2003年

 この年の4月の人事異動で新しい部所に移動となりました。今までの部所は仕事柄6月が非常に忙しい為、6月の花はなかなか撮れませんでした。 そこで、今年は早速6月上旬に念願の八ヶ岳の「ツクモグサ」を撮ることが出来ました。又、7月には礼文島に行きました。枯れ花を掲載していた「レブンウスユキソウ」もようやく更新出来ました。
 ところが、これからが登山シーズンという時に日頃の不摂生がたたって「痛風」が発症してしまいました。医者から当分激しい運動を控えるように言われてしまい、この年の登山は早々と幕引きとなりました。でも上記2種の写真が撮れて良かったです。
秋田駒ヶ岳・八幡平 (2003年7月22日〜7月23日)

 昨年の夏、妻は初めて大雪山で蕾の状態のコマクサを見ました。大分感動したようで、もう一度見たいと言い出しました。 妻が登れる山となるとロープウェイかバスがかなり高い所まで登っていることが条件となります。 そこで今回は秋田駒ヶ岳に行くことにしました。
 前日の雨も朝までにはあがり、何とか天気も保ちそうです。駒ヶ岳八合目行きの一番バスに乗りましたが、平日のせいか駒ヶ岳八合目で降りた人は私達を含めて僅か6名でした。バス停自体が森林限界付近にあり、歩き始めて20分もしないうちに高山植物が顔を出し始めます。ハクサンチドリ、ニッコウキスゲやトウゲブキが盛りで、アズマシャクナゲもかなり残っていました。ハクサンシャジンの花期はこれからです。阿弥陀池周辺ではヨツバシオガマが盛りで、咲き終わったエゾツツジの他にイワイチョウなどの湿性植物も見られました。霧の中に佇む阿弥陀池小屋は幻想的な風景です。
今回の最大の目的であるコマクサを見る為に、横岳を経由して大焼砂まで行きました。ここにはコマクサが結構あるのですが、登山道脇に咲いているものは非常に少ないです。まだ花期には少し早い感じで登山道から離れた箇所に点々と咲いていました。秋田駒のコマクサも花色が薄く、やはりコマクサは北海道のものが一番のようです。タカネスミレも株は沢山あるのですが、殆どが実をつけていました。阿弥陀池からだと片道20分位で秋田駒の最高峰である男女岳に着くのですが、目的を達成してしまったせいか、妻が下りたいと言い出したので再び同じ道を八合目のバス停に戻りました。これでは秋田駒ヶ岳に登ったことにはなりませんね。
 翌日は大暑なのですが、この年は梅雨が長く、この日も関東地方に停滞している前線に向かってオホーツク気団からの冷たい風が吹き込んでいる為、東北地方は全体に低温注意報が出ていました。 今日は予備日ですることも無いので八幡平まで行くことにしました。八幡平は晴れてむしろ暑い程でした。こちらは一応山頂を経由して八幡沼周辺を歩きました。ニッコウキスゲは少し早い感じですが結構咲いていました。ワタスゲも目立ちます。ヨツバシオガマが盛りでモウセンゴケはまだ蕾をつけている個体も僅かでした。
クジャクチョウ (Click here!)が何頭も舞っており、いかにも夏の高原らしい光景です。そのうちの一頭が道端に美しい羽を大きく広げて留まっているのを撮影しました。 すれ違った中年女性ハイカーに珍しい白花のムシトリスミレが咲いているのを教えてもらったのは幸運でした。 結構道草し、2時間ちょっとかけて八幡平のバス停に戻りました。
礼文島 (2003年7月4日〜7月5日)

 礼文島8時間コースを北から歩くとなると朝の一番バスに乗らなくてはならないのですが、このバスでスコトン岬に降りた人は僅かに6名でした。8時間コースに入って暫くすると鮑古丹の海岸線ルートと丘陵ルートの分岐点に出ます。前回は海岸線を歩いたので今回は丘陵を歩くことにしました。 このルートは車道なのですが、道路脇ではシロツメクサやアカツメクサなどの帰化植物が目立つのはガッカリです。この季節はヨツバシオガマ、チシマフウロ、タカネナデシコ、ツルフジバカマが多いです。礼文島のヨツバシオガマは他の山のものと比べて大柄で逞しく、中には花房が枝分かれした巨大な株もあります。島の北部では今回の目的のレブンウスユキソウ(エゾウスユキソウ)やレブンソウは全く見かけません。
前回同様花が多かったのは西上泊分岐迄で、以後は笹原が続くだけの単調なコースとなります。礼文島は今が観光シーズンなのですが、観光バスで廻るだけの人ばかりで、まともに島内を歩く人は少ないです。4時間コースと重なる西上泊までは何人かとすれ違ったのですが、西上泊から先ではたった1組とすれ違っただけでした。
笹目川上部の沢を渡る頃から急に植物相が変わり出します。この沢の横でレブンウスユキソウに初めて出会いました。沢の下の方の近寄れない場所にも結構咲いているようです。前回もここからレブンコザクラなどが現れており、どうやら礼文島の植物相の境界線となっているように思えました。 アマナ岩の海岸線に降りるとハマベンケイソウなど海岸の植物が再び現れ出しました。宇遠内の売店で缶ビールを飲んで一休みです。本来の8時間コースは宇遠内から海岸沿いに礼文滝を経て元地海岸まで行くのですが、売店のおじちゃんの話だと地蔵岩付近で落石事故があり、'98年より通行禁止となっているとのことでした。 「道はあるし、礼文滝に行くなら絶対近いヨ。」と言われたのですが、通行禁止になってからは道も荒れているようなので、礼文林道経由で行くことにしました。 現在の8時間コースは宇遠内から香深井林道に入り礼文林道と交わった地点が終点で、ここまでだと約7時間半です。そのまま礼文林道を歩き礼文滝分岐点に出たのですが、ここから滝までだと更に往復2時間もかかるので、今日はパスです。 林道沿いのレブンウスユキソウ自生地に寄りましたが、花期を若干過ぎているようで全体に苞葉が少し黄ばんでいました。礼文林道には車が入れるせいか自生地は荒れが目立つのが残念です。礼文林道沿いで目立つのはチシマゲンゲです。午後から曇っていた天気も夕方になって再び晴れだし、礼文林道から眺める利尻山が美しかったです。
 翌日、香深から礼文島南端の知床に行く朝一番のバスは学校が休みの為運休です。宿のご厚意で車で送ってもらいました。 先ずは桃岩展望台コースを歩きます。最初は笹原が続き、元地灯台付近からようやく高山植物が顔を出し始めます。前回の6月にレブンキンバイソウの蕾を沢山見かけたので、今回は花を期待していたのですが、エゾカンゾウとイブキトラノオが草原にポツンポツンと咲いている程度でレブンキンバイソウは全く見かけません。利尻山も良く見えたのですが、雑草の海に浮かぶ利尻山では写真になりません。暫く歩いてようやく数輪のレブンキンバイソウを見つけたのですが既に咲き終わりでした。桃岩展望台が近くなると観光バスから吐き出される団体客で混み合い狭い登山道は歩けない程です。
続けて礼文林道に入り、昨日寄れなかった礼文滝を目指しました。滝への分岐点から笹に囲まれた道を進み、ちょっとした森林帯を抜けて、丘の上に出るとレブンウスユキソウが結構咲いていて丁度見頃です。この丘からは、かなりの急斜面を谷に下ります。 最近はこの丘を「ペーターの丘」、谷を「ハイジの谷」と呼ぶようですが、くだらない俗称が定着しないことを祈るばかりです。谷間には小川(シュマチセ川)が流れており、川に沿って暫く歩くと川が突然途切れて断崖となります。横の急斜面をロープに掴まりながら海岸に下ります。さっきまでの小川が断崖を滝となって流れ落ちています。これが礼文滝なのですが迫力はちょっと乏しいです。滝から海岸までは僅かな距離しかないのですが、流れ落ちた川は海には注がず10mも流れない内に海岸の小石の間に全て浸み込んでしまい川が跡形もなく消えてしまうという不思議な光景を目にします。ここの海がまた非常に透明で綺麗です。
再び同じ道を礼文林道まで登り、香深に戻りました。お昼過ぎで、香深の食堂でちょっと贅沢にウニ丼を食べて礼文の旅を終えました。
八ヶ岳 (2003年6月7日〜6月9日)

 ここ数年の課題となっていたのがツクモグサです。この年はなんとか6月上旬に休みを取ることが出来たので、早速念願のツクモグサを見に行くことにしました。梅雨入りが近く、数日前の天気予報では雨の予想だったのですが、なんとか天気はもちました。 赤岳鉱泉の小屋の周辺にはまだ雪が残っており、夕方にはセーターを着込むほど冷え込みました。しかも夕方からは激しい雷雨となりました。
 翌日は残雪が残る登山道を硫黄岳を目指しました。森林限界に出て硫黄岳に着く頃までは晴れていましたが下る頃から曇り始めました。高山植物の季節にはまだ早い為、硫黄岳周辺では殆ど見かけません。硫黄岳山荘付近でようやくウルップソウを見かけましたが花房の下の方がやっと開き始めたところです。コマクサはようやく芽が出て葉を広げ始めたばかりです。硫黄岳山荘の高山植物園は、花期の早いキバナシャクナゲ、オヤマノエンドウ、ミヤマキンバイが目立ちますがが殆どが蕾の状態です。 余談ですが、硫黄岳山荘のトイレはこの年から環境配慮型の水洗式(有料)に変わりキレイになりました。
横岳の登りに入り最初の梯子場の横で、今回の目的のツクモグサが咲いているのを見つけましたが、ようやく蕾が開き始めた状態でした。横岳(奥ノ院)にかけて、ツクモグサはポツンポツンと咲いていました。 横岳から赤岳までは幾つかのピークを捲いて行きます。日ノ岳周辺にツクモグサは多いと聞いていたのですが、標識が無いのでどれが日ノ岳なのだが判りません。それでもツクモグサはそこそこには咲いていますが、若干花期には早かった感じで、この年の場合1週間は早かった感じがしました。 不思議なもので、ある地点から全くツクモグサを見かけなくなったと思ったら、暫くすると地蔵尾根との分岐点で赤岳展望荘はすぐそこです。赤岳展望荘で一休みして赤岳山頂を目指しましたが、険しい登りだけで花は少ないです。
まだお昼を少し廻っただけなのですが、昨日も雷雨があったので、時間は早いのですが赤岳頂上小屋に泊まることにしました。 午後になってからは、ガスが切れて時々日も射し始め、心配した雷雨にはなりませんでした。 今晩赤岳頂上小屋に泊まるのは僅か3名だけです。昨晩は50名位泊まったらしいのですが、本格的な登山シーズン前のこの時期だと休日と平日の差が大きいようです。
 翌朝4時起きし、先ずは御来光の撮影です。天気は晴れて結構寒いです。朝食を済ますと早速下山を始めました。赤岳はどのルートも険しいのですが、文三郎分岐点までは鎖場が連続する岩場を降下します。文三郎登山道に入ると岩場は無くなり組み立て式の階段が沢山設けられた道を下ります。行者小屋からは柳沢南沢に沿って歩き、ニホンカモシカの群れを見たりコイワカガミを撮ったりしながら美濃戸に着きました。

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