クロが来た日

 

さてさて『ベルギービールパーティー』で見事Getされたクロは、電車でガタゴトとうちにやって来ました。電車の中ではタオルにくるまれて、私の胸でおとなしく寝てました。一緒にバスケットをもらったのですが、入れてしまうと不安になるらしく、「ミャーミャー!!!」とすんごい声で訴えるので周りの方々に迷惑と思い(どっちにしろ迷惑でしょうが・・。)、抱えて連れてくる事になってしまったのです。そういえば、あの時一緒に上野まで来てくれたK村さん、Y本さん、ありがとうです。あれ以来、顔を見せるのは写真でしかないのが残念です。

なんとか、無事に家まできました。猫さんを飼うのはなんと、10数年ぶり!物心がつく前から家には猫がいたのですが、家族が昼間いなくなるのを機に最後の猫がいなくなってから飼う事はありませんでした。個人的にはとっても飼いたかったのですが、なんせ子どもの分際では何事にも責任をとれなくて・・・。代わりといってはなんですが、その間うちには九官鳥(その名もキューちゃん)がおりました。しかし彼も(本当はどっちだったかわからないまま)、永い眠りにつき、ようやく義務がない暮らしが始まって2年ぐらいだったでしょうか・・。

もちろん、家族には内緒勝手に決めて連れ帰ってきました。反対されるのはわかってました。でも!一縷の望みをかけて連れてきたのです。だって、あんまりかわいいんだもん。とうの猫は、初めての場所にとまどい隅っこに逃げ込んでます。ミャーミャーとママを探しているようです。家族が帰ってくるのを待ちながら、さてどうしようと、思っていると、裏の家で飼われている(半野良の)猫の声がしていました。それを耳ざとく聞いた子猫は「ママ?ママ!?」と探しに出てきました。どうしようか迷った挙げ句、窓を開けてその猫と対面させると、一目散に飛び出していきました。

となりの猫はオスと知っていたのですが、前に家族でいたのを知っていたので(奥様と息子)、いじめはしないだろうと思いしばし静観する事にしました。やはり、見知らぬ子猫に戸惑い気味で子猫が近づくとちょっと逃げ、また近づくとちょっと逃げ・・と、距離を保っています。そのうちに子猫も気付いたのでしょう。追いかける事をしなくなりました。そして、止めてある車の下でミャーミャー鳴いてます。私は飛び出していった窓から身を乗り出して、「猫、おいで、こっちにおいで。」というと、なんとくるんですよ!!うそじゃないですよ!本当に!近くまで腕を伸ばすと乗ってきて、無事に家に戻ってきました。これはもう、「うちの子になる運命」なんだと私は確信したのです!

戻ってくると、今度は側でちょこんとしてます。さぁ、母が帰ってきました。いよいよです。

・・・まぁ、想像していた通りの反対攻撃。とりあえず、次の貰い手が見つかるまでは家に置くけど飼う事はダメダメ!!といったものでした。でも、私には一つの秘策があったのです。母も猫が嫌いではないのです。ただ、昔飼っていた時に、ノミやらいたずらやらで懲りていた経験上、反対せざるを得ないのです。(世話もほとんど母がしていたし・・。)

「とりあえず、探すよ。」と母に告げて、猫との生活が始まりました。最初は本当に探すつもりで駅前とかに『猫いりませんか?』ポスターを貼ろうかな〜、と考えていたのですが、なかなか実行につけず、3日4日と過ぎていきました。その間に、名前がないのは不便と母自ら名前を『クロ』とつけていました。ここまでくれば、こっちのもの。そうなんですよ。私の秘策は毎日一緒にいれば、自然と情が移る大作戦!!見事に母はそれにはまってくれて、無事に家の一員になる事ができたのでした。

もちろん、クロ自身による功績は大きかったです。人見知りをする猫だったら、寄ってもこないので情もなかなか沸きません。けれど、クロは今では考えられない程に家の人間に擦り寄ってきて、私をひとめぼれさせた、プリチィなお顔で「ゥミャン」と言うのです。彼も生きていく術を生まれながらに持っている動物だったのですね。

もはや、今では自分の孫の様にクロといる母なのでありました。

 

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