2010年

 この年は、撮り残している花をなんとかしようとした1年でした。まずはヒダカソウです。この年は雪が多かったので開花が遅れ、2回もアポイ岳に行ってしまいまた。しかもようやく見られたヒダカソウは悲惨な状態でした。アポイ岳に懲りて夕張岳は登山を1週間遅らせたのですが、逆にユウパリコザクラは既に枯れ花状態でした。日本産のエーデルワイスの仲間で撮り残しているのがミヤマウスユキソウです。この花を撮るなら朝日の寒江山の大群落と思っていましたので、初めて朝日連峰の縦走に挑戦しましたが、この山旅も花期を外してしまいました。最後は5年振りに北岳に登りましたが、花の端境期のようでした。
北岳 (2010年8月15日〜8月17日)

 北岳には5年もご無沙汰してしまいました。甲府駅前から広河原行きのバスは3台出るとのことでしたが、広河原まで行く人は1台に纏めて乗せられました。広河原は曇りです。不謹慎にも広河原山荘で缶ビールを飲んでから登り始めました。白根御池小屋までは5年前と全く同じ時間配分で到着しました。新しくなった白根御池小屋に初めて泊まります。前回登った年の秋に改築オープンしているので、5年も経つのですがまだ新築のような感じです。泊まった部屋の名前が「北岳ナズナ」とは渋いです。外で昼食を作って食べました。白根御池は浚渫しているのか縮小化は収まっているようですが、以前と比べて池の形が変わっているような感じです。白根御池から見上げる草すべりはシシウドばかりが目立ち他の花は殆ど見られませんでした。白根御池周辺にはタカネナナカマドが多いのですが、この年は何故か実が付いている木は少ないです。2時半頃少し雨がパラつきましたが直ぐに止みました。雲の合間に鳳凰三山が見えましたが、北岳山頂方面は雲に隠れたままです。お盆の登山シーズンだというのに宿泊客は少ないです。夕食も宿泊客全員が食堂の半分以下のスペースで一度に済んでしまいました。蒲団の上にシュラフを敷いて寝ました。山小屋の蒲団とは思えない乾いて清潔な蒲団で、これならシュラフは不要です。暑いのでシュラフを出て蒲団の上で毛布も掛けずに横になったのですが、暑くて眠れませんでした。
 明け方になって眠りにつきました。今日は晴れで暑くなりそうです。草すべり上部の森林限界までは前回と同じペースです。携帯電話がFOMAでは無理かと思ったのですが、意外にも繋がりました。小太郎尾根に出ても高山植物の数は例年に比べて少ないです。北岳肩の小屋に着いた時には曇り出しました。 肩の小屋を出ると花が増え出しましたが、ハハコヨモギが目立つ程度でこの年は花全体が少ない感じです。北岳山頂に着いた時には完全な曇りで眺望は利きませんでした。以前のmovaでも北岳山頂では携帯電話は繋がらなかったのですが、今回は何故かFOMAでも繋がりました。近くに居合わせた報道関係と思われる人の話によれば、昨年長野県側に新しい中継局が出来たとのことでした。 北岳を下り始めましたが、ムカゴユキノシタは花が終わってムカゴだけになっていました。タカネマンテマは1株しか見掛けませんでした。その他にもシコタンハコベやシコタンソウも数株しか見掛けませんでした。東南斜面を下りましたが、再び日差しが強くなりました。ここではミネウスユキソウが目立ちましたが、この年は全体として花が少ないようです。巻き道ではタカネコウリンカ、タカネナデシコ、キタダケヨモギ、キタダケトリカブト、トヤクリンドウなどが目立つようになりました。写真を撮りながらゆっくり北岳山荘に向かいます。北岳山荘はトイレ等の改修工事中で小屋の南側に簡単に行けないので北側の広場で昼食を作りました。北岳山荘の中では携帯電話は繋がりませんが、外に出ると良く繋がります。午後は晴れましたが時々ガスが出て曇りがちです。昼食後は中白峰方面に向かいました。小屋を出た付近ではミヤマタネツケバナやアオノツガザクラが咲いていました。来年は卯年なので年賀状用にウサギギクを撮りたいのですが殆ど咲いていません。暫く歩くともう花は殆ど見られなくなりました。中白峰に向かうのは止めて稜線沿いに北岳方面に向かいました。稜線にはトウヤクリンドウが目立ちます。5年前もそうだったのですが、チシマギキョウの小さな株は咲いているのですが、写真に撮りたくなるような大株が見られません。この年は夏の花が終わって秋の花との端境期なのでしょうか。北岳山荘も宿泊客は少なく、この季節で夕食が1回で済んでしまいました。北岳山荘には素泊まり部屋があるのですが、今回は蒲団部屋に泊まりました。北岳山荘で蒲団部屋に泊まるのは初めてですが、人数が多いのか部屋は暑く、蒲団は湿っぽくなかったものの汗臭かったです。やはりシュラフを持ってきて良かった。一人置いた隣の人の鼾が煩く、しかも時々大きなおならをします。今晩もなかなか寝つかれなかったのですが、明け方になってようやく微睡みました。
 昨晩の天気予報では曇りか霧で午後は雨か雷雨とのことでしたが、朝は低い雲はあるものの晴れています。稜線の道を少し歩いて昨日撮したミネウスユキソウを再撮影してから、巻き道経由で八本歯のコルに向かいました。大樺沢に降りると風は全く無くなり、ただ暑いだけです。 この年の大樺沢の雪渓は例年より多いようで二俣の下にも小さな雪渓が残っていました。ミヤマハナシノブやタカネグンナイフウロなど、ここで見られる花は既に盛りを過ぎて僅かに見られるのみです。晴れていた天気も曇ったり晴れたりで、確実に天気は下り坂です。曇っていても風が無く暑いので水ばかり飲みました。大樺沢右岸への迂回路が長くなり、二俣から下ではほぼ半分位が迂回路となってしまいました。延長された迂回路はまだ登山道として馴らされていない悪路で歩き難く、この区間の通過に前回よりも15分も余計にかかりました。 10時に広河原山荘に到着しました。10時20分のバスには充分間に合うのですが、汗びっしょりなので先ずは生ビールを飲んでシャワーを浴びました。汗を流して山菜うどんで腹ごしらえをしてこの年の山旅を終了しました。次のバスには2時間もあるので、タクシーの相乗りを考えたのですが下山して来る人もいません。2時間後の甲府行きバスの乗客は僅か6名でした。運転手さんの話だと北岳が混んだのは海の日の連休だけで、お盆前が多少混んだ程度だったとのことでした。
 登山の話とは関係ありませんが、南アルプスの山小屋の衛星公衆電話は5年前にカード式からクレジットカード式に替わったのですが、今回は再びコイン式に替わっていました。
朝日連峰 (2010年7月22日〜7月24日)

 昨年オオヒラウスユキソウを撮影しました。日本産のエーデルワイスで撮っていないのはミヤマウスユキソウだけになってしまいました。この花は月山や飯豊など東北地方の幾つかの山に咲くのですが、東北の山は早池峰山以外はあまり興味がないので撮りそびれていました。この花を撮るなら朝日連峰の寒江山の大群落と思っていましたので、初めて朝日連峰の縦走に挑戦しました。梅雨明け直後の一番良い時期を狙ったのですが、天気は悪い上に朝日の花期には二週間位遅かったようでした。
 鶴岡で特急「いなほ1号」を下りた人の中で登山の格好をした人は私を除くと一人だけです。朝の大鳥登山口行きのバスが無くなってしまったので、この人とタクシーを相乗りしようと思ったのですが、タクシー乗場の方には来ないで別の方角に向かってしまいました。諦めて一人でタクシーに乗りました。平日とはいえ登山シーズンの最盛期にこれでは、バスが無くなるのもあたりまえです。鶴岡も猛暑です。泡滝ダム登山口までタクシーで15,070円です。70円引いてくれましたが痛い出費です。登山口も猛烈に暑く歩き始めると汗が噴き出します。列車の中でビールを飲みすぎたせいもあり、暑さとアルコールによる脱水症状で喉が渇いて仕方ありませんでした。登り始めはきつくないのですが、昭文社の地図の標準時間よりも遅いペースです。やがて吊橋を渡ると登りがきつくなって来ました。久しぶりのフル装備の登山なので登りがきつくなると休んで水ばかり飲みました。途中に水場が2箇所あり、冷たい水が美味しいかったです。急坂の方が地図の時間よりも早いペースです。急坂が終わると直ぐに大鳥池小屋(タキタロウ山荘)に着来ました。 小屋は太陽電池の取り付け工事が終わったところで、工事の人たちが下山をすると管理人さんと二人だけになりました。鶴岡で見かけた人は遅くなってもやって来なかったので、おそらく月山の方に向かったのかもしれません。広い二階の部屋に一人で泊まりました。小屋は比較的新しく、水が豊富なのか小屋の中のトイレは洋式の水洗です。天気が良いので、外で久振りにご飯を作って夕食です。今晩は貸切かと思ったら遅くなって8人のグループがやって来ました。このグループは一階に泊まったのですが、急に騒々しくなりました。久しぶりのシュラフですが、良く眠れました。
 3時40分に起床し、ヘッドライトの灯りで外で朝食の準備をしました。蚊が多いので、食事は小屋の中で摂りました。明るくなってきましたが雲行きは怪しく、山の方はガスが立ち昇っています。オツボ峰経由で以東岳を目指します。登り始めはブナ林の中のかなりきつい登りで、登山道の周囲にはオサバグサが目立つのですが葉ばかりで花は全く咲いていません。 1時間近く登るとようやくブナからダケカンバに替わり、視界が開けてきました。ガスの中に雨が混じっています。ヒメサユリを初めて見掛けました。ダケカンバの丈は徐々に低くなってゆくのですが、なかなか森林限界に到達しません。ようやく森林限界と思われる地点から大鳥池が見えましたが、周辺の山はガスで全く展望が利きません。途中でニホンザルの群れに遭遇しました。この付近からやたらと風が強くなり始めました。更に高度を上げてゆくと今回の目的のミヤマウスユキソウに出会うことが出来ました。固体数は沢山あるのですが、既に花期は終わっていて真ん中の花は枯れた状態ですが、苞葉にはまだ綿毛が残って何とかエーデルワイスらしい姿を保っています。 タカネマツムシソウも風に揺れています。オツボ峰を過ぎて以東岳を目指します。ここからはアップダウンの続く登りとなりました。しかもガスで視界が10〜20m程度しかありません。昭文社の地図だと40分とありますが、なかなか以東岳に着きません。山頂かと思うとピークを巻くだけだったりします。途中、ヒメサユリの群落を見掛けました。ヒメサユリの撮影で10分ほど道草をしたのですが、以東岳まで70分もかかりました。以東岳山頂からはガスで何も見えません。いよいよ朝日連峰の縦走路に入ります。 今までは風に向かって歩いておりピークが盾になっていたのですが、ここからはまともに横風を受けます。雨は降っていないのですがガスに含まれる水分で体の右側が濡れるので、雨具を着用します。風が強いのでザックカバーはつけません。折角の縦走路なのですが何も見えません。風はますます強くなり、時々よろめきます。幾つものピークを越えたり巻いたりするのですが、なかなか狐穴小屋に到着しません。雪渓を渡ったところで少し休んで再び歩き出したら、ガスの中に突然狐穴小屋が現れました。まずは水場で水を飲みました。パイプから新鮮な水が勢いよく噴出しています。『ビールお譲りします。800円』と書いた札が掛かっていたので、荷物を降ろして小屋の中に入りました。 小屋には2人の登山者が食事を作っている最中ですが管理人さんは不在でした。昭文社の地図には管理人さんが夏期には在駐することになっているのですが、土日にしかいないようです。この2人は以東小屋を目指すとのことでした。カロリーメイトで簡単に昼食を済ませ、寒江山を目指します。地図の標準時間よりもかかりました。寒江山を過ぎるとミヤマウスユキソウの大群落が現れましたが、予想していた通り花期は終わり真ん中の花が枯れているどころか苞葉の綿毛も無くなり、みすぼらしい姿の大群落が続きました。花の盛りならさぞ圧倒されたことでしょう。寒江山から竜門小屋には地図の時間よりもかなり早く着きました。結局本日の縦走路で出合った人は狐穴小屋の2人だけでした。同じ方向に向かった人も大鳥小屋の8名だけだったかもしれません。登山シーズンだというのに寂しい限りです。竜門小屋にも管理人さんがいませんでした。広い二階には女性2人の先客がいたので彼女達に譲り、一階に泊まることにしました。夕方になって男女5人のグループがやって来ました。この5人も一階に泊まることになったので、一階は混雑しました。このグループも2階の2人も最短コースの日暮沢から登って来て大朝日岳のみを登るとのことでした。シュラフに入って横になったのですが風の音が益々強くなり雨粒も混じっているようです。なかなか寝つかられず11時頃に外に出てみると雨が降っていました。
 4時頃起き出して食事を作りました。昨夜の雨は一時的なものだったらしく、朝には上がっていました。風は相変わらずでガスの状況も昨日と同じです。5人組の出発準備で混雑していたので、彼らの出発を待ってから30分遅れで出発しました。まずは竜門山に登ります。ミヤマウスユキソウがあちこちに咲いているのですが花期を過ぎたものばかりです。西朝日岳を過ぎて暫くした地点で初めてヒナザクラが数株咲いているのを見つけました。やがて大朝日岳への最後の登りとなりました。大朝日小屋に荷物を置いて、カメラだけを持って山頂に行きました。山頂到着直前になって件の5人組とすれ違いました。風が強くガスに包まれているので山頂に着いても何が見える訳でもありません。誰もいないので山頂の標識のみを撮影しました。朝日連峰では携帯電話が繋がる場所が何ヶ所かありましたが、大朝日岳山頂はかなり良い電波状態でした。大朝日小屋まで下りてきたところで比較的状態の良いミヤマウスユキソウを見かけました。風が強く花が揺れるので何枚も写します。小屋に戻ると5人組が出発するところでした。今度も暫く待ってから古寺鉱泉を目指して下山を始めました。下り始めると直ぐに風が弱まり、ガスも晴れだしました。最初の水場の銀玉水で5人組に追いつきました。この頃になると大朝日岳の山頂はガスに覆われているもののガス帯を抜けて穏やかな天気となってきました。暫く下るとヒメサユリの群落がある場所で5人組は花を見ています。このヒメサユリは残念ながら花期を過ぎて花は痛んでいます。写真を撮るには遅すぎたので、この機会に追い抜きました。この頃から晴れだし日差しも強くなりました。小朝日岳の手前の鞍部(熊越)に着く頃には暑くて汗びっしょりです。小朝日岳には登らず巻き道を通ります。巻き道といっても結構アップダウンがあります。古寺山に着く頃には晴れ上がり、大朝日岳の眺めが素晴らしかったです。後は暑さとの戦いとなりましたが、途中に水場が2箇所あり、水場でたっぷり給水出来ました。古寺鉱泉というからには温泉に入れると思っていたのですが、沸かし湯でまだ風呂が沸いていないとのことでしたが、シャワーだけ浴びさせてもらいました。缶ビールを売ってもらい人心地がつきました。衛星電話でタクシーを呼んでもらい左沢に出ました。
夕張岳 (2010年6月26日)

 夕張岳に行くことを決めた5月中旬の「ユウパリコザクラの会」会員のブログにこの年は6月19日に林道ゲートが開放されるという情報が掲載されていました。 例年より1週間くらい早い開放ですが、この年は夕張岳も残雪が多いとのことです。アポイ岳で懲りたので、26日に登ることにし航空券や宿の手配をしました。ところが直前になって、ユウパリコザクラの会が山開きに備えて登山道の整備の為に12日に登ったときの報告として、ユウバリソウが見頃でユウパリコザクラも登山道脇で咲いていたとの書き込みがあったので、内心しまったと思いました。
 登山前日の北海道は非常に暑い日で、南千歳駅で列車を待つ間も汗ばむほどです。この年一番の暑さとのことで、僅か1ヶ月前がウソのようです。 今回も格安航空の飛行機を使ったので、接続が悪く石勝線の特急に1駅だけ乗車します。追分から乗り継いだキハ40には、おばさんが一人乗っているだけです。新夕張までのお客は私を含めて二人だけです。新夕張からは何人か乗って来ました。財政破綻で夕張駅は駅のトイレが使えないことで有名になりましたが、現在駅舎にはレストランが入ってトイレも使えるようになりました。夕張の街は更に寂しくなってしまった感じです。
 予約したタクシーは10分ほど早く来ました。夕張シューパロダムは民主党の事業仕分けの対象にはならなかったようで、水没する国道の代替道路は完成していました。4年前は橋脚だけだった林道の代替橋も橋桁が渡され、こちらもほぼ完成していました。登山口の駐車場には既に沢山の車が停まっており、今日は多くの人が登っているようです。 石原平のシラネアオイは見頃なのですが前回よりも少ない感じです。この付近にも雪渓が残っています。望岳台を過ぎると雪渓が増え、憩沢は雪渓に埋もれており、この分ならばと期待して進んだのでしたが、蛇紋岩崩壊地に着いてがっかりです。蛇紋岩崩壊地には雪は全く無く、2週間前のブログの記事とは大違いで、眼をこらして周囲を探してもユウパリコザクラの枯れ株すら見つかりません。シソバキスミレも見かけません。せめてユウバリソウだけはと思いつつ吹き通しまで行ったのですが、期待外れで完全に花が終わった後で、枯れ花状態でした。写真を殆ど撮らなかったので、3時間半で頂上に着いてしまいました。 山頂で記念写真を撮ると直ぐに下山を始めました。吹き通しで枯れて棒状になったユウバリソウを撮影しました。蛇紋岩崩壊地まで下ると三脚付き望遠レンズで撮影している人を見かけました。20〜25m位先に確かにサクラソウらしき花が咲いており、4年前より少し近いのですが状況は同じです。今回望遠レンズは持ってきていたのですが、登山道脇に咲いているという情報を聞いていたので、宿に置いてきたのを悔やみました。しかし、三脚を使っても被写体の花の方が風で動くようで、「うまく撮れない。」と言っているのを聞いて少しほっとしました。私は気付かなかったのですが、この方に登山道脇に咲いている枯れたユウパリコザクラを教えてもらいました。 花は枯れてしまっていましたが、葉だけはしっかり残っていました。2週間前にブログに載ったのは多分この株なのかもしれません。シソバキスミレはついに見つかりませんでした。後は淡々と下るだけなのですが、日差しも強く非常に暑くなりました。登る時よりも下りの方が水を飲みました。望岳台を過ぎると暑さに疲れも出てペースが落ちましたが、13時前には登山道の入り口まで下り、そのまま夕張岳ヒュッテに向かいました。ここの水は湧き水なのでエキノコックスの心配がないのでたっぷり飲みました。ヒュッテの建物自体は変わらないのですが管理人さんは替わっていました。少し話しを伺いたいのですが、忙しそうにしていたので何も聞かずじまいでした。タクシーが来るまでヒュッテの中で休ませてもらいました。ヒュッテの中で待っていても仕方ないので2時頃にはヒュッテを出て、駐車場でタクシーを待っていると約束の15時よりも30分早くやって来ました。
アポイ岳 (2010年5月22日〜5月23日)

 再びアポイに行きました。この二週間の間に京急蒲田駅の立体化工事が一部完成し、京急の電車は新しく出来た2階のホームから羽田空港に向かいます。札幌行きの格安航空の飛行機はほぼ満席です。 今回は飛行機の時間が早く、列車の接続が悪いので中途半端な待ち時間が結構あります。苫小牧はようやく八重桜が咲き出したところです。木々は新緑に溢れ、2007年と同じような季節です。日高本線の1つ目の勇払駅を過ぎたら霧になりました。濃霧の中に馬の姿が見えました。霧のせいなのか放牧されている馬は少ない感じです。様似に着くまで霧は殆ど晴れなかったのですが、山には所々にエゾヤマザクラが咲いているのが見えました。様似が近づくにつれ山間にエゾノリュウキンカに混じって沢山のオオバナノエンレイソウが咲いているのが見えました。この年は不思議なことにミズバショウが殆ど見られませんでした。今回はアポイ山荘に連泊できないので、1日目は様似駅前のビジネスホテルに前夜泊です。
 昨晩予約したタクシーは10分ほど早く来ました。アポイ山荘に荷物を預け登り始めます。深い霧です。 今日は結構沢山の人が登っているようです。一合目のエゾオオサクラソウも今日は咲き揃っています。その割りに2007年にあれほど蔓延っていたセイヨウタンポポは殆ど見かけません。五合目の避難小屋の周辺でも見かけません。地元の方々が駆除活動をしている成果なのかもしれません。 小屋を出て暫くすると、僅かにピンク色を帯びたアポイアズマギクを見かけました。七合目から上にはサマニユキワリが咲き揃って、二週間前とは大違いです。ヒダカイワザクラも咲き始めていました。 先ずは幌満のお花畑に向かいます。このトラバース道には、ヒダカイワザクラ、サマニユキワリに混じって芽を出したばかりのエゾオオサクラソウも混生しています。前回カムイコザクラかと思ったのは芽生えたばかりのこの花かもしれません。期待を膨らませて幌満に着きました。しかし何もありません。今回もヒダカソウの花どころか葉も見つかりません。眼を凝らしてあちこち眺めるのですが白い花は全く見つからないどころか、今回もあの独特の3回3出の複葉すら見つけることが出来ないのです。25分ほど探し諦めて山頂を目指しました。霧でガスっていた天気もこの頃になってようやく晴れ間が出て来ました。残雪はすっかりなくなっていました。山頂で一休みし、写真を撮りながら下りました。シーズンなので沢山の人が来ています。 アポイ山荘で宿泊手続きをしながらフロントの人と話していると、地元の人の話として19日にヒダカソウが一輪咲いたという話を聞きました。温泉に入って一休みしてから、ビジターセンターまで情報収集に行きました。ビジターセンターの人は自信たっぷりに咲いている場所を説明してくれました。しかし、説明されたその場所には確か咲いていなかった筈なのですが......。地元の人の言うことなので、明日再度登ることにしました。 夕方、海岸付近に散歩に出かけたのですが、途中突然お天気雨に遭いました。雨が止んで後ろを振り返るとアポイ岳に虹がかかっていました。これは幸運の知らせかもしれません。カメラを持参していなかったので、携帯電話のカメラで撮ろうとしたら一瞬にして消えてしまいました。
 昨晩は興奮したのか良く眠れませんでした。今日も曇りで霧が出ています。昨日よりも30分早く登り始めたのですが、今日も沢山の人が登っているようです。昨日よりも早いペースで登ったつもりですが、記録を見ると昨日と大差ありません。 幌満のお花畑で昨日聞いた付近を捜したのですが、やはりヒダカソウは咲いていません。山頂から下ってた男性と一緒になって探したのですが、やはり見つかりません。そのうち、昨日聞いた場所にゴミのようなものが落ちていることに気付きました。勿論、昨日も気付いていたのですが、ゴミだと思っていました。手前のコヨリのようなものは包装紙のゴミのようですが、その後ろの白いものも何かの紙ゴミのようです。下ってきた方は、「ゴミだよ。」と言って去って行ってしまいました。諦めきれず登山道に這いつくばって、そのゴミを眺めていると、ゴミの近くに小さなボール状の葉があることに気付きました。何かの植物の複葉の葉のようで、良く見るとこれがヒダカソウの葉だと気付きました。周囲をもう一度見回すと何箇所かで同じような葉があることに気付きました。キタダケソウの葉とは形は同じでも芽生えの姿は大分違うようです。その後、先ほどのゴミを見ると枯れ花のようにも見えて来ました。登山道からは距離があるので、ズームレンズの望遠側で試しに1枚撮影し、モニター画面で拡大して見ると、花茎や花弁らしきものもあり、間違いなくヒダカソウの花のようです。花弁が痛んでおり、開花時におそらく霜などの何らかの障害を受けて痛んでしまったのではないかと思われました。夢中になって何枚も撮影しました。曇っていた天気も撮影中に晴れて来ました。45分ほど撮影し、今回は頂上には登らずにトラバース道を戻り下山しました。今日も沢山の人が登って来ています。11時過ぎにはアポイ山荘に戻り温泉に入りました。会計は済ませてあるのですが、昨日の宿泊券を見せると温泉は無料で使わせてもらえました。温泉を出て先ずは帰りの荷造りです。温泉の休憩所で生ビールを飲んで時間を潰します。少し早めに山荘を出てビジターセンターに行き、お礼を述べて、山荘前からバスで様似駅に向かいました。
アポイ岳 (2010年5月9日)

 アポイ岳に行くことは年明けには決めていました。昨年は雪が非常に少なくヒダカソウは4月のうちに咲いてしまったのですが、この年は雪が多いとのことです。2月の割引航空券の先行発売日まで何時行こうか迷っていました。1月の東京の天気は寒い日もあれば暑い日もありで平均すれば例年並みだったので、アポイ岳の雪解けもヒダカソウの開花も例年通りと予想して割引航空券と宿の予約をしました。ところが、この年は春になっても気温が上がらずアポイ岳の雪解けは大幅に遅れているようで、アポイ岳ファンクラブのブログを見ながらやきもきしていました。
 千歳行きの飛行機はガラガラで、眼下の東北の山々には残雪が多く残っています。苫小牧は八重桜どころかエゾヤマザクラさえも咲いていません。日高本線の車窓も前回は親子連れの馬が沢山駈けていたのですが、この年はまだ寒いのか放牧されている馬は少ないです。静内を過ぎると前回はエゾノリュウキンカとミズバショウに混じって沢山のオオバナノエンレイソウが咲いていたのですが、今回はエゾノリュウキンカが咲いているだけでミズバショウも殆ど見られません。寒いので列車の中でジャンパーを着込みました。アポイ山荘に着いたら早速来週と再来週の空き具合を聞きました。昨晩からの熱が夜になってもなかなか下がらず少し心配しながら床に就きました。
 夜中に眼が覚めると熱は微熱になっていました。ところが今度は左膝が痛み出しましたが、ニーガードを着けると何とか歩けそうです。早朝は快晴だったのですが、直ぐに霧が出て日は影ってしまいました。朝食までの時間に宿の周辺に散歩に出ました。なんと4時に記帳して登り始めた人がいます。車で来たグループも何組かいます。アポイ山荘の裏山を駆け抜ける沢山のエゾジカの群れに驚かされました。
 7時に朝食を済ませ、登り始めました。一合目のエゾオオサクラソウも開花しているのは数株だけです。前回あれほど咲いていたセイヨウタンポポも今回は全く見掛けません。アポイタチツボスミレも数株だけしか見かけません。五合目の避難小屋の少し上で、サマニユキワリの開花直後の株を初めて見掛けました。上にはもう少し咲いているかと思ったのですが、これが唯一咲いていた株でした。今回は幌満に先に向かいました。予想通り幌満のお花畑には何も咲いていません。アポイキンバイの芽がようやく出たところで、ヒダカソウの芽は全く見つかりません。風も強く結構な寒さです。頂上に向かって登り始めた頃になってようやく雲の合間に海が見えました。頂上近くはかなりの残雪です。この残雪の間にシカの糞が沢山落ちています。この辺はササの多い場所なのですが、こんな場所までエゾジカが登って来ているようです。こいつらの食害にあったら幌満のお花畑などひとたまりもありません。盗掘と温暖化に加えシカの食害までがアポイ岳の植物の脅威になっているようです。頂上にも雪溜まりが残っていました。下り始めると登って来た何人かとすれ違います。アポイ岳ファンクラブの方々も大勢でパトロールに登って来ました。五合目上の唯一のサマニユキワリを撮して下山しました。宿に戻るや次回の計画を立て、二週間後に再び来ることにしました。
 一風呂浴びてから、タクシーを呼んで観音山に行きました。カタクリが見頃なのですが、曇りなので花が全開していないのが残念です。エゾエンゴサクも見事な群落を作っていました。

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