新生
              川中子義勝
 
 
 
 
 未成の拳をひろげ
 手探りをする君の指を見た
 まだ目を瞑ったまま
 スキャン画面の向こうで
 君はなにを探そうとしている?
 
 待っているのか
 蕾のなかに
 今は堅く折り込まれ
 やがて陽の圧力に促され
 しずかに花ひらいてゆくその時を
 
 開いていくのか
 それとも折り込まれていくのか
 いずれかは知らぬまま
 わたくしもまた待っている
 許されるなら
 
 身の丈が縮み
 腰が曲がるとともに
 生に折り目を付け
 胚のなかに正しくたたんで
 もぎ取られてゆくその時を
 
 小部屋のひとつひとつに
 新たな命をしっかりとしまって
 果実は君の手にとどく
 君の咽をうるおし
 鮮やかな歯形をしるすために