ギブスン


マティーニと比べるとかなりマイナーなカクテルですね。はやい話が、マティーニのオリーブのかわりにパール・オニオンを入れただけのものである。テレンス・ファハティ描くところの私立探偵スコット・エリオットはこのキブスンしか飲まないという設定になっている。スコット・エリオット・シリーズの「輝ける日々へ」ではギブスンの由来についても紹介されている。

「どうして」リンダが言った。「楊枝に差すものをオリーブからオニオンに変えるだけで、ジンとベルモットを混ぜたお酒の名前がすっかり変わってしまうの?」
彼女が尋ねた相手は私だったが、ドルリーが解答者の役を引き受けた。「チャールズ・デイナ・ギブスンの名にちなんでいるのですよ。有名なイラストレーターのね。あるとき彼がニューヨークの<プレイヤーズクラブ>でマティーニを注文した。ところがオリーブをきらしていたので、バーテンダーはギブスンのグラスにオニオンを入れて出したのです。だから発案者はバーテンダーのチャーリー・コノリーって男なのだけれど、カクテルに名を残す栄誉はギブスンのものになってしまった。だからといって、どうということはないのだけれど。マティーニのファンはいまだにギブスンを格下に見ているのだから」

マティーニがあまりに有名だから、少しひねってギブスンを飲んでみせるのもいいとは思うが、マイナーなせいもあって、バーによってはオニオンをおいてない所もあって、注文しても肩すかしをくう可能性が高いので要注意だ。



ジン
5/6
ベルモット
1/6