効率性と安定性
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臨界事故だって??

 東海村のウラン燃料処理工場での放射線漏れ事故、原因が時間とともに明らかになって来たら、あまりにも多くの問題点が浮き彫りになってきて、あきれかえっているところではある。
 今回の事故のそもそもの原因は、事故を起こした会社が、そもそも、承認を受けた製造プロセスの一部を密かに(違法に)改編したいわゆる裏マニュアルに基づいて作業を行ったことにある。
 その改編部分は、元々は、現場作業員の操作ミスの危険性を減らすための安全機構を含んでいたようであるが、それと気づかずにそこを改編してしまったわけである。 確かに、なにもミスがなければ、その改編した手順書でも、事故はおこることなく、しかも生産効率をあげることができる。つまり、生産効率を上げるという側面では、良い改編であったと言うことである。 しかし、その改編で安全機構が機能しなくなってしまったということが事実である。つまり、生産効率を上げるということばかりに注意が行っていて、安全性が下がるという部分を見落としていたということである。
 安定して確立された産業においては、作業効率を効率化すると言うことは、資源浪費を少なくするという地球環境側面から見ても結構なことである。ただし、効率を上げるということは冗長性が下がると言うことでもあり、システムのバックアップが減ると言うことにつながり、より脆弱なシステムになることは、避けられないが、十分長期の経験によって安定性が確保された産業においては、その安定性の貯金があるので、脆弱性は事実上問題にならないであろう。 しかし、原子力産業は未だ完全に安定に確率した産業とは言い難く、効率を追求するよりは、安定性を追求する段階ではないかと考えられる。
 これは、原子力という、極端に安全性を要求される分野であるから、効率性追求の弊害が表面化した例であるが、私は、もっと、別のところでも、効率化追求の弊害が出てくる危険性があるのではないかと危惧している。  
 すなわち、種々の分野で、特に金銭的効率を追求することが行われているわけであるが、これが行きすぎてシステムの安定性が問題になり始めた例も見え始めている。
 最近ニュースでよく耳にするのが、新幹線のトラブルである。しかも、これが、大阪商人のお膝元あるJR西日本管轄の山陽新幹線に頻発しているのは、偶然の一致としても象徴的である。
 最近の日本の価値基準が、どうも、金銭だけになりはてているのは気になるところである。いわゆる拝金主義というやつであるが、これは、近視眼的効率性だけに目をやらせることになって、全システムの安定性すなわち安全性を軽視することを助長しているような気がする。
 私が思うには「効率の良いシステムは脆弱である」ということである。これは「頑強なシステムは非効率である」ということにもなる。ただし「非効率なシステムが頑強である」というのは、必ずしも正しくはない。「非効率でka つ脆弱」という、話にもならないことがらは山ほど有る。
 とりあえず、効率を追求するのは結構であるが、非効率改善がシステム不安定をもたらすか、それとも、純粋に無駄であるのかの見極めが重要になっているのではなかろうか?


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