ある日のホテルでの出来事


朝8時少し前、モスクワのとあるホテルにお客さんを連れてチェックアウトしようとフロントに並んでいた時のことです。

まだ少し早い時間帯ということもあって、フロントには2人しか担当者がいませんでしたが、4人くらいの欧米のビジネスマンがいらいらしながら、チェックアウトをすでに10分から15分くらい待っているようでした。
私たちの前のイギリス人の順番になり精算が始まり、係りの若い男がそのお客さんに割とまともな英語で尋ねました。

ミニバーはお使いになりましたか?

するとそのイギリス人はすかさずまくし立てました。
 

とっても使いたかったけどあんた達はミニバーの鍵を開けてくれなかった じゃないか、それなのに何故ミニバーを使ったかなて聞くんだい。

これを聞いていた私たちは大笑いし、私のお客さんも同調し、
  

そうですよ。ミニバーが開かないから僕も何も飲めませんでしたよ。

周りにいた人たちも皆同感といった顔つきで頷いたのです。

このホテルでは各部屋にミニバーがあるにもかかわらず、鍵がかかっていて使えないのです(ただ、どこかに頼めば開けてくれるのでしょうが、どうすればよいのか案内がありません)。

そのような状況で宿泊客がミニバーを使うことができないのにもかかわらず、フロントの係りはチェックアウトする客に今日も尋ねるのでした。
  

ミニバーはお使いになりましたか?

(ユーリー)
('97.9)


[HomePage] [目次] [最初へ]