長野覺先生の今回の講座テーマ。「小杉放庵・野口雨情・吉井勇・杉田久女・高千穂峰女と英彦山」。小天狗、恥ずかしながら、野口雨情シカ知らなかった。小学生時代から、美術はチョッピリ得意だったが、音楽はサッパリ…。オンチだから、音楽にはマッタク興味がなかった。

13年を経た我が家のオンボロ・テレビも、歌謡番組が映し出されたことは、一度もない。けれど、文部省唱歌や童謡は、結構スキだけど、イカンせん・オンチゆえ、歌えねぇ―、悲劇ヒロインなのである…。で、先生、子供の頃に聴いた童謡って、心和むモンですねぇ〜☆


野口雨情の「雨降りお月さん」「十五夜お月さん」、「七つの子」など、大好きだから知っていた。だけど、英彦山に訪れて書かれた自筆サイン入りの作詞は、初めて拝すなり。まずは、さっそく先生の資料から。


石の階段櫻の馬場に 春は櫻の花ふぶき
夏の彦山氣もはればれと 山に緑の雨が降る
誰が染めたか彦山さまの 秋は紅葉の色のよさ
雨も氷て彦山様は 冬の枯木に花と咲く
九州彦山夜明の風は 六十余州の空に吹く


彦山の大自然がカモし出す、情緒と優しさに満ち溢れた、実に美しい歌詞。地元の「彦山ガラガラ節」に取り入れられたらしい。…。野口雨情なら、どんな優しい曲になってたのだろう?と思いを馳せた。


次に、吉井勇の詩歌の中から、
彦山に 来て夜がたりに 聴くときは 山岳教も おもしろきかな
ゆくりなく この山に来て 見まゐらす 役の行者の 像のこごしさ
英彦山は おもしろき山 杉の山 天狗棲む山 むささびの山


 瓜生敏一「英彦山の文学ノート詩歌扁」『増補英彦山』田川郷土研究会編
これより、岩波文庫『吉井勇歌集』の、『天彦』三首のから、マタマタ選出!
 寂しければ 酒ほがひせむ こよひかも 彦山天狗 あらはれて来よ


これが、後世、版画家で著名な棟方志功の『天狗の柵』の題材となったソナ。
そこで、ソノ原点らしき、小杉放庵の「彦山詠草」を、調べてみましょう。招かれて彦山々中の客となり、十日籠もり腰折九首を得たり、と九つある詩の中から、小天狗エリすぐりの一品です、モチロン天狗様!なり。


○ 大南の岩の上にて酒のみたる時 日暖かく酔ひたれば
此山に 棲むと云ふなる 天狗共 あらば出て舞へ われ酔ひにたり
*小杉未醒『彦山』英彦山復興会・中村武文・発行


ホラ、やっぱり天狗様は、彦山の山の神様!この山に棲むという天狗様達が、おられるならば出て舞って、我と(一緒に)酔いたいぞぉ―。ノンベイの小天狗、この気持ちメチャメチャわかるから、思わず・ニカッ!


そして、高千穂峰女も、『花散るばかり―英彦山に生きるー』の中で、
ほとゝぎす 天ぎる空に こだまして
老杉に 鬼棲み夏の 雲かげる
風倒木 くぐれば夏蝶 ひらと消ゆ
観楓や 英彦山天狗 いで舞えよ


英彦山の大自然を司る天狗舞い、山の神様天狗様との交流を心から楽しめる皆様なり。だからコソ、いでて舞ッテ!てなるんだヨなぁ〜。ただ、杉田久女の英彦山を詠んだ句には、残念ながら天狗様は登場しない。


「谺して山ほととゝぎすほしいまゝ」の句が、『日本新名所俳句』英彦山の優秀句に選出され、金牌賞を受賞。ソレを筆頭に、カズカズ名声の賞を得て、世にその名を馳せたという。そして、気性の激しい性格の持ち主だったらしく、ひと一倍の功名心が強かったらしい…。人生の内、離婚→句会の破門→そして、晩年は精神病院で世を去ったようです、と先生。


ゆえに、旦那様の名セリフで、幕引きといたしましょ!
 【何かを得たら、何か(一番大切なもの)を、失う…。】


お釈迦様の手のヒラで、暴れマクってた孫悟空みたいに、旦那様の手中の小天狗。だから、いまだに世間知らずの箱入り娘…。けれど、この名言ありてコソ、名誉・名声・功名心なんぞ、一切ガッさい、パぁ〜ス!


最愛なる家族を、決して失いたくないわょッて、焼酎のホロ酔いイイころ加減で、勝手に毎晩ホザイてる。

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