正確にはデュワーズのホワイト・ラベル。これも説明の必要がないくらい有名はスコッチ・ウィスキーだが、なぜかアメリカで人気が高い。このスコッチを語る時に必ず出てくるのがラベルのお話。当初はホワイト・ラベルの文字が大きかったのだが、人種問題のあおりをくった形でホワイトという言葉が目立たないように小さくなっていったのだ。そうそう、このデュワーズ、戦前帝国ホテルのバー・ウィスキーとして使われていたことも忘れてはいけない。
最近のミステリでは、リンダ・フェアスタインが描く女性検事補アレックス・クーパー・シリーズに登場してくる。このシリーズは、マンハッタン地方検察庁の性犯罪訴追課長をつとめるアレックス・クーパーと彼女を助けるマイク・チャップマンとマーサー・ウォーレスの二人の刑事の活躍を描いているが、アレックスのなかなかリッチな生活ぶりも読ませどころであります。そのアレックスの好みのお酒がデュワーズなのですね。シリーズ三作目の「冷笑」でも何度が登場してくる。
バーテンのデンプシーも私が入っていったのに気づいていたので、カウンターの上には、デュワーズのオンザロックがもう出ていた。
オンザロックという飲み方の趣味もいいなぁ。この「冷笑」ではアレックスが命を狙われ、それをかばったウォーレス刑事が重傷を負うことになる。集中治療室でたくさんのチューブをつながれたウォーレスをながめてチャップマン刑事が語りかける。
「(前略)今すぐ目を開けて、一目でもクープを見られるといいんだがな。点滴のチューブを一本借りて、デュワーズを流しこんでやりたいよ。そうすれば少しは元気が出るだろう。(後略)」
本当に元気がでるかどうかはともかく、酒飲みとしてはとても判りやすい発想ですね。