(つるざわつがじゅ)
女流義太夫三味線

本名   立花繭子(たちばなまゆこ)
出身   東京都
8月12日生
早稲田大学第二文学部演劇専攻卒業
 

 小学生の時、親に連れられて見に行ったかぶきに興味をひかれ、高校進学時、音楽学校へ行こうか普通高校へ行こうか迷ったこともありましたが、普通高校を選んだので、大学は是非かぶきの勉強を、と、早稲田大学へ進学、憧れの、故郡司正勝先生の卒論指導で、かぶきの下座音楽をテーマに卒論を書きました。
 さて卒業後やりたいことがみつからない。両親も寛大で、就職などしなくてもかまわない、やれる時にやれることをやってみなさい、という主義だったので、それをいいことにしばらくはなんとなくすごしました。エレクトーンやジャズピアノなんかも習いました。
 かぶきの劇評を書きたいと漠然と思っていて、実際同人誌に書かせていただいたりしていたので、そのためには、日本舞踊を習おう、とか、長唄は大学時代にやっていたので、今度は縁のあった鳴物、新内、をやってみたりしました。その中で、現在私が所属している社団法人義太夫協会が主催する、義太夫教室というものがあり、かぶきの中でもことさら義太夫は嫌いだった私ですが、わからないことにはどうにもなるまい、と、義太夫教室36期生になりました。前後して、たまたま友人に誘われて国立劇場の車人形公演を見に行き、現在の師匠であります、竹本駒之助の舞台を聴きました。これが、私の運命を決めた、ということでしょうか。教室を卒業しないうちに、師匠に習いたくて、お願いしては拒否され続けて半年ほどたったでしょうか。そのうち師匠もあきらめて、うんと言ってくれました。

昭和59年(1984)1月   竹本駒之助に入門
                 
 しかし、この時はあくまで私も素人として語りを習うだけのつもりでした。どちらかというと楽器が得意だった私は、三味線もやってみたい、とお願いしました。師匠は、人手不足の折から、この世界ではまだ若手としてごまかせる年齢だった私を引き入れてしまおう、と考えたようです。

同年         8月   三味線を故四代目野澤錦糸に師事     

あれよあれよという間に、

昭和61年(1986)5月   駒之助の義母鶴澤三生の幼名津賀寿を継ぎ、本牧亭にて初舞台                                        
 演目は「釣女」。師匠をはじめ、綾一(現、四代目綾之助)さん、土佐恵さん、姉弟子らに華々しく並んでいただいた中でシンを弾かせていただきました。この破格の初舞台は師匠の愛情のあらわれです。

 師匠は太夫ですので、三味線弾きの私を初舞台の翌日、きちんとした三味線の師匠に預けるべく、一緒にお願いに行ってくれました。

同年              故鶴澤重輝の預かり弟子となる

平成 3年度(1991)    芸団協助成新人奨励賞                 

 受賞記念演奏会は、平成4年3月国立演芸場の定期公演で行いましたが、これまた破格の扱い。「壷阪霊験記」まる一段をトリで、師匠をはじめ、朝重師、越孝さんのかけあいで、そして、ここがポイント、ツレ弾きに重輝師が出て下さいました。私の一生の思い出です。師匠は、「私がいかにあんたに期待してるかよく考えてくれ。」とおっしゃいます。

 平成6年、三味線のことを日常から教えて下さった重輝師が亡くなってしまい、人手不足の折に入ったのですから当然といえば当然ですが、活躍すべき年代の方もご病気になられるなど、我々の世代の責任は急速に重くなってきました。ことに私は、晩年の重輝師匠と組むことの多くなった、我が師匠の三味線を弾くという、身分不相応の事態に追い込まれることになりました。
 そこで、少しここで基本を見直して、やり残したことを舞台で勉強しておこう、と、世代もキャリアも近い、寛也さんと駒治さんと3人で小さい勉強会をはじめました。

平成 7年(1995)     勉強会ひこばえ発足                  

 個人的には、「重輝お師匠さん聴いてて下さい。」という思いでやりました。
 この会は'00年、6月の公演をもって、勉強会としての公演を終了しました。

平成 7年より         社団法人義太夫協会理事

平成 7年度          第11回豊澤仙廣賞

 これも記念演奏会は破格でした。平成8年10月の定期公演でしたが、「関取千両幟」を一段弾いたあと、師匠のたっての希望で曲弾きをしました。そして、曲弾きになる前に師匠が大変に立派な口上を言って下さいました。これには皆びっくりして、胸を熱くしました。

 平成8年3月より、年1回ずつ「駒之助の会」が、紀尾井小ホールではじまりました。
 この会は、平成19年の第10回をもって、終了しました。

平成 8年(1996)6月より 国立劇場養成課竹本研修講師助手                

平成 8年度          第47回芸術選奨文部大臣賞新人賞(古典芸術部門)

平成 9年度(1997)    第11回清栄会奨励賞                  

平成11年春には、師匠がいわゆる人間国宝に認定されました。平成12年1月の、第5回「駒之助の会」は認定記念の会として開催、終了後赤坂プリンスホテルで、小さいながら、門弟主催のお祝いの会をしました。 

平成11年度(1999)    第4回ビクター財団賞「奨励賞」

平成21年(2009)     重要無形文化財・総合指定保持者認定(義太夫節保存会会員)
                
同年              国立劇場養成課竹本研修講師

平成21年度          CD「竹本駒之助の世界」が、第64回文化庁芸術祭賞レコード部門優秀賞

平成22年(2010)     社団法人義太夫協会常務理事
 


 
私の自慢 自分の耳で駒之助師匠を選んだこと。
三味線を持った姿が重輝師に似ているといわれること。
私の好きなもの 子どもの頃から、無類のくま好き。
私の好きなこと テーマパーク、ことに東京ディズニーリゾート(TDR)へ行くこと。年間パスポートで通って心を洗っています。
私の好きな芸能人 明石家さんま
私の好きなキャラクター バッドバツマル
最近嬉しかったこと 父の葬儀に、友人が心から協力してくれたこと。親戚に数十年ぶりに会ったこと。
最近悲しかったこと 父の死。
最近気づいたこと 俗に義太夫の嚆矢は、貞享元年1684年、とされていますが、私が師匠に入門したのが、1984年、ちょうど300年後だったのですね。これは惜しいかな、東京ディズニーランド開園の翌年ですが、義太夫教室に入ってはじめて義太夫に触れたのが開園の年。もう1つ、女義の名人、故竹本土佐廣師匠と私は60歳違いの同じ干支。あんなに嫌いだった義太夫をやることになる因縁、はあるのかな、と思ったりして.....TDRもひっくるめて??!
私の活動
女流義太夫演奏会 於:本牧亭・国立演芸場
駒之助の会 第1回〜第10回 1996~2007年 於:紀尾井ホール
国立劇場主催公演「明日をになう新進の舞踊・邦楽鑑賞会」'90,99 「江戸三味線音楽の歴史」'05 「女流のいま」'07 「国宝の至芸を聴く」'08ほか
紀尾井ホール主催公演「邦楽で聞く愛のかたち」'97.98「西洋と比ぶれば」'00.02.07.08「紀尾井人形浄瑠璃 女流義太夫の新たな世界」文楽人形との共演'08,'09,'10ほか
石川県立音楽堂主催公演「相撲であそぶ」'04「鶏の芸能」'05ほか
三越名人会「最高芸能の会」'09ほか
花組芝居「怪誕身毒丸」'91「天変斯止嵐后晴」'93 「kanadehon忠臣蔵」(録音)'07
郡司かぶき「紗羅女急々の段」'93
セゾン劇場「四谷怪談」(録音)'95
前進座「女殺油地獄」'99「お登勢」(録音)'04「新門辰五郎」(録音)'06
八王子車人形、ひがし座人形浄瑠璃、端唄花季会、俗曲柳家小菊とのユニット、都をどり'97~、名古屋をどり'02など
五世井上八千代襲名公演'01、四世井上八千代追善公演'06
「徹の笛」'01ほか
「ひろば2003ー近松の女たち」(バレエとの共演)
志の輔らくご「猫の忠信」'07
創邦「折々のうた」(今藤政太郎、杵家巳太郎作曲)'09
阿部一徳のちょっといい話してあげる「地獄変」'07
Ua 吉田勘緑 We desire keep on singing&playing '07 あしたのために Ua+とんち'09
日韓伝統音楽交流「日本と韓国 美しい未来へ」'09
指導 新派あじさい '05 テレビ朝日「菊次郎とさき」義太夫協力'01,'03,'05,'07
作曲 八王子車人形「恋紡哀愁松」'99 真壁白井座「女夫菟玖波曙」'05 厚木下中座「怪童丸物語」三部作'02.'09.'10
   義太夫版たぬき'04 
   前進座「お登勢」音楽'04 
   京都芸術センター継ぐこと・伝えること番外編「きりしとほろ上人伝」'06 
   日本舞踊協会城西ブロック60周年記念公演「やじきた抄」'09 日本舞踊協会第2回新作公演「新△道成寺」間狂言'10 
放送 NHKFM「邦楽百番」「邦楽のひととき」「邦楽ジョッキー」'07「FMシアター」赤い繰り糸'09
   NHKTV「芸能花舞台」「新春桧舞台」'05「いろはに邦楽」'05「芸術劇場」'10
   NHKラジオ「ラジオ深夜便」'07
CD
○『第4回ビクター伝統文化振興財団賞「奨励賞」鶴澤津賀寿(女流義太夫三味線)』 心中天網島 大和屋の段、名曲組曲
 JVF VZCF1014  ¥2000
光と闇の呼応 越境のリサイタル 『徹の笛』シャコンヌ 草の祈り ゆき 三重奏曲 VZCG-638 ¥3000  
○人間国宝 女流義太夫『竹本駒之助の世界』(発売 日本伝統文化振興財団、販売 ビクターエンタテインメント) 全11枚組   VZCG-8408~8418 ¥34650   (平成21年度 第64回 文化庁芸術祭賞 レコード部門優秀賞受賞)
○『lift off 福原徹の笛』(発売元財団法人日本伝統文化振興財団 販売元ビクターエンタテインメント株式会社)VZCG-8419~20    2枚組¥5000
○人間国宝 女流義太夫『竹本駒之助 近頃河原の達引 堀川猿廻しの段』(日本アコースティクレコーズ)  NARP-8004 \2940
DVD NHKエンタープライズ「いろはに邦楽」
インタビュー 音楽好奇心シリーズ「黒御簾の内から」日本音楽の舞台裏 西川浩平著 株ヤマハミュージックメディア ¥1700+税な       ど
                   「邦楽と舞踊」'06.9月号「女流義太夫三味線 師が弾く三味線鶴澤友路 師を弾く三味線鶴澤津賀寿」


文楽では、三味線弾きのランクで「澤」という字を変えて表記しますが、女流義太夫の場合、慣習的に全員「澤」の字を使います。


 
 

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