kitsunekitsune狐の出てくる話kitsunekitsune

狐の登場する主な話を集めてみました。なぜキツネかって?いろいろ動物の出てくるお話はたくさんありますが、その動物の中で圧倒的に多いのが狐なのです。西洋の話もありますが、多くは日本の話です。どうして日本人は狐が好きなのでしょう。(ちなみに今もうちの息子が好きな「快傑ゾロリ」なんてベストセラーもあったりします)


日本編

狂言




歌舞伎、文楽


説話、物語など

俳諧

狐の句というと蕪村のがすぐに頭に浮かぶ。

蕪村句集より

 公達に狐化けたり宵の春
 狐火やいづこ河内の麦畠
 小狐の何にむせけむ小萩はら
 蘭夕狐のくれし奇楠をたかむ
 石を打狐守夜のきぬた哉
 狐火や髑髏に雨のたまる夜に
 草枯て狐の飛脚通りけり
 狐火の燃えつくばかり枯尾花
 麦秋や狐のゝかぬ小百姓

蕪村遺稿より

 春の夜や狐の誘ふうへわらは上童
 短夜や金も落とさぬ狐つき
 飯盗む狐追ひうつ麦の秋
 きつね火や五助新田の麦の雨
 巫女に狐恋する夜寒かな
 まんじゆさげ蘭に類ひて狐啼
 水仙に狐あそぶや宵月夜


海外編

イソップ寓話
「ずるがしこい」という狐に対するイメージが決定された。


狐物語
1184年ごろ、日本では平家全盛の頃だが、フランスで狐を主人公とする動物叙事詩が制作され、爆発的な人気を得た。この狐がルナールと言う名で、あまりの人気にルナールと言えば狐、狐といえばルナールということになり、もともとの狐を意味する名詞グーピの方は次第に影が薄くなって17世紀にはルナールという固有名詞がついに狐を表す普通名詞になった。
狐物語はひとつの作品ではない。長短いくつものルナールを主人公とする話が長い間にわたってかきつがれ、それらの作品群全体約30編を現在狐物語と呼んでいるのである。一行8音節の韻文でつづられている。原文はこちらを参照。
したがって作者も一人ではない。無名の複数の書き手による。ただし、いくつかの話は書いた人の名前がわかっている。最初におおもとの狐物語の口火を切る作品を書いたのはピエール・ド・サン=クルーという人物である。だが名前だけはわかっているが、どこでいつ生まれたのか、どういう人物だったのかはいっさい不明である。
それではこれからそのうちのいくつかの詩編を紹介しよう。
「しっぽでの釣り」
世界中に広まっている民話のモチーフ。釣りをする動物は違うが大筋は同じ。
「ルナールと烏のティエスラン」
有名なイソップ寓話の「烏と狐」の話を下敷きにしたもの。ラフォンテーヌもとりあげている。
「ルナールと魚屋」
死んだふりをするという狐の習性を使った話。
「ルナールと狼のエルサン」
いままでの話と違って、これはフランス中世の艶笑話のパロディである。フランスにはコキュ(cocu)という妻を寝取られた夫の物語が多い。これはその一つで、ルナールはここでは好色なオス、性欲の権化として描かれる。相手の狼エルサンにしても動物らしさは後退し、不貞を働く妻そのものといってもいい行動をみせる。このある意味でポルノ的描写がこの「狐物語」が爆発的に読まれた理由の一つである。この不倫が原因となって話はルナールの裁判に発展する。
「ルナールの裁判」
寝取られ夫の狼のイザングランが王にルナールを訴える。ここではかなり詳細に告訴、裁判の過程が描かれ、作者が法律の知識を持っていること、また裁判自体が当時人々に人気があり、面白がられたということがわかる。
以上みたようにこの物語群においては狐はひとことでいえば超悪役として描かれている。
彼は本能のおもむくままに行動する。とくに食欲、性欲には大変どん欲で、そのためにはうらぎり、だまし、詐欺、不倫なんでもありだ。ふつうはここまで悪いと成敗されそうなものであるが、裁判で絞首刑の判決が出たにもかかわらず、ルナールは死なない。ルナールが死んでは物語が終わってしまうからでもあるが、狐が文字通り「死んだふり」をして人をかつぐようにルナールは三度死んだとされるが実際には生きている。最初は壮大な追悼の儀式が行われるが、埋葬の土がかけられる寸前に生き返る。二度目は墓穴の中で烏につつかれるが、逆襲する。三度目はまったく健在にもかかわらず、国王の使者の口から「ルナールは死んだ」と国王に伝えさせる。ここには魚屋の話にもみられた「死んだふりをする狐」のテーマが背景にある。てっきり死んだとおもっていた狐が生き返るという経験をしたため、狐は死んだまねをするずるがしこい動物という考えが浸透していたのである。

千一夜物語
狼と狐の確執は有名であり、千一夜物語のなかでも狐が狼を罠にはめてさんざん口を極めてののしったあと、殺させてしまう話がある。また、「烏と狐」も筋立ては違っているが、ここで語られている。イソップ物語ではまんまと烏をだます狐もここでは老いぼれていて烏に逃げられてしまうのだ。(マルドリュス版第149夜〜150夜)

うさぎどんときつねどん
狐はアメリカの作家ジョエル・チャンドラー・ハリスの書いたアフロアメリカンの民話コレクションの中にも登場する。ハリス(1848〜1908)は白人の新聞記者。黒人アンクル・リーマスが白人の子供にお話をするという設定で、うさぎと狐を主に様々な動物が活躍する。アメリカ南部の本当の田舎が舞台。ただここでの主役は頭のいいうさぎで、狐はいつもうさぎにしてやられる役なのが面白い。