青島ビール


「上海の紅い死」という、その題名から想像できるように中国の上海を舞台としたミステリがあります。主人公は上海警察の陳操警部。北京外国語大学出身で、ルース・レンデルのミステリを翻訳するかたわら、自らも詩を書く詩人でもあるという変わり種です。ところで、この本の一つの魅力は随所に出てくる食べ物が実においしそうなことなのだが、食べる方だけではなく、飲む方の話もちょっとばかり顔をだす。

「冷蔵庫にビールを入れとくのを忘れるなよ。グラスもな。それで味がぐっと違う」
「もう半ダースつっこんだよ。青島とバドをな。紹興酒はきみの顔を見てから燗をするよ」

陳操警部とその友人の会話だが、ことわるまでもなく青島(チンタオと読ませます)とは青島ビール、バドとはバドワイザーのことですね。青島ビールは中華料理店などにおいてあることが多く、結構日本にもファンがいるようだ。同地がドイツの租借地であった1903年に、ドイツビール をお手本につくられたという経緯もあって、日本人の口にもあうようだ。一般に知られる青島ビールは緑の瓶にはいったそれだが、最近ではいろいろな種類があるようで、ここらも自由経済の波が確実に押し寄せている影響でしょうね。

それにこの会話の友人がいうように、グラスを冷やしておくことはビールをおいしく飲むための鉄則ですね。少し気合いをいれて、おいしいビールを飲もうとするときにはこのぐらいの努力を惜しんではいけない。