極東ディスティニーランド

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(3/8)  この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)

 最近テレビを見ないので今も放送しているのか分からないが(最近やってないな)、私は銭形金太郎(銭金)というビンボーさん紹介番組が吐き気をもよおすほど嫌いであった。端的に言えば、そんなのカジュアルにネタにすんなよ、といった反発だ。
 幸いなことに、この国では飢えて死ぬようなことは無いよう公的支援がある。それでも死ぬような事例は、対人関係難やプライドといった、そこまで行政が面倒みなきゃならねーのかよといったメンタルな原因があり、餓死するまで追い込むような社会システムは無い。

 んで、テレビですから銭金が紹介する事例は、好きでロウアーな暮らしをしている奴とかばっかで、けして山谷や釜ヶ崎、新宿のホームレス、青森の下北半島あたりの激貧困漁村とかは放映しない。絵になるビンボーさんなんだな。

 更に腹立たしいのは、若い芸人、ちょこっと成功したような奴が昔は貧乏でしたとか、R25で芸能人が学生時代は貧乏でしたとか・・・若くて金ねぇなんてのはデフォだろデフォ。そんな当たり前のことを語ることに価値を見いだすってのは、どんだけ傲慢なんだい?って俺は思うんだな。だから俺は貧乏で自分語りをする人間をあまり信用しない。

 なんで貧乏ってのが語りうる価値をもってしまうのかというと、世間にゃ、どこか清貧だ、貧しくとも心が大切だ、金で買えないものがあるだ、貧乏でも楽しくだ、貧乏語りを美徳と捉えるとこがある。俺からみれば、そんなの驕り高ぶり、高慢チキな理想としか思えないがな。マルクス読めよ、現代書館フォービギナーズのマルクスでいいからよ。貧しさってのは、けして金銭の多寡じゃねぇ、自分の存在を切り売りする、自己否定の惨めさなんだぜ。そこんとこ、キチンとわかってりゃ、俺の親のように年収200万くれぇの貧乏職人でも、カツカツ貯金して息子を名門日本大学まで行かせてくれらあな。18歳まで実家にいたとき、外食したのは4回(北千住でナポリタン、御徒町で法事帰りに中華、春日部でレストラン、栗橋でラーメン屋)しかねぇ質素な家だが、そんなの昭和ヒトケタな親にとっちゃデフォよデフォ。俺んちは世間的には貧乏な家だと思われていたが、俺はいまだかつて、一度も金のことで惨めな思いをしたこたぁねぇそういう風に育ててくれた両親に感謝している。

 ゆえに、西原理恵子著 この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)
のamazonにおける絶賛レビューの多くを読んで、ほんとこの国ってのは幸せだよなと思うのだ。この本は中学生以上向けに書かれた平易な文章の本だ。ゆえに中学生が納得するのは分かる・・・確かにお金は大切だ、稼ぐことも、そのノウハウも大切。でも、俺はソクラテスの言葉を思い出す。
「金持ちがその富を自慢しても、いかに使うかがわかるまでは褒めてはならぬ。」
 この本さぁ、いい歳こいた大人が絶賛するようなもんじゃないだろ。だって、この本のどこにお金の使い方の哲学があるというのだ?だって、お金って目的じゃなくて、単なる道具にすぎないんすよ?
 せっかく稼いだお金、5千万麻雀に費やし勉強になったと?ネタになったと・・・FXっつー外為のバクチで1千万円損した、これもネタになったと・・・これさぁ、マジでお金で苦労した人間のやることじゃないよ。

 俺の母親は(前にもどっかで書いたけど)聖教新聞読んでふむふむ納得していた小学生くっひーにむけて「正しいことなら誰でも言える」と言った。俺、西原の漫画は好きだけどもさ、この本に書かれていることって、ああ、どっかで聞いたことのある話だな程度のもんなのよね。実に常識的で健全で真っ当な良い子向けのお話、バイトで苦労もそー、人間関係もそー、うん良い話し。だから中学生には、この本お勧めする。是非読みなさい。でも大人になって読んで納得しているのは、いくらなんでもウブすぎる。俺的に読んで良かったと思えたのはバクチのとこだけだな。

 俺には銭に対して哲学のもてぬ人間が、圧倒的な貧乏話でケムにまかれ、カモにされている構図しか思い浮かばない。

 俺はイギリスの小説家、サマセット・モームの金に関する格言が好きだ。

お金は第6感のようなもの。 それがなければ、他の5感を 完全に活かすことができない。

Money is like a sixth sense without which you cannot make a complete use of the other five.

金だけが人生ではないが、
金のない人生も、また人生とは言えない。
十分な金がなければ
人生の可能性の半分は閉め出されてしまう

西原さんの本を要約すればそーいうことだ。

平成21年3月8日記 相田くひを

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