ザラターヤ・オーセニ
見上げると白樺の円い葉っぱが太陽の光を受けて金色にきらきら光っています。そして秋の透明な風にそよそよ吹かれて真っ青な空の海を泳いでいるようです。
モスクワは8月も半ばになると秋の空気が流れ出し、草木がどんどん色を変えていきます。 やがて沢山ある白樺が黄葉しはじめ、日に日に深い黄葉の林が現れます。
(ロシア人はこの秋をザラターヤ・オーセニ=黄金の秋と呼んでいます。)
もっともその年の気候によっても随分様子が違うらしく、去年は100年に一度の美しいザラターヤ・オーセニだったらしいのですが。
今年は、夏頃から雨が多く、秋になってもどんより曇って、黄葉した葉から順に散ってしまい、とうとう去年のような真っ青な空と黄金の林の組み合わせは実現しませんでした。 ガッカリ。
去年ロシア人が100年に一度と言っていたのは、大袈裟な表現かと思ったけれど、本当だったのです。
去年のザラターヤ・オーセニは・・・・・。 10月になると好天が毎日続いて我が家の台所の窓から見える白樺の林はどんどん黄葉が増していきました。 もうこれでピークかな?と思っても、まだまだ黄葉が濃くなっていって、朝は朝日に照らされて冴えた冷たいレモン色、夕方は夕日に照らされて暖かなオレンジ色。美しいでしょ。
暇な私はしょっちゅう台所の窓から外を眺めていたものでした。(註)
モスクワの木は黄色に染まるものがほとんどで日本のような紅葉はたまに見かける程度です。それで黄金の秋。
ロシア人はこの頃、きのこ狩りをしに森に出かけます。そこで採れたものは自分たちで食べたり、ウーリッツァ(通り)で売ったり。
この間は、ルイノック(市場)で、おじいさんが採ってきたきのこを、大事そうに10本くらい小さい順に並べて売っていました。 小さいのは小指の先くらいしかなく、それなのに、たった10本だけ。 買ってもらうのをじっと待っていたけど。
私達はきのこの種類もよく分からず、散歩やドライブで秋を楽しみました。
・・・・・と、まぁ去年は、10月半ば頃が紅葉のピークでしたが今年の同じ頃にはほとんど葉が散ってしまいました。
今、11月5日積雪10cm。 夕方5時半、外はマイナス5度C。去年は初雪が12月1日。
今年は寒くなりそうだと誰もが言っています。 ユーリ−はどうせならここにいるうちにマイナス40度Cを経験してみたいと、呑気なことを言っていますが。
どなたか体験ツアーにいらっしゃいませんか?
「接吻」の絵で有名なオーストリアの画家クリムトの絵に白樺を描いたものを以前、画集で見たことがあります。
それは、白樺の幹が何本も縦糸のように画面を走り、黄葉した葉が横糸の役目をしていて織物のようにも見えるし、幹にある茶色の節や小さな無数の葉がモザイク模様にも見えてくる絵でした。 これはきっとクリムトの創作なんだろうと思っていましたが。
黄葉した白樺林はそのままタペストリーのようでもあり、モザイク画でもあって、なかなか見ごたえのある芸術作品です。
(スベトラーナ)
('97.11)
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