大朝日岳
朝日連峰は最高峰の大朝日岳でも1870mで決して高い山ではありませんが、広い裾野を持つ雄大な山塊です。日本海に面している為、冬期は季節風をまともに受け降雪量が多いことから、真夏になっても多くの雪が残り、気象条件が厳しいことから標高以上の高山条件が揃っており、植生が豊かで多くの高山植物を見ることが出来ます。 以東岳(1771m)から大朝日岳にかけての縦走路には多くのお花畑が展開しています。 朝日連峰のもう一つの特徴は降雪が多いせいか水の質が良いことです。稜線付近でも小屋には良質の湧き水が豊富にあります。中部山岳と異なり、東北の山は管理人さんが常駐しない無人小屋が多いのですが、縦走中の連泊でもこれだけ水が豊富だと食事を作るのが苦になりません。

作品の追加、変更は随時行う予定ですので、ご了解下さい。
西朝日岳より見た大朝日岳
最終更新日;2011年8月6日


ミヤマウスユキソウ (キク科)
Leontopodium fauriei

東北地方の秋田駒ヶ岳、焼石岳、鳥海山、月山、朝日連峰、飯豊山の高山帯に分布するエーデルワイスです。別名をヒナウスユキソウと言いホソバヒナウスユキソウの母種に当たります。特に朝日連峰の寒江山や南寒江山付近の大群落が有名です。
この花を見る為に昨年も登ったのですが、残念ながら既に花期を過ぎて枯れ花状態でした。そこで今年は昨年よりも2週間早く登りました。苞葉の綿毛が白いものが結構残っておりましたが、綿毛もふんわりした感じのものよりもべったりした感じの株が多く、今年も花の盛りは少し過ぎていたようです。南寒江山と寒江山の鞍部の大群落も既に終わりで、苞葉の綿毛も無くなり始めていました。
近縁種には、ハヤチネウスユキソウオオヒラウスユキソウエゾウスユキソウヒメウスユキソウ及びミネウスユキソウがあります。

シロバナクモマニガナ (キク科)
Ixeris dentata ssp. kimurana f. albescens

クモマニガナは近縁のタカネニガナよりも背丈が高く、葉も楕円型で茎を抱きます。 白花をシロバナクモマニガナと言うのですが、朝日連峰では白花ばかりで、黄色のものは全く見掛けませんでした。 主稜線ではあまり見掛けませんが、少し下った風当たりの弱い場所では大株を形成します。

タカネマツムシソウ (マツムシソウ科)
Scabiosa Japonica var. alpina

初秋の高原を彩る花として有名なマツムシソウの高山変種がタカネマツムシソウですが、私はこの花が咲いている山に登ったことがなかったようで、今まで見たことはありませんでした。母種に比べて頭花が大きく濃色し、草丈も低くなるなど高山植物らしくなっています。尤も草丈が低くなったといっても30cmくらいはあります。 当日は悪天候で強い風が吹いており、頭花が揺れて撮影には苦労しました。 北海道にはエゾマツムシソウが分布します。

ヒナザクラ (サクラソウ科)
Primula nipponica

早池峰山と岩木山以外の東北地方の高山で見られるエゾコザクラ節の白いサクラソウで、亜高山帯や高山帯の節電の跡地や湿った草地に生えます。 サクラソウの仲間にはエゾコザクラのように根生葉が内側に巻くもの(エゾコザクラ節)と、ユキワリソウのように外に巻くもの(ユキワリソウ節)とがあり、重要な見分けるポイントとなっています。 早池峰山には同じ白ですが、ヒメコザクラというユキワリソウ節のサクラソウが咲きます。

アカモノ (ツツジ科)
Gaultheria ovatifolia ssp. adenothrix

常緑の小低木で、実が赤いのでこの名前がありますが単純な発想ですね。実は白い実もあり、シロミノアカモノというややこしい名前が付いています。 ツツジ科には釣り鐘型の小さな花をける仲間が多いのですが、萼の濃赤と花冠の純白のコントラストの美しさでは、この花が一番です。
別名はイワハゼ(岩櫨)です。 ハゼとはウルシ科ヌルデ属の植物で、姿形はこの植物とは全く似てもいませんし、実の色も淡褐色です。ハゼは昔の人にとっては木蝋の原料として重要な植物であった為、この程度の類似でもハゼの仲間と考えていたようです。

オノエラン (ラン科)
Leucorchis fauriei

植物図鑑などでは中部地方以北と紀伊半島に生えるとされますが、私は秋田駒ヶ岳と朝日連峰以外では見たことがありません。朝日連峰では沢山の個体を見ることが出来ますが、花は何処かしら痛んでいて、写真に撮れるような個体は少ないです。
マツモトセンノウのように名前の由来に歌舞伎役者を連想するような和名ですが、この花の場合、「尾上」とは「尾根の上」という意味だそうで、実に色気のない名前です。余談ですが、マツモトセンノウは花の形が歌舞伎役者の松本幸四郎の紋所に似ていることに由来します。

ショウキラン (ラン科)
Yoania japonica

高山植物写真館に入れたら叱られそうな花です。撮影場所が大朝日岳から下山途中の標高1200m位の樹林帯なら高度不足ではなかろうと........。
当Webサイトでは、ハマナスコオニユリ等も掲載していることですし...........。
言い訳がましいですネ。九州から北海道南西部にかけて分布する植物ですが、殆ど見掛けることはありません。まして写真のような大株は初めて見ました。 山地の比較的日当たりが悪い場所に生育する葉緑体を持たず菌類に寄生する腐生植物です。腐生植物とは、光合成を行わず菌根を形成し菌類より共生で栄養を得る植物です。鱗片状の葉がありますが、目立たないので葉の無い植物のようです。烏帽子を被った鍾馗の姿に似ていることから、この名前があります。

ヒメサユリ (ユリ科)
Lilium rubellum

別名を乙女百合と言います。朝日、吾妻、飯豊の山形、福島、新潟県の亜高山帯に分布するユリです。 鮮やかなピンク色と黄色い葯が特徴です。
高山帯や亜高山帯にユリ科植物は沢山ありますが、ユリらしい花を咲かせるユリ属は本種とクルマユリくらいです。クルマユリには叱られそうですが、両者を比べたら美しさの点では絶対にこちらです。
尚、当Webサイトではユリ属のコオニユリも紹介していますが、コオニユリを高山植物と呼ぶのにはちょっと抵抗があります。勝手に紹介していていい加減な説明ですネ。

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