何がきっかけだったのか判然としないが、子供が『明日のジョー』に興味を持ったので全巻を買うことになった。今回揃えたのは講談社漫画文庫の全12巻で、各巻の最後に解説が掲載されているのだが、その顔ぶれも豪華で、さすがに『明日のジョー』だと思わせる。その解説者を揚げると、安部譲二、夏目房之助、タケカワユキヒデ、玉木正之、片岡鶴太郎、浅井慎平、小池一夫、北原照久、生島ヒロシ、香山リカ、辻真先、さいとうたかお、となる。このシリーズは2000年の出版ということもあって、当時名前が売れていた人という側面もあるが、名作にしてはじめて可能な、そうそうたる顔ぶれといってよいでしょうね。
ところで、「編集会議」という月刊誌があって、この1月号の特集が「スポーツマンガベスト200」でした。ちばてつやのインタビュー記事もあって、あまりに有名な最後のシーンの逸話や原作者梶原一騎との思い出などなかなか興味深いものがありました。なかでアンケート結果によってスポーツマンガの人気ランキングが公表されているのだが、なんと全体ではあだち充の『タッチ』でした。若い世代の人気が高かったからなのだが、50代ではやはり『明日のジョー』がトップでした。やはりこの世代にとっては時代を代表する漫画ですね。
あらためて読み返しても面白いのだが、それ以上にこの時代(少年マガジンの連載は1968〜1973年)の匂いを強烈に感じます。ボクシング漫画の系譜から言えば、『明日のジョー』のあとに『がんばれ元気』や、いまも続いている『はじめの一歩』といった作品が登場し、それぞれに時代を反映しているのだが、その時代背景や主人公の生き方が濃密に描かれている点で『明日のジョー』が抜きん出ている。時代を超えた名作であるけれど、同時にあの時代だからこそ生まれた作品といってよいでしょう。
なんだが、あの時代の漫画をほかにも読んでみたくなりますね。