実用新案制度を拡充したら?
総合目次

 これを書いているのは4月1日だが、別にエイプリルフールで書いているつもりではない。
 日本は技術立国である、というのは、確かなようである。何でも日本の特許出願数は世界一らしい。そのため特許庁の審査官の数が足りずに、日本の特許の審査期間は諸外国に比べてとても長くなっている。
 それでは、そんなに特許出願、すなわち独創的技術が多いというのに、欧米からなぜ基礎技術タダ乗り論なんてやつが出てくるのだろうか。
 それは、どうやら出願特許の質にあるらしい。日本の特許出願の多くは、汎用性のある工学的に重要な基盤技術ではなくて、特定商品を作るためだけに必要な技術でしめられているそうである。
 そもそも特許制度とは何のためにあるか?「発明者の利益を保護して発明を奨励する」というのはそもそもの主旨ではない。以前特許庁で聞いた話だが、特許制度のそもそもの目的というのは発明者の利益を、その発明技術を一定期間独占使用させることで保護することによって「発明技術を公開させ、広く技術を普及させる」、つまり「発明を秘伝にさせない」ということだそうである。
 つまり、この目的に添えば、そもそも特許制度が意図した技術は、汎用性のある基盤技術であるということである。
 もちろん汎用技術でないものが特許になっても不都合ではないのだが、最初に述べたような事情、すなわち特許出願が多すぎて審査期間が長くなってしまうという弊害が出ているわけである。
 特許法によれば特許となるのが発明であるのはもちろんだが「高度なものである」必要がある。
 この高度というのがあいまいであるが、これを単純に「難しいこと」と解釈せずに「工学的に重要な基盤技術であること」すなわち波及効果が大きいということを重要視すべきで、特定製品の製造のためだけに必要な技術は特許から除外すべきではなかろうか?
 もちろん、特定製品を作るための技術に関わる発明を保護しなくてもよい、ということではなく、これについては別の工業所有権で保護すればいいのではないかと思われる。
 たとえば日本独特の制度として実用新案という制度があるが、現在は物についてのみ認められている実用新案を方法すなわち技術についても認めるようにすれば問題は解決するであろう。
 特許については諸外国の特許制度との整合の都合上、かなり厳密に審査しなければならないが、実用新案についてはかなり簡便に運用できる(現状は審査を省略して登録だけになったから、特許に比べて権利確立がスピーディである)わけで、こちらに出願が集中しても特許に集中されるよりは特許庁の負担も小さくなって、特許も含めた工業所有権全般の審査も早くなっていいと思うのだが。


ご意見は以下に必要事項を記入の上、送信ボタンを押して下さい。
頂いたご意見はホームページに転載します。
お名前:(半角カナでの記入はできません)

E-mailアドレス:

性 別: 男性 女性

掲載の可否: 必ず 不可

ご意見:(半角カナでの記入はできません)



たわごと目次に戻る
総合目次