曾孫の代には餓死者が?
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 最近、大蔵省キャリアや、日銀幹部の汚職のニュースの陰に隠れてとんとニュースに登場することはなかったが、年明けころには行政改革という名の中央省庁数あわせ再編のニュースが中心になっていた。
 別にこの話が無くなってしまったわけではなくて、「中央省庁等改革基本法案」が閣議決定されて、国会に提出されて審議待ちという状況なわけである。
 ところでニュースの多くは中央省庁の数あわせにばかり目を奪われていたが、じつは、この「改革」にはとんでもないおまけが付いていたのである。それが国立研究所の独立行政法人化ってやつである。まあ、国立研究所も、ここらへんでなんぞの改革が必要になっているのは確かだけども、この独立行政法人化というのが問題なのである
 そもそも独立行政法人ってやつがいまひとつ何なのかわからない。そもそもでてきた話の実例が、たとえば陸運局の車検業務とかを政府が現在のように直接行うのでなく、その部門を分離して法人格を与えて、業務をそこに委託するっていうことだったと思う。
 話がでてきた発端が行政改革会議で外国のエージェンシーなる組織をまねしようとしたことからだったと思う。なんでもイギリスで特許業務をエージェンシーにしたら、経費がだいぶ節減されたとかいう話があって、仕事も効率化して良かったということに目をつけたらしい。
 とりあえず現在検討されている独立行政法人ってやつは、企業会計を導入し(会計法に縛られた予算の単年度主義からは解放され、予算消化のために年度末に道路工事が集中するといったばかげた事態は解消されるかも)、法人に3〜5年位の中期計画を作成してその期間毎に廃止を含めて検討するということらしい。
 このような形態に国立研究所をあてはめようってんだから無理がある。国立研究所がナニをやっているかはまあ、普通の人の目にふれることはあまりないし、やっていることが難しすぎて一般の人には理解不能という側面もあるのだろう。で、国立研究所とはなにをやっているところかというと、まあ、すぐに儲けにつながるようなこともないではないが、とりあえず儲けにはならないけど、やっておかないと将来国民が困るような研究もたくさん行っているわけである。科学技術系の研究所(通産省や科学技術庁にある)ではそれこそ、20〜30年以上先くらいに重要な基盤技術になる(かもしれない)研究が行われている。
 このような研究を3年とか5年で評価しようと言うのがどだい無理なのである。
 もしも国立研究所を独立行政法人にして3年とか5年とか言う短いサイクルで成果を出すように求めたらナニが起こるか?
 研究者もヒトの子、生活しなきゃあいけません。おそらく、研究者は保身のために3年とか5年くらいで成果の上げられる研究だけをするようになるであろう。
 このような研究は、まあ、安直なもので、将来の基盤技術になるとはとうてい思われない。というよりそのくらいで成果がでるであろうと見通しがついているということは、もうすでに、だいたい解っている話で、こんなものに大金をつぎ込んで研究する必要はないんじゃないかと思われる。
 それでどうなるかというと、まあ、しばらくの間、たぶん私たちの子供の代位までは小粒だけれどもいろんな成果が出て一時的に日本の技術も活性化するかもしれないが、孫の代ころには基盤技術を失った日本は工業製品の国際競争力を失って、輸出するものがなくなるわけである。つまり金が入ってこなくなるわけで、大部分を海外に依存している食料の輸入もままならないということになる。
 そうすればどうなるかというと、曾孫の代位には餓死者も出てくるのだろう。
 まあ、幸い、現在国立研究所に勤めている研究者たちは使命感の強いヒトが多く、制度上難しくなっても、何とか将来のための研究を行おうとするだろうが、制度が制度だから、それにも限界がある。
 本当にこんな未来がきてもいいんだろうか?


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