少し旧聞に属するが、坂口厚生大臣が、BSEや鳥インフルエンザ問題について記者会見で、「牛やらニワトリやらモーケッコウ!」を口走ってしまい、それが非難を浴びたようだ。自民党の尻馬にのって、恥じることの無い公明党から出ている大臣を弁護する必要などまったくないのだが、小生この一件に関する限り坂口某の肩を持ちたい。
たしかに鳥インフルエンザは深刻な事態になっているのだが、眉間にしわを寄せて難しい顔をしていれば、問題が解決するわけではない。行政としてなすべきことに知恵を絞る必要があるのだが、それには冗談をいうぐらいの余裕があった方がいいに決まっている。深刻だ、深刻だと騒ぎながら思考停止に陥ることのほうが最悪なのです。
ほら、あのナポレオン・ソロだって、と言って分かるのは年配の人に限られるか・・・。ちょっと解説しましょう。むかし、「ナポレオン・ソロ」と言うアメリカのTVドラマのシリーズがありました。ロバート・ボーン扮するナポレオン・ソロが活躍するスパイ物です。この話しの中でソロは絶体絶命のピンチに陥ったときに、必ずといっていいほど軽口をたたくのですね。子供ごころにもアメリカ人は凄いなあと感心したものだ。そしてソロは冗談を言いながらピンチを脱するのです。今にして思えば、絵空事にすぎないが、一面の真理だと思いますよ。
坂口某のそれはつまらない駄洒落といってしまえばそれまでだが、教条的とでもいおうか、目くじらを立てて、鬼の首でもとったように言うのはどうかと思います。なんだが、「兵隊さんは戦地で苦労しているのだから」と言いながら、「欲しがりません勝つまでは」なんて標語をつくってどんどん思考の幅を狭めていった先の戦争中を思い出します(直接その時代を生きていたわけではないけれど)。
鳥インフルエンザによる日本での最初の被害者は浅田農産の会長夫妻ということになる。無論、報告の遅れという自らの判断が招いたことではあるけれど、自死にまで追い込まれるというのは、こうした社会のありようも一因に思えてならない。日本の社会全体が神経症のようだ。そして何も考えずにそのお先棒を担ぐマスコミ。ちょっとどうかしていると思いますよ。