★元市民課職員の危ない話★
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1人でも仙人流「市民課職員の接遇」
----- その4 -----


●言葉遣い偏〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 

 相手によって、説明の仕方を変えなければうまくいかないことがあります。こちらは、いつもと同じように説明しているのに相手はわかってくれないとか、同じように説明しているつもりでも、お客さんが怒り出してしまったとか、あるいは泣き出してしまったとか。これは、説明の仕方を変えるというよりも、「言葉遣い」「話し方」を考えるということかもしれません。
 ほんの一瞬で、相手の性格、置かれている立場などをキャッチして、それに合わせた話し方ができればベストです。実際にこれを完璧にこなすことは不可能です。超能力者でもない限り無理なことです。でも、できるだけそうするように努めなければなりません。

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 たとえば、農家のおじさんが、元気良く(話好き、気さくな感じで)窓口に来たような場合、そのおじさんはまったく知らない人で、しかもこちらより年上なのに、こちらが「ため口」、たとえば「うん、そうかー」「いや、それは違うんだよ」という話し方をした方がスムーズにいくこともあるのです。はじめから仲間意識が出来上がっている状態です。そして、親しみの持てる言葉遣いがさらに仲間意識をより強く持たせます。「はい、さようでございますか」とか「いいえ、それは違っております」というような言葉使いでは、このおじさん、次からは役所に行きずらくなるかもしれません。
 このように相手が親近感を持っている場合は、こちらも親近感をもって接することができるのです。

 ただ、これは、注意が必要です。いつでも通用する技ではありません。少し前、こういうことがありました。
 この技が通用しそうなお客様が来た時に、(私だったら、この技を使ってしまうだろうと思うような)その時応対した女性職員が、とても丁寧に応対したのです。最後も「お疲れさまでした!」と明るい声で、深々としっかりお辞儀をして。その時に、そのおじさん、
「随分、丁寧なんだなぁー、いや、こんなに丁寧なのはじめてだよ」とビックリしていたのです。それに対してこちらの女性職員も、笑顔で答えていたのですが、そう言ったおじさんも笑顔だったのです。丁寧に応対してもらってうれしかったようです。期待していなかったでなおのことそう感じたようでした。少なくとも、私がこの技を使って親しみをもって応対するよりも、その女性職員の応対の方が数倍心地よく感じたことでしょう。
 技が通用しないということではないのですが、技なんか使わなくてもすばらしい接遇はできるんだという例です。

 臨機応変にその人に合わせて応対しなくてはならないと常々思っていたのですが、いろいろな技を使うことよりも、やっぱり基本は「丁寧に」なんだなぁと、との時実感しました。たくさんの種類の変化球を投げられる投手でも、その変化球を生かすも殺すも直球次第というのと似ている気がします。
 どんな人に対しても、まず「丁寧に」という基本を忘れてはいけないと、あらためて感じさせられました。

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 さて、今まで、相手に合わせて話し方を変えなければいけない。でも基本は「丁寧に」だよ。というお話をしてきました。さて、それでは「丁寧な話し方」とは具体的にどういう話し方でしょうか。これに関しては、私、はっきりと言えるだけの知識がありません。敬語に関する知識もとくにありませんし、接遇に関してどこかで修行を積んできたわけでもありません(しいて言えば、接遇の研修を受けたことがあるという程度)。もしかしたら、私が毎日仕事中使っていた言葉でも、文法的に誤りのものがあったかもしれません。

 ひとつ言えることは、「丁寧に接しよう」という「心」が大切、ということです。これが一番重要だと思います。どんなに敬語が正しく話せても「丁寧に接しよう」という「心」がなければ、相手に丁寧さは伝わらないと思います。
 たとえば、ファーストフードやレストランの店員がマニュアル通りに正しい言葉で喋っているにもかかわらず、それが形だけで、ものすごく無愛想なので、逆にこちらが不愉快になるという経験をした人は多いと思います。その店員、マニュアル通りなので言葉遣いに誤りはありません。このように「丁寧な言葉遣い」「正しい敬語」を使用しても、必ずしも丁寧になるとはかぎらないのです。その店員には、「丁寧にお客様をもてなそう」という気持ちが欠けているのでしょう。やはり、「心」が大切だということです。丁寧にという「心」があれば、言葉は後からついてきます。間違った敬語を使ったとしても、それほど人を不愉快にさせることはないでしょう。
 お客様からの質問に答える時などは別として、何の問題もなく住民票を交付する時などは、お客様と接するのは、ほんの数秒(10秒もない)です。その、とんでもなく短い時間に、その「心」を伝えるように接すればよいのです。
 あっ、接していない時間はダラダラやっていていいということではありませんよ。服装と同じように、態度もお客様にメッセージを発しているのですから。

 

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