2006年7月18日
電動アシストバカ1台
- 序章
通勤用に使っていた廉価版MTBが壊れてしまったので、新兵器として電動アシスト自転車を新しく購入することにした。
当然、変わったシステムを好む私は、両輪駆動の「エナクル」を選んだわけである。

写真1、2 新兵器「エナクル」と充電器
- 解析:エナクル大地に立たず
通信販売で電動アシスト自転車の「エナクル(CY-SN263DB)」を買った。走る前に電気的な解析をやっておきたいと思ったので、むりやり部屋に持ち込んだ。梱包を外すのに2時間かかったが、なんとかなるものだ。
とりあえず見えるところから仕様を解析してみた。
写真3 後輪の内装変速機はシマノのINTER-3だった
後輪の内装変速機は、シマノのINTER-3のようで、これは普通のママチャリに使われている普通の変速機である。

写真4、5 前輪のハブモーターはけっこうでかい。
カタログ用の写真ではこの部分が写っているものが無かったので、どんな風にモーターに給電しているのかは結構気になっていた。ちょっと大き目のカバーを外すと、内部にコネクタが入っていた。ここにコネクタがあるので、モーターの交換は簡単にできそうである。(部品が手に入ればな)
コネクタは太い3ピンが1個と細い5ピンが1個だった。太い3ピンが3相交流で、細い5ピンはローター位置センサ信号3本とローター位置センサ電源2本ではなかろうか。自転車が壊れた時にはこのモーターを単体で動かしてみたいものだ。
写真6 モーターのコネクタカバー
このカバーは2本のネジでフレームに固定されている。ネジはM4×20のなべ小ネジ(ユニクロメッキ)なので、これをSUSのネジに交換するとちょっとだけグレードアップできるかもしれん。また、それは置いといて、このカバーは内側に爪があるので、両側に広げるように外すと爪を折らずに外せるはずだ。(私は力技でやって爪を折ってしまった)

写真7、8 電池の端子
電池の端子は4ピンである。普通に考えれば+と−の2ピンでよさそうなものだが、温度センサとか保護回路とかいろいろ入っているのだろう。これもそのうち解析したい。

写真9、10 電池の外観
電池パック。持ってみるとけっこうズッシリきます。外装は5箇所でネジ止めされているので、これを外せばあっさり分解できそうな構造だが、それは今回はやらない。電池のサイクル寿命が切れたら、セルの入れ替えぐらいはやってみたい。とはいえ、電池のサンヨーが作っているものだから、秋月電子で売っている蓄電池とかに入れ替えたらかなりグレードダウンしそうな気がする。

写真11、12 主回路とそのカバー

写真13、14 主回路とフレームの取り付け部
主回路は電池の下に配置されている。カバーは2本のネジで固定されている。ネジはM4×10のトラス小ネジ(ユニクロメッキ)なので、これをSUSに・・・(以下略)。
基板はしっかりとポッティングされている。基板のケースの深さと、樹脂の底に見える基板の位置より考えて、内部は2階立て、3階立てになっているのかもしれない。樹脂は柔らかいのでほじくることができそうだが、それは今回はやらない。各種ケーブルがコネクタで接続されており、ケースも自転車のフレームにネジ止めされているだけなので、交換は簡単にできそうである。
24インチ仕様のエナクルの主回路と取り替えれば、スピードリミッターを緩めることができるかもしれない。補修部品としてどこかで注文できないかな。

写真15、16 操作部
写真17 回生ブレーキ用のセンサ
ハンドルの左側に操作部がついており、後輪用のブレーキレバーには回生ブレーキ用のセンサがついている。後輪ブレーキを遊びの範囲でかけると回生ブレーキが働いて充電できるという仕掛けである。

写真18、19 操作部内部
操作部の内部にはコネクタは無く、電線全部はんだ付けされている。ブレーキレバーについているスイッチの電線も、基板に直接はんだ付けされていた。どこまで同じ工程で組み立てているのかちょっと気になる。まさかプリント基板とブレーキレバーを同じ工程で組み立てたりはしないだろう。
もしかしたら操作部の基板にスピードリミッター設定用のジャンパパターンなんかないかなと思っていたが無かった。
基板は裏側だけ樹脂のようなものが塗ってあった。操作部のケースは特に防水用の構造にはなっていなかったので、雨の中に放置したらまずここが壊れるんじゃないだろうか。
操作部と主回路とは赤・緑・黒の3本の電線で繋がっており、基板上の緑色の電線のところにシルクで「SERIAL IN/OUT」と書いてあったので、主回路との連携はシリアル通信でやっているらしい。また、赤い線の部分には「+24V」と書いてあるので、ここには電池からの電圧が直接来ていると思われる。
そして、基板上にもう1個LEDがつくようなパターンがあった。おそらく、前照灯のON/OFFを示すLEDをつけようとしたのではなかろうか。機能するかどうか今度機会があれば試してみたい。
写真20 トルクセンサ内蔵スプロケット
チェーンのカバーを外して、クランク側のスプロケットも見てみた。トルクセンサとスプロケットが一体化しているようなので、クランク側のスプロケットは交換できないと考えたほうが良さそうだ。
歯数を数えてみると、36Tだった。もうちょっと大きくてもいいような気がするが、これにもいろいろ都合があるのだろう。
メーカーのホームページ等で開示してある仕様はこの際無視して、買ってみないとわからないような項目だけまとめた。
表1、エナクルの隠れた仕様まとめ
| 項目 | 仕様 | 備考 |
| タイヤ | 26X 1 3/8 | これはカタログとかにも書いてあったか? |
| サドル支柱 | T3.0φ26.6 | 厚さと外径かな? |
| 内装変速機 | Inter3 SG-3R40 | そう書いてある |
| 後輪ブレーキ | InterM BR0-IM31R | そう書いてある |
| クランクスプロケット歯数 | 36T | 歯数を数えた |
| 後輪スプロケット歯数 | 18T | そう書いてある |
室内で前輪を浮かせてモーターを回してみようとしたが、うまく回らなかった。どうやらペダルを踏んだら普通に回るような制御ではないらしい。
どのように回るのか確認したかったので、予定を前倒しにして実際に走ってみることにした。
- 走行:電動アシスト通勤
解析のためだけに休日に自転車で走り回れるほどパワフルではないので、自転車通勤のついでに性能の解析をする。スピードメーターもエナクルと一緒に買ったので、自分の自転車の巡航速度がどの程度のものかをバッテリの状態と共に記録してみた。メーターの扱いになれてなかったので記録が途中からになってしまったが気にしない。
記録条件
- メーター機種は「CATEYE MITY8」というものを使う
- 通勤ルートはいつも同じ道を走る(往復約20km)
- 平均速度と最高速度は往復でのデータとする。(往路と復路は分けてない)
- 復路は走行中ライトを点灯する。(夜だし)
- アシストモードは「パワフルモード」を常用する。
- 変速機は「3速(一番重い)」を常用する。
平均速度についてだが、メーターの計測モードを自動にしてあるので、信号待ちなどで止まっていると記録をしていないことがある。そのため、本来の平均速度とはちょっと違った値になっているかもしれないが、条件が揃っているのでそのへんは気にしないことにした。
表1、現在の戦果
| 出撃回数 | 日付 | 平均速度 | 最高速度 | 天候(往/復) | 帰還時積算距離 | 帰還時電池状態 | 備考 |
| 1回目 | 7月2日 | - | - | 晴れ | - | - | 試運転 |
| 2回目 | 7月3日 | - | - | - | - | - | 通勤 |
| 3回目 | 7月4日 | - | - | 曇り/雨 | 38.6km | LED1個点灯 | 通勤 |
| 4回目 | 7月5日 | - | - | 曇り/曇り(向風) | 57.4km | 電池切れ | 通勤(帰りにちょっと寄り道) |
| 5回目 | 7月6日 | 18.7km/h | 27.8km/h | 雨/晴れ | 75.6km | LED1個点灯 | 通勤 |
| 6回目 | 7月7日 | 19.1km/h | 27.0km/h | 雨/曇り | 93.6km | LED1個点灯 | 通勤 |
| 7回目 | 7月10日 | 18.7km/h | 27.2km/h | 曇り/曇り | 111.7km | LED1個点灯 | 通勤 |
| 8回目 | 7月11日 | 18.8km/h | 27.8km/h | 晴れ/晴れ | 130.0km | LED1個点灯 | 通勤 |
| 9回目 | 7月12日 | 19.8km/h | 34.0km/h | 曇り/曇り | 147.9km | LED1個点灯 | 通勤(帰りにがんばってみた) |
| 10回目 | 7月13日 | 18.7km/h | 29.2km/h | 曇り/晴れ | 165.8km | LED1個点灯 | 通勤 |
電池は1往復分しかもたないので毎日充電している。リフレッシュ充電はしてないので、そのうちメモリ効果が出てくるかもしれない。できればメモリ効果をリフレッシュ充電で回復できるかも確かめてみたい。
また、走ってみて分かったことだが、エナクルの電動アシストはペダルにかかる力の微分値でアシストのパワーを求めているようだ。だから、ペダルを一気に踏み込むのではなくじわしわと力を増やしていくような踏み方の方がたくさんアシストをしてくれるような気がする。
そのへんは練習して慣れるしかないが、ある意味バイクや自動車よりも面白い乗り物である。
いろいろな技を発掘しているのでその一例を<表2>にまとめてみた。
表2、エナクル必殺技一覧
| 技名 | 効果 | やりかた | 備考 |
| エナクルダッシュ | 信号待ちから急発進 | パワフルモードでギヤ3速で発進 | 横断歩道渡りきる前に20km/hに到達できる |
| エナクルチャージ | ちょっとだけ充電 | 止まる前に後輪ブレーキを遊びの範囲でかける | ほとんど足しにならない |
| エナクル徐行 | 歩行者を追い越すときは徐行する | 普通に減速する | 加速が楽なので気遣いのゆとりができるのだ |
| エナクルライト | 夜走る時はライトをつける | 手元スイッチでライトを操作できる | ちょっと暗いのだ |
| エナクルブレーキ | やっぱり急には止まれない | 急ブレーキをする | 後輪がよく滑るのだ |
| エナクル軽量化 | 普通のママチャリとして使える | 電池を外す | 重いだけでなく、ライトがつかないのだ |
- まとめ:最後だけでもまともなことを
原油価格が高騰し、 日経平均株価がゼロ金利政策の解除の影響で下落している今日この頃。自転車はガソリン不要でエコロジーな通勤手段である。そして、唯一の欠点であるパワー不足(つまりしんどい)を解決してくれる「電動アシスト自転車」は通勤距離10km程度の範囲でなら理想的な通勤手段である。しかも少しだけ健康的である。
これで冷蔵庫に トマトジュースでも常備してあれば、さらに健康的なのだがそれは後で買いに行くことにする。
「狭い日本そんなに急いでどこに行く」という言い回しがあるが、実際問題あんまりスピードなんていらないのである。早起きしてゆっくり行けばいいじゃないですか。
- 次号予告:歩道最速「我ニ追イツク敵機ナシ」
写真20 部品
電動アシストにより抜群の加速性能は手に入れた。あとは最高速度を上げれば我ニ追イツク敵機ナシ!
宿敵ロードレーサーより歩道最速の座を奪おうとエナクルの後輪に魔の手が伸びる!
浜田的日常
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