れるサウナになっていました。基本的に京都らしいうなぎの寝床タイプのお風呂屋さんで、幅は狭く縦に長い造りです。
 私の入ったのが十時頃でしたが、帰る頃に学生風の兄ちゃんが結構入って来ました。客層は学生街の銭湯という感じでした。多分同志社の学生でしょう。
 さて、この大宮温泉で上京区は全て回ったことになります。最後にふさわしく?一風変わった造りのお風呂屋さんでしたが、たまにはこういう所もいいもんです。ちょっと毛色の異なるお風呂が恋しくなったときにどうぞ。

 大宮通のこの辺りも庶民派商店街が続いている所です。大宮寺の内下るの「桜湯」で書きましたが、大宮温泉より南の方の商店街は、あぐい商店街と呼ばれています。その「あぐい」の由来になっているお寺が、大宮温泉の近くにあります。大宮温泉から北に行き、一筋目のショーウィンドにキューピー人形をいっぱい並べた古い電気屋さんの角を東に行くと、西方寺というお寺があります。安居院(あぐい)とは、この近くにあった比叡山延暦寺山内、竹林院の里坊のことで、平安時代末期以来名僧が住み、安居院流の優れた唱導(神仏の功徳を説いて信仰を勧めること)を作り出した所なんだそうです。文禄2(1593)年、僧明円という方が安居院の後を再興し、西方寺となったそうです。現在では、横に幼稚園を併設するなんの変哲もないように見えてしまうお寺ですが、なかなか歴史のある地域との関わりも深いお寺です。商店街からちょっと脇に逸れて覗いてみましょう。

 

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桜湯(大宮)
2008.3.29廃業

上京区大宮通寺之内下ル花開院町121 営業時間:15:00〜23:00 定休日:月曜日
市バス「今出川大宮」下車 徒歩3分

 

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入湯日:2003/03/27 22:00

 大宮寺ノ内を下がったところにある桜湯です。しばらく休業されていたのですが、桜の時期を前に復活!入ってきました。このお風呂屋さんを外から見ると、入口脇に一本の松が生えていて、前のテントを突き抜けて枝を張っています。お風呂屋さんに松、いい相性です。
 入口の自動ドアを入ると、すぐ下駄箱がありフロント前にロビーが広がっています。真ん中にテレビがあり、丸太を割ったテーブルが3つ、イスは切り株です。ここで新聞やマンガも読めますし、将棋盤や碁盤まであります。この空間いいです!フロントとの距離もいいですし、お客さん同士の話もすこぶる弾みそうです。フロント前には、サイダーやローヤルサニーなど俗に言うお風呂屋さんドリンクのみが入った冷蔵庫もあります。壁には「ぼけない五ヶ条」や「つもりちがい十ヶ条」と合わせて「ええ年寄りになりなはれ」という詞が書かれた紙が貼ってありいい味だしています。西陣の地域情報のマップもありました。
 下駄箱の上には、多分昔のものだと思いますが「26日はふろの日」という看板があり七月から三月までの企画が書かれていました。「七月PRの月」というのがちょっと笑えます。十月は風呂祭りです。どんなんだったんでしょう?
 ロビーから入った脱衣場はあっさり目です。でも、かべは昔ながらの白壁で時代を感じさせます。ロッカーも黄色いアクリル板の窓がついた古い物でした。ふと浴室側の方を見ると、上の方にテレビの背中が見えます。そうなんです、ここの浴室には、壁の上の方にテレビが付いています。風呂に浸かりながら野球中継なんかいいですね。でも脱衣場側から見るとかなり強引に開けたような穴にテレビが納まっています(笑)。
 浴室は、やや小ぶりですが奥に5,6人入れる演歌の掛かるサウナと水風呂。男女壁側に浅風呂と浅風呂、深風呂、電気風呂を仕切った浴槽。脱衣場側にシャワーコーナーという構成です。何故か浅風呂が2カ所あるのが不思議です。浅風呂と深風呂の間がパイプで仕切られていたり、浅風呂の中もパイプがあったり、結構お年寄りに気を遣われているのだと思います。
 私は常、サウナから入るのですが先に入っていたおっちゃんが突然立ち上がり「あっつ〜」といいながら腰振り体操を「いっち、に」と始めたのには驚きました。おっちゃんはサウナの仕上げに、腰を振り振り十までを二回数え出ていったのでした。
 このお風呂屋さんは、なんといっても入口のロビーにつきます。お風呂上がりも思わずゆっくりしたくなるような空間です。みなさんも是非行ってみてください。

 中央図書館で見つけたのですが、立命館大学の鈴木良ゼミがまとめた「ききがき西陣を彩る人々とその暮らし」という小冊子があります。ききがきというのは、実際に地元の方に話を聞いて、書き留めたものということです。この中に桜湯のある「あぐい商店街」の話も出てくるんです。
 それによりますと昭和初期の頃のここ安居院(あぐい)商店街は、安居院銀座と呼ばれかなり賑わっていたようです。なんと戦前には、帝国館という映画館や富貴という寄席もあったそうです。また大正時代までは、大宮通りの西側を大徳寺の東側から若狭川という小さな川が流れており、上立売で東に曲がり堀川に合流していたそうです。現在ではほとんどの店舗が商売替えをされていますが、昭和初期の商店街の地図に桜湯はしっかりと書かれています。桜湯さんの話題も出てきます。街の銭湯として西陣の織子さんが来られていた話や、商店街の売り出しの際に福引きの景品を桜湯の前に並べて展示した話など興味深い話が出てきます。よければご参考に。
「ききがき西陣を彩る人々とその暮らし」文理閣 
立命館大学産業社会学部鈴木良ゼミナール著 1999年5月25日第1版発行
(←商店街の中にある西陣公園に建つ鉄仮面を被った像:詳細不明)

 昔の面影を想像しながらぶらぶらするのも楽しいですが、やっばりおなかも空きますね(笑)。桜湯さんからしばらく南に行き、料亭萬重を越えた辺りに「ラーメン道場吉翔」という店があります。ここは医食同源をコンセプトに、全く化学調味料を使わず、むしろ漢方の考え方から薬膳のように積極的に食べて体にいいラーメンを提案しています。醤油と天塩(あましお)2種類のスープがあるのですが、天塩が特に人気のようです。私も食べましたが、あっさりしたおいしいラーメンでした。上には漢方の木の実のような物ものっていました。ただ期待が大きかったせいか、目茶ウマ!の域には感じませんでした。これは私の舌が、化学調味料に侵されたせいでしょうか(笑)。営業時間は11:30〜14:30/17:30〜24:00、第一日曜休業です。近くに2台分駐車場あります。
(吉翔はその後閉店となりました)

 

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桜湯(七本松)

上京区五辻通七本松西入ル老松町103 営業時間:15:00〜23:00 定休日:水曜日
市バス「上七軒」下車 徒歩4分 

 

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入湯日:2003/01/26 22:00
    2006/05/30 21:30

 上京区に桜湯は3軒あるのですが、七本松今出川を上がったところにある西陣病院の西館裏の桜湯です。私も過去に一度だけ2週間ほど入院したことがあるのですが、お風呂に入りたくてたまりませんでした。西陣病院だったら抜け出しては桜湯に行ってたかもしれません(笑)。
 外観はこじんまりした地味目のお風呂屋さんです。ここに辿り着くまで紆余曲折があって入った時点で10時15分。番台で何時までか聞くと11時までとのこと。一安心で入りました。脱衣場は、これといった特徴はないのですが、道路側にベンチとテーブルが置かれ常連さんの憩いの場となっていました。一度大きく改装されているようで、天井から下がる扇風機も新しい物でしたし、クーラーも天井に埋め込み式のものが取り付けてありました。
 ふと冷蔵庫をみると、いづみのホワイトサワーがあります。いづみは京都ではマイナーなブランドなんですが、西陣辺りでたまに見ます。日酪が製造しているので、毎日牛乳のあるお風呂屋さんでは要チェックです。あとヤクルトのでかい版のようなクロレラライトのジャンボ(40円)というレアアイテムもありました。そうこうしていると、壁に浴場組合のポスターで1月26日「寿湯」というのを発見。今日じゃないですか!なになに、効能は冷え症、リウマチ、こり症・・・とありますが、寿湯が何かはわかりません。期待を胸に浴室へ。
 浴室は、奥に浴槽が三漕並んでいるのと、脱衣場側に小さなサウナ、水風呂、個室になったシャワーがある造りです。奥の浴槽は、左から深風呂、泡風呂とネオンが付いた浅風呂、ジェットが二カ所ついた浅風呂になっています。深風呂と浅風呂の間には、リンゴ型(いのきんさん命名)の噴水が付いています。さて寿湯ですが、じっこう湯のような薬草系の薬湯のことでした。薬草を布袋に入れ、浴槽に二カ所付けてありました。色は薄い茶色系のお湯になって、ほんのり薬草の匂いが効きそうな感じを醸し出しています。私は寿湯のポスターは、この桜湯さんで初めて見ましたが、浴場組合作製のポスターでしたので他のお風呂屋さんでもやられてるところが多分あったのでしょう。一月のものなんですかね、寿湯って?壁のタイルは、ほとんどが白タイルですが、男女壁側は波をイメージしたようなタイルが使われ、また浴槽やカランのある壁の下の方には、たまに見掛ける雲のような柄のタイルが施されていました。あと、カランがここはスケルトンの上から押すタイプの物です。二条駅近くのトロン稲荷湯や龍宮温泉で使われているのと同じ物です。
 一応サウナも入り、一通り楽しんで脱衣場に出たのが11時10分前。クロレラライトのジャンボを飲んで、11時丁度に他の二人のお客さんと共に桜湯を後にしました。


 2006年5月末で休業になるというので入ってきました。まささん、情報ありがとう。
 ここは、前の入浴記を書いて以来ですので、3年半ぶり。持っていた印象よりも、広く明るく感じました。
 浴室は、京都では珍しい奥の壁側に浴槽が並び、両サイドにカランがある東京型配置。男女仕切がかなり低いのも特徴です。
 浅風呂についた信号三色ネオンですが、こちらのネオンの青は、沖縄の海のように(ってみたことないですけど)青いですねえ。緑っぽいところもあるのですが、真っ青です。水風呂のライオンから吹き出る、水の勢いの良さも京都で1,2を争うぐらい勢いよく出ています。あと、リンゴ型の噴水が、こちらはリンゴというより、富士山、いやプリン型になっています。
 風呂上がりに冷蔵庫を覗くと、すでに商品は少なくなっていて、いづみブランドはありませんでしたが、ファンタオレンジがあったので、90円で購入。なんか、オレンジの味が薄くなったような・・・。
 きれいに手入れされていて、設備的にもまったく劣ってないのに、休業されるのは残念です。(2006.5.30追記)


 桜湯のすぐ近くに千本釈迦堂があります。正式名称は「大報恩寺」ですが、御本尊が釈迦如来さんなので、千本釈迦堂と呼ばれ、その方がはるかに通りがいい呼び方です。毎年12月の冬至になると大根焚きが行われ、テレビのニュースにも必ず出てきますが、密かに実力派のお寺です。
 まず、本堂は承久3年(1221)義空上人により創建された当時のもので、京都市に残る最古の仏堂遺構として国宝に指定されています。また、このお堂を建てる際、大工の棟梁であった長井飛騨守が柱を短く切りすぎてしまったのを、妻阿亀の助言により事なきを得たという逸話が残っています。阿亀は秘密が漏れないよう自害してしまうのですが、その供養のための「おかめ塚」が境内に阿亀像と並んで建っています。その塚の前、境内の中央には見事な枝振りの「おかめ桜」という枝垂れ桜もありますので、桜湯に浸かった後に、千本釈迦堂で「おかめ桜」を愛でるっていうのはどうでしょう。

*2008年6月営業時間と定休日が変更になっていると情報を頂き訂正しました。
旧:16:00〜23:00 月曜定休 →新:15:00〜23:00 水曜定休

 

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北野温泉
2013.3.31廃業

北区紫野下柏野町1の2  営業時間:15:00〜24:00 定休日:無休
市バス「わら天神前」下車 徒歩5分 または 市バス「北野天満宮前」下車 徒歩8分

 

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入湯日:2003/02/14 23:00

 北野天満宮の横、御前通りを天神さんに沿って上がっていったところにある北野温泉です。建物は新しく鉄筋コンクリート造りで、入口も大きく明るい感じです。フロントとかなっと思って入りましたが、玄関スペースから脱衣場に入るとおじさんが、外を向く形で座っておられました。一応番台も残っています。(のちに改装され、完全なフロントタイプになっているようです)
 脱衣場も新しい感じで、道路側にはソファーとテーブルがあり新聞やマンガが置いてあって、お風呂上がりにゆっくり出来るようになっています。造りも雰囲気も新しい感じですが、脱衣籠は籐籠で角は革で補強してある結構しっかりした籠です。ほかにもテレビの両脇には招き猫、男女仕切の所には大入り額、番台横には宝飲料の冷蔵庫とお風呂屋さんアイテムもちりばめられています。大入り額は新装祝いに、中川鉄工所さんと松宮工務店さんがダブルネームで贈られたものでした。ちなみにこの中川鉄工所さんは、たまにジェットバスの効能書きに名前が入っている円町にある会社です。
 この北野温泉は、規模からすると大きい方ですが、結構たくさんのお客さんが一時に来ても対応できるような造りになっています。例えば、浴室入口の洗面所は入口を挟んで両側にありますし、カランの数も30以上あります。浴室も結構広々とした感じです。サウナも15人ぐらいは入れるテレビ付き遠赤サウナです。面白いのは、このサウナにスピーカーが2つ付いているのですが、一つからはテレビの音声、もう一つからは演歌が流れていました。浴槽は、中央にジェット&泡風呂&冷水管枕付の寝湯、普通の深風呂、ジェットが一カ所付いた深風呂があり、サウナの横に打たせ水付の水風呂、この日は「アロエ浴」だった泡風呂の薬湯、さらにこちらも泡風呂になった電気風呂があります。さて、表の看板には「リラックスバス」「ドリームバス」「ジュビナーバス」「電気風呂」「水風呂」「クスリ風呂」と書かれているのですが、真ん中の浴槽のどれがどれなんでしょうか?忘れてましたがシャワーコーナーもあります。
 浴室の感じは、ほとんど白色系のタイルですが、浴槽の縁はグレーと白の市松模様に、カランのある台の所はグレーと白のストライプになっています。照明は、湯気抜きにグランドにあるような照明が二つあり浴室を照らしています。
 お風呂上がりは、ソファーもゆったりしており、新聞読んだり、飲み物飲んだりしながらゆっくりされている方が結構おられました。私もその内の一人です。駐車場もありますし、脱衣場もゆっくりしてますし、ついつい長居してしまいそうな北野温泉でした。

北野温泉さんは、
ホームページもありますのでご参考に。(2008.3追記)

 北野温泉を南に行くと、天神さんの東門から京都最古の花街上七軒が繋がっています。室町時代に天神さん再建時の残木を使い七軒の水茶屋を建てたことに起源すると云われています。実は私、大学時代に上七軒にある「おかもと」という料理屋さんで配達のアルバイトをしていました。当時はバブル華やかなりし頃、時給千円のおいしいバイトでした。また社長さんに自分ではなかなか行けない上七軒のフランス料理屋「萬春」や中華料理屋「糸仙」なんかにも連れて行ってもらい、いい経験をさせてもらいました。「
萬春」(17:00〜24:00 2F〜22:00 水曜休み)の2階は京都ホテルで修行したシェフが作るパンで蓋をした壺に入ったシチューが絶品です。2階はレストランですが、1階はサロン的雰囲気の漂うカウンターバー兼ビストロになっています。「糸仙」(17:00〜21:00 火曜休み)は、日本人の口に合う広東のお店です。どちらも上七軒を代表するお店です。
 おっと!おかもとも紹介しておきましょう。もともとお寿司と料理の仕出し屋さんですが、店の隣に食事のできる「おかもと紅梅庵」と向かいには社長の弟さんが切り盛りされるカウンターの割烹「おかもと」もあります。お昼の看板メニュー紅梅弁当で3千5百円から、懐石で8千円ぐらいから楽しめます。行かれる際にはご予約を。電話は075-462-1335 火曜休みです。
 もっと気軽に上七軒を楽しむなら、東門近くにはやきもちの「天神堂」(10:00〜16:00不定休)がありますし、おかもとの東隣には、夏蜜柑をくり抜き寒天で固めた夏柑糖(夏期限定)が有名な「老松」(正月以外無休)もあります。また、夏になると上七軒の歌舞練場は舞妓さんのいるビヤガーデンになりますので、楽しみ方はいろいろです。(↑左から萬春、老松、おかもと紅梅庵)
 あ〜、どうしても気になった店をもう一軒。天神さんの東門からちょっと下がった所に「へんくつうどん」という店があるんですが、このお店営業時間が夜の十時から朝の七時までです。天神さんの縁日の時は、怒濤のぶっとうし33時間営業をするらしいのです。今度行ったらアップします。

 

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梅の温泉
2003春〜夏頃廃業

上京区今小路通御前西入ル紙屋川町866の1  営業時間:15:00〜23:00 定休日:月曜日+1・3火曜日
市バス「北野天満宮前」下車 徒歩2分

 

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入湯日:2003/02/08 22:00

 北野天満宮の大鳥居から今小路を西へ、消防署を越えたところにある梅の温泉です。オレンジ色のテントがちょっと飲食店を連想させます。このお風呂屋さんは、長い間日曜の朝6時半から朝風呂をやっておられたんですが、暖簾をめくると朝風呂は当分の間休みますと書いた張り紙がありました。残念。
 私が行ったときは、どしゃ降りの雨で自分でも物好きだなあと思ったんですが、玄関スペースから脱衣場に入るとお客さんは、私ともう一人だけ。しかもそのお客さんはもう帰るところで、しばらく貸し切りでした。一人だと脱衣場がゆっくり観られます(笑)。まず男女壁のテレビの上には、何を祈願されているんでしょうか梅の温泉と書かれた片目のダルマが置かれています。一方、道路側の方には、休憩スペースがあるんですが出ましたオートヘルサーです。やしろ湯でお客さんが、頭と足の方向を逆に寝ていたベット型マッサージ器です。その一角の壁には江戸時代の小判の額と今宮戎の商売繁盛の額、雪の金閣の写真が並んでいます。その隣にはコカコーラの冷蔵庫があるんですが、その上には黒い招き猫が乗っています。この招き猫は赤い前掛けを掛けてもらっているのですがそれがなかなかキュートでした。
 浴室の方は、奥に定員6名ほどの演歌が掛かるサウナと男女壁に沿って水風呂、浅風呂、深風呂、電気風呂、泡風呂付き薬湯(この日はよもぎでした)が並んでいます。浅風呂にはジェットが3カ所と端に冷水管枕が冷たくて気持ちいい泡風呂付きの寝湯スペースがあります。水風呂の水吐きは、たまに湯口に使われている片膝付いた女性の物でした。深風呂と浅風呂の間にはいのきんさん命名のリンゴ型噴水があるのですが、ここのはご愛敬でつぶれたリンゴ型です(笑)。
 この浴室の奥には大きなガラス窓があります。最初はガラスが曇っているのと、中の方が明るいので気付かなかったんですが、奥行き4mぐらいはある結構立派な庭があります。真ん中に池があって奥に灯籠、そしてここからです。灯籠の横には苔むした梅の古木があり、白い梅の花がちょうど5分咲きぐらいでした。さすが天神さんの門前で「梅の温泉」と名乗るだけのことはあります。空いていた事もあり、湯船で暖まっては庭を見るのを繰り返させてもらいました。このお風呂屋さん、行くなら2月が旬です!夜に行くと外の照明が中より暗く、見にくいので、明るい内に来るのもいいかもしれません。雪なんか降った日にゃあ行くしかないって感じですね。庭の梅に心も体も癒された梅の温泉でした。

 北野天満宮はしばらく改修工事で本殿の辺りはシートで被われていたのですが、今回行ったらすっかりきれいな姿になっていました。梅の温泉に行かれるときにはちょっと寄ってください。私は遅い時間に行ったら天神さんの門が閉まっていて門前払いにあったことがあります。お出かけはお早めに(笑)。
 梅の温泉のほど近く消防署の前には、カワシマという提灯屋さんがあります。もちろん今の世の中提灯屋が成り立つわけありませんから、ほとんど洋傘を並べておられますが、その中に混じって提灯や番傘が並んでいます。京都の街中の町内ならどこでも地蔵盆の提灯を持っておられるはずですし、神社やお寺でも需要がありますので、京都では無くなってもらっては困る商売の一つだと思います。そういえば、掛けなくなりましたがうちの家のも祇園祭の提灯が物置にあるはずです。
 提灯屋の角を南に行くと、豆腐で有名な
藤野豆腐店と藤野豆腐店がやっているTOFU CAFEがあります。藤野さんは、このサイトでも何回も書いているのでここでは触れませんが、TOFU CAFEの建物についてちょっと書いておきましょう。TOFU CAFEの建物は、もともとトミタオートという車屋さんの建物でした。このトミタオートという会社、知る人ぞ知る会社で「トミーカイラ」というブランド名で、公道を走れるチューニングカーを作っていた会社です。改造車といえば竹槍差した田舎のヤンキーを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、そんな下品な車ではありません。高級スポーツカーの改造です。ベンツのAMGみたいなものといえばちょっと分かってもらえるかな?スカイラインGT-Rなんかを改造して売っておられましたし、1995年にはトミーカイラZZというオリジナルカーも発売されています。この車なんと国内販売台数206台の幻の車です。もっと詳しく知りたい方は、トミーカイラのホームページがありますのでそちらでどうぞ。現在は、トミタ夢工場という会社名で金閣寺道の近くに移っておられます。
 車に興味のない方には、ちょっと退屈でしたね。ちょっと食べもんの話もしておきましょう。どうして神社仏閣の門前にはおいしい甘いもん屋があるんでしょう。天神さんでは「TOFU CAFE」も「
とようけ茶屋」も「あわ餅」も有名ですが、最近ちょっと元気がいいのが「MONICA」(10:00〜19:00 無休)です。天神さんの鳥居前、御前今出川を3軒ほど南に行ったところにあります。小さなケーキ屋さんですが、おいしいケーキがいっぱいです。ケーキもおいしいのですが、ここのプリンはトレードマークのわんこのシールが貼ってあるガラスのコップに入っていて、とろんとろんのおいしさです。席は少ないですが店内でも食べられます。支店が御幸町錦上る(御幸町店11:00〜21:00不定休)と千本北大路東入(北大路店11:00〜21:30)にあり、昨年オープンした千本北大路のお店は京女の女坂にあるオムライス専門店ウフ カトーとのダブルネームのお店で2階でオムライスやパスタも頂ける様になっています。一度どうぞ。

 

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山城温泉

上京区仁和寺街道御前通西入下横町218  営業時間:15:00〜25:00(日曜8:00〜25:00) 定休日:木曜日
市バス「大将軍」下車 徒歩5分

 

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入湯日:2002/11/27 23:00

 仁和寺街道の御前を西に行った山城温泉の紹介です。西陣の笠の湯の紹介でよくできたお風呂屋さんだと書きましたが、山城温泉もよくできたお風呂屋さんだと思いました。
 まず入口を入った所の下駄箱スペース左に、外からも見える大きなガラス窓のある休憩スペースがあります。窓側に5人ぐらい座れるベンチがあり、大型テレビに飲み物の自販機、新聞、マンガ、雑誌、さらには体脂肪も計れる体重計が揃っています。正面のフロント右が男性の脱衣場に続いています。
 脱衣場は、あっさりしていますが、ロッカーの上の常連さん用の籐籠に白いネームプレートが付けられているのがちょっと眼を引きます。常連さん用の貸しロッカーの横に、ロッカー代を支払ってくださいと張り紙がありました。結構踏み倒されてるんでしょうか?壁際には営業時間や定休日が大きく書いてあります。分かりやすい表示はうれしいものです。また来月にやられる予定の「コーヒー湯」や「よもぎ湯」などの予告も大きく表示されています。
 浴室の方は、まず入って思うのは、奥に広いーってことです。右側にカランが17カ所並んでいて、その奥に露天スペース、さらにサウナへと続いています。浴槽は、女湯との壁側に手前から、横からのジェットと冷たい冷水管枕が気持ちいい寝湯と腰掛け型ジェット2カ所、深風呂、電気風呂が合わさった複合浴槽と、その奥に行った日は「比叡薬草湯」という薬草の匂いで効くなあと思わす泡風呂付き薬湯、一辺3メートルぐらいの露天スペースに泡風呂付きの水風呂、浅い浴槽、ボタン式の水シャワーがあります。ここの露天風呂は、周りに高い建物がなく塀の上は、遮るものが何もない空です。行った日は、寒かったですが星がきれいに見え、まったりするのに最高のお風呂でした。
 サウナもなかなかで、10人ぐらいが向かい合わせにゆったり座れる遠赤サウナで、テレビ付き。さらに特徴的なのは、足置きに丸太が置いてあり、座りながら青竹踏みの要領で足の裏を刺激できます。また、砂時計は無いのですが、代わりに秒針と長針だけの時計が掛けてありました。最初に良くできていると書きましたが、紹介したお風呂の設備以外にも、カランのある壁面は、所々抹茶色とクリーム色のタイルで市松模様にしてあったり、鏡のある壁面は、オレンジ色のタイルでラインにしたりいろいろアクセントが付けてあります。さらに照明が女湯との境の壁の上のチュッパチャップス型の照明あるのですがそれ以外に、各カランの鏡の上に白熱灯が付けてありこの照明が並んでいるのが、整然とした印象を与えるのと、蛍光灯にない優しい感じを与えていると思います。
 また、帰り際に脱衣場にいるとき閉店1時間半ほど前でしたが、脱衣場の床を掃除したり、浴室内の風呂イスを揃えたり、サウナのマットを変えに行ったり掃除にはかなり気を遣われているようです。この点は、笠の湯さんもマメに脱衣場の掃除を行ってられたので共通しています。またもや、西陣奥深しを感じさせる山城温泉でした。

 山城温泉のある辺りもお寺の多いところです。山城温泉のお隣も乾窓禅院というお寺ですが、もう少し東、御前(おんまえ)通りの仁和寺街道から一条通り方面に歩くとお寺が並んでいます。一条通りまで行くと昔ながらの大将軍商店街が西大路通りまで続いています。ぶらぶらしながらふとマイスタースズキというパン屋さんに立ち寄ったのですが、店番にはおじいさん、奥の工房では息子さんがパンを焼かれている温かい感じのするパン屋さんでした。パンも季節柄クリスマスツリーをかたどった菓子パンなどが置かれ楽しい雰囲気です。サンライズ(関西ではメロンパンをなぜかこう呼ぶ)とリンゴあんぱんを買いましたが、ふわっとしていておいしいパンでした。
 山城温泉の西の通りは、天神道という通りですがこの道を山城温泉から南にしばらく行くと右手に奥渓(おくたに)家住宅という藁葺き屋根の立派なお宅が見えてきます。代々医業を営まれて来た家系で、道路に面した建物・長屋門は享保11年(1726)に建てられたもので、1700年頃に原型が建てられた主屋と共に京都市指定有形文化財になっています。お寺や低層の木造住宅の多いこのエリアにあってもその姿は目を引きます。文化財といっても現在でも住宅としてお住まいになっていますので、そっと眺めさせて戴きましょう。

 

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源湯

上京区御前通西裏上の下立売上ル北町580の6 営業時間:14:30〜24:00 定休日:金曜日
市バス「大将軍」下車 徒歩3分

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入湯日:2002/11/11 22:30
    2004/02/14 23:00

 またもや味のあるお風呂屋さんに入ってきました。大将軍にある源湯です。まずロケーション。表通りからはちょっと入ったところですが、紙屋川という川沿いにあります。そして建物の端、川の畔にお地蔵さんの祠。外観は、落ち着いたいい佇まいで隣の立派なお宅ともなじんでいます。
 暖簾をくぐるとタイル貼りの下駄箱スペースで正面に傘立て、下駄箱の扉は珍しい金属製の網状のものです。引き戸を開けると脱衣場ですがこれもなかなか立派です。なかなかゆったりした造りで中央にベンチがあります。天井は格天井、道路側には小さい庭もあります。番台上の「明日あります」の表示に電気がつくようになっているのがなかなかの味わいです。籠は、黄色と青のプラスチック製が半々ぐらい、床はもちろん籐筵、冷蔵庫はフジの物が置いてありました。
 浴室は何といっても正面奥の壁のモザイクタイル絵でしょう。山をバックにヨットが浮かぶ湖の構図で、右手奥にサウナが設えられたためサウナの部分はレンガ色のタイルに貼り替えられていますが、ほとんどは健在です。女湯の方を見ると、雲の形や山の形が左右対称だったので、どうも男女境の壁を中心に左右対称の構図のようです。
 サウナはスチームサウナで3人ほど入れる大きさでした。浴槽は、入って右手に2連ジェットが2カ所ありネオンが赤、黄、緑に変わるネオン風呂、電気風呂があり、女湯との壁に沿って奥から中将浴剤が入ったぬるめの薬湯、ちょっと間を置いて底に3匹の鯉が泳ぐタイルが貼られている浅湯、深湯、そして水風呂が並んでいます。
 この銭湯は湯口がまたユニークで水風呂の湯口は鯉の顔にライオンのたてがみが付いたような水吐きがついています。浅湯と深湯の間には女性がまたがったイルカのような生物の口からお湯が出ています。このイルカ?が女性に比べかなり小さく無理矢理乗っているような感じです。電気風呂と浅風呂には竹炭が袋に入れて沈めてありました。この辺りも嬉しいところです。外の看板にも、浴室内にも「天然ミネラル温泉」の表示がありましたが、これについては良く分かりませんでした。
 客層はほんとに地元のお風呂屋さんという感じでバラエティーに富んでいます。ちょうど私が入っているときに女湯の方からは、多分幼稚園ぐらいと思われる女の子とお母さんが一緒に百まで数える声が聞こえていました。こういうのを聞くと心まで温まりますね、ほんまに。帰りに川沿いのお地蔵さんを見ると蛍光灯がつけてありました。町内に大事にされてるのが分かります。身も心も温まる源湯でした。


 再訪しました。書き足しておきます。
 脱衣場ですが、よく見れば格天井の左右だけ折り上げになっています。折り上げの場合、ワンランク上といった感じでしょうか。またここは装飾品の宝庫です。ロッカーの上には、おそらく狸と思われる剥製まで飾られています。ほかにも、湯上がり美人の版画、能面を少し小さくしたようなものを飾った額、船の舵など普通のお風呂屋さんでは見掛けないものの数々。招き猫が霞んで見えてしまいます。
 装飾品ではありませんが、クーラーの上に置かれたアンプのような機械に、「WAKAGAERI」と書かれていたのが、すごく気になりました。
 浴室の方も、以前と変わらずいろいろと楽しめます。洗い場をゆったりと取ってあるのもここの特徴です。


 源湯の横を流れる紙屋川。地図ではこの辺りではすでに「天神川」と表記されていますが、私の知っているこの辺りの方は「紙屋川」で呼ばれていました。実際大将軍近くには「紙屋川町」という町名がありますし、その方が私も通りいいと思います。「紙屋川」という名前は、平安時代に川の畔に朝廷御用の紙を漉く紙座があったことからその名で呼ばれているようです。
 源流は、光悦垣で有名な光悦寺や迷いの窓、悟りの窓で知られる源光庵がある鷹峯のさらに奥の方から来ています。鷹峯から仏教大学の裏を流れ、北野天満宮の西を経て円町辺りから西に流路を変え天神川御池近くで御室川と合流、そのまま天神川通りに沿って南下し南区吉祥院で桂川に合流します。天神さんの横を流れているから「天神川」なのでしょうが、北野天満宮以北では、地図上でも「紙屋川」になります。
 この紙屋川、鷹峯から円町付近までは、豊臣秀吉の築いたお土居がこの川に沿ってありましたので、京都市中の西端だったわけです。鷹峯辺りには、「旧土居町」や「土居町」の町名も残り、北野天満宮やその北の辺りには、実際の遺構も見られます。現在はほとんど水も流れない川になってしまっていますが、地域の方には愛着のある川のように思います。

 

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玉ノ湯
2013.6廃業

上京区六軒町通今出川下ル南佐竹町212 営業時間:15:00〜24:00 定休日:土曜日
市バス「千本今出川」下車 徒歩2分

 

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入湯日:2003/03/04 23:00

 千本今出川の一本西を少し下がった所にある玉ノ湯さんです。このお風呂屋さん、暖簾をくぐるとまず大きな熊のぬいぐるみがお出迎えしてくれます。首にはリボンと営業中の札が掛かっています。一見この熊のいるスペースは、普通のお風呂屋さんで言うところの玄関スペースなんですが、暖簾の所に扉はなく半分外の様な感じです。左右両側にある下駄箱はなかなかの年代物で、いい味だしてます。
 引き戸を開けると番台なんですが、目の前には目隠しのカーテンがあり、番台も水槽やらいろんなものが置かれ番台としては使われていません。目隠しカーテンをくぐると、おばちゃんが男湯と女湯の間を行き来されていました。
 脱衣場は、京都らしくうなぎの寝床式で縦に細長い造りです。下駄箱同様にかなり年季の入ったガラス窓付き木製ロッカーがありますが、半分ぐらいは収納スペースになっていて、使用できるのは1/3ぐらいでしょうか。使えないところには、風景写真や犬や猫の写真がガラスの所に貼ってありました。実はこういう窓付きロッカーってインテリアとしてかなりいけてるかも知れませんね。ロッカーにこだわりますが、このロッカー結構板が波打っていたり、ガタが来ています。開けるときは普通に開いても、閉めるときは扉をちょっと持ち上げないと閉まらなかったり・・・でも愛着の湧く一品です。狭いながらも道路側にはベンチが置かれ、マンガの単行本が多数置かれていました。その休憩スペースに昔ながらの按摩機があったのですが、見慣れない車の変速機のようなレバーが左手の肘掛けの所にあり、低速〜高速を調節出来るようになっていました。そのレバーがいかにも昭和って感じの按摩機です。ちなみにもう一台新しい按摩機も置かれています。
 浴室も縦長の形で奥と男女壁側に浴槽、左手と男女壁の手前側がカランという造りです。普通のお風呂屋さんより蛍光灯がたくさんついていて明るい感じの浴室です。浴槽は奥に竹型のタイルを貼った電気風呂とジェット3カ所付きの浅風呂、男女壁側に深風呂、脱衣場側に水風呂というシンプルな構成です。まわりはほとんど昔ながらの白タイルで男女壁の一部に素焼きのタイルが使われていました。水風呂は藤の柄のタイルで、天井近くが藤棚のようになっていて、そこからしだれてくる藤の花がなかなか風流な感じです。
 私が行ったのは11時ぐらいだったのですが、後から続々とお客さんが来られあまり広くない浴室に、最高11人のお客さんで溢れていました。久々に一つの浴槽に3人で入りました。客層はおっちゃんと若者半々という感じでしたが、こういうお風呂屋さんでは常連さんの会話を聞くのも楽しいものです。私と同時期に入っていた常連さんの会話は、まるでいとしこいし師匠の漫才を聞いているような心地よさでした。最近どうしてたんやという会話に始まり、近所の顔なじみの友達の話や草野球の話などよどみなく続きます。いやいや、お風呂もさることながら常連さんの会話に心温まった玉ノ湯でした。

 玉の湯さんのほど近く、千本今出川をちょっと西に行った南側に「静香」(7:00〜18:00第2・4日曜休み)という昭和13年創業のレトロな喫茶店があります。雑誌などでも取り上げられ有名な店ですが、有名さに負けないなかなか味のある喫茶店です。入口はたばこ屋を兼ねた外観で、一見喫茶店とは思えませんが、入口の磨りガラスに桜の模様の入ったドアはなかなかいい味を出しています。内装もタイルの床に、クッションの少しくたびれたイス、テレビ台になっている大型ラジオ、昔のレジスターなど全てが長い時間を生きてきた物達ばかりです。こういっては失礼ですが、物達と一緒に生きてきたおばちゃんもいい感じです。コーヒーを頼めば、ソーサーに大小2つの角砂糖が乗ってくる辺りも、計算ではなく昔のままなのでしょう。西陣散策の折のお勧めの一軒です。
(写真はミルクコーヒーです。小さい方の角砂糖は入れてしまいました(笑))

 

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井筒湯
2007.6.21廃業

上京区笹屋町通千本西入ル笹屋4丁目302 営業時間:15:30〜23:30 定休日:火曜日+第2・4水曜
市バス「千本今出川」下車 徒歩3分

 

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入湯日:2003/03/01 22:00
   :2004/03/18 23:00

 千本今出川から2筋下がって西に入ったところにある井筒湯です。入口の看板には「草津温泉」や「別府明礬」の文字があり、風呂好きの心をくすぐるお風呂屋さんです。脱衣場は広々していてその中に、お風呂屋さんを演出するアイテムが満載です。まず、番台上には絵文字のような字で井筒湯と書かれた額が掛かっていて、その両脇には右大臣左大臣が控えるように2枚の大入りの額が脇を固めています。男女仕切壁の上には金色の招き猫も鎮座しています。また、男湯の方には雲母湯さんから改装祝いに贈られた先客萬来の文字が入った銘木板や季節の写真なども飾られています。装飾品以外にも、浴室側の照明を障子のようなカバーを付け柔らかい感じにしたりと工夫もされています。籠は籐籠でこの雰囲気に良くあっています。
 この脱衣場でちょっと珍しいのは、男女仕切側に下2段がロッカーで上が棚になっているロッカーが使用されています。他の地方では良くある形のようですが、京都のお風呂屋さんではあまり見掛けない形です。休憩スペースは、道路側にベンチ2脚とマッサージイス2つを備えたスペースがあり、風呂上がりに新聞を読んだり、ゆっくり出来ます。飲み物もレアないずみブランドのサイダーやホワイトソーダがありました。
 浴室の方も広々としています。奥に雛壇で10人ぐらい入れそうな遠赤サウナがあり、両脇に電気風呂と今週の温泉の泡風呂付き浴槽があります。行ったときは別府明礬温泉で、茶色に濁ったお湯でした。そういえばこの浴室に入ったとき、温泉の匂いを感じました。温泉の浴槽の横には、電話ボックスという形容がぴったりの打たせ浴(水)のコーナーもあります。主浴槽は中央に目の字型であり、泡風呂、ジェット、深風呂が並んでいます。ここのお湯は、天然ミネラル温泉という看板が上がっていましたが、ジェットの浴槽の底に薬石が入ってそうなステンレス製の箱が設置してありました。脱衣場側に水風呂もあります。
 カランは両側に合計20カ所+島カラン4カ所とゆったりで、隣の人を気にせず使えました。男女壁と逆側の壁のタイルが、濃い茶系のタイルを使ってあるのがちょっと珍しい感じです。照明は、中央の湯気抜きの上から明るい電球が4つ付いたものが吊り下げられていて、これもあまり見ない形のものでした。その照明の下では、男女壁の上に観葉植物が植えられたプランターが並び、目を楽しませているのも特徴の一つです。黄色い桶の底に井筒湯の名前入りなのもなかなか珍しい一品です。
 浴室や脱衣場が広いだけあって、あまり混雑している感じはありませんでしたが、結構次々とお客さんも来られ、なかなか活気のある井筒湯さんでした。次は草津温泉にも入ってみたいところです。


 2回目の入湯です。追記事項としましては、絵文字で書かれた「井筒湯」という額ですが、廃業された同じ西陣の盛竹湯さんにも同様のものがありました。おそらく同じ方が描かれたものだと思います。
 脱衣場の休憩コーナーには、ご主人が撮られたんでしょうか「花園」というタイトルのチューリップの写真と、「春移ろう」というタイトルの水仙の写真が飾られ季節感を演出していました。
 楽しみにして行った薬湯コーナーですが、この日は「宝寿湯」。このお湯はたまにあるので、個人的には明礬温泉とかを期待してしまうのですが、そうはいいつつ広い浴槽でゆったりしてきました。

 BBSに廃業数日前に情報を寄せて頂き、名残りの入湯に行ってきました。
 廃業前日の晩に入りに行き、昼間に写真を撮らせてもらえるようお願いし、最終日のお昼間にも伺いました。その時に聞いた話を追記しておきます。
 経営者のNさんは、昭和48年から井筒湯を引き継がれたそうですが、その前は上七軒の寿湯というお風呂を経営されていたそうです。こちらは花街の銭湯として舞妓さんたちも利用されていたそうで、脱衣場には名前入りの柳行李が並んでいたとか。以前井筒湯さんを紹介する記事で、「チャップリンも訪れた」という内容を見た記憶があったのですが、チャップリンが訪れたのも上七軒の寿湯だそうです。この時は定休日だったにも関わらず、銭湯に興味を示し、通訳やカメラマンと寿湯を見学していったそうです。女将さんによれば、この様子が週刊現代に掲載されたそうです。
 ネットで調べると、チャップリンはたいへんな日本(特に京都)贔屓だったようで、戦前3回、戦後1回の計4回来日しています。昭和36年に夫人と4男を連れて来日し、京都にも来ていますので、寿湯に立ち寄ったのはこの時でしょう。
 井筒湯で気になっていた調度品の中に、番台の上に掛けられた遊墨画があるのですが、これは30年ほど前に伏見稲荷門前にお店を出していた遊墨画屋さんに依頼して描いてもらったものなんだそうです。一筆書きで龍が井筒湯の文字になっているのですが、以前既に廃業した五番町の盛竹湯にも同様のものがあったことを伝えると、盛竹湯は御親戚なんだそうで同じものがあったのかなとの答えでした。また女湯の入口には、女性の名前が書かれた大入り額が掛かっているのですが、これはお母さんからの贈り物とのこと。ええ話ですねえ。
 最終日の閉店間際に最後の入湯に訪れましたが、女将さんがみなさんに頭を下げて「永年ご贔屓にしてもらってありがとうございました」とお礼を言われていたのが印象的でした。(2007.6.22追記)

 井筒湯さんのある千本元誓願寺から千本通りを少し下がると、上はマンションになった無印良品のお店があります。この場所は、日本映画の黎明期に千本座という劇場のあった場所です。千本座は、最盛期には20以上もの映画館があった西陣界隈の中でも代表的な劇場の一つで、日本映画の父と言われた牧野省三氏が経営していた劇場です。戦後は名前を変え、千本日活となりました。千本日活といえば、ほとんどの方が千本中立売を下がって西に入った所にある成人映画をやっている劇場を思い浮かべると思いますが、映画華やかりし頃の千本日活は、現在の無印良品の場所にあった劇場です。京極湯のところで紹介した浅田次郎氏の「ヲリオン座からの招待状」という短編を読んだとき、私はこの千本座跡の千本日活をイメージしました。実際はどうなんでしょう?
 進路を変え千本通りに今出川を上がった辺りは、てんぷらの「天喜」や漬け物の「近為」、「五辻の昆布」など西陣を代表するような老舗が何軒かあります。五辻の昆布は、引き出物用にハート型の昆布を販売されるなどなかなか話題作りが上手ですが、今回「合格昆布」なるものを見つけました。昆布自体昔から「よろコブ」と合わせ言葉でお喜び事に使われるんですが、合格昆布も韻を踏んでいます。形が五角形で「ごうかく(五角)してよろコブ」というわけです。あ〜、めでたしめでたし。
(↑五辻の昆布と近為)

 

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白山湯

上京区黒門通一条下ル飛弾殿町150  営業時間:15:30〜24:00 定休日:金曜日
市バス「一条戻橋」下車 徒歩3分 または 市バス「大宮中立売」下車 徒歩4分

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入湯日:2002/12/16 22:30

 一条通黒門下るにある白山湯の紹介です。入口は、男湯女湯の暖簾が並んで掛かっていますが、入口はひとつで下駄箱スペースになっています。その先の、障子風の引き戸を開けると番台です。脱衣場はあっさり目で、道路側の休憩スペースにベンチとテーブルがあり、スポーツ紙が2紙置いてありました。脱衣籠はほとんどがプラスチック製ですが、ロッカーの上に少しだけ柳行李も置かれていました。服を脱ぎながらふと気がつけば脱衣場にはBGMで演歌が流れています。以外と多いんですよね、このパターンって。
 浴室内は、男女壁に沿って、手前からジェットが2カ所付いた浅風呂、深風呂、泡風呂付きの健康薬用風呂(この日は生薬)、水風呂と続いています。突き当たりにこちらでも演歌がが流れる4,5人入れるサウナ、脱衣場側には、脱衣場にせり出す形で電気風呂があります。浅風呂と深風呂の間には、噴水のようにお湯が出て、下のお皿で一度受け、浴槽にお湯が流れ出る様になっている湯口がついていました。水風呂の方はステンレス製の新しい水吐きでした。壁は、白い横長のタイルをレンガ状に貼った物ですが、所々藍色のタイルでアクセントをつけてあります。また浴槽の縁などはレンガ色のタイルになっていました。いつもぬるめの浴槽から入った方が、体にもやさしいし、湯冷めしないと思い薬湯がある場合は、一般的にぬる目である薬湯から入るのが常なのですが、この日はたまたま薬湯に先客がおられて、浅風呂から入りました。そして後から薬湯に入ろうとしたのですが、なんと薬湯の方がかなり熱いのです。水でうめれば良かったのですが、結局薬湯には入らずに出ました。すると脱衣場で服を着ているとき、常連さんが後から出てこられ番台のおばちゃんに「おばちゃん、薬湯いつもぬるいのに、今日熱うて入れへんで」と出てこられました。するとおばちゃんは「ごめ〜ん。今日調子悪いねん」とのこと。いつもは、やはり薬湯が一番ぬるいようです。
 客層は同大生でしょうか、半分以上学生風でした。そういえば私の先輩もすぐ近くの風呂なしアパートに下宿していました。脱衣場にフジの冷蔵庫があり、風呂上がりにローヤルサニー(オロナミンC のようなやつ)を飲んだのですが、ここのローヤルサニーは城南鉱泉のものでした。以前等持院の花の湯で飲んだときは、山科にある宮川商店という所が作った物だったのです。これで少なくとも城南鉱泉と宮川商店とローヤルサニーに2種類あることが判明した白山湯でした。(注:宮川商店さんは、現在お風呂ドリンクの製造は止めておられます)

 白山湯のすぐ北を東西に走る一条通を堀川に出れば、一条戻り橋があります。死者が一時蘇生した伝説などさまざまな伝説がある橋ですが、戦争の時この橋を渡って出兵しただとか、婚礼の際はこの橋を迂回するだとか今でもその名前から験を担がれる橋です。堀川をもう少し北に行けば、陰陽師で一躍有名になり現在でも参詣の人が絶えない阿倍晴明を祀る晴明神社があります。今では本殿以外すっかり新しい建物になりました。この人気にあやかり、堀川通りの商店街では、「晴明神社堀川参道」として商店街興しを始めたぐらいです。道路幅も広く、交通量も多い堀川道りですが、ちょっと道を入った白山湯あたりは古い木造建築が多く残り、静かなところです。白山湯を南に100メートルほど行けば、古い町家の佇まいを残した和菓子屋さん「
塩芳軒」があります。長暖簾が掛かり、軒瓦の上には魔除けの鍾馗さんの瓦人形も乗っています。ちょっと格式高い感じで入りづらい感じかも知れませんが、中に入ると干菓子や羊羹、生菓子などがショーケースに並んでいます。生菓子は1個400円ぐらいしますが、見た目、季節感、味さらに接客と何を取っても値段に値すると思います。抹茶を点ててとまではなかなか行きませんが、家でちょっと渋めのお茶を入れ生菓子を頂くのを楽しみにお土産に買って帰るのも乙だと思います。

 

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京極湯

上京区土屋町通一条下ル東西俵屋町666 営業時間:15:00〜24:00 定休日:月曜日
市バス「千本中立売」下車 徒歩2分

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入湯日:2002/09/17 23:30

 千本中立売から一本東に行くと「西陣京極」のゲートがあり飲食店や商店が並ぶ細い道があります。西陣京極は中立売から一条までの約200メートルほどの区画でその一条寄りに京極湯があります。
 建物の南側は路地で、駐車場になっていますが京極湯のスペースには廃材が積まれており、まだ薪で湧かされているようです。路地をもう少し進むと、煙突が見えて来るのですが、これがなかなかの代物です。レンガを積み上げたその上にさらに鉄製の丸い煙突が突き出ていて、それらを取り囲むように鉄枠が組まれています。
 中の様子はといえば、脱衣場のロッカーは比較的新しいものですが、その上には屋号の入った柳行李が数個あり、屋号の文字は右から左へ書かれています。床は籐筵、フジ(地場の飲料メーカー)の冷ケースはここでも健在です。
 浴室内は正面に薬用風呂(ジェット)、電気風呂、湿式サウナが並んでいます。サウナの手前には、シャワーブースの形をした打たせ湯があり、ボタンを押すと数十秒間2本の打たせ湯が肩に当たるようになっています。そのボタンが、玄関のチャイムを転用しているのがちょっと微笑ましいです。女湯との壁に沿って、深風呂,浅風呂(一部泡)、入り口近くに水風呂とあります。設備は、しっかりと整っていますが浴槽のタイルは、細かいタイルで結構時代物です。脱衣場には、新聞、マンガなどがありゆっくり出来そうです。マッサージチェアは使っていませんが、無料でした。私は、扇風機に当たりながらフジのサイダー(80円)を飲んでゆっくりしてきました。駐車場は南側に2台分あります。

 西陣京極は、ほんの200メートルばかりの区画ですがなかなかディープな京都です。昔ながらの八百屋あり、焼き魚なんかを並べた魚屋あり、飲み屋あり、雀荘あり、パチンコ屋あり、成人映画の映画館あり、昼間からカラオケの聞こえるスナックありと雑然とした感じは、規模はこちらが劣りますが、大阪でいえば通天閣周辺をちょっと連想させます。特に千本中立売のバス停から東に延びるさらに細い路地は、まさに千本ワールド。興味の種が尽きることがありません。たまたま見かけた道路にチョークで書かれた子供の落書きも周りの雰囲気に溶け込み、いい味を出しています。ディープ京都西陣にはまってしまいそうな今日この頃です。
 1997年に発行されベストセラーになった浅田次郎さんの「鉄道員(ぽっぽや)」を読まれた方は多いと思いますが、同短編集に「オリヲン座からの招待状」という短編が集録されています。この短編は京極湯に近い西陣の映画館を題材にしたものです。集英社から文庫本も出ています。京都の旅のお供に鞄に入れておくのはどうでしょう。

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盛竹湯
2003.7.10廃業

上京区仁和寺街道千本西入五番町169 営業時間:16:00〜23:30 定休日:木曜日
市バス「千本中立売」下車 徒歩1分

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入湯日:2002/11/05 23:00
    2003/07/08

 今回は、千本中立売近くの盛竹湯に行って来ました。五番町の角地にある建物は、向かいの楼閣の雰囲気を残す建物と相まってこの辺りの景観に溶け込んでいます。建物の中もなかなかレトロです。入り口に掛かった暖簾の先の引き戸を開けると、目隠し用のカーテンが掛かっていて、カーテンをめくると靴を脱ぐ前に土間でお金を払う様になっている古いタイプの造りです。
 脱衣場は、そんなに広くないですが、天井は格天井で、壁には北野会(近所の商店会)から贈られた宝船の額縁、蛇と龍で絵文字の様に盛竹湯と書かれた額が掛かっていて雰囲気はなかなかです。籠は青いプラスチック製、床は籐筵、冷蔵庫は無印の物が置かれています。
 浴室もカラン数10と京都でもかなり狭い方です。脱衣場側にせり出すように、二人ほど入れるスチームサウナがあり、内部は黄色と黄緑のタイルが貼られカラフルです。浴室に入って右手、サウナと逆側にライオンの水吐きがついた水風呂、浴室奥の壁側に深風呂とジェットが二カ所付いた浅風呂があります。深風呂と浅風呂の真ん中には、腰掛けた女性の膝の上に置かれた瓶からお湯が出るようになった湯口が置かれています。深風呂と浅風呂の湯温は高めですが、少し我慢して水風呂に入るのもなかなかいいものです。
 11時頃に行ったのですが、客層は若いお客さんがほとんどで常に浴室に4人程度といった感じでした。でも、カランが10カ所なのでそれなりに賑わっている印象です。11時15分頃に脱衣場に出ると暖簾がロッカーの前に下げられていたので、11時半には完全閉店のようです。風呂上がりに牛乳を飲みましたが、珍しく毎日牛乳(大阪のメーカー)でした。昼間、盛竹湯の横を通るとご主人がチェーンソーで廃材を切り分けられている姿も見かける西陣の古き良き銭湯でした。

 盛竹湯のある五番町は水上勉氏の「五番町夕霧楼」でも知られるように、昭和30年代始めまで遊廓のあったところです。現在では、楼閣の雰囲気を残す建物もわずかになり、ひっそりとした住宅地に変わりつつあります。ランドマークとしては、盛竹湯を少し下がったところにあるポルノ映画館「千本日活」、さらにもう少し下がったところにある海外VIPもよく訪れるというスッポンの丸鍋で有名な「大市」があります。千本日活は、「日活」が潰れ「にっかつ」になっていますので、看板は日活ですが経営は宮崎興行という会社がやっているようです。入場料¥500は少なくとも二十年近く変わっていないことに今回気付きました(笑)。「大市」の方は、メニューは丸鍋のみで一人三万円ぐらいする高級店。もちろん入ったことはありませんので詳しい案内は他のガイドブックを参考にしてください。ということで、ここでの紹介は大市と千本日活の間の通りを西に入ったところにある焼肉屋「江畑」です。思うにここは京都にあってホントに京都らしい焼肉屋だと思うお店です。カウンターと座敷がありますが、カウンターの方がより「江畑」を感じられます。お肉は、和牛で注文してからブロック肉を包丁でスライスして出して下さいますが、甘いタレと相まって絶品です。またここの特徴のひとつは生肉がいろいろ食べられるところです。カルビやロースといった各メニューに「生」と「焼」があります。私がなぜこの店に京都を感じるかと言えば、カウンターの中の大将やお店の方との会話にあります。大将も気安く声を掛けてきますし、一緒に飲んでますし客も店もお友達といった感覚です。この客とお店の方との間に、昔ながらの京都における人と人の距離感を感じるわけです。ほ〜、と思われる方は一度行ってみてください。お肉の味は保証します。営業時間は17:00〜21:30 水曜、最終木曜定休

 おまけです。「江畑」の斜め向かいに「石川湯」というお風呂屋さんがありましたが、今年(2002)6月からデイサービスセンターの入浴施設なっています。地域に親しまれていたと言うことで名前も「石川湯」の名前をそのまま使われています。内装も出来るだけお風呂屋さんの雰囲気を残して利用されているそうです。お風呂屋さんが減っていくのは寂しいですが、こういう方向で再生をしてもらうと嬉しいな〜と思い書き加えさせてもらいました。

 

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京の湯
2012.6.24廃業

上京区下ノ森通下長者町上ル鳳端町233  営業時間:15:00〜23:00 定休日:月曜日
市バス「千本中立売」下車 徒歩9分

 

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入湯日:2002/12/18 23:00

 今回は、七本松下立売西入るにある京の湯に行ってきました。暖簾をくぐって玄関スペースに入ると、まず目に付くのが上がり框に置かれた背中に子ガエルをのせたカエルの置物です。横に長い玄関スペースの中央で出迎えてくれます。
 脱衣場にも装飾品がいろいろあります。まず、ロッカーの上には「湯乃京」と筆で書かれた大きな額が掛かっていますし、浴室側には「人のすずなり」という文のすずの部分に本物の鈴が3個ついた額が掛かっています。また、サウナが脱衣場側にせり出す形であるのですが、その壁面には西洋の家をかたどった陶板が貼られています。装飾品以外でも、面白い物がありました。体重計なのですが、人が乗るところは無骨なステンレス製の直方体で、そこからコードが延びこれぞ計測器といった四角い箱にデジタルで体重が表示されるようになっていました。
 浴室内は男女壁に沿ってずっと浴槽が並んでいる造りで、奥の壁には脱衣場にあった西洋の家をかたどった陶板がこちらもちりばめられています。浴槽は奥の壁に沿って、クスリ風呂とネオン風呂と書かれた浴槽が並んでいるのですが、行った日は調子が悪かったのかクスリ風呂には、白濁したお湯が底の方に少したまっているだけで入れる状態ではありませんた。これが看板に書かれていた白山湯だったと思うのですが残念です。ネオン風呂は、ジェットが2カ所ついたバスクリン湯なのですが、表示されているネオンはついていませんでした。そこから男女壁に沿って電気風呂、深風呂、浅風呂が並んでいます。深風呂にはラドン温泉の説明書があって浴槽の底にステンレス製の網をはった箱が沈めてあるのですが、これが説明書きにあるミネラル鉱石だと思います。ラドン温泉については、脱衣場にも説明が貼ってありました。あと脱衣場側に泡風呂付きの水風呂があります。ここの水風呂はあまり冷たくなく、多分25℃ぐらいあるような気がします。冬場でもそう気合いを入れなくても入れました。サウナは演歌のかかる4,5人入れるサイズの物です。浴室を見渡して特徴的なのは、入口のドアやドアの周りに緑のガラスを入れてあるのですが、それに合わして浴室の天井近くやカランの上に緑のラインが入っているのと、床のタイルが暖色系の唐草模様のような柄の入った、滑り止めを兼ねた優れものでした。
 風呂上がり飲み物をと思い冷蔵庫を見ると、初めて見るイズミという瓶に入った毎日(日酪)が作っているサイダーがありました。大阪ではポピュラーなのかも知れませんが、私は初めて見ました。白山湯に入れず残念でしたが、なかなか見所の多いお風呂屋さんでした。

(2012.6追記)
閉められると聞いて入りに行ってきました。
脱衣場の「京の湯」の額は、先代同士が交流のあった詩仙堂のご住職の筆だそうです。
2代65年にわたる営業お疲れさまでした。

 白山湯の周りも一通り歩き回ったのですが、私が紹介しようと思うようなものは見あたりませんでした。あえていうなら、京の湯から東に行った七本松通り仁和寺街道の角にある立本寺ぐらいです。日蓮宗のお寺ですが、説明書きを見ますと日蓮宗のお寺の建て方を踏襲した様式だそうです。しかし、永年の風雪で傷みが激しく閉鎖されているお堂や、崩れたままの慶応年間の灯籠などもありました。境内に公園があり、子供達が遊び回っているのが一心地つけるお寺です。
 先になにもなかったと書きましたが、紹介しようと思う目立ったものがなかっただけで書くことはあるんですよ、実は。確かに目立ったものはありませんが、七本松から西のこの辺りはマンションなど大きい建物もほとんどなく、昔ながらの町並みがよく残っています。路地も多く、路地の奥にお地蔵さんの祠が見えるなんていう景色もいくらでもあります。そんな路地にふらっと入ると自動織機の機音がカッシャ、カッシャ聞こえてくるんです。あ〜、西陣どすなあ。と言いたくなるような環境です。また、明るいうちに京の湯に行かれたら風呂上がり前の道を、東を向いて歩いてみてください。ちょうど正面に大文字の大の字が見えます。多分何十年もほとんど変わらない景色だと思います。

 

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相生湯
2012.6廃業

上京区浄福寺通上長者町下ル長谷町195  営業時間:15:30〜23:30 定休日:木曜日+第4金曜
市バス「千本出水」下車 徒歩5分

 

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入湯日:2003/01/21 22:00

 人は外見で判断するべからず。お風呂屋さんも然り。このお風呂屋さんは、すでに写真も撮ってあったのですが、西陣の中では後の方になってしまいました。というのも外観から、小規模な普通のお風呂屋さんだなと思っていたのです。しかし、今回入ってみると遊び心溢れる、さすが西陣と思わす一軒でした。
 予想に反して結構中は広く、脱衣場も真ん中に一畳分の床几が置かれ、入口側にはテーブルを挟んでベンチ2脚がありマンガ、週刊誌、スポーツ紙を読めるようになっています。スポーツ新聞は、ご丁寧に折り目を木の枠で挟み、壁に掛けられる様にしてあります。FUJIの冷蔵庫には、メロンサワー、ラムネ、ローヤルサニーなどのお風呂屋さんドリンクも一通り揃っています。でもこのお風呂屋さんは、ここからです。
 浴室なのですが、まず奥に段々を流れ落ちる湯口があり、そこからまずジェットと泡風呂、さらにネオンがついた寝湯にお湯が流れ込みます。その浴槽は隣り合う電気風呂との境がちょっと低くなっていて、お湯が自然に電気風呂の方に流れるようになっています。そして、さらに電気風呂から一段低くなった深風呂、さらに浅風呂とお湯が流れるようになっていて、最後浅風呂からは、浴槽の端にある半円形の玉砂利が敷かれたスペースに流れ込むようになっています。しかも、この浴槽の列はクランク状に並べられていて、曲がりながらまさに川の流れのように下へ下へと流れるのです。いやいや、遊び心満載の造りです。一番上の浴槽はちょっと高い位置にあるので、男女壁もそれに合わせて奥ほど高くなっているのがご愛敬です。浴槽は、この流れ以外にも、奥の壁際に泡風呂になった健康薬用風呂と水風呂が並んであります。水風呂の所だけ、壁に緑の竹の形をしたタイルが使われ、水吐きも竹の切り口から水が出るような形になっていました。サウナは脱衣場側にせり出すような形であり、ちょうど洗面所の鏡の裏のスペースには、ビューティフルシャワーと書かれた、シャワービックスのスペースもあります。壁はほとんど白いレンガ調のタイルで、改装されているのですが、男女壁だけは押し花風の葉っぱなどがプリントされたタイルが所々に使われていました。客層は、お年寄りから子供までバラエティーにとんだ構成でした。
 風呂上がりは、入口側のベンチでスポーツ紙を読みながら、ローヤルサニーを飲み、遊び心溢れる相生湯の余韻を楽しんで来た次第です。

 相生湯を北に行くと中立売通りの手前に正親小学校があり、この小学校の東北角には「聚楽第址」の石碑が建っています。聚楽第は、豊臣秀吉が暮らした絢爛豪華な邸宅ですが、この辺りはあるものの産地なのです。何かといいますと、塗り壁に使われる聚楽土という土です。今では、住宅が広がって土を採るような所はないので超貴重な土なんですが、雨に強く、きめが細かく粘りもあり、また時間が経てば風合いが出てくるという優れものなんです。元々はこの辺りで採れる物だけを聚楽土と呼んでいたそうですが、現在では他の産地でも聚楽土と呼ばれているそうで、この辺りの物は本聚楽として区別されているようです。地表から2〜3mぐらい下に層になっているそうですが、大きな工事があるときなどを狙って土屋さんが確保されているそうです。有名な茶室なんかに行かれたとき、壁を見てもらったら多分それが聚楽壁です。話はちょっと脱線しますが、京都にはもう一つ有名な塗り壁の土の産地があって、伏見の稲荷山もそうです。稲荷山では、黄土(きいつち)という黄みがかった土が採れるのですが、この土も今では貴重品です。
 土の話だけで終わってはなんなんで、食べもんの話をひとつ。相生湯からは少し離れますが、今出川の一本北、五辻通りの智恵光院と浄福寺の間に鳥岩楼という料理屋があります。地鶏の料理屋さんで水炊きが有名なところですが、昼だけ親子どんぶりをやっておられます。立派な玄関を入ると、仲居さんが中庭の横を通って2階の座敷に案内してくださり、静かな庭の見えるお座敷で半熟加減が最高の親子どんぶりが味わえます。親子どんぶりには、水炊きで使われる鳥のスープも付いてきてこれもなかなかの一品です。これで値段は800円。もう10年以上変わっていません。夜は一回だけ連れて行って貰ったことがあるのですが、鳥のお刺身などもあり、最後の雑炊まで鳥づくしのコースが味わえます。昼はほとんどの方が、どんぶりでメニューも置いてないのですが、裏メニューとして肝の炊いたものなんかもありますので、ビールでも飲んでどんぶりが来るのを待とかというような方には、おすすめです。

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長者湯

上京区上長者町通松屋町西入須浜東町450 営業時間:15:30〜23:30 定休日:火曜日
市バス「智恵光院中立売」下車 徒歩4分

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入湯日:2002/11/02 22:00
    2002/12/31

 いやいや、またいいお風呂屋さんに巡り会ったなって感じです。今回は西陣にある長者湯の紹介です。
 外観は立派な唐破風がありその下に「放翁機能ラジウム温泉」の古びた木製看板、唐破風の上には「長者湯」の銘が入った瓦が乗っていて、塀の上にはいい枝振りの松が青々としています。看板には「白山湯の花温泉」とも書かれています。
 暖簾の先の引き戸を開けると下駄箱スペースですが、タイル貼りの床が多い中、長者湯は木の床です。さらに引き戸を開けると、番台ともフロントとも表現しにくい番台があります。昔ながらの番台は取り除かれ、外を向く形でカウンターが作られています。テレビが元々の番台の位置にあるので、特等席でテレビを見ているような形です。
 脱衣場がまたステキです。まず目にはいるのが、浴室入り口の上部にあるタイル絵。男湯は薄雪をかぶった金閣寺です。隅に「平安建都1200年」と書かれています。女湯側は春の清水寺が描かれています。京都にタイル絵は数あれど、平成のタイル絵は初めて見ました。それに、女湯との壁の上部には、見事な透かし彫りの欄間があります。モチーフは中国のようですがこれまた見応え十分。銘が入っていたのですが「久○作」とあり、○の所が恥ずかしながら読めませんでした。まだまだありますよ〜。天井が格天井で、真ん中に三枚羽の吊り下げ型扇風機があります。さらに、道路側はカーペットの敷かれた休憩スペースで、ソファーとテーブルが置かれているのですが、小さいながらも立派な灯籠と池のある庭を眺めながら休憩できる様になっています。庭にはもみじがあり紅葉の時期には絶好の休憩スペースです。ロッカーはガラス窓付きの木製ロッカーで、籠は籐籠。ロッカーの番号は右から左にふられています。こう書いていると古い銭湯かと思われるかも知れませんが、よく手入れされているのときれいに改装されているのですこぶる快適です。
 浴室内は、女湯との壁側に複合型の主浴槽があり、手前から浅風呂、ジェット(止まっていた)、腰掛け型のジェット、深風呂になっています。深風呂の壁に「うたせ湯」の表示があるのですが、湯口が水面から15センチぐらいの所にあるので、打たせ湯といえば打たせ湯かなあという感じです。少しカランを挟んで奥には泡風呂になった薬湯があります。「香華湯」という入浴剤入りなのですが、白濁していてなかなかいい感じです。薬湯は深風呂ですが半身浴が出来るよう浴槽全体に段が付けてあります。湯温は主浴槽は高めで、薬湯は低めになっています。あと脱衣場側に水風呂があります。サウナや電気風呂はありませんが、私としては十分満足な構成です。
 結構、大通りからは入った場所ですが若いお客さんも多く活気のあるお風呂屋さんでした。いやいや西陣の懐の深さを感じる一軒でした。
 車で行く場合、長者湯の前の道には駐車不可能です。智恵光院中立売下るに100円パーキングがあり、夜8時以降なら100円で一時間半停められます。100円パーキングが2カ所あるので注意!中立売に近い方が安いです。


(左:女湯の脱衣場から庭を見たところ、中:近江八景の透かし彫り欄間、右:男湯側のタイル絵)
 長者湯さんも2003年7月に再訪し写真を撮らせて頂きました。対応して下さった跡継ぎの息子さんにいろいろとお話を伺うことも出来、楽しい時間でした。私の中でBest of Sento in Kyotoと思っていると言ったところ握手を求められ、固く握手を交わしました(笑)。
 私が気になっていたタイル絵について伺うと前回の改装がちょうど平安建都1200年のと重なっていたことから左官屋さんと相談し、記念になるものをと制作、設置されたそうです。改装前にタイル絵はなかったそうで、改装して風呂屋の雰囲気が濃くなるというのも珍しいですが、次世代に古き良き銭湯を伝えて行こうとされる姿勢は共感できます。写真の近江八景を彫った欄間もその改装時に付けられたそうです。改装に当たっては、ご主人と息子さんの間でサウナを作るか作らないかで意見が分かれたそうですが、結局スペースの問題もあり作らないことに。でもサウナがなくても賑わっているお風呂屋さんであることが、それが間違いでなかったことを証明していると思います。
 写真にはありませんが、男湯側の庭にある雪見灯籠は昭和2年この地で開業された際に、嵐山の亀山公園から牛車で引っ張ってこられたそうです。また庭にある鳥除けネットは以前池の魚を狙ってサギが脱衣場まで迷い込み、警察まで動員したことがあったため掛けられたそうです。そのサギ、一時保護で動物園に行ったようですが、後に「自然に帰しました」とご丁寧に連絡まであったとのこと。息子さんは「そんなんしたら、また来るちゅうね」と笑っておられました(笑)。
 外にある看板に「白山湯ノ花温泉」の文字があったのでそのことについても聞くと、以前は白山から湯ノ花を取り寄せ薬湯に使われていたそうです。今は違う入浴剤ですが白濁していて気持ちいいのは前述した通りです。
 建物は平成14年1月に京都市の歴史的意匠建築物に指定されました。跡取りの息子さんもしっかりと古い物を守りつつ、快適さも追求する姿勢が窺え、心強く思いました。(2003.9.6追記&写真3枚アップ)

 
 長者湯もひっそりとした西陣の裏通りにありますが、この「西陣」の呼び方はかなりあいまいな地域を指しています。というのも住所表記的には、西陣の地名は存在していないからです。もともと室町時代の応仁の乱で山名宗全率いる軍勢が陣地を置き、東に陣を取った細川勝元の東陣に対して、西陣と呼んだのが地名の由来とされています。しかしながら現在では、西陣織に関する業者が集まっている一帯にその呼称が拡大されているようです。私の感覚としては、東は堀川通り、南は丸太町通り、西は御前通り、北は鞍馬口通りに囲まれた辺りをイメージします。公共施設を見ましても、西陣警察署は御前今出川、西陣郵便局は千本今出川、西陣中央小学校は今出川大宮、NTT西陣はちょっと東に行き堀川中立売東入と結構広範囲に散らばっています。西陣織の産業の特徴として、糸屋、染屋、織屋などの分業がありますが昔ながらの格子戸の奥からバッタン、バッタンと機織りの音が聞こえてくる「織り屋はん」は今出川より北に上がっていった辺りに多いような気がします。機織りの音も西陣なら、千本中立売辺りの雑多な感じも西陣、寺の土塀が続く細い通りも西陣。いろいろな顔を持ったに西陣ですが、どれも本物の西陣です。ゆっくり歩くか、せめて自転車で路地に迷うのが西陣の正しい感じ方だと思いますので、どうぞゆっくり味わってください。

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最上湯
2012.2.20廃業

上京区出水通裏門角西田村備前町225 営業時間:16:00〜24:00 定休日:火+日曜日
市バス「千本出水」下車 徒歩4分

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入湯日:2002/12/06 22:00

 先日11月27日に改装オープンした西陣の最上湯さんの紹介です。ここの入口は男女左右に大きく分かれている造りなのですが、平安神宮近くの常盤湯同様、中でまた一緒になりますので、勇気があれば男性は女湯の暖簾を、女性は男湯の暖簾をくぐってもまったく問題ありません。外観は改装後も変わっていませんが、中はぴかぴかです。下駄箱スペースも壁は新しい木が貼られていますし、下駄箱もまっさらです。引き戸を開けて脱衣場に入っても、籐筵もまっさらですし、ロッカーもまっさら、天井や壁もきれいになっていて気持ちいい空間です。道路側の上部に洋風の窓が並んでいるのですが、その高さの部分だけ壁が小豆色に塗られているのが印象的です。籠は昔ながらの竹で枠を作った柳行李を使っておられました。多分前のままだろうと思われる装飾品は、女湯との壁の上に鎮座する金の招き猫と振り子の時計、道路側の木のベンチとマッサージイスぐらいです。テレビも以前はなかったようですが、新しいものが置かれていました。普通置かれている冷蔵庫はなく、飲み物の販売はどうされているのか不明です。休憩スペースには、スポーツ新聞、週刊誌が置かれ風呂上がりにゆっくり出来るようになっています。
 このお風呂屋さん、所々に洋風のテイストがあります。浴室入口の上部にはBATH MOGAMIとアーチ状に書かれステンドグラスがはめ込まれています。脱衣場の上の方にも、ステンドグラス風の装飾が数カ所施されていました。浴室内も女湯との壁の上に、洋風の瓦が使用されていてほんのちょっと洋風テイストを感じさせます。しかし浴室内はその瓦以外は、シンプルかつ機能的な改装です。
 ほとんどは、白を基調にしたタイルで貼られ、天井も白く塗装されています。浴槽は、女湯側の壁に沿って奥から深風呂、ジェット2カ所と泡風呂付きの浅風呂、入浴剤入りの泡風呂と続いていて、脱衣場側にせり出す形で大きめの水風呂がある構成です。最上湯さんのお湯は麦飯石温泉だそうで、お湯の温度は、泡風呂から深風呂にだんだん熱くなっていってました。お風呂巡りの先人の方のホームページを読むと浴槽の数は改装前と変わっていないようです。このお風呂屋さん、以前は奥の壁にお城のタイル絵があったそうですが、残念ながら白色系のタイルに取って代わられていました。また改装で取り替えられたのでしょうか、湯口や水風呂の水吐きはステンレス製の物になっていました。
 以下お風呂上がりに脱衣場で着替えているとき、ご主人が常連さんとお話しされていた一部です。ご主人曰く「シンプルでええやろ。明るなったし。前は奥に絵があったけどヒビも入っとったし、いつまでも置いといてもなあ」それに対して常連さん「富士山の絵やったっけ」云々云々と続くのですが、タイル絵は実はお城で、常連さんの記憶にはあまりはっきり残っていなかったようです。お話によると以前あったお城のタイル絵は23年前に取り付けられた物だったそうです。タイル絵は無くなってしまいましたが、明るく機能的に改装された最上湯さん。洋風テイストに遊び心を感じるお風呂屋さんでした。

 最上湯さんがあるのが出水通りで、そこから二筋下がると下立売通りです。この下立売通りの智恵光院通りを西に行ったところに苔むした水車が回る立派な木造建築のお店があります。食用油と書かれた立派な看板のある油専門店「
山中油店」です。創業は文政年間(1820年頃)で代々食用油を扱っておられるそうです。店先にあったパンフレットを見ていると、囲炉裏にあかあかと火が灯る店内の方へ案内して下さりました。江戸の雰囲気を漂わせる店構えですが、扱っておられる油は、世の東西問わずイタリア産のオリーブオイルにも力を入れておられます。商品は試食可能で、オリーブオイルは、パンに染みこませて試食させてくださいます。私は、ごま油も試食させて頂いたのですが、ごま油の場合、スプーンにちょっと乗せて頂きそれを戴く形です。最初は油を直接舐めることに抵抗を感じたのですが、口に含んだ瞬間のごまの風味は言葉では説明できないほど芳醇で癖になりそうでした。これ以外でも食用では、サラダ油、コーン油、菜種油はじめ頭髪用の椿油、建築用や灯明用油、機械油なども扱っておられまた量り売りもされています。また、お店の向かい側のある町家を2001年に改装され、各種講演会や落語会などのイベントも催されています。ホームページをお持ちですので、お店や商品の詳しい情報はそちらで御覧頂けます。営業時間は8:30〜17:00 日祝と第2・4土曜日がお休みです。
 余談ですが、写真で見て分かるように山中油店さんの瓦屋根は煙出しのついた大きな屋根ですが、緩やかに軒先に行くほど勾配がついています。これは京都の町家建築の特徴で「むくり屋根」と呼ばれるものです。雨を優しく受けてそっと流す先人達の知恵ですが、見ても優しい曲線です。京都の町歩きをされるときは、ちょっと屋根も見てみて下さい。ちなみにこの「むくり」という言葉ですが、寺院建築の天井の中央が少し上にふくらませて造られていることを、むくり構造と言ったりもします。また、逆に寺院の屋根のように反った構造は「そり」や「てり」などと呼ぶようです。

 

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亀の湯

上京区千本通出水上ル福島町386 営業時間:15:00〜22:30 定休日:月曜日
市バス「千本出水」下車 すぐ

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入湯日:2002/09/19 22:30

 夜、千本出水を少し北に行くと温泉マークにサウナと書いたネオンが赤々と灯っているのが見えてきます。どこにも屋号が書かれていませんが、これが亀の湯です。
 男女の入り口は大きく左右に分かれており下駄箱スペースも別々になっています。下駄箱の横手の引き戸を開けると番台です。脱衣場はまあ広くもなく狭くもなくといった感じです。籠は多くのお風呂屋さんで、籐かごかもしくは黄色のプラスチック製のものが多いですが、ここはグリーンとブルーのプラスチックのものが半々ぐらいでした。かなり使い込まれています。床は板の間に籐筵。ロッカーは比較的新しいものです。浴室前の洗面所のあるタイルスペースが広く取ってあり、そのタイルは昔よくあった不揃いの玉石を敷き詰めた様なデザインのものです。
 浴室内はシンプルな造りで、左側に少し脱衣場にせり出す形でサウナがあり、右側の女湯との壁に沿って手前から、水風呂、深風呂、浅風呂(ジェット付き)、電気風呂の構成です。サウナは有線で演歌が流れています。水風呂の浴槽だけ入り口の洗面所と同じ様式のタイル張りで、浴槽の縁は細かいタイルで作られています。水はおなじみの黄土色のライオンの口から出ています。電気風呂の角にリスが木の実をもった陶器製の湯口がありましたが、残念ながら現在は使われていませんでした。
 お客さんは常に3〜4人といった感じで年齢層はまちまちでした。湯上がりには常連さん二人が、番台のおばちゃんと北朝鮮の拉致問題のニュースを見ながら「韓国は500人近く拉致されとんにゃてなあ」と今はどこに行ってもこの話題です。この番台のおばちゃんの見ていたテレビ。なんと番台から2メートルぐらいの位置に置いてあるので、悲しいことに脱衣場のほとんどの位置からは見られません。飲み物の冷ケースは宝飲料の2枚戸のものが置いてありました。森永のコーヒー牛乳(100円)を飲みながら千本側を見ると窓越しに温泉マークの赤いネオンが赤々と光っているのが見えました。う〜ん、センチメンタル。

 亀の湯を出て、北に50メートルほど行くと「蛸宴」というたこ焼き屋があります。ついふらふらと立ち寄り一皿買って帰ったのですが、外はカリッと中はふんわりで大きな蛸も入っていてなかなかのお味でした。私が一番おいしいと思うのは「蛸虎」という店ですが、京都のおいしいたこ焼き屋には共通点があるように思います。ここで、おいしいたこ焼き屋の共通点を3つ。
その1:ちゃんと店を構えている。
その2:たこ珍味などたこ焼き以外のメニューがある。
その3:夜しかやっていない。
蛸宴には、初めて行きましたがこの三箇条に当てはまってます。東京にたくさんある「京たこ」京都では見たことありません。京都でこの三箇条に当てはまってるたこ焼き屋に出会ったら入ってまず間違いないと思います。
 
 この案内を書いてまだ一ヶ月ちょっとしか経ってないのに「蛸宴」の名前が「蛸匠」になっていました。もともとこの店は「蛸安」という北白川に本店がある京都では有名な店の千本中立売店だったのですが、蛸安の安の字の真ん中に「日」を入れ蛸宴で営業していたのでした。それが店舗はそのままでまたしても名前変更です。ということで経営者が変わっていた場合の味の保証はしかねますのであしからずご了承ください。(2002/10/29加筆)
→その後サイトを御覧頂いてる方から経営者は変わっていないという情報をメールでもらいました。私も食べましたが以前と変わらないおいしいたこ焼きでした。情報によれば蛸珍味が絶品だそうです。

 

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松葉湯

上京区下立売通御前通東入西東町356 営業時間:15:00〜24:00
定休日:日曜日 市バス「丸太町御前通」下車 徒歩2分

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入湯日:2002/11/04 10:30

 今回は松葉湯の朝風呂に行って来ました。松葉湯の朝風呂は祝日のみなので、祝日を待って行って来ました。
 松葉湯はまずその外観から楽しませてくれます。屋根の上には、少し幼稚園を連想させるような時計台が付いていて「まつば・遊・湯」のコピーが書いてあります。またロビーは大きなガラス窓で明るい感じが入る前から伝わってきます。暖簾をくぐって中に入いるとまず大きなフロントがあります。私は行ったときはなかなか賑わっていて女将さんも大忙しといった感じでした。
 フロント奥のロビーはソファーとテーブルがゆったりと置かれていて、ワイドテレビもあります。フロントから脱衣場へ行く通路はうまく目隠し出来るように設計されています。脱衣場のロッカーは一つひとつがラベンダー色と薄紫色に塗り分けられ市松模様になっていて見た目にも楽しい感じです。天井では、洋風の4枚羽の天井扇がゆっくり回っており、浴室側の男女壁の上には、7人のこびとの人形やミッキーマウスの時計、また季節感を出す柿や栗の木のオブジェが飾られており目を楽しませてくれます。
 浴室も楽しませてくれる仕掛けがいっぱいです。まず目にはいるのが浴室奥に貼られたタイル絵。男女浴室にまたがる大きさで端の方は90度曲がって横の壁の面にまで繋がっています。ちょうど女湯との壁の上にマッターホルンがありアルプスの山々と手前には湖が描かれている構図です。脱衣場側の壁にもほぼ正方形のアルプスをバックにした高原のホテルが描かれたタイル絵があります。浴槽は、入って左手に泡風呂のアロマバス(この日はブルーベリー)、左手奥に冷水管枕が気持ちいい腰掛けタイプのジェット湯が三カ所、泡風呂になっている寝湯が1カ所、電気風呂が並んでいます。その向かいには、トルネードバス(強力ジェット)が付いている深風呂、半面が泡風呂の浅風呂があります。さらに奥の扉の先に遠赤サウナ、もう一枚扉を開けると広々とした露天風呂と地下105メートルからくみ上げている水風呂が並んであります。この露天風呂は、テレビ付きで広々としていて快適です。ガス灯風の照明なども工夫されています。
 さて、ここからが本題なのかも知れません。浴室から露天風呂に出る通路の横にインコの部屋があります。男湯側には2畳ほどの空間があり、7階建てになった巣箱や木の枝があり、ざっと見ただけでも50羽はいます。女湯側にいると想像される数と合わせると100羽ぐらいにはなると思われます。しかも、インコの部屋の床には甲羅の直径が5,60センチはあろうかという亀が悠然と歩いています。インコの同居人として仲良く暮らしているようです。このインコと亀は、常に浴室内を見てるわけですから人間は裸で生活していると思ってるかも知れませんねえ。「人間は服を着ているんだよ」と心の中で思いつつ、楽しませてもらいました。

 松葉湯の近くには私もたまに利用する市立中央図書館があります。ということで市内公共図書館事情を書かせて頂きます。市内の主な図書館としては、松葉湯のすぐ近くの丸太町七本松西にある「
京都市中央図書館」、岡崎にある「京都府立図書館」、北山の「府立総合資料館」の三館があります。それぞれの特徴をいいますと中央図書館は、京都アスニーという生涯学習センターの建物の一部が図書館になっていて施設利用者は一時間100円で裏の駐車場が利用できます。図書館自体はやや手狭な感がありますが、京都市は中央図書館以外にも18館の町の図書館がありますので、近いところで利用してくださいといった感じでしょうか。現在烏丸御池上るの元龍池小学校跡に新中央図書館建設の計画が進んでいます。岡崎の府立図書館は、その前身が「集書院」として一般に開放された日本で2番目に古い施設で現在の岡崎の地には1909(M42)に移ってきました。現在の建物は明治42年に建てられた建物を外壁を残し改築し平成13年にオープンしました。新しいだけあってゆったりしていますし、VTRやCDの視聴もできます。北山の総合資料館は、何といっても一階の自習室が特徴でしょう。自習室があるのはここだけです。予備校生のたまり場との話もありますが、北山も開け周りに誘惑が増えたのでその辺はどうなんでしょう?こちらの駐車場は無料です。京都市民や府民、また京都にお勤め以外の方にはあまり関係ありませんが、図書館資料はインターネットでも検索できるようになっていますので興味のある方はどうぞ。

 

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笠の湯

上京区下立売通千本東入田中町436 営業時間:15:00〜24:00 定休日:水曜日
市バス「千本丸太町」下車 徒歩3分

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入湯日:2002/09/22 15:00

 千本下立売を少し東に入ったところにあります。前は車が2台ほど止められるスペースがありその奥に暖簾が掛かっています。入ると、下駄箱に続きお風呂屋さんらしからぬカーペット敷きのロビーがあり、大きめのフロントから、元気な「いらっしゃいませ」の声。入浴料の券売機もあるのですが、目に付きにくい場所にあるためフロントで払う人が多いようです。
 このお風呂屋さんの印象は、広くないけど良くできているそのひとこと。浴室内の壁は白を基調にしたタイル張りで、天井まできれいにペンキで塗られています。さらに湯気抜きの上の屋根が半透明のプラスチック製トタン屋根なので光が差し込み浴室はかなりの明るさです。私が入浴したのは、日曜日の午後3時頃だったのですが、照明はついていませんでしたが十分に明るく開放感がありました。
 浴槽は、入って左手に泡風呂の薬用健康風呂(この日は生薬)、右手に腰掛けが型のジェットが2カ所(足の裏への刺激がたまらない)、洗い場に続いて電気風呂、トルネード(強力ジェット・深風呂)、泡風呂(浅風呂)が合わさった浴槽、その向かいに水風呂(ここのライオンの口は京都で1,2を争う凛々しい顔立ち)で奥に遠赤サウナ、シャワーコーナー、さらに岩風呂風の露天風呂があります。なんどもいいますが、そんなにスペースは広くありません。しかしカランを壁側に並べず、電車のボックスシート状に仕切を作りシャワー付きで15カ所確保し、複合的な浴槽で全てを揃える辺りなんぞはお見事。全国のお風呂屋さん必見か!(ちょっと言い過ぎかも・・・)サウナはテレビがありますし、露天風呂は休憩スペースが確保されていますし、冷気が浴室内に流れ込まないよう2重扉になっていますし、いやいやほんとに良くできていると感心しつつ1時間以上も入ってしまいました。
 入浴後は、脱衣場にもテレビがありますが、ロビーのテレビで野球中継を見ながらまた一休み。新聞、マンガもあります。ジュース類は、ロビーの自動販売機での購入となります。いやー、満足、満足。

 ちょうど笠の湯の向かいにお地蔵さんが建っており、「平安宮内裏内廓回廊跡」の石碑があります。この辺り、ちょうど平安京の天皇のお住まい(内裏)だったわけです。その広さ東西173m,南北218mといいますからかなりの広さです。え〜、坪に換算しますと11,428.484848・・・坪です。よく甲子園球場なんこ分とかいいますが、甲子園の総面積が39,600平方mですので、あっ!甲子園よりは小さいですね。でも時価にするといくらぐらいなんでしょう(笑)。近くの千本丸太町付近には儀式が行われる大極殿があったわけですが、平安神宮が5/8スケールで復元されていることを考えるとやはりとてつもない大きさです。まあ、この辺りにお住まいだった天皇さんもまさか平成の世に露天風呂付きの銭湯ができることは予想していなかったでしょうな。回廊跡については笠の湯の向かいに説明板もあります。大極殿については、千本丸太町の交差点を少し北に行ったところの児童公園の中に大きな記念碑が建ってます。

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丸山湯
2007.3.31廃業

上京区椹木町通葭屋町東入ル講堂町237  営業時間:16:00〜24:00 定休日:金曜日
市バス「堀川丸太町」下車 徒歩3分

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入湯日:2003/01/30 21:30

 堀川丸太町近くの丸山湯です。堀川通りから入っていくと、温泉マークの看板が見えるのですぐ分かります。入口は男女左右に大きく分かれた造りですが、下駄箱スペースは繋がっている構造です。ただ男女の下駄箱の間に仕切があり、その仕切がこっちは女やでと主張しています(笑)。
 引き戸を開けると番台で、番台の向かいには金魚の水槽が乗ったFUJIマークの冷蔵庫が置かれています。脱衣場は、道路側と中央にベンチがあり休憩できるのですが、私の行ったときは結構な混雑ぶりで籠が地べたに広がっていました。壁には書の額が3つ、絵の額が3つ掛かっていますが絵の方はルノアールから藁葺き屋根の田舎風景まで幅広い守備範囲です。隅には按摩機と並んで初めて見る遠赤外線全身指圧器がありました。まあ言やあベット型の按摩機です。
 浴室は、天井も壁もきれいに改装されています。基本的には中央に浴槽、両側にカランの造りです。奥には6人ぐらい入れる遠赤サウナと竹のタイルを張り巡らせた打たせ水付の水風呂があります。サウナのBGMは最新のJ-POP。一青窈の「もらい泣き」が流れていました。脱衣場側にはせり出す形で、この日はユッカ濁り湯という入浴剤が入った泡風呂の健康薬用風呂と、シャワービックスがあります。私はこの入浴剤には初めて入ったんですが、白濁したお湯で、私の好きな感じでした。ユッカはユリ科の花みたいですね。(←帰って調べた(笑))中央は、電気風呂と兼用の深風呂、ジェット付の浅風呂になっています。
 風呂上がり脱衣場にいるときも、結構込んでいて入ってこられる常連さんも、今日は混んでるなあとおっしゃってました。この前日は、この冬一番の寒さだった日です。みんな昨日はお風呂屋さんを我慢してたんでしょうか?はたまた水道管が凍ってお風呂が壊れたか?どちらにしろ結構な賑わいでした。私とほぼ同時期に、幼稚園ぐらいの子供を連れたお父さんが来られていて、風呂上がりに一緒にサイダーを飲んでました。多分この子は、お風呂屋さん好きになるでしょうね。将来有望です。客層も大人から子供、お年寄りまで幅広く地元に根付いたお風呂屋さんといった感じの丸山湯でした。

 私の中の堀川丸太町のイメージといえば、駿台予備校です。京都に河合塾も代ゼミもない頃から駿台予備校は堀川丸太町にありました。18歳人口が減る一方のこのご時世、予備校業界も先行き苦しい時代です。
 丸山湯のある椹木(さわらぎ)町通りを丸山湯から一本西に行くと、角に鬼瓦や飾り瓦を建物の周りにいっぱい置いてある堤瓦店という瓦屋さんがあります。この瓦屋さんの住所は、大黒町という所なんですが、町名の由来が書かれた説明板があります。それによれば、もともとこの辺りは鍵屋町と呼ばれていたそうなんですが、明治5年に蛭子町があるのだからと縁起を担いで大黒町に改名したそうです。なんという大胆な変更なんでしょう。明治の頃ってそんな簡単に変更できたんでしょうか?蛭子町を地図で探したら、ありました、ありました。堤瓦店の2筋上が蛭子町です。
 堤瓦店からさらに2筋西を北に上がると、京都では老舗のライブハウス「拾得」があります。このライブハウス、古い蔵を改装してある建物です。京都でほかにも老舗のライブハウスはありますが、ちょっと繁華街からは離れた立地とはいえ、この佇まいは他の追随を許しません。残念ながら私は中に入ったことはありませんが、ここからメジャーになるバンドは出てくるのか?京都のインディーズシーンを見守っておきましょう。

 

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