Figs.1-2. Hypolycaena sohmai Takanami,1994,♂, holotype (Sohma Coll.)
分布:スラウェシ島中部地方で得られている。
特徴:♂表面は、フィリビン・ミンダナオ島などに産する Hypolycaena hirozui
(Hayashi, 1981) に似た光沢を持つ美しい青色だが、輝きはほとんど紫色を帯びない。また裏面は、同じくスラウェシ島に産する
Hypolycaena umbrata Seki & Takanami, 1988 に似るが、地色は白味が強く、前後翅ともに、中室中央部に他種には見られない橙色条を現す。♀も最近発見された(そのうちお見せします。出し惜しみ)
Figs.3-4. Jamides tsukadai Takanami,1994,♂,holotype (Tsukada Coll.)
分布:スラウェシ島から少数の♂が得られているのみ。現在までに知られる産地は、
Palu の南 Kuwali および Palopo 周辺などスラウェシ島中部に限られている。
特徴:♂表面の幅広い黒縁で一見してそれと判る Jamides だが、同じスラウェシ島中部
Palu 周辺に産する celeno の亜種 kalawarus にいくらか似ており、丸い翅形は同地の
philatus を思わせる。裏面はスラウェシによく見られる斑紋で、亜外縁部の白条間が目立って黒くなり、白条などの斑紋は
snelleni や cyta のものに似ている。特に前翅前縁部の1対の白条は、前翅第9、10室のものに加え第11室内に微かながらも現れる。♂交尾器、
valvae は celeno のそれをさらに細長く引き伸ばしたような形だが、 phallus
には celeno に見られるような末端部腹面の細長い突起 (Chapman 突起)を欠く。♀は今のところ知られていない。
生態:特異な斑紋を持っていながら、これまで発見されずにいたのは、産地が局地的であるということに加え、採集する機会の少ない比較的標高の低いところに産することが理由として考えられる。
Figs.5-6. Jamides halus Takanami,1994,♂,holotype (Tsukada Coll.)
分布:最近スラウェシで発見された種で、中部の Palopo と南西部の Bantimurung
で得られている。
特徴:♂表面はフィリピンの callistus に似るが、淡い空色の色調はやや鈍く、いくらか藤色を帯び、外縁や亜外縁の黒色部はやや発達する。♂裏面の斑紋は同じスラウェシ産の
pseudosias に似るが、地色は全体に黄ばみ、前翅外中央部の白条は中室端の白条と一列につながらない。♂の発香鱗は見当たらない。♀表面も前述3種のものに似るが、前翅黒縁は幅広く、後翅では亜外縁部の白条を除きほとんど黒褐色となる。♂交尾器は
alecto などに似るが、vinculum は強く曲がり、valvae も波状に歪む。

Figs.7-8. Jamides elioti Hirowatari & Cassidy,1994,♂,holotype (NHM)
分布:これまでに知られた産地は、セレベス北部ミナハサ半島のほぼ中央 Dumoga-Bone
国立公園、島中北部 Palu 近くの Palolo 村、中部 Palopo 近くの Puncak など。
特徴:♂の表面はフィリピンの callistus に似て輝きのある明るい空色で、後翅亜外縁には同様の黒斑を現し、やや細長い発香鱗を持つ。裏面はセレベスの
snelleni に似るが、灰褐色の地色はやや明るく、白条は snelleni よりも幅広く、やや乱れている。前翅外中央部の一対の白条は、第6室で内側にずれ、第9、10室にもそれぞれ一対現れる。また亜外縁部の白条間は
snelleni ほど黒くならない。後翅は snelleni と同様、亜外縁部の白条対が「く」の字型に曲がり、その間が目だって黒くなる典型的なセレベス型。また、第2室亜外縁の三日月状の橙色斑をかぶる黒斑は
snelleni に比べ小さい。♂交尾器、valva の側面からの形状は aratus に似るが、内縁部は複雑に変形し一個の大きなトゲを現す。♀は最近やっと発見された。詳細はヒミツ。
変異:知られている3♂のうち1頭はやや矮小型である、という程度以外に述べることはない。
生態:これまでの知見からは、本種は恐らく山地帯の森林に局所的に産するものと思われる。一般に
Jamides はどこにでもいるシジミと思われているフシがあるが、本属の半分以上は森林性のいわゆる珍品である。本種を含め、最近セレベス島では3つも
Jamides の新種が発見されたが、これで同島での本属の種類数はやっとフィリピンとほぼ同数となった。