おじさんの在り方

(2002.07.07)


毎日の通勤電車のなかは、無論若い高校生もいるけれど、基本的にはオジサンの世界だ。そして、小生も含めてくたびれたのやら、胡散臭いのやら、むやみに脂ぎったのやら、実にさまざまなオジサンがいるわけだが、ここに日本の正しいおじさんが登場した。

内田樹さんの書いた『「おじさん」的思考』(晶文社)なる本を読む。著者は神戸女学院大学文学部の先生だが、1950年生まれというから、小生より少し年上だがほぼ同世代といって良いでしょう。受けた教育や育った時代背景の影響もあるのだろうが、逐一共感するところが多い。憲法九条の問題、学校教育や夫婦別姓、幼児虐待まで、その論ずる対象は多岐にわたるが、なるほどそうだと思いながら読み終えた。しかし、ここで書かれていることは、後書きで内田さん自身が述べているように「二昔ほど前の常識」にすぎない。それほど、世の中の価値観や情勢が変化しているとも言えるのだが、ややもすればその流れにいつのまにか押し流されて、自分の立つべき場所を見失った「おじさん」たちを目覚めさせるに充分な本だ。

とは言え、連日の満員電車の中で、日本の正しいおじさんを演じるのは結構大変ですな。