・・・サンタクロース村・・・我が家のヴァカンス (1)
モスクワ脱出
スオミのロヴァニエミ
何故かここで・・・中国人って凄い!
サンタクロースとの遭遇
ロヴァニエミ・サイクリング
モスクワ脱出
モスクワをようやく脱出し(ようやく・・・の意味はのちほど)、ヘルシンキ、ヴァンター空港に到着。この空港のパスポートコントロールの人はほとんどの人が愛想よくフレンドリー。 パスポートに入国スタンプを押した後、クリスマス時なら「楽しいクリスマス休暇を!!」夏だったら「楽しいホリディーを!!」笑顔でこう言われると、モスクワ・シェレメチボ2空港での緊張で強ばった顔の筋肉も、気持ちも、いっぺんにとけてしまいます。
今回は8月5日からフィンランド・ヘルシンキー>ギリシャ・コス島ー>トルコ・ボドルム(ただしコス島1週間の内1日だけ)の計12日間の旅。 モスクワのながーい冬(11月頃から雪が降り始め、ほとんど毎日曇って空はドンヨリ。去年の暮れはマイナス25度C。モスクワの冬については、又今度お話するとして・・・、そうは言っても私はモスクワの冬が嫌いじゃない)に備えて、思い切り太陽を浴びるはずのエーゲ海2週間の旅の予定だったけど・・・・・。
モスクワで申請して1日で下りると聞いていたビザが下りなかったんですねぇ。
旅行出発の3日前に「あと10日」と役所に言われ、ガーン!!!それじゃ夏休み終わっちゃうよ・・・・・・・・。
仕方ない。夏の旅行は諦め、ロシア語の先生にもその旨説明し、ロシア語の授業再開するか・・・。
ロシア語の先生は一言
「エータ _ ロシア」(これがロシアよ)
それでも気を取り直し、次の旅行(今度のお正月)の計画を立てよう! と、前向きになってきた。 と、最初の出発予定だった日のお昼、「今日の夕方ビザでます。」(・・・・・もうキャンセルしちゃったんですが・・・)
それでも頭にきちゃいけない。今から行けるところを捜すんだ!
それにしても結構きつい一喜一憂の激しい4日間だった。
そこで教訓。
ロシアでは実際そのものを手に入れるまで喜んだり、又希望を捨ててむやみに悲しんだり、先々まで予定を立てたり、予測をしてはいけない。
そんなことでたどり着いたヘルシンキ。 ここで3時間のトランジットタイム。 3時間なんてこの清潔で、美しくて、静かで、人々の笑顔のやさしいヴァンター空港でなら決して長くない。 滑走路に面したテーブルでゆっくりコーヒーを飲み、窓からムーミン一家の描かれた飛行機が飛び立つのを眺めていれば、それだけで幸せ。
応用: シェレメチボから飛行機が飛び立つまで旅に出ると信じてはいけない。
ここヴァンター空港は国際空港でもこじんまりしていて、やっぱり人口500万人の国らしいかわいい空港。 国内線ターミナルへもスーツケースをカートに乗せ、トコトコ歩いて10分くらい。 こちらは日本の地方空港のようなミニサイズ空港。
国際空港の方でのお薦めは、地下1階にある小さな郵便局。 フィンランドならではの美しい切手やムーミン切手も売っている。 コンビニも隣にあるからフィンランドの人たちの日常品を覗いてみるのも面白いかも。 ただこの国の税金は高いです。20%です。
ここから北へ飛行機・フィンエアーで1時間半。 北極圏ラインの少し下、ラップランド県の中心地、人口3万5000人のロヴァニエミへ。 座席はすべて自由。お好きなところにどうぞ。
スオミのロヴァニエミ
夕暮れ迫るスオミの地。フィンランドの人は自分の国をスオミ(=沼と湖の地)と呼びます。 (ジャパンの人が自分の国を日本と呼ぶように)
上空からは逆光をあびて水溜まりのように見える湖が、黒いインクをこぼしたようにあちこちに浮かび、その先に見える海は夕日に染まる空と混ざってしまって、水平線は遠いかなたに消えてなくなってしまっています。
簡単だけど充分おいしいオープンサンドの軽食をとると、眼下にロヴァニエミの小さな街が見えてきます。 周囲を森に囲まれ、川のほとりにまとまった両の手の平で包めてしまいそうなくらいのサイズ。 街のシンボルろうそく橋も見えて、空港に到着。
この空港、サンタクロースのオフィシャルエアポートにもなっていて、空港中クリスマスの雰囲気たっぷり。と、いうのもロヴァニエミから8km程のところにサンタクロース村があるからです。
スーツケースをガラガラひいて出て行くと我家の宿泊先ソコスホテルのミニバスのお出迎え。中心地まで車でわずか15分。 草原と白樺林を抜けて行きます。
やはりラップランドはモスクワよりかなり北だから白樺も育ち方が違います。 モスクワの白樺は幹も太く、背も高く、木肌は白地に濃いこげ茶色の節が見え、たくましく大地に根を張っている感じですが、ここのは幹も細く、背も低く、色白でとても繊細。
赤紫のヤナギランも風にそよそよ吹かれて透明な空気で満たされているようです。
何故かここで・・・中国人って凄い!
さて、夕飯、ということでレストランを探しながら街を散策。
まだ明るいのにお店は軒並み閉店。 人もまばら。 なんてゴーストタウンな街だろう。 まだ夜9時なのに。
そんな通りでもプランターがあちこち置かれ、花が咲き乱れています。短い夏を慌てて楽しまなくてはという感じの色の濃い花と種類の多さ。 赤いゼラニュウム、青紫のロベリア、オレンジ、黄色、ピンクの・・・。(花の名前が分からない)
結局、夕飯は中華。 悲しいかなモスクワ駐在の我家は、せっかくここまで来たのに土地の名物料理を食べず、和食OR中華に走ってしまうのです。 駐在する前までは海外旅行に出て和食を食べるなんて旅行を無意味にしていると強く信じていた二人ですが、和の食材が思うように手に入らないモスクワに住むと、こうなってしまうのです。
ロヴァニエミの中華料理店は2軒、どちらにも行ったけれど結局姉妹店でメニューも味も一緒でした。
それにしても驚くのは、今まで旅に出たところで決して東洋人に会わなくても、絶対に中華料理店がありました。勿論、中国人が料理しています。 ヘルシンキ、ロヴァニエミ、アテネ、サントリーニ、コス、テネリフェ、ボドルム・・・。 素晴らしい。
おまけに大体何処の店もテイクアウトもしてくれる。 今まで、一番有り難かったのはヴェネチアで、だんな君が熱を出してホテルで寝込んでしまった時。 3,4品をたのむと、その場で10分程でつくってくれて、白いご飯付。
すごいぞ!中国人。 ありがとう。
お腹がいっぱいになったところで夜10時。外に出てもまだ明るく、夕焼け空にもなっていない。川辺を散歩しながらホテルに帰る。
サンタクロースとの遭遇
翌日もからっとしたいいお天気。
本日の予定は、ここから8kmほど北にあるサンタクロース村。ここでクリスマスにむけてサンタクロースが体を鍛えているらしい・・・? 会えるかな・・・?
おまけにこの村、丁度北極圏のライン上にあるという。
北極圏の入り口・・・・・ロヴァニエミからバスで10分、ここから北極圏(北緯66.5度)
上からフィンランド語、多分スエーデン語、ドイツ語、英語、フランス語、ロシア語要するに北極圏
でも私達の一番の目的は、ここから絵葉書を書いて出すこと。 そうするとサンタクロースが北極圏ラインを指差している消印を押してくれる。 切手も美しいものがいっぱい。博物館のようにガラスケース越しに飾ってある切手を端から端まで見て、どの切手を貼ろうか迷うこと! クリスマスもの、野鳥編、フィンランドの自然、忘れちゃいけないムーミン。
サンタクロース村の郵便局・・・・・本当に郵便局なの?というくらいお土産屋さん化していた。
そしてポストが二つ。 一つは1週間もしないうちに日本に着くもの、もう一つはクリスマスを見計らって郵送してくれるもの。
一体うちは何枚書いたことやら。
もう一つ楽しいのは、申込書に必要事項を書き込むと、サンタクロースやムーミンからクリスマスカードが届くという仕掛け。
ここの郵便局には世界各国の子供たちからサンタクロース宛てに出した手紙もいっぱい届いて袋からあふれかえっていました。 郵便局員は、赤い三角帽と赤白のボーダーTシャツ。
気の済むまで葉書を出しまくって、サンタクロースを探しに、・・・彼はいました。 暖炉の前で商売してました。 一緒に記念撮影をしてくれるという。 嫌がるだんな君をひっぱりだして、勿論一緒に写りました。 このサンタクロースはやけに日本に詳しく、「日本の何処から来た? トーキョーか、チバか、サイタマか?」
「今年のクリスマスは君達のすんでいるところえゆくから」とも言っていました。 すいません、今、モスクワに住んでいます。本当は!
勿論、クリスマスグッズもお土産に買って、帰途。
ロヴァニエミ・サイクリング
街に着くと、午後4時。まだまだ暗くなるには時間がある。太陽ギラギラ。
レンタサイクルでマウンテンバイクを借りて、いざ観光ツアー。
ろうそく橋をわたって川辺に出ると夕方にもかかわらず土地の若者らが日光浴。 そこを過ぎてどんどん行くと観光客の行かない住宅地へ。
福音派ルーテル教会・・・第二次大戦中一度破壊されている。 ここには戦中疎開先のスウェーデンで亡くなったロバニエミの人達の名を刻んだ碑がある。
こんな北の果てでも戦争だあったんだ・・・・・。
ちょっとお宅拝見。
平屋が続いて庭を通って玄関へ。どこの家もそれぞれ趣向を凝らした鉢植えや椅子。 今、日本でガーディニングがはやっていますが、ここではそれが普通のことのようにどの家にも、可愛らしかったり、美しかったり、渋かったり、豪勢だったりする庭が表を行く人を楽しませてくれています。
次には、北極圏に住む人々の生活をわかりやすく教えてくれる博物館、アークティウムへ。 この建物がとてもいい。
真ん中に通路が一本川に向かって伸びていて、その両側に展示室があり、外から見ると、この通路(総ガラス張り)だけが見えあとは地中にかくれている。 この通路に立つと冬はきっととても不思議な感じを味わえると思う。
自分は雪が降っている中に確かにいるはずなのに、暖かで、身が軽くて(室内で厚着の必要がないから)。
全部見終わって8時、最後の客となり、キートス(=ありがとう)の言葉を背に受けてドアを出る。
レンタサイクルを返して本日終了。
わずか2泊の滞在、しかも、中1日しかなかったのですが、充分夏のラップランドを楽しみました。
ロヴァニエミは街全体が公園のように整っていて、厳しい自然の中でも人々が心静かに暮らしているように感じました。

鳥だって人生を考えるため海辺にたたずむ時もある。
最後におまけ・・・帰りの空港に向かうバス停で会ったロヴァニエミに住んでいる日本人の小父さんから仕入れた情報によると10月頃から晴れた日には二日に一度ぐらいの割合でオーロラが見られるそうです。
てっきりオーロラは真冬の一番寒い時期にしか見られないと思っていたのですが、それは単に晴れ上がると寒いというところから来た誤解らしいです。とは言っても、10月のロヴァニエミは凄く寒いだろうと思います。
だって今、9月8日のモスクワは朝8度C。もうウールのセーターを着ています。
この後、ギリシャのコス島へ向かいますが、ギリシャ大好き、海大好きな、だんな君にバトンタッチします。
(スベトラーナ)
( '97.9)