2012年

 この年の目標は先ずは中部山岳で撮り残しているサクラソウです。歌宿、鞍掛山と、ここまでは順調でした。植生が回復してきた夕張岳のシソバキスミレに期待していたのですが、シソバキスミレどころか昨年ようやく回復したユウパリコザクラも見られませんでした。
夏は八ヶ岳と南アルプスに登る予定が天候に恵まれずに断念しました。締めはアポイ岳です。天候には恵まれませんでしたが、なんとか開花したアポイミセバヤを見ることが出来ました。
アポイ岳 (2012年9月9日)

 今回は秋の花のアポイミセバヤ狙いです。この季節になっても北海道は猛暑です。新冠までの日高本線の車内では恵庭の病院まで診察に行った帰りというおばあさんとよもやま話です。今日の日高の海は穏やかです。様似に着く頃には日も暮れて涼しくなりました。

 前線が接近中で、北海道西部は激しい雷雨とのことですが、日高地方は雨雲の通過で済みそうです。夜明け前に少し降ったらしいのですが、5時半頃散歩に出た時には曇ながらもアポイ岳の山頂が視認出来ました。時々雨がパラつくのですが傘をさす必要はありません。記帳所まで行きました。昨日は20組30名が登ったようです。
 朝食の間に雨になりました。雨支度をして出発です。今日は雨ですが、ここ暫くは降らなかったのか、一合目の足洗場の川の水は涸れていて靴を洗うのにも一苦労しました。小雨で時々雨が止みます。天気が悪いのでストロボは持参していないし雨具も着ているので、リュックは軽いのですがバランスは悪いです。蒸し暑いのでペースは上がりません。五合目の小屋を過ぎると風が強くなりました。時々雲が切れて日高の海が見えます。30分前に出た四人組に馬の背で追いつきました。アポイ岳の花は殆どが終わりです。今回の目的のアポイミセバヤはなかなか見つかりません。幌満分岐を過ぎた岩場で芽を出したばかりのアポイミセバヤの株を見つけました。6年前に見かけた株と同じ株かもしれません。(帰宅後、背景の岩の模様から同一株と確認できました。)九合目付近で1房だけ開花した株を見掛け、雨の中でカメラを取り出して撮影しました。カメラを仕舞って暫くしたら、形の良いエゾマツムシソウを1株見つけましたが、雨中で面倒なので撮りませんでした。四人組と一緒に山頂に到着しました。 四人組は岩場を避ける為に幌満経由で下山するとのことです。この季節は幌満のお花畑は何も咲いていないので登りと同じルートを下りました。登りの時は時々見えた日高の海も下りでは全く見えません。風は下りの方が少し弱まりました。降ったり止んだりの天気の中を五合目小屋に到着しました。結局、今回の目的のアポイミセバヤは2株見掛けただけでした。樹林帯なら雨が多少降ってもかまわないので、ここからは合羽の上着を脱いで下ります。山自体は乾いているのか雨が降っても道は泥濘んでおらず、登山靴も殆ど汚れません。下山した時点で、今日は5組9人が登ったようでした。
 汗で登山服はびっしょりです。アポイ山荘に戻り、先ずは温泉で一風呂浴びました。生ビールを飲んでうたた寝をしていたら、3時頃には本降りの雨になりました。部屋の冷房を効かして濡れた衣類を部屋に干して乾かしました。夕方には雨は上がりました。※※※大学地球科学教室の学生の団体が宿泊していましたが、廊下の一隅の灰皿コーナーにたむろして煙草を吸っているので、廊下は濛々たる煙で灰皿は吸い殻の山です。何を勉強に来ているのか理解に苦しむ学生達です。

 翌日の明け方は霧は出ていますが雨は止んでいます。天気予報では今日の北海道地方は宗谷以外は全て天気が悪いようです。6時少し前に散歩に出かけました。ポツポツしていますが傘は不要です。昨日は最終的に6組10人が登ったようです。
 朝食前にフロントに宅配荷物を預け、タクシーを呼んでもらいます。タクシーは時間通りにやって来きました。運転手の話だと、昨日の午後の雨は様似でも1時間に60mmの豪雨で小さな川が氾濫したとのことでした。宿の中ではたいした降りではないと思っていたのですが、局地的には降ったようです。様似駅に着いたら、8:13の列車はホームに入線しているのですが、なんと運休とのことです。朝のニュースでは、JR北海道は全線平常運転と言っていたのですが、6:02の始発列車が出た後で日高本線の運休が決まったとのことです。諦めていたら、札幌方面に行く人が4人もいたので、JRが代行タクシーを用意してくれました。やってきたタクシーは先ほどアポイ山荘から乗ったタクシーです。4人のうちの一人は日本語が上手な外国人女性で昨日はアポイ岳の八合目まで登ったとのことでしたが、登山届けには記帳していなかったようです。8時半に様似を出発し、苫小牧には11時10分に着きました。 様似発8:13の列車の苫小牧着は11:17なので、ちょっとだけ早かったようです。タクシーのメーターを覗くと36,530円でした。これではJRは大赤字です。
夕張岳 (2012年6月24日)

 昨年秋の台風の影響で今年は夕張岳への林道の整備が遅れ、開通の目処が立っていません。5月2日に空知森林管理署に電話した時はナシのつぶてだったのに、6月14日にユウパリコザクラの会のホームページを見たら、本日の更新で突然16日に山開きするとのことです。次週ぐらいが適当かと判断し、夕張の宿と飛行機の予約をしました。(森林管理署も6月12日付けで林道の開放を公表していました。)

 南千歳駅前の林は新緑なのですが、寒いのでホームの待合室で待つ気にはなりません。夕張行きのキハ40は6年前とはダイヤが変わったようで、牧草地の中の駒里信号所ではなく、次の西早来信号所での待合せとなり、停車時間も短くなりました。

 タクシーは山の上側に出来た新しい国道452号線を走ります。新しい夕張シューパロダム湖を渡る林道の橋が完成していないので、仮設の砂利道を下り旧国道に出て、白銀橋を渡ります。来年には林道の橋が完成し来秋には貯水が始まるとのことなので、この橋を渡るのも今回が最後かもしれません。昨年秋の台風の影響で今年は林道の整備が遅れていると言っていたのですが、整備や補修の跡は全く見られません。いつもは新しい砂利が敷かれているのですが、今年は全く敷かれていません。これで林道整備が遅れているので林道開放の公表が出来ずに、直前の発表になったとは信じられません。タクシーの運転手も今年初めて夕張岳に行くのだそうです。駐車場は既に車で一杯で、今日は沢山の人が登るようです。
 記帳を済ませて登り始めました。昨日は曇だったのですが、山は結構降ったようで登山道はぬかるんでいます。霧もかかって、雨もポツポツ落ちて来ました。石原平のシラネアオイは見頃ですが、今年は花が少ない感じです。雪渓も結構残っています。望岳台から先のルートは、昨年ほどではありませんが雪渓が結構残っています。エゾノリュウキンカはようやく花が咲き出したところです。花暦的には昨年より一週間ほど早く進んでいる感じで、これなら期待ができそうです。ところが蛇紋岩崩壊地に着いて唖然としました。昨年は登山道脇に30株ほどあったユウパリコザクラは、全く姿を見かけません。良く見ると20〜30m程度下の方にユウパリコザクラが1株だけ咲いています。シソバキスミレも全く見かけません。蛇紋岩崩壊地の雪渓は昨年よりは少なく、花暦的には本来は見頃の筈なのですが、盗掘の被害にでもあったのでしょうか。昨年滑落した釣鐘岩付近の雪渓は今年は小さくなっていました。吹き通しに着いて更にがっかりです。吹き通しの花暦は逆に二週間程度早く進んでいるのか、ユウバリソウは下半分が枯れていました。ナンブイヌナズナも花の盛りは過ぎていました。エゾタカネスミレは咲いていますが、シソバキスミレの姿はありません。猛烈な風が吹き付け体感温度を下げます。山頂を目指しました。
 山頂も猛烈に風が強く寒いです。山頂からは周辺の風景は何も見えません。岩陰で休みました。山頂で記念写真を撮ってもらったのが今回の初写真です。帰りに激しい風の中、吹き通しで写真撮影です。エゾタカネスミレを撮っている人は、「これはシソバキスミレだ。」と言い張っていました。エゾタカネスミレを撮ろうと登山道で身を屈めていたら、ストックを2本使って下山している大馬鹿登山者が登山道脇のユウバリソウの株にストックを突き刺しながら去って行きました。蛇紋岩崩壊地でも諦め切れずに道脇を捜しました。ようやく芽吹いたばかりのユウパリコザクラを1株だけ見つけましたが、シソバキスミレは全く見かけませんでした。ひょうたん池付近ですれ違った中年女性は、なんとギョウジャニンニクを摘みながら登ってきたようで、同行の女性に沢山採れたと自慢していました。石原平でシラネアオイを撮影中に追い越していった山ガールが持っていた籠の中にもギョウジャニンニクらしき植物が入っていました。夕張岳での山菜採りは禁止されている筈なのですが。
 下山し再建中の夕張岳ヒュッテまで行きました。ユウパリコザクラの会の方々はソーメン流しと小屋再建の準備中です。今日は多数のメンバーが集まっているようです。登山客も大勢休んでいました。ヒュッテ前のベンチでひと休みです。近くの小川で登山靴の泥を落としました。14:00に駐車場に行ったらもうタクシーが来ていました。
 タクシーの運転手の話だと昔の夕張駅はもっと先の夕張神社近くにあったとのことでした。これで今の夕張駅が貧弱な理由が判りました。夕張線(今は石勝線の盲腸線扱い)の他の駅には古いながらも立派な駅舎があるのに夕張駅にだけはありません。石炭の積み出し駅だったので線路も沢山あった筈なのですがその形跡もありません。本来はもっと大きい駅だと思ってはいたのですが、どうやらスキー場横の現在位置まで路線を短縮したとのことです。帰ってから調べてみたら、現在の駅は3代目とのことでした。コンビニ横の平坦な先止まりの意味不明の道がどうやら廃軌道跡のようです。
 ユウパリコザクラの会の会員のブログには、6月22日に夕張岳に登った時の記録として、ユウパリコザクラと状態の良いユウバリソウの写真が掲載されていました。僅か2日で、ここまで変わるものでしょうか。
鞍掛山 (2012年6月3日)

 前夜は韮崎に宿泊です。明け方、窓を開けて外を見ると天気予報が外れて雨は降っていないようです。なんとか曇りでいて欲しいものです。タクシーは予約した時間にやって来ました。運転手は行き先を伝えても良く判らないようです。地図を見せると、ここは土砂崩れで通行止めだと不気味なことを言います。とりあえず行けるところまで行ってもらうことにしましたが、矢立石まで問題なく行けました。
 駐車場には既に車が1台止まっていました。当初は鞍掛山への近道である錦滝から登ろうとしたのですが、土砂崩れとかで通行止めの表示が出ていました。仕方ないので日向山経由のルートに変更しました。日向山までのハイキングルートは比較的なだらかで良く整備されています。日向山の山頂に着く頃からガスが濃くなりました。山頂は砂地です。ガスで全く眺望が利きません。先ほど止まっていた車の3人連れが休んでいました。彼等も鞍掛山まで行くつもりだったのですが、天気が悪いのでこれから戻るということです。鞍掛山まで行くと言うと、迷いやすいよと注意されました。日向山は砂地で、しかもガスで視界が利かないうえに標識が見えないので、鞍掛山に向かう方角がわかりません。あちらだと聞いて、まずは砂地の斜面を下り始めました。足跡を頼りに下り始めたのですが、迷ったようです。下の方に標識らしきものが見えました。標識の方角に向かうしっかりとした足跡があるので、ここでは結構迷う人がいるようです。標識まで下り、足跡に沿って更に下り出しました。砂地の足跡には登山靴の他にも偶蹄目らしき足跡も混じっており、獣も利用しているようです。偶蹄目以外の動物の足跡はツキノワグマかしら。少し不安になりました。暫く下り、不安になって振り返ると、「大岩山・鞍掛山」の標識がありました。あやうく行き過ぎるところでした。この分岐点は本来のルートより少し下ったところの分岐のようです。登り始めはかなりの急登で、数少ない目印のテープと踏み跡だけが頼りです。暫くすると痩せ尾根の道になりました。ここからは、道はしっかりし出しました。標識なども所々あり、急な道が続きます。 ガスが濃くなり雨粒も混じり始めましたが、直ぐに止みました。何度か小雨に遭いましたが大崩れはしなさそうです。途中は誰にも会いません。駒岩という鞍掛山と大岩山の分岐点では3人連れが下山準備中でした。彼等は昨晩はここにキャンプを張って、今朝は大岩山まで行ってきたとのことでした。鞍掛山にはまず急な下りです。15分ほど下った鞍部の大岩にクモイコザクラが咲いており丁度見頃です。30分ほど撮影しました。天気が悪いので鞍掛山には行かずに戻ることにしました。戻り始めたのですが、道がおかしいです。先ほど下ってきたときにはロープはなかった筈です。暫く登ったら、鞍掛山の山頂の標識がありました。鞍部で方向感が狂い逆進してしまったようです。鞍掛山の山頂は樹林の中で全く見通しが利きません。この先に展望台があるのですが、天気が悪いので直ちに急な道を下り、先ほどのクモイコザクラ撮影点を通過し、急坂を登り返して駒岩分岐点に戻りました。鞍掛山まで行ったのですが、あの大岩以外ではクモイコザクラは全く見かけませんでした。後は淡々と下るだけです。皮肉なもので下山を始めると天気が回復して来ました。いくら歩いても日向山に向かう分岐点が出てきません。行きにまごついた箇所は慎重にと思いつつ下ったのですが、目印のテープや踏み跡はしっかりしていました。そのうち、日向山ハイキングルートなる標識まで出て来ました。標識は無かったのですが、どうやら錦滝に下る道に出てしまったようです。日向山まで登り返すのも大変なので、この先が通行止めだと困ったなと思いつつ下りました。梯子場を下ると、もう錦滝に着いてしまいました。どこが通行止めだったのでしょうか。これから日向山に向かう人もおり、彼等は下りが通行止めだと言うし、登山情報が交錯しているようです。錦滝から矢立石までの林道は荒れていました。歩きながら携帯電話でタクシーを呼びました。  矢立石でタクシーを待ち、韮崎に戻りました。

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