欧州ツーリング記


<7月 9日>

ラインの滝

ヨーロッパのほとんどのホテル、宿は朝食込みなのがありがたい。オレンジジュースに始まり、数種類のパン、ハム、チーズがメイン、そして各種シリアルとミルク。果物やヨーグルトも用意されているところが多く、朝からしっかり栄養補給でき、しかも美味しいのだから言うことない。コーヒーが美味しいのも好きな理由だ。
ZR-7ライディング用に着替えて、皮パンツを履いたままチェックアウト、ホテルの前のバイク店へ向かう。店ではフィルストさんと整備万端のZR-7が待ち構えていた。簡単な手続きを終え、ツーリング用の荷物を積み込み、スーツケースを店に預けて、いざ出発。
最初に目指したのは、ラインの滝。落差のある滝を見慣れた目には新鮮で、その圧倒的水量が流れ落ちる様は圧巻である。昔から物流に寄与してきたライン川も、ここだけは避けて通らねばならない。
ラインの滝からは、今回のメインの目的地、アルプスの峠超えのために、サンモリッツを目指す。高速道路はドイツ同様快適だが、慣れないノンカウルのために、思ったほどペースが上がらず130km/h前後で、周囲の車の流れに合わせて巡航する。途中、ハイジの里として知られるマイエンフェルトのS.A.で昼食をとり、クールで高速を下りる。ここからが本番、山岳道路の様相を呈してくる。それにしても、やはり涼しく皮パンツでもまったく不快感を感じないどころか、フィット感と安全性、耐寒性からも、最も適したスタイルであることを実感する。

国道(以後は便宜上、国名で表す事にする)CH(スイス)3を南下。氷河特急の発着地としても有名な山岳リゾート地サンモリッツを目指す。この道が、なかなかどうして、本格的なワインディングで、多くのスキーリゾートの街を繋ぐ快走路が、延々70km以上続く。
当然、市街部も通れば、トラックに行く手を阻まれることもあるが、ドイツ同様にマナーが確立されており、まったくストレスを感じることはない。自分のペースで安全に走れば良いだけである。サンモリッツからCH29でさらに南下、イタリアへと国境を越える。ここでは、大陸内の国境越えで初めてパスポートと車検証の提示が求められた。問題もなく、しかもパスポートに印までもらって、少し上機嫌でイタリア入り。
しかし、イタリア入りして驚いたのは、ライダー、ドライバーのマナーが変わった事。ドイツ、スイスでは「マナーは守らなければならない」という雰囲気さえ感じられたのが、イタリアでは、二輪、四輪問わず、少々強引とも思える追い越しをする者も目に付く。それを咎めようとする雰囲気が感じられない。もちろん、多数は流れに従って走行しているが、一部には「抜かずにいられない」人々が存在するという、いかにもラテンな走りに、少々驚かされたのである。



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今日のペンション


イタリアといえばジェラート

I38を、今度は北上、有名なステルビオ峠を目指す。標高が上がるにつれ、気温が下がっていくのが肌で感じられ、タイトな区間が増えてくる。木々の間からは、氷河を湛えた岩山が見え隠れし、アルプスを実感する。道の荒れがスイスよりは若干気になりだす頃には、明らかに森林限界を超えたようで、低木が目立ち、一気に見通しが良くなる。コーナーのほとんどは180°ターンになるが、多くはガードレールも、センターラインもない。ペースを崩すことなく、集中力を維持しながら、ワインディングを楽しむ。充実感で満腹になる頃に峠に到着、地元ライダーも多数休憩していた。
やっぱりイタリアに来たのだからと峠のカフェにて、カプチーノで一休み。イタリアは特にコーヒーが美味しい。この時点で16時過ぎなので、峠を下りて宿探しを始めることにする。しかし、ここからの下りが曲者で、来たルートより、さらにタイトで道も荒れたターンが続く。いったん対向車線(もちろんセンターラインなんて無いが)に振ってからでないと曲がれないコーナーは、地元組に続いて同じラインをトレースすることを心がける。地元組の多くは、
ここをタンデムで抜けるのだから舌を巻く。こちらは、扱いやすいバイクであったことに胸を撫で下ろす、無理は禁物だ。
峠を下りI38をそのまま東へ進路を変える。周りはブドウなどの果物畑が広がり、各所で散水している。小さな村ラースで国道を離れ、村の中へ。どんな小さな村でも、大抵は宿があるもので、小さな村であればあるほど安くなる傾向がある。特に田舎の民宿では、部屋の広さと綺麗さは保障されているようなもので、しかも見つけるのも容易であるから使わない手は無い。今日の宿は、EU33のペンションに決定。バイクはシャッター付きの納屋に入れてもらえたので、盗難の心配もなし。近くのレストランで、当然のようにピザで夕食の後、近くに見つけたので、デザートはジェラートを頂いて、今日の食生活は、イタリア満喫。部屋でシャワーを浴び、ようやく暗くなった10時過ぎにベッドに入る。初日にしてツーリングを満喫の一日だった。


<本日のデータ>
  走行距離:478km(By Motorcycle)
  ホテル:EU33 ガソリン代:SF20 食費:EU9+SF17