★元市民課職員の危ない話★
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専門用語の基礎知識
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これを読めば専門用語なんてこわくない!

移 記

 意外でした。この「移記」・・・・。

 私が持っている国語辞典に載ってませんでしたし、ネットの大辞林第二版にも該当するものが見当たりませんでした。この言葉そのものは戸籍用語とは思われませんし、そんなに特殊な言葉ではないと思っていたのです。

 そう感じるということは、私はもう立派な戸籍人間?(やったぁ!)

「日記」が、日々の出来事や感想を記した記録なら、
「移記」は、移して記した記録です。

 言葉の意味としてはすご〜く簡単です。「移して記録する」ということです。

 でも、ATOKでも変換されないということはやっぱり一般的ではありませんね。変換されない言葉のなんと多いことか。
  

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戸籍のとある解説本を読んでいたら、こんな文章が載ってました。

最近、一般の人から「新戸籍を編製した後従前の戸籍に記載されている事項で、移記すべき事項とされていない事項を移記してほしい」等の要望がありました。

 「一般の人」といってもいろいろな人がいますから、このような要望があったのもうなずけます。ただこの要望をした一般のはかなり戸籍に詳しかったようですね。私が思うに、一般の人の中には、この文章を読んでも要望の内容を理解できない人も多いのではないでしょうか。

はいっ、それでは、「一般の人」にもわかるように解説します。

まず、「新戸籍を編製」とは------

 一番ポピュラーなものとしては婚姻(当然、婚姻だけではありませんぞ)のとき、婚姻する2人が初婚で、親の戸籍に入っていたのなら、婚姻することによって、それぞれ親の戸籍から抜けて2人だけで新しい戸籍を作ることになります。この新しい戸籍を作ることを「新戸籍を編製する」といいます。
 他にも、離婚した妻が、元の戸籍に戻らずに、1人で新しい戸籍を作った場合も「新戸籍編製」です。この他にも「新戸籍を編製」するケースはいろいろあります。

「従前の戸籍」とは------

 新戸籍を編製するその前の戸籍だから、婚姻の場合は、夫、妻、それぞれの親の戸籍です。
 離婚で、夫婦の戸籍から抜けた場合なら、「従前の戸籍」とは、婚姻していた時の戸籍ということです。

「移記」は、前述のとおり、

 新戸籍には、「名」「生年月日」「父母の氏名」など、従前戸籍に記載されていた事項が移記されるわけです。出生事項(いつ何処で生まれてだれが届け出たのか)も必ず移記されます。

「移記すべき事項とされていない事項」これはすごい。拍手!

 この要望をした人は、移記すべき事項と移記しなくてよい事項を把握しています。るべし一般人。(というより、もう一般の人とは言えないと思う)

 そうです。移記すべき事項は法律で定められているのです。
その法律の条文は次ぎのとおりです。

戸籍法施行規則第39条【重要な身分事項の移記

 新戸籍を編製され、又は他の戸籍に入る者については、次の各号に掲げる事項で従前の戸籍に記載したものは、新戸籍又は他の戸籍にこれを記載しなければならない。
1. 出生に関する事項
2. 嫡出でない子について、認知に関する事項
3. 養子について、現に養親子関係の継続するその養子縁組に関する事項
4. 夫婦について、現に婚姻関係の継続するその婚姻に関する事項及び配偶者の国籍に関する事項
5. 現に無能力者である者についての親権、後見又は保佐に関する事項
6. 推定相続人の廃除に関する事項でその取消しのないもの
7. 日本の国籍の選択の宣言又は外国の国籍の喪失に関する事項
8. 名の変更に関する事項

2 前項の規定は、縁組又は婚姻の無効その他の事項によつて戸籍の記載を回復すべき場合にこれを準用する。
  

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 この「移記すべき事項」を「移記事項」といいます。
上記の8項目以外の身分事項は「移記しなくてよい事項」ということになります。

 転籍で、新本籍地に作られる戸籍にも上記の8項目以外の身分事項は記載されません。

 そうです。この8項目の中に「離婚に関する事項」という項目がありません。

 「離婚したことがある人でも、転籍すれば戸籍から離婚事項が消える」というのは本当のことなんです。新戸籍に離婚事項は移記されないのですから。でも、従前の戸籍にはそのまま離婚事項の記載が残っています。あくまでも新戸籍には記載されないということです。

 そして、転籍前にすでに除籍になっている人のすべての事項は転籍後の戸籍には記載されません。

 たとえば、夫と妻の2人だけの戸籍があったとして、その夫婦が離婚すると筆頭者の夫はそのまま(いつ誰と離婚したのかは記載されますが)ですが、妻は名前のところに大きく×印がついてその戸籍から抜けます(元の戸籍にもどるか、1人で新しい戸籍をつくるかのどちらかです)。間違いなく抜けているのですが、×印がついたその記載は残っているわけです。
 その後、夫だった人が他の市区町村に転籍すると、そこに作られる戸籍には離婚のこともまったく記載されないばかりでなく、すでに除籍になって×印がついていた妻だった人の欄はすべてなくなり、完全に1人だけの戸籍になるわけです。

  

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 ここで、離婚したことを隠したい、戸籍に記載されたくない、というそんなあなたにアドバイス!

 次に質問のお手本を示します。

 『離婚事項は移記事項ではないと聞いたのですが、転籍すれば、従前戸籍に記載されていた離婚事項は本当に移記されないのですか?』

 上のセリフを暗記して、役所の窓口で言ってみましょう。ポイントは、上役が部下に話すような感じで少し偉そうに威厳を持って、しかし、丁寧な口調で、余裕ある態度を崩さずに。という感じです。よどみなく一気に言い切ると効果的です。家で充分、リハーサルをしてみてください。 あなたを見る職員の目が変わるのが確認できると思います。「ムムム、こやつ、できる・・・」で、職員は、「はい。移記されません」という内容のことを答えるはずです。

そこで、あなたは、

『やはり、そうですか。安心しました。それでは、転籍届の届出用紙を1枚ください。』

 すでに転籍届の届出用紙を持っていたとしても、せっかくですから上のセリフ通り、もう1枚もらっちゃいましょう。予備としても使えますし。

 また、職員が、従前戸籍に記載されている離婚事項は消えずに残ったままで、さかのぼれば離婚した事実はわかりますよ、みたいな内容を説明してきたら、

『ありがとうございます。生きているうちに除籍謄本を必要とする手続は希なことですから、現在戸籍に移記されなければそれで充分です。』

と、余裕で説明してくれたお礼をいいます。この時に、「さかのぼればわかるなんてことは当然知ってるよ」と言いたいところなのですが、それを口に出してはいけません。職員が説明しているその時に、納得の笑顔でそれにうなずくことによって、態度で示すのです。態度で「それはすでに知っている」というそぶりをみせておいて、上のセリフです。完璧・・・・。

検討を祈ります・・・。

  

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