半兵法は怪我の元?
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 冬が終わって春がやってきた。以前は春がくるのが待ち遠しかったが、最近は春がくるのが憂鬱である。なぜかというと、つらいつらい杉花粉の季節がやってきたからである。
 私が花粉症を発症したのは、1995年の春であった。それまでは人が杉花粉症で苦しんでいるのを見てヘラヘラ笑っていたのであるが、さすがにそのバチが当たったらしい。
 私の杉花粉症はとても劇的に現れた。ちょうどそのとき、脳梗塞の麻痺が少し軽くなったので無理してスキーをやったら転けて、麻痺した左手を下敷きにしたためにあばらにヒビを入れていたのである。
 「ヘックシィ!ギャー!!」
 クシャミと続く激痛という形で、私の花粉症は顕在化した。それから2シーズンは比較的花粉の飛散量も少なく、私の花粉症も重症化せずにヘール・ボップ彗星の写真なぞ余裕で撮っていた訳である。
 そして今年1998年のシーズン。今年の花粉量は平年よりかなり多めということで、私の症状もけっこう重くなってきた。まあ、クシャミ鼻づまりは別にどうってことないが、目がかゆいのだけは耐えらんない。こすれば重くなる。
 タウンページでアレルギー科を探すと、実は近所の医院がアレルギー科をやっていることがわかって、さっそく受診して抗アレルギー剤と点眼薬をもらって使って、少しは軽くなったわけである。さらに将来対策として減感作療法を申し込んで、花粉との格闘に決着をつけてやろうと心に決めたのである。まあ、決着は必ずしも勝利とは限らず、30%くらい敗北の可能性があるわけだが、私はかならず勝利する。べつに根拠など無いが花粉アレルギーとはおさらばするつもりである。
 まあ、私の話はどうでもいいのだが、どうして近年杉花粉症が増えてきたかというと、第2時大戦後に将来の建築用材にと、せっせと杉を植林したのが育って、どんどん花粉を飛ばすということらしい。
 植林した人たちに悪気があったわけではなく、むしろ子孫の我々の役に立つであろうと思ってしたことである。ただ単に杉花粉アレルギーなるものの存在を知らなかったために、我々は苦しんでいるだけである。無知のために好意でしたことが裏目に出てしまった典型例である。
 人類は科学と技術の力によって、地球環境に大きな影響を及ぼすだけの力を手にした。しかも害はないだろうと思われていたことが、知らないうちに害を及ぼしているわけである。
 炭酸ガス量上昇による地球温暖化は、確かに少しずつ進行しているようだし、オゾン層破壊の元凶となるフロンガスは人畜無害の優れものと考えられていたものである。
 過去、地球史上、地球環境にまで大きな影響を及ぼしうる力を持った生物種は、光合成によって地球の大気に数十%もの酸素を放出したシアノバクテリア以来であろう。
 これまでのところ、人類は、科学技術の利用にあたって、往々にして「半兵法は怪我の元」になってしまったように見える。または注意深さが足りなかったともいえよう。
 よく、科学技術の「負の遺産」などと言われるが、これは、科学技術の負の遺産ではなく、使った人類の無知あるいは愚かさによる遺産である。ただ、科学技術が人類の能力を拡張したので使った人間の愚かさが拡大して投影されて、一見「科学技術の負の遺産」に見えるのである。
 まあ、花粉症くらいなら笑ってすまされる(もっとも私はつらいんです)が、もはやここまで人類の活動が巨大となってしまった現代以降はもはや半兵法は許されないのだろう。より広く深い知識で十分検討した上で行動しなければならない(あ〜あ、面倒くさい)のである。


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