女運び屋アリスン・タナー登場。愛用のワルサーPPKを片手に愛車マスタングに乗っての運び屋稼業だ。指定された取引場所で男に一枚のディスクを渡される。しかし、直後にその男は殺され、アリスンも襲われる。かろうじて窮地を脱したアリスンはかつての運び屋仲間マークのところに身を寄せるが、彼女がちょっと留守にした間にそのマークも殺害される。一体、何者がこのディスクを欲しがってるのか、そしてディスクに隠された秘密とは何か。それを追っていくと、やがてアリスンの父親も関係したヴェトナムでのある事件が浮かび上がってきた。
こんな物語なのだが、主人公アリスン・タナー実にタフです。それもそのはず。父親も運び屋で、副業で酒場を経営しているのだが、この父親、海兵隊で、かの特殊部隊SEALSの隊員であったいう。銃の取扱もその父親の指導だから確かなものだ。
「ただ滑らかにゆっくりと引け。もし本当にこいつを使わなけりゃならなくなったら、失敗の原因は狙いじゃなく度胸なんだからな」
ただこの小説の難を言えば、読みにくい。ストーリーがスッと頭に入ってこないんですね。やたらと回想が多いせいかもしれいが、せっかくのスピード感を損なっている。それにこのデビュー作ではヴェトナムという多少手あかのついたネタと、父親に対する複雑な想いとで読ませたが、次回作でその真価が問われることとなるでしょう。
| 書名 | イージー・マネー |
| 作者 | ジェニー・サイラー |
| 翻訳 | 安藤由紀子 |
| 出版社 | 早川書房 |
| ISBNコード | 4-15-171901-6 |