ビバリーモーニング演習

 ここでは、基地内で行われている総合演習「ビバリーモーニング」を紹介する

Beverly Morning Exercise

 第374空輸航空団は、基地内での数日間昼夜にわたる大規模な総合演習「ビバリーモーニングyy‐tt」を年数回行い、緊急事態に対する即応能力を高めている。その概要を覗いてみよう。

 演習名の「ビバリーモーニング」は、同基地で伝統的に使われている演習の名称で、yyは演習の行われる米軍会計年度(前年の10月から9月まで)を示し、ttは年度内の何回目の演習であるかを示す。

 BC兵器対応の最高段階コスチューム(MOPP4)で司令部前を警備する兵士。装着すると暑く息苦しいため長時間の装着はつらいという。

同基地独自の演習としては最も規模の大きかったのは2002年6月の「ビバリーモーニング02‐07」演習。「02‐07」は、2002年会計年度内の7回目の演習であることを表す。同空輸団と直接関係する組織の軍人、軍属など約5000人が演習に参加した。
 この時の演習は、航空機、ロケット、地上戦力など様々な形態での基地への攻撃に対して、即応能力を試すもの。監査官(Inspector General)がその全てを評価した。

攻撃を受け発生した事故で負傷者。救出救護の訓練

 演習の開始時間やシナリオは、参加する兵士には事前に知らされない。情報提供される様々な事態に次々に対処することが課せられる。正に予告なしに戦闘状態に突入する演習に動員される将兵には、刻々と変化する事態に即応することが命じられた。

 
コマンドポスト(指揮所)の置かれる航空団司令部ビルでは、駐車場にバリケードが築かれ、玄関前と屋上には生物化学攻撃に対応する防御コスチュームなどで身を固めた兵隊が半自動小銃M‐16を構えて警備にあたった。演習参加の全ての建物の出入り口は1カ所に限定され、それ以外のドアは全て閉鎖される。通行可能なドアでは、1人ずつ厳しいIDチェックが行われた。

テロ攻撃などに対する警戒態勢を表すFPコンディション(Force Protect Condition)は、徐々に上がり最高位のD(デルタ)段階となった。


夜には、ロケットによる「ナイトアタック」を想定した演習が行われた。グランド・バースト・シミュレータ(地上爆発模擬装置)が使われ、大きな音響と閃光が数回発せられた。

 演習中の情報を交換する監察官(左)と演習司令官

航空機は、C‐130輸送機とUH‐1Nヘリコプターが人員などの輸送に使われ、一部のシナリオでは、空砲による銃撃も行われたが、銃声は200bほどしか届かない程度で基地外には影響を与えていないという。また、コンピュータ・ウイルスによるサイバー攻撃を想定して、通信の制限も行われた。このほかにも様々な想定で演習が行われたが、その全体は公表されていない。

この時の演習では、基地住民の市民生活への影響は少なく、学校の休校や道路封鎖はなかったというが、道路の迂回などの規制は行われた。

 演習終了も予告がなく、課題を終えた段階で終了する。昼夜にわたる過酷な演習は、同基地が平和維持と戦争遂行の重要な拠点であることを示す。

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