「日本の福祉」

 
 日本には真の民主主義が定着していない以上に福祉は遅れている。もっと広い意味で云えば「サービス=ただ」と同じ次元である。オリンパスに居て修理代を取るのに苦労した例を引くまでもなく、人の時間と労力に対する対価を認めない、奉仕とはただ働きのことだと云う気持ちはなかなか変えにくいもののようだ。

 蛇足はさておき福祉の現状であるが、最大のネックは奉仕に対するドラスチックな反響が望めないことである。端的に云えば建設に金をかけると例えば本四架橋と云う結果が見える。この金を引き出してきた政治屋は次回当選は間違いない。福祉では年金の「未納3兄弟」に異母兄弟の「菅直人」がいたのが話題でどうもドラスチックなテーマは無い。

 医療と福祉を比べてみるよう。医療予算は健保と二人三脚で進んで来た。医師会は健保財政を自分の都合の良いようにあやつって来た。政府管掌健保が先に赤になり、企業も業績が悪化して独自の健保が赤になるにおよんではじめて本気で見直しなどと云いだしているが、医師会の既得権があり一気に縮小出来ない体制にある。予算の縮小に苦しむ背景はここにある。
 一方、福祉では介護保険を鳴物入りで作り上げたものの、高齢化社会の潜在的問題点への見方は甘く、早々と縮小と切り捨ての声が上がっている。こちらには、医師会のような圧力団体も既得権も無いので官僚の鉛筆の舐め方ひとつでくるくる変わるに違いない。圧力団体や既得権は悪いに決まっているが、さりとて小役人の鉛筆の舐め方で内容がかわるのも好ましいことではない。

 日本でいま流行っている「差をつけない」ことはイコール「平等」とは云えないと思う。予算に限りがあるのなら区切って実施するほうが効果が顕れる。福井の被災地に宝くじ2億円の当たりくじが送られて来た。美談と思うが、それを1人2万円づつ分けてどうなる?流れた橋や町の公共機関の復旧、被災者住宅といったところに重点利用してこそ生かされるものではないかとおもうのだが如何!福祉とて地域差があり、福祉の重点使用先の差があるはず、これを国の法で一括管理は芸が無さ過ぎる。地方に任せる地方分権はこのあたりからスタートすべきと感じている。  いずれにせよ、福祉の底は浅い。核家族時代における高齢者のケアはまだ手探り状態にある。地方の知恵を借りるべき時期にきていると思っている。
〔完〕

PS 但し、地方自治体も現状は役所体制丸出しのミニ官庁。ここの洗脳こそ望まれます。

(2004.8)


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