おくとぱしーPC列伝


WorkPad 30J

99年11月に突然購入。昼休みに秋葉原へ当時懸案のテキスト入力用Windows CE機を物色しに行ったのが始まり(要は手帳代わり,姉妹ページのノート取りに活躍させようという目論見)。
本命視していたJornada680を触ってみるうち,こんなに小さなキーボードは無理だということが分かった。いつもローマ字入力のブラインドタッチで打っているので,キー幅が違うとつらい。入力速度は早い方なのに,小型車から大型車に代わったドライバーのように(あ,逆か)ガンガンこするぶつける。なかなか快速で進めない。どうせテキストがメインだからモノクロでいいんだしと隣のモバイルギアRC330を触ってみたが,こっちはキーボードは良いものの持って歩くにはやはりちょっと大きい。取り出すときも,やおら仰々しい感じになりそうである。
どうしようかなぁと思っていたとき,隣にあったWorkPadが目に入った。当時仕事先で技術系の人が2人ほど使っていたのを会議などで見たので,多少どんなものか馴染みはあった。手に取ってみると小さくて軽い。ダメもとで使ってみようかなとフラフラ買ってしまった。

良く言われることだが電源を入れてから立ち上がりの早さは感動的。しかも全アプリケーションがいきなり常駐状態で立ち上がってくる。Windowsを使いつけていると,アプリケーションで必要な内容を入れてファイルを保存したら,アプリケーションを抜けずに(当然OSも終了せずに)即座に電源を落としてしまえるというのも実に驚異的。この辺りは持ち歩きにうってつけ。手帳感覚でサッと出してチョット打ってパッとしまうことができる。

ハードウェア

HW構成は買ったときのまんま。セット割り引きされていたので,拡張用RAMを4MB同時に購入してあるが使っていない。RAMを足すと保証の対象外になるらしいので,しばらくこのまま使って保証期間が終了する頃そろそろ入れてみる予定。ただし,今まで使ったところでは4MBでも余裕で十分,なかなか一杯にならないのである。辞書など大物データを入れたり画を入れたりするとがぜん足りなくなるだろうが,テキストベースの文書を入れている分には1MBのスペースでもなかなか埋まらないものである(例えば,このサイトも今出こそ無理だが,ほぼテキストそのものなので2002年位まではFD1枚に入っていた)。
2003年になって購入以来放って置いたRAMをようやく追加,腐ってないと良いけど。実は本体スイッチの接触が悪くなった。何か糊かシロップ状のものでも中に付着したらしく,押しても電源がなかなか入らなかったり,逆に全然切れなかったりする。仕方がないので蓋を開けて該当部分をクリーニング,そのついでに拡張用RAMをセット。8MBになった分何を入れましょうね。地図とかあると大層便利だが,モノクロの粒子が粗い画面では略図でもないと実用的でないだろうな。

開けてみて改めて思ったけれど,ガタイがゴツイ割りに中はえらくアッサリとしか部品が入っていない。かなりスカスカである。なるほどこれならSonyあたりが気合いを入れれば,ウンと薄型軽量になったり,CFだのカメラだの新たなパーツをじゃんじゃん押し込んだりすることができるはず。

Palm系統のデバイスは,外側をペイントしたりいろいろ付けたりカスタマイズするのも活用術の一環として立派に一派をなしている。が,これにはあまり興味がない。入魂のカスタマイズ例をサイトで見かけると,素直に見事だなぁと感心するだけ。いろいろやるのが面倒というモノグサも確かにあるけれど,モッサリした黒プラスチックの外観が好き(だから銀WPにしなかったというのもある)。大体昔から黒電話が好きだったりしたから(だから5色Visorに冷淡だったりもする)。

本体をいじらなくても,カバーを掛けたりする嗜みというのもある(本革だったり,名のある鞄屋さん製品だったり,これも凝るときりがないです)。でもこちらも何だか面倒というかうっとうしい。マシンはムキ身が一番格好良い気がする。と言うことで,同梱のこれまた黒プラスチックのフリップカバーだけ付けてある。あったら良かったのにと思うのはストラップくらい(なぜ横っちょに紐通し穴を開けておいてくれなかったのだろう,携帯電話みたいに)。
とは言え,実用面から見て保護シートくらいは貼った方が本当は良いと思う。実際,買ってじきに1台目をオシャカにしてしまった。時期柄,忘年飲み会の帰りに取り落としたらしい(らしいというのは,その場で認識がなく,翌々日あたりに使おうとしてカバーを開けて事実を発見したため)。アクリル板が見事なクモの巣状に割れていた。ほとんど木っ端微塵粉砕状態で結局買い直した。したがって,現在使っているのは2台目で,公称はお誕生日プレゼントというものの,実態はクリスマスプレゼントなのである。流石にその後は落としていない。

ちなみに丸ごと買い替えたため,クレードルが2つになった。自宅とオフィスに1つずつ置いてあり,ちょっとデータが欲しいとき思い立ったらHotSyncできて便利。怪我の功名(ちょっと無理)。

その後21世紀に入って2台目の状態悪化。電源周りに加えて液晶のタッチ認識があやしくなり(振ったり叩いたりすると一瞬直るような気がするところは昔のTVのようである),さらに表示そのものができなくなって,しょっちゅうリセットする羽目に。バックアップはあるからホットシンク掛ければ良いんだけれど,出先でトラブルだと取出したときに使えない。
既にIBMがディスコンしているので代替がない,今からClieもなぁ,いっそPalmOneでも買おうかと思っていたら,知り合いから1台タダで譲って貰えました。と言うわけで,当面はめでたしめでたし。ちなみにPalm純正ロゴ入り黒レザーカバーが掛けてある。上述の如くマシンそのままが好みではあるが,カバー剥がしても固定用の両面テープが残っちゃうのでそのまま使っている。長年の習性は恐ろしく,鞄を手探りしながらついプラスチックの触感を求めてしまい,実際に手に触れている柔らかな革の物体がWPであると頭の中で同定するまで時間が掛かるのが難であります。

ペン入力

スタイラスによるペン入力に多少不安を持ちながら,ソフトのキーボードや張り付けミニキーボードのThumbTypeもあるから何とかなるだろうと思って購入。使ってみると,本来の速記もどき入力のGraffitiが一番確実に早くて便利でした。英語の筆記体のつもりで書けば大体間違いなく受け付けられる。最初はときどきOとDが入れ替わったりしたが,じきに慣れた。
難しいのは記号類で,アットマークやセミコロン(これは結構難しい)など良く使うものはともかく,めったにしか使わないものはスタイラスを走らせてみるより1文字だけキーボードを呼び出す方が早い。自分はもともとPCでもローマ字入力でその方が自然だが,シェアウェアで日本語のかな漢字手入力認識ソフトもあるらしい。認識度が高ければお勧めかも。キーボードでも本当に早いのはかな入力というそうだから(ローマ字だと打刻キー数が約2倍になるからだそうな)。
入力した文字の変換も精度が良い(タコだなぁと思うような珍変換は少ない)。あまり特別な漢字はあやしいときがあるが,地名くらいなら固有名詞でもいい線に変換できる。いずれデータベースなど正確に沢山入力するものは,PC側に任せている。WP上で直接入力するのは走り書きに近いメモだから,これくらいできれば十分。

物理的なことをいうと,どこかにスタイラスだけ落っことしそうなところがどうしても不安。最初から本体と一緒に差し替え用を買って,オフィスと家の机に1本ずつ入れておいた(実際1回家の中で落としてそのまま外出してしまった)。更に使っているうちスタイラスを差すスロットが甘くなったようで,このごろ鞄から出すときに頭のクリップもどきの出っ張りが引っかかってスタイラスだけ抜けてしまうことがある。まぁ,液晶もちょっとならスタイラス以外のもので触っても動くのは動くんだけれど。
この前秋葉原近くの路上で取り出したら,やっぱりスタイラスが入っていなかった。既に2本スペアを使っていたので,この際補給を兼ねて購入。WP用のはPalm/Visor用より高い(IBMのものって概して何でも割高)。どの機種用でもタッチはできるけど,クリップ部分の形状で違う機種向けのはしっかりパチンと入らない。それっくらいまさしく全社共通化してくれれば良いのに,どういう仕掛けなんだろう。WP使って始めて感じた不条理非合理感(内容がケチすぎ)。

ソフトウェア

もともと入っているソフトも結構良いできだけれど,とにかくシェアウェア,フリーウェアの充実がPalmの強力な利点。各種ユーザウェアを利用するためのサイトも充実していて,使わせていただくだけのタコちゃんとしてはありがたい限りである(せめて一筆啓上しなくちゃ)。いずれデータくらいはと思っているのだけれど(やっぱり食べ歩きマップか?)。

とは言うものの,実は結構素のままに近い状態で使っている。hackソフトは入っていない。通信関係もほとんど入っていない。というのも,全体にどこでもネットアクセスにあまり不自由しない環境なのである。さらにiモード端末も持っているので,個人メールや簡単な掲示板ならこちらで対応できてしまう。今のところは,WPはもっぱらHotSync経由でPCと連動させての文書作成と閲覧,と比較的スタティックな使い方に特化している。

通信(あるいはスナップコネクト未購入顛末)

上ではWorkPadは通信には使わないつもりみたいに書いてあるけれど,一応抑えに持っておこうかなと思い立つ。そろそろWP30対応なんてなくなるかもしれないし。秋葉原を周ると案の定c3のはどこでもあるけれど,WP30で使える方が意外に見当たらない(IIIcと兼用なのに)。やっと見つけたら,何とドッチーモでは携帯にしてもPHSにしてもWP30用スナップコネクトが使えないと貼り紙してある。c3なら大丈夫とも書いてある。久々にやってしまった感じ。とりあえず買わずに引き上げ,本当かいなと思ってIOデータのサイトで調べたら,最新の機種はドッチーモ対応と書いてある。うーん,どっちが本当なのだろう(本体が悪い,いや携帯が悪いとタライ回しになりそうな,いやな予感がしてくる)。
ここでさっきのショップの近くにIOデータのサービスセンターがあったのを思い出した。対面で聞けば少しは答えてくれるだろうと出かけてみる。その結果,やはりN821とWP30用スナップコネクト最新型で問題が出た例があるとのこと。どうやらPHSモードで使えないらしい。よりによっての組み合わせで見事ビンゴ引いてしまった。買う前に分かったのがまだしも良かったけど(なかなか丁寧正直な対応であった)。

現状で使えないかもしれないものを購入せずに済んだけれど,WP30が通信世界への途を閉ざされてしまった事態には変化がない。今までなくても平気だったが,できないとなると俄然どうしても欲しくなる。他のPalmOS PDAでもN821での問題はあることらしく,そう思って見直すとあちこちの掲示板に結構コメントが載っている。WP30には愛着もあるし,他の周辺機器も揃えてあるし,ATコマンドあたり書き換えて片付く問題なら待って何とかなりそうと期待中。でも実は,Palmを使った4足(4車輪)ロボットの作り方紹介サイトをこの前見かけて興味津々,これを契機にIIIcあたりにリプレースならWP30はロボット化してみようかなとも妄想中だったりする(タコは8本の足ですぐ先走る)。

Sayonara WorkPad?

お知り合いから譲っていただいた3代目のWP30も,2004年中頃から急速に状態悪化。液晶タッチを認識しなくなったり,バックアップ直後にリセットを要求してきたり。年末に至り,ホットシンク後Fatal Errorを出して電源自体どうやっても入らなくなった。ホットシンク設定でWP側のデータを全てPC側に取り込んでいたので,最終版のデータが丸々残ったのが不幸中の幸い。
いよいよ買い替え必至な訳ですが,以前2代目が調子悪くなった時より更にPalm系PDAの選択肢は悩ましい。WP,Visorは絶えて久しく既に中古すら世に出まわっていない。かと言ってCLIEはどうにも食指が伸びない,WPの無骨ながらすっきりテキパキしたところから見ると独自機能やら追加機能やら多くてモチャモチャしそうだし,何だかWPにも増してあっと言う間に壊しちゃいそうだし。矢張PalmOneでTungstenに行くのかなぁ,でも日本語化が一番楽そうなT5(だっけ?)はスタイラスがなくてキーボードなんだなぁ。


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