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整形、形成の看護
疾患別に見た援助の基本


□大腿骨頚部骨折の看護

 部位:内側、外側、転子下


■入院時の看護

 高齢者に多く、突然の事故による受傷や入院による環境の変化などがある。
  ↓
 入院後、牽引(鋼線、スピトラ)とベッド上安静を強いられる。
  ↓
 高齢者に多く、不安・不眠・精神不穏を起こしやすい。
 痴呆、せん妄症状が発症し、進行しやすい。
 
 
 *家族、患者に十分な説明をして、特に日中は来てもらうなど、家族にも協力を得る。
 *日常生活にメリハリをつける。カレンダーや時計を置く、テレビ・ラジオなど。


■術前の看護

 ■牽引療法時の看護

  骨折部の安静、修復をするため、鋼線牽引、スピードトラック牽引施行によるベッド上安静。
   ↓
  牽引の目的が維持できているか牽引状況の観察


 □良肢位の保持とひ骨神経麻痺の予防

  牽引していると、外旋位になりやすい。

  *2時間おきに麻痺症状のチェック。
   砂のうや、枕を用いて、ひ骨頭の圧迫除去

 □疼痛の緩和

 痛みの種類
 *疾患による痛み。
 *治療上使用する物品や器具による局所の圧迫痛。
 *同一体位によるじょく創好発部位の圧迫痛。
 *鋼線あるいはピン刺入部の感染。
 *循環障害
  チアノーゼ、冷感、腫脹
 *神経の圧迫
  抹消部のしびれ感、灼熱感、知覚・運動の障害
 
 対応
 *鎮痛剤の使用
 *牽引状況の確認
 *肢位の確認
 *体位変換の施行(2人がかりで)、体位枕の工夫。

 □じょく創予防

 リスク
 *牽引中であり、自力で体動困難であり、同一体位となり、じょく創の発生のリスクが高い。特に仙骨部、踵部。
 *高齢であるため、骨突出が多かったり、円背の人が多い、オムツ使用による湿潤。
 
 対応
 *ベッドマットを交換する。体位保持用の枕を使用する。
 *体位変換2時間おき施行。
 *失禁がなければオムツからT字帯に移行する。


 □関節拘縮、筋力低下の予防

 牽引後手術まで約1週間くらいベッド上安静である。
 1週間で筋力は、10〜15%近くが低下する。



 ■筋力トレーニング

 例)午前午後準夜10回ずつ

 上肢: 砂のうなどを用いて、挙上運動。

 下肢: 大腿四頭筋の等尺性運動。
     足関節、つま先の底背屈運動
     ヒップアップ練習

 □肺合併症予防

 スパイロン、深呼吸練習と呼吸訓練



□全身状態の評価

 *高齢患者が多いため、さまざまな既往を合併している患者が多い。
  高血圧、貧血、低蛋白賞、心臓病、糖尿病、痴呆など
 *安静臥床により、肺炎、尿路感染、心配機能低下などの合併症を起こしやすい。


 全身状態の検査が必要であり、手術に耐えられるかどうか、評価していく。


■術後の看護

 □観血的整復内固定術
  大腿骨人工骨頭置換術(FHR)、ガンマーネイル、CHS、ハンソンピンなど

  大腿骨人工骨頭置換術のうち、セメントを使用する場合は、固定性が強くなるため、荷重が早くにできる。
  セメントレスにするかどうかは、年齢、筋力があるか、荷重が守れない痴呆がある場合かどうかなどで判断する。

  ガンマーネイルは、術後2、3日により全荷重かけて車椅子乗車

  CHSは、2〜3週間の免荷、その後荷重開始する。


 *術後の看護は、人工股関節置換術を参照してください。


 □退院指導

 家庭環境の把握が重要である。
  トイレや段差、浴室など。

 ホームオリエンテーション
  専門家とともに体験外泊し、指導や改築の相談を受ける。

 補助具を転等予防のために使って帰宅することが多い。

 施設に行くことも多い。転院し、リハビリをしてから家に帰ることも多い。

 繰り返しやすいので、退院指導が重要である。