『オオタカ』
a)工事による影響
直接的な影響
平成13年に繁殖が確認されているが、確認された営巣木は最も近い改変区域から小さな尾根を挟んでいるものの、
一部が営巣中心域の目安である営巣木から200メートル以内にかかっているため、繁殖に影響を与える可能性がある。
間接的な影響
工事による間接的な影響はないと予測される。
b)存在及び供用による影響
(a)直接的な影響
湛水により狩場が一部消失する可能性がある。湛水区域は比較的オオタカの営巣木に近く、狩場としての利用もあると
考えられるが、供用後も周辺の樹林環境内や湛水区域との林縁に小鳥類が生息する可能性が大きいことから大きな影響を
与えることはないと予測される。
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『ホンドカヤネズミ』(群馬県絶滅危惧U類)
確認された8地点のうち2地点がダム提体工事により消失する。生息環境はススキ等が生える高茎草地であり、湛水区域
により上流部の増田川沿いは生息環境が残るものの、すでにホンドカヤネズミの生息が確認されており、こちらへの生息
範囲の移動は競合が起きるため、生息範囲の移動は困難であると予測される。また、湛水区域周辺は、スギ、ヒノキ植林
等の樹林環境が広がっており、高茎草木群落は存在しないため、周辺への移動、分散も困難である。
以上のことから、ダム提体及び湛水区域では生息環境が消失するため、増田川上流部の固体の生息は維持されるものの、
生息環境及び個体群の減少が予測される。
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『ナガレタゴガエル』
確認された5地点のうち1地点が消失するが、後述するが工事による間接的な影響で2地点が影響を受け、存在及び供用
による影響で、1地点が水没により消失するため、5地点中3地点が影響を受けることになり、影響があると予測される。
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(注)
オオタカ学名:Accipiter gentiles
日本名:大鷹
英名:northern goshawk
分布:日本全国に生息。1年を通して見られる留鳥。ユーラシア大陸と北アメリカ大陸の中北部に分布。
大きさ:全長 オス約50cm、メス約57cm。メスのほうが一回り大きい。
特徴:成鳥は背中が暗灰青色。下面は白く、胸に黒色の横斑がある。対して、幼鳥は全身淡黄褐色で成鳥とは異なる種類の
鳥のよう。
生態:平地から低山帯まで幅広く生息。大きな樹木に枝を積み上げて巣をつくる。一腹卵数は2〜3。抱卵期間は35〜38日。
主に小型から中型の鳥獣を捕食する。
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ホンドカヤネズミ
日本で最も小さい哺乳動物のひとつ。河川敷の水辺近くに生えるオギ原やススキ・チガヤ草原に住み、葉を裂いて丸め、球形の
巣を造る。
ホンドカヤネズミ
学 名 Micromys minutus japonicus (Thomas,1906)
科 名 ネズミ科
形 態
世界のネズミの中で最も小型の仲間であり、毛が無い尾は先を物に巻きつけて体を支えることができる特殊な機能もある。
体毛は柔らかく綿状で、腹面は白色。背面は灰褐色だが腰の部分は赤味が強く、頭部はコハク色をしており、吻はきわめて短い。
頭胴長52〜71mm、尾長52〜91mm、耳介長7〜12oであり、イネ科植物の茎や葉に攀じ登ることができる爪・尾、そして超軽量の
体重(7〜14g)が特徴である。
分 布
本州中部以南(北限は茨城県日立市あたり)の本州と隠岐島、四国と九州全域、対馬に分布する。大陸(旧北区)から朝鮮半島に
生息するカヤネズミの亜種であり、対馬産は中間的な形態を有する。
生息状況
通常、低地の草地・水田・畑・休耕地・沼沢地などのイネ科植物が密生し水気のあるところに生息し、その茎を四肢と尾を使い巧
みに昇り降りし、それらの種子を採食している。
初夏のころ、生息域のイネ科植物の葉を細く裂き、鳥の巣を思わせるような球形の巣を造り、その中で丸裸の仔を4〜5頭産む。
繁殖期は、春秋の二型であるが、まれに夏にも繁殖することがある。植物食性ではあるが、バッタ等も与えると食べる。本県では、
標高の高い山域ではあまり見られないが、おそらく餌や巣材となるイネ科植物の分布と関係していると思われる。
減少の原因
宅地の造成やセメント張り、芝生を植えた河川敷公園など、低地の草地やヨシ・アシの生えていた場所が人工的な環境に変わり、
本種に適したイネ科植物の自然が失われてきた。また、残った草地にはセイタカアワダチソウが入り込み乾いた荒地へと変遷し
ている場所が多くなった。
特殊な生態をもつ本種は、適応した環境にのみ生息できる弱い種であるため個体数が減少している。
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ナガレタゴガエル
体長は3〜5cmで、1990年に学会発表された本州産カエルの新種。トノサマガエルなどが属するアカガエル科の仲間。
メスの方が一回りほど大きい。主に山地の川辺や森林の下草内などで生活する。2〜3月ごろの産卵期になると、足ひれが発達、
水中を自由に泳ぎまわる。関東から関西にかけて約20ヶ所で生息が確認されているが、東海3県では三重県美杉村だけ。
(中日新聞解説より)
1997(平成9)年5月28日付中日新聞夕刊には、「ダム予定地で生息確認」の見出しで『岐阜県武儀郡板取村にある、
長良川の源流の一つで、中部電力の川浦ダム建設が予定されている「西ヶ洞」の渓谷で、国内の一部でしか確認されていない珍
しいカエル「ナガレタゴガエル」が生息していることが分かり、板取村加部、会社員長屋泰郎さん(45)が捕獲に成功した。』
さらに、『西ヶ洞は長良川の支流・板取川の源流の一つで、人家から遠く離れた福井県境近くにあり捕獲地点は将来、ダムに
沈む予定地。両生類研究家の松井正文・京大助教授は「このカエルは山地の奥深い渓流で局所的に見つかっているだけの、まれ
な種類。清流にすみ、水質、水温、水深などの環境変化に弱い。もし、ダムができるなどしたら、繁殖は困難になるだろう」と
いう。』と報道しています。
(両生類)
解説[和名]
ナガレタゴガエル
[学名]Rana sakuraii
[目名]無尾目
[科名]アカガエル科
[属名]アカガエル属
[体長]約3.8〜5.6(4.3〜6)cm※()カッコ内はメスです
[生息域]日本固有種
[生息場所]水陸両生
[食性]肉食性
[行動]夜行性
[繁殖形態]卵生
解説
ナガレタゴガエルは1978年に東京都下奥多摩の日原川で発見され,1990年に新種として記載されましたタゴガエルに形態
が似ていますが、頭部がへん平で吻端(ふんたん)がとがり、鼓膜がほとんど痕跡(こんせき)程度か、全く無いのが特徴です、
後ろ足が特に長く、日本固有種のカエルでは最も水かきが発達しています。
ナガレタゴガエルの大きな特徴は繁殖がすべて水中でおこなわれることで、水中における皮膚呼吸を助けるために繁殖の
オスは胴側部と大腿部の皮膚が伸びて波打ったり広がったりします。
水温の低い2〜3月に渓流上流で産卵がおこなわれた後、オタマジャクシは吸盤状の口で岩に吸着して育ちます。奥多摩の
ような人の出入りの多い渓流でも長い間発見されなかったのは、鳴のうが無いので川の流れの外では全く鳴き声が聞こえず、
完全に水中で繁殖するからです。 陸生でありながら、渓流の水中で越冬するものは他には知られていません。
次回、更新に続く・・・