Standard Jazz
かくいう私もかってはその一人だった。
最近は桑田佳祐がStandardばかりを集めたCDを出した事も手伝って
若い男性がStandardに興味をしめしている。
いいことだ。
ヘアメイクのS君は
あの桑田さんが東京タワーをバックに歌う某ビール会社のCMに
ときめきを感じた。
とにかくあれを歌って人から おおっ!といわれたい!
真剣にヴォイストレーニングまで考えている。
あの曲はLullaby of birdland(バードランドの子守歌)という歌である。
もともと演奏曲のため、メロディーが軽妙洒脱で
jazz好きな人なら一度は歌ってみたい
と思うだろう。
しかし、これが難曲なのだ。
とにかく歌詞が立て込んでいる。
発音で泣かされる。
音域が結構広い。
正直に言えば、初心者は選ばない方が無難である。
しかし、どうしてもこの曲を歌いたい人は
本家本元を一度聞くべきである。
ジョージ・シアリングとメル・トーメがデュエットしている。
女性ならサラ・ヴォーン、クリス・コナーがいいと思う....。
英語の歌は発音が命!
耳から入ってくる彼らの発音と4ビートのノリを
何度も聞いて、自分のものにしてね。
AS TIME GOES BY
いうまでもなく映画「カサブランカ」の主題歌である。
しかし、この曲はこの映画のために作られたのではない。
1931年にレビュー「エヴリボディズ・ウェルカム」のために書かれたものだ。
今では誰もがカサブランカのテーマソングだと思っている。
それはそれでいいと思う。
何年か前に、六本木の“ボギーズ・バー”という老舗のバーで
弾き語りをしていたが
そこの社長がハンフリー・ボガードの大ファンで
店の内装までカサブランカにでてくる “リックズ・バー”をまねていた。
当然エンディング・テーマはAs time goes by 。
どんなに時が流れても変わらないものがある。
キスはキス。ため息はやはりため息。
恋人がささやく言葉はいつも同じ、“I love you”。
月の光と恋の歌はいつの日も時代遅れにはならない。
女は男を求め、男は友を欲す。
愛と名誉のために戦うのは昔からの変わらぬ物語。
世界はいつだって恋人たちを暖かく迎える。
どんなに時が流れても…。
グラスを傾けながら聴くには最高の歌だと思う。
もしこれを歌うなら、優しく包み込むような気持ちで歌うこと!
とにかくメロディーと歌詞を大切に。
みんなが大好きな曲というのは
間違えるとすぐにバレてしまうから要注意なのである。
女性ヴォーカルではリー・ワイリーがきめ細やかに歌っている。
彼女のアルバム“West of the moon”にはいっているので聴いてみてね。
MY FUNNY VALENTINE
バレンタインデーが近づくとこのリクエストが多くなる。
私の可愛くて滑稽なヴァレンタイン
写真うつりもよくないし
気の利いたことがいえるわけでもない
見てると笑いたくなっちゃうんだけど
あなたは私の気持ちをなごませてくれる。
お願いだから
私のために自分を変えようなんてしないでほしい
そのままで十分
毎日が私にとってはValentine dayなのだから
超Very slowのテンポで歌いたがる人が多いが
そうすると
聞いている側がつらくなるほどとっても長い!
伴奏してくれるミュージシャンも
とってもつらい!
せめてSlowにして少しゆらしてもらおう。
私はそうしている。
歌い方としては、暖かく誠実な感じで歌ってほしい。
そうじゃないと
「変わらなくていいからね」
といいながら非難しているようになってしまう… 。
あるいは
私に優位な気持ちを味わわせてくれてありがとう
みたいな歌になっても困る。
私はこの歌は女性ボーカルよりも男性ボーカルで聞くほうが好き。
サミー・デイヴィス・Jrが高らかに歌い上げていて私はお勧めする。
サラ・ヴォーンはあのサラ独特の節回しが好きな人はいいかもしれないけど…。
他にもチェット・ベイカーとかペリー・コモとかも歌っている。
私はチェット・ベイカーは好きなんだけどちょっとこの曲は重いな、と感じる。
まあ、ほとんど有名な歌手は歌っているので聴き比べて下さい。
―お久しぶりの更新です―
今回からスタンダードの紹介を
私が自分のコンサートで採り上げた曲を中心にお送りしたいと思います。

1998年9月26日(土) 東京の銀座のジャズクラブで行われた
DRAMATIC JAZZ-NIGHT W“I've got the world on a string”(思いのままに)では
16曲のスタンダードナンバーを歌いました。

DRAMATIC JAZZ-NIGHTのオープニングとエンディング・ナンバーはいつも決まっています。

I'VE HEARD THAT SONG BEFORE

ジュール・スタインとサミー・カーンによって作られた曲です。
オープニングではインストゥルメンタルで、エンディングでは歌入りでお送りしています。

あれはいつか聴いた歌
私がよく知っている古いなじみのメロディーだ
聴いていると私のそばに再びあなたがやってくるような気がする。
歌詞だって覚えている
だって本当によく聴いたんだもの
“永遠に”という言葉がでてくるのよ
思い出も永遠だわね
ねえ、もう一回やってちょうだい
あの頃の思い出にひたりたいの

戦後ダンスホールが全盛だった頃
よくこの歌にのってステップを踏まれた方も
多いのではないでしょうか?
内容のわりにはアップテンポで演奏されていたそうです。
私はあえて8beatでスローテンポで歌いだすんですが、後半4beatに変えています。

SKYLARK

ファミレスの名前ではありません(笑)
ホーギー・カーマイケルとジョニー・マーサーの美しいメロディーで

空飛ぶひばりよ、私の心をお前の翼にのせ
いつも夢見るあの美しい谷間に連れていっておくれ
私のことを待っているまだ見ぬ恋人に逢わせておくれ

本当に綺麗な曲なんですよ。
リンダ・ロンシュタットがCDに入れています。

L-O-V-E

ナット・キング・コールでおなじみの明るいラブソング!

愛こそ私があなたに与えるすべてのもの
ゲームのような恋とはちがうの
愛は二人を結びつけるもの

MY MAN

「私の男」というタイトルどおり
恋人はこんな男なのという内容の歌です。
もともとはシャンソンのナンバーだったそうです。

私にとって一番の宝物
それは「彼」
どんなに冷たく寒い夜も、どんなに疲れていても
彼と一緒にいれば何も気にならない
気に入らないことがあると私をひどく打つし
私以外にも女が2,3人いるけど
でも愛しているの
ある日愛想を尽かして彼のもとを去る日が来るかもしれない
でも、おそらくすぐに私は彼のもとに舞い戻ってきて
跪き許しを乞うでしょう
だって私は永遠に彼のものだってわかっているんだもの

悲痛な顔してこの歌を歌う歌手もいるけど
私は幸せそうに歌っているビリー・ホリデイのが一番好きです。

LOVER, COME BACK TO ME

ジャズのスタンダード中のスタンダードナンバー

あの頃、月は明るく輝き私たちの恋も輝いていた
年月がたって月は相変わらずあの頃とおなじに輝いているのに
私たちの恋は古くなりもう輝いていない
夜は冷たく空だけが青い
恋人よ もう一度あの頃に戻って私のところに帰ってきておくれ

原曲はスローで歌われていますが
アップテンポで歌われることが多いですね。
エラもサラもみんな歌っています。

SONG OF THE JET

アントニオ・カルロス・ジョビンの作品で
飛行機嫌いの彼が作った飛行機の歌。
“ジェット機のサンバ”という邦題がついています。

リオデジャネイロが見えてくると私の心は歌いだす
夢にまで見たあの街
今私はそこに降り立とうとしている
禁煙とシートベルト着用のサインが点いた
車輪が滑走路めがけて降りていく
さあ、到着!

THE WAY WE WERE

映画「追憶」のテーマソング。
バーブラ・ストライザンドが歌って大ヒットさせました。
もちろん映画も大ヒット!
私は泣きながら2回も3回も見ました。

心の片隅に残る想い出
お互いに微笑みを交わした日々は遠い
もし全てをもう一度やり直せたらどうなるかしら?
今度は上手くやっていけるかな
それともやっぱりダメかしら?
思い出すのがつらすぎて 忘れることを選んだ二人
思い出すたびそれはまるで喜劇のようね
私たちの人生って

I'VE GOT THE WORLD ON A STRING

今回のテーマソング!
シナトラが生前最も愛したレパートリー。
彼のコンサートではいつもオープニングナンバーだったとか!
“思いのままに”という邦題がついています。

虹に腰かけて思いのままに世界を操るんだ
私が歌えば雨もあがり何て素晴らしいんだろう
自分の人生を思いのままに操れる糸さえなくさなければ
人生は最高さ!
そう、私は人生に恋をしているんだ

MY FAVORITE THINGS
ジュリー・アンドリュース主演で
映画でも大ヒットしたブロードウェイ・ミュージカル
“サウンド・オブ・ミュージック”の中で
ジャズ・ミュージシャンもよく採り上げるナンバー
私はワルツで歌いだして、後半早い4beatに持っていきます。
今回はジャズ・ワルツでやってみました。

薔薇の花びらについた雨の滴
子猫のお髭
磨き上げた銅製のやかん
温かいミトンの手袋
紐できっちり結ばれた小包
それが私のお気に入り
犬に噛みつかれたとき 蜂に刺されたとき 悲しいとき
私のお気に入りのことを思い出すと
悲しみも薄くなる

STAR DUST

スタンダードの中でも一番ファンが多いのがこの曲ではないかしら?
ホーギー・カーマイケルの美しいメロディが
私たちの心を夢の世界に連れていってくれます。

紫色にけむる夕闇のころ
空に小さな星が光り
永遠に心に残る歌を歌いながら
あなたは小道をさまよい歩く
愛は星くずとなり
昔聞いたあの歌も通り過ぎてゆく

これを聞いてシャボン玉ホリデーを思い出す人は
歳がばれますよ(^O^)

JAZZ SAMBA

これもアントニオ・カルロス・ジョビンの作曲。
都会的にサラッと流す場合とホットにキャッキャと(?)やる場合とあります。
今回は私にしては珍しくスキャット入れてやりました。
ドラムのソロも入ってお客様も楽しんでくれたようです。

サンバを踊ろう!ラララ……
ボサノバが町にやってきた
リオの街からジェット機でこの大都会へ

ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET

これもスタンダード・ナンバー中のスタンダード!
やはりアメリカの大不況の時代に作られた歌です。

コートと帽子を手にドアを開けて外へ出よう!
あなたを悩ませている問題は階段のところに置いて
さあ、表通りは太陽がいっぱい
日陰のほうを歩いちゃダメだよ
陽のあたるほうを歩くんだ!

SOMEWHERE

ブロードウェイ・ミュージカル「ウェストサイド・ストーリー」の中の名曲
この世では結ばれることなく死んでしまった恋人トニーに
切なく哀しく歌いかけるマリアの絶唱が観客の涙をそそりました(;O;)

いつか必ず二人のための場所がある
平和で静けさに満ちた開かれた場所が―
いつか時がやってくる
共に生き人生を分かち合える時が―
与えあい許しあうそんな世界がどこかに必ずある
 

バーバラ・ストライザンドが
アルバム“追憶のブロードウェイ”の中で歌っているのが
お薦めです。

IN THE STILL OF THE NIGHT

“夜の静けさに”という邦題のコール・ポーターの作品
ビギンのリズムで軽快に歌われることが多いですが
私は早めの4beatで歌っています。

夜の静けさの中で
窓の外を眺めれば浮かぶあなたの面影
私を愛しているかしら?
私があなたを愛しているのと同じくらい―
溜息とともに我に返ると
冷たい夜の静けさがあるばかり

ANGEL EYES

マット・デニスの名曲ですね。
これは前回のテーマソングでした。
マット・デニスの弾き語りが何と言っても抜群!
チェット・ベイカーもセンチメンタルたっぷりに歌っていますね。

今日のパーティーで僕の隣にいるはずの
天使の瞳のあの子は今ここにいない
彼女にとって僕はもうNO1ではない
さあ、皆さん僕を肴に飲んで食べて楽しくやってください!
僕はちょっと失礼します
彼女の今のNO1はどんな男なのか見に行かなくてはならないので―