ケニー司令部ジャパンの創設
Kenney HQ Japan
= Detachment 1, 13th Air Force

ケニー司令部ジャパン公然化
横田でハワイのAOCと直結

 2007年1月5日、米空軍第13空軍第1分遣隊(Detachment 1, 13th Air Force)の発足式典が横田基地将校クラブで行われた。第13空軍第1分遣隊とは「ケニー司令部ジャパン」の正式な呼称であり同一組織である。

 この分遣隊発足がケニー司令部ジャパン(KHQJ)の公然化を意味することを報じた日本のメディアは皆無であった。それは第13空軍/KHQの広報準備が不十分であったことにも起因するが、取材した記者も各メディアの編集部も太平洋空軍のドラスティックな変化と関係していることについて知識がなかったのであろう。

 この新たなユニットの任務は、横田の第5空軍スタッフと連携し、ハワイのケニー司令部第613航空宇宙運用センター(613th Air and Space Operations Center=AOC)と航空自衛隊担当者とを調整し、日本および周辺における航空機運用について、計画、調整、実行することとされる。
 新ユニットの創設は米太平洋空軍と航空自衛隊の関係に革命的な変化をもたらすものだが、新聞報道ではその意義については全くと言っていいほど触れていなかった。

 同分遣隊(KHQJ)の指揮官に就任したのは前第5空軍企画運用部長のマイケル・マックウイリアム大佐。分遣隊のメンバー50人も第5航空軍司令部から引き抜かれ第13空軍に移籍される形となった。


ケニーWarfighting司令部   太平洋の航空戦力を統合運用

 
ヒッカム空軍基地(ハワイ)内に05年6月に創設されたケニー司令部は、太平洋戦域の航空戦力の統合運用司令部と位置づけられ、偶発事態の発生時や計画された戦争遂行時に米空軍だけでなく海軍や海兵隊および同盟国(日本も含まれる)の航空戦力を統合運用する指令センターとなる。

 Warfightingという新概念は、空軍改革の構想の中で多用されてきたが、「戦争遂行」とか「戦争実行」といった意味になる。私は「戦争遂行司令部」との訳語を使ってきた。米空軍は、将来的にはグローバルに創設される10個のWarfighting司令部の最初のひとつと位置づけられている。


  ケニー司令部の担当する広大な任務エリア(朝鮮半島は除く)




太平洋空軍HQとケニーHQの役割分担

 太平洋空軍変革で、太平洋空軍司令部と第5空軍などの「ナンバード空軍」司令部の使命は割り当てられたユニットの「即応性の維持・管理」に責任を負うことに徹することとなり、その航空ユニットの「指揮統制権」はケニー司令部、すなわち第13空軍/KHQが行使することとなった。両者は航空ユニットの「即応管理責任」と「指揮統制権」とを役割分担したのだ。



 「ケニー司令部ジャパン」の公然化は、第5空軍に割り当てられていた3つのウイング(航空団)が第13空軍/KHQの指揮統制下に置かれたことを意味する。


  従来からの司令部が「管理」、ケニー司令部が「指揮統制」する 空自をも「運用調整」

第5空軍司令部は形骸化させ第13空軍司令部/KHQが仕切る
第5空軍の名は残すが、活動範囲は拡大しグローバルな運用

@第5空軍副司令官のジョセフ・リヘイザー准将が、第13空軍司令官代理を兼任
A第5空軍司令部直属の第20運用気象中隊は06年春にハワイの第17運用気象中隊に吸収され、ケニー司令部の傘下に入った
B第5空軍司令部直属の第624航空管制隊は、07年1月横田所在のまま第13空軍に所属変えとなった。来年中にケニー司令部ジャパンに編入される計画という。

 ケニー司令部ジャパンの公然化とともに、
「第5空軍は、航空自衛隊との重要な関係を継続し『米空軍の顔』であり続ける。第5空軍と第13空軍の間の強化された関係によって、日本での新たなたな米空軍機能が追加される」とブルースライト中将は語っている。
 また、リヘイザー准将は「第5空軍任務は遠く太平洋-アジア地域を越えて、私達のエアマンは世界中で任務を遂行します」とも語り、在日の米空軍戦力がこれまで以上に活動範囲を広げてゆくことを意思表示している。

 この一連の言動の読み方を変えると、これまで形骸化させてきた第5空軍は日本への窓口として残すが、在日の米空軍航空戦力は第13航空軍/KHQによって第5航空軍の枠を超えて運用されるということになる。
 2年前に、第13空軍と第5空軍の司令部を統合しグアムの持っていくという太平洋空軍ヘスター大将の構想が報じられたが、第5空軍司令部は当時からリストラ対象となっており、横田、三沢、嘉手納は確実に第13空軍/KHQの基地へと組み込まれてきている。



ケニー司令部発足からの主な活動

05.6.1   KHQP)設立   on Hickam

05.9    マーシャル諸島医療支援実働

05.10.1  KHQ本格稼動

05.11.16  PAOC再開

06.2    フィリピン地すべり災害救援実働

06.3    米海軍演習

06.5.15~26 コブラゴールド演習(タイ)

06.6.2   KHQ新庁舎供用開始

06.6.19~23 Valiant Shield 演習
      about 30 ships, 280 aircraft, and 22,000 Airmen, Sailors, Soldiers and Marines

06.Summer 米海軍RIMPAC演習

07.1.5   KHQJ公然化(横田)

07.2.2   キーンエッジ演習(空自)






 同分遣隊の活動開始式典(Activation Ceremony)は07年1月5日、横田の将校クラブで行われ、第13空軍司令官チップ・アッターバック中将からマックウイリアム大佐に分遣隊のユニット旗が授与された。
 ケニー司令部ジャパンの役割・機能は、今後数年かけて充実されてゆくものと思われる。

 太平洋空軍の管轄エリアのWarfighting司令部としてヒッカム空軍基地内に創設されたケニー司令部KHQ)の在日組織「ケニー司令部ジャパン」が公然化され、日本と周辺に駐留する米航空戦力の運用陣形が刷新された。

 KHQJのエンブレム